初投稿:2023.11.28
こんにちは!
この記事は、FIXER【5129】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・厚労省の「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム」を実現する技術力
・将来性は確信しつつも足元の株価は・・・
【目次】
【株主総会の会場 シーバンスS館(右手)】
1 FIXERについて
⑴ 会社概要
情報サービス企業でクラウドネイティブカンパニー。
四季報では基幹システムのクラウド構築、クライド移行と保守運用サービス展開、とあります。
売上高110億円、総資産71億円、時価総額164億円の事業規模。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは2.88倍。
株価下落が続いているにも関わらず未だ高い評価を得ていると思います。
企業理念
⚫️Mission
「FIX(=成就)」というメッセージに共感しました。
サービス
情報サービス業ですが、細部は下記の通り展開しています。
・アジュール
・リセール
・SaaS
⑵ 株主になったきっかけ
マイクロソフトが太鼓判を押す技術力とコロナ禍で社会貢献した実績で注目していました。
成長企業なので株価の乱高下は覚悟していましたが、予想通り乱高下(どちらかといえば下落トレンド)しています。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:37%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):19%
高収益な優良株と言えそうです。
ただし、業績そのものは減収減益。
前の期の厚労省によるコロナ禍関連の収益(コロナ5類に伴い42億円の減益)がいかに大きかったかを物語っています。
逆に考えれば、そのような特需がなくても”ふつう”に成長著しい企業であるとも言えます。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):450%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):80%
短期的にも中・長期的にも問題ありません。
むしろ、キャッシュリッチな会社であり今後の投資の成否が気になります。
効率性
・有形固定資産回転率:39.96
一般的なIT企業と同水準だと考えます。
オフィスやシステムへの設備投資もしているので、比較的効率的な経営ができているのではないかと推察します。
【会場内のスクリーン】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第14回定時株主総会2023年11月22日(水)シーバンスS館
30名ぐらいの株主が集っていました。
午後1時30分からの総会ということで株主の参加しやすさへの配慮に好感を持ちました。
会場の1階大ホールには木材を多用した”学校の体育館のような癒し”が感じられ、AIを駆使するハイテク企業とは対照的な印象を持ちました。
主な質疑応答
【ネット】
Q.IR活動について
A.機関投資家を通じて160人と面談。
今後は、個人投資家へのIRも頑張る。
【会場】
Q.株価下落について
A.忸怩たる思いである。
主要顧客との契約締結について上手に説明できなっかったことも一因。
Q.自社株買いについて
A.成長投資を優先させるため考えていない。
Q.厚労省の契約(随意契約、一般競争入札)についてのIRについて
A.契約締結後、速やかに開示していく。
Q.役員のネームプレートの小ささについて
A.改善する。
Q.招集通知の薄さについて
A.厚い招集通知をもらいやすくなるようオペレーションを検討する。
Q.暑い招集通知を請求しようとすると金融機関からやな顔をされる(?)
A.改善を検討する。
Q.オープンAI社のサムアルトマン氏の解任と復帰について
A.オープンAI社内で、サムアルトマン氏を中心とする生成AIを推進するグループと抑制するグループ間に対立が生じて本事案に至ったことは承知している。
当社の生成AI事業に対しては問題は生じていない。
なお、周りからは”よかったね”と言われている。
Q.”全人類に寄与する”という姿勢に共感した
A.ありがとうございます。
Q.GaiXer(ガイザー:FIXERの生成型AIサービス)について
A.自治体においける文書作成機能として寄与(収益化も含め)している。
Q.社長の株式の保有比率について
A.場合によっては下げることも検討する。
Q.新卒社員について
A.83名についてはまず、生成AIのトレーニングを積ませてから現場に配置している。
その結果、生産性や利益率の向上に繋がっていると考える。
Q.大型案件の受注について
これまでやってきたことと、”部品”に対して生成AIを通じて新規に取り組んだ案件に大別できる。
四半期毎の決算に契約締結がマッチせず思い通りのIRができなかった。
Q.営業活動について
A.これまではPMが兼務することもあったが、今は専任者で対応している。
Q.地方自治体の生成AI事業の有償/無償の割合について
A.現在は半々だが、来年からは有償の割合が増えると予想する。
Q.今後の業績の見通しについて
A.クラウド事業については順調。
生成AIをプロセスにどのように組み込みながら生産性や利益率の向上を図っていくかがポイントとなる。
Q.1号議案(バーチャルオンリー総会)とハイブリッド総会について
A.パンデミックが発生した時の対応ということで議案を上程させていただいた。
Q.前期は厚労省関連の事業の減収が響いたが今後の展開は?
A.厚労省関連の事業については大きな資産と捉えている。
さまざまな”部品”として発展させていくことを考えており、適時、情報開示していく。
Q.持株会について
A.存在する、社員は10%のディスカウントで当社株を購入することができる。
Q.株価下落は社長の株が貸し株として出回っているからではないか?
A.(CFOより)社長の株は質権設定がなされているが、信託銀行からは出ていないので、社長の株が貸し株として出回ることはない。
(社長より)株価低迷は成長業として期待されていた当社が投資家から失望を買ったためと認識。
ガイザーをきっかけに、ユーザーのニーズに応えるサービスを提供できるシステムを作っていくとともに、投資家の期待に添える発表を頑張りたい。
Q.キャッシュフローについて
A.48億円ある。
【ネット】
Q.法律で薄い招集通で良いようになっている。
一部の投資家の発言に左右されないように頑張ってほしい。
A.検討する。
【会場】
Q.社長以外で貸し株を提供することは可能なのか?
A.100万株程度なら可能ではないかと推察する。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役4名選任の件
拍手を持って承認・可決されました。
株主総会雑感
若い株主、恒例の株主、株価を重視する株主、会社の価値(将来性)を信じる株主など、さまざまな意見を聞くことができました。
株主として投資家として学ぶことが多かったと思います。
・会社は投資家の期待値をコントロールすることにもっと注力すべき
・株主は機関投資家の売り仕掛けに合わない成長企業はないことをもっと認識すべき
と感じました。
今後は個人投資家へのIRにも努めるとのこと。
バーチャルオンリー総会も可能になりましたが、次回も、株主が参加しやすく(オンライン、午後開催)、さまざまな意見が飛び交う開かれた株主総会を期待します。
⑵ 株主還元
配当
なし
株主優待
なし
自社株買い
なし
【建物の入り口】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
基本的にBto B事業なので個人的な親しみは感じにくいと思います。
それでも
・高い技術力(マイクロソフト認定)
・時流に乗った事業領域(クラウド、生成AI)
・社会貢献(コロナ禍での厚労省関連事業の全う)
などに魅力を感じています。
⑵ 気になったこと
質疑応答に際しての社長の回答には誠実さを感じました。
ただし、もう少しだけ分かりやすく丁寧に説明するよう心がけた方が良いように感じました。
IRについては社長自身も苦労されてきたご様子。
普段からのステークホルダとの質の高いコミュニケーションの蓄積が良きIR、ひいては高いPER(会社の評価)を通じた株高に通じると思います。
【1階の様子】
4 まとめ
FIXERについて述べてきました。
将来性が楽しみな会社なのでずっと付き合っていく予定です。
ただし、株価は低迷しており当面は厳しい状況が続く覚悟も必要だと思います。
当社の業績、IR、株価をしっかりと見極めることにより、成長企業への投資の知見が高まると考えています。
そのような長い時間軸を持って今後もモニターし続けていく予定です。
お読みいただき、ありがとうございました。
なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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