投稿日:2022.8.25
こんにちは!
この記事は、日本国土開発【1887】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・戦後の国土を復興させるために創業、ゼネコン初の再上場
・「健康経営銘柄」に2年連続で選出
【目次】
【株主総会の会場 本社】
1 日本国土開発について
⑴ 会社概要
総資産1547億円、売上高1267億円、時価総額605億円の事業規模です。
PBRは0.68倍と厳しい市場の評価。
企業理念
我が社はもっと豊かな社会づくりに貢献する
長期ビジョン
建設×マシナリー×ICTというユニークな経営基盤を活用し、グローバル市場における新しい価値の創出により、成長する企業を目指す
セグメント
・土木事業:551億円(売上高)
・建築事業:589億円(売上高)
・関連事業:138億円(売上高)
⑵ 株主になったきっかけ
5月決算期企業で高配当株ということから2021年に株主となりました。
NISA口座で保有中です。
ちょっと含み損を抱えていますが、気長に株価上昇を期待しています。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:13%
・売上高営業利益率:7%
それほど高い収益性とはいえません。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):252%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):52%
短期的にも中・長期的にも問題ない水準です。
なお、株主総会にて社長は自己資本比率は45%程度が妥当と考えているとのことでした。
効率性
・有形固定資産回転率:4.32
建設業の平均値が18.7であることを考えると物足りない数値だと考えます。
まだまだ効率化できる余地が多いようです。
【株主総会の案内板】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第93期定時株主総会 2022年8月25日(木) 本社
受付で会社のロゴ入りのペットボトル水をいただきました。
会場前には会社のマスコット?と商品の模型が展示。
会場内の待ち時間は会社のPRビデオが流れていました。
社長の挨拶により株主総会が開始。
途中、ビデオによる事業業績の紹介があり、その後に社長から対処すべき課題と中期計画、長期ビジョン等の説明がなされました。
主な質疑応答
Q.不動産投資事業(関連事業)の展望について
A.土木事業は環境の変化を受け易いが、関連事業は自らが主体となれる事業である。不動産の付加価値を高めて含み益の資産を作り、それを計画的に売却している。
資産の単なる切り売りではないので、心配はいらない。
Q.今季の事業の進捗状況について
A.手堅い目標設定をしていることもあり順調に進捗している。
Q.自己株式の取得の今後の展開について
A.300万株7月に時間外で取引した。
後は来年の4月まで日々購入する予定である。
Q.取締役における建築にもDXも知見を有する人材について
A.社内ではなかなかDXに強い人材がいないことから社外の力を借りてDXを推進する。
Q.仙台ワーケーションの将来性について
A.試験的事業であるが、現状、ワーケーションの受け皿としてはほぼ独占状態。
今後の需要動向によっては規模拡大も考え得るが、収益化の見通しについてはまだ申し上げる段階にない。
Q.自社株買いと配当の割合について
A.配当については配当性向30%でこれまでやってきたが、今後はDOE(株主資本配当立=年間配当額➗自己資本)2〜3%で対応する。
自社株買いについては今後も機動的に実施する。
Q.女性活用についての具体的な指標について
A.建設会社であったことから女性が働き易い環境づくりに取り組んでいる。
女性の比率は全体で3%程度、直近の採用比率は20%となっている。
決議事項
・剰余金処分の件
・定款一部変更の件
・取締役6名選任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
新役員2名の紹介がありました。
拍手はありませんでした。
総会終了時・散会時も拍手はなく、ちょっと寂しかったです。
【総会会場の受付にて】
⑵ 株主還元
配当
過去の一株あたりの配当金の推移は下記の通りです。
2022年5月期:26円(34%)
2021年5月期:26円(30.4%)
2020年5月期:28円(32.2%)
2019年5月期:32円(30.3%)
2018年5月期:15円(32.8%)
おおむね配当性向30%で推移しています。
配当利回りとしては4〜5%程度で悪くありません。
欲を言えば、もう少し安定させたほうがありがたいです。
株主優待
なし
【株主総会で頂いた自社ロゴ入りの水】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入ったこと
真摯な株主が参加する総会
老若男女を問わず株主からの質問は真面目で興味深いものが多かったです。
気持ちの良い総会でした。
コロナ禍ではありましたが、会社の過去を知りつつも将来性(ワーケーション事業を含む)に期待している株主に多く接することができて良かったと思います。
90年を越える伝統を有する企業の強みかもしれません。
積極的な株主還元等
配当利回り4〜5%の高配当を頂いています。
また、ロゴ入りの水を総会会場で配っていたことも好感が持てます。
株主に対する中期、長期の説明も丁寧でわかりやすかったです。
全体的に株主還元には積極的な姿勢があり気に入っています。
⑵ 気になったこと
質問に対する回答
質問に対する説明が、説明資料の関連部分を読み上げていることが多く回答としてはイマイチなものが少なくありませんでした。
担当が紋切り型の説明をしたあと、議長が株主の立場に立って補足するぐらいの配慮があっても良いようい感じました。
そのことが、総会終了時の拍手が無かったことにつながったのかもしれません。
PBRの低さ
業績は好調で高配当株なのに、何故か株価は冴えません。
取締役への女性の登用も今回実現しました。
けれども、PBRは0.6〜0.7倍程度。
何故、こんなにも厳しい評価なのでしょうか?
一般にPBRは企業の無形資産、ブランド力、のれんに関連します。
そのような意味で、企業イメージのアピールが足りないのではないかと推察します。
もっと、”第2創業”くらいのインパクトがあってもいいような気がします。
実際、過去は東日本大震災の復興需要、現在は太陽光パネル事業、そして今後は関連事業(大型販売用不動産の売却)に注力するということで、収益構造の変革に取り組んでいます。
積極的なIR活動に期待します。
【株主通信】
4 まとめ
日本国土開発につて述べてきました。
中堅のゼネコンでありながら、変化する時代に巧みに対応しようとする姿勢が伺えました。
業績も好調で高配当、さらには将来への成長ストーリーも明確にされています。
ただし、PBRの低さなど株価はさえず、市場や投資家からの評価は厳しいものがあります。
会社のブランド力の弱さからIR活動を含むアピール不足を指摘しました。
実力・実績はあるのでもう少し投資家の心にささるようなIRを工夫することで、再評価される可能性を感じています。
その日が来るまで、株主を続けたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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