投稿日:2022.4.30
こんにちは!
この記事は、ネオジャパン【3921】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・過去最高益&10期連続の増収増益
・さえない株価のなぜ?
【目次】
【桜木町駅で発見したネオジャパンの看板】
1 ネオジャパンについて
⑴ 会社概要
四季報によると、グループウエア大手でありパッケージソフトの業種において27/72社という順位です。
総資産は73億円、売上は59億円、時価総額171億円の会社です。
意外と小さめの事業規模だと思います。
企業理念
リアルなITコミュニケーションで豊かな社会形成に貢献
ビジョン
ビジネスICTツールを社会インフラに、全ての企業にITメリットを
セグメント
●ソフトウエア事業( )数値は構成比
・クラウドサービス(61.4%)
・プロダクト(36.9%)
・技術開発(1.7%)
子会社によるクラウドインテグレーション、システムインテグレーションを活かしたエンジニアリングサービスの提供。
●海外
・米国、マレーシア、タイで事業を展開しているが、コロナ禍によりセグメント損失を計上。
⑵ 株主になったきっかけ
1月決算銘柄で、業績が良い会社ということで2022年1月に株主となりました。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:51%
・売上高営業利益率:21%
高収益なビジネスモデルと考えます。
しかも、10期連続の増収増益で前期は過去最高益。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):330%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):71%
短期的にも中・長期的にも安全性には問題なさそうです。
株主総会も30回目であり、リーマンショック等の経済危機を乗り越えてきた知見が生かされていると考えます。
効率性
・有形固定資産回転率:99.99
有形固定資産への資金も効率的になされていると考えます。
なお、勘定科目の内訳は金額の高い順に「建物」、「車両運搬具」、「工具、器具及び備品」、「使用権資産」となっています。
車両運搬具に約1,300万円投じていますが、VIP用の高級車でしょうか?
【株主総会会場となった横浜ランドマークタワー】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第30回定時株主総会 2022年4月26日(火) 横浜ランドパークタワー25階
受付時にお水をいただきました。
会場では20名弱の方が集まっていました。
社長の挨拶に続き、スライドを用いた事業報告がなされました。
主な質疑応答
Q.サイボウズとの競争について
A.サイボウズの顧客層は従業員300名程度の会社で、当社の場合は1000名以上の大企業であり顧客層が異なる。
知名度向上のために積極的にIRを実施する。
Q.社長の鼻マスク(鼻を覆っていないマスク着用)はやめた方がいい
A.承知した(総会終了時に再度、鼻マスクを注意されていた)。
Q.社長の株式の売却について
A.何を言っているのか良く分からないが、個人の問題なのでコメントは差し控える。
Q.社長の右腕となる人材の育成について
A.自分はエンジニア出身。右腕となる人材は育成中。
Q.監査役会設置会社なので、役員のプロフィールやスキルマップがわからない。
A.必要応じて開示内容を見直す。
決議事項
・剰余金処分の件
・定款一部変更の件
拍手を持って、賛成・可決されました。
ただし、一部の株主から反対の声が上がっていました。
⑵ 株主還元
配当
今期は一株当たり14円です。
増配です。
配当利回りは約1.4%程度。
株主優待
500円のクオカードをいただきました。
【株主総会会場で頂いた水】
3 株主としてのコメント
⑴ 株主総会で好感が持てたこと
・会場の案内係が親切
・ミネラル水の配布
・会社を紹介するパンフレットの提示
・眺めが良い会場(ランドマークタワー25階)
・好調な業績を発表する際、役員全員が起立してお辞儀されていた姿勢。
⑵ 株主総会で気になったこと
・社長の覇気のなさ
・社長の鼻マスク
・「弁護士」と書かれた名札の人の同席(珍しい)
・株主総会終了後、総会関係者の控室から廊下に響き渡っていた高笑い(何がおかしかったのだろう・・・?)
⑶ なぜ株価が冴えないのか
IT業界というフィールドの良さ、官公庁・大企業などの優良顧客、10年連続の増収増益という業績の良さ、創業30年を超える実績などを考えると何故、株価が冴えないのか疑問を感じています。
PERが18倍、PBRが3.3倍。
株価が割安というよりは、市場・投資家からあまり高い評価を受けていません。
その理由を知りたくて総会に参加しました。
自分なりの答えはガバナンス、社長、成長ストーリーの3点が問題と感じました。
ガバナンス
ネオジャパンは「監査役会設置会社」です。
多くの会社が「指名委員会等設置会社」か「監査等委員会設置会社」となっており、経営の健全性・効率性及び透明性を確保するための事実上のスタンダードとなっているのに、プライム市場の中でいまだに監査役会設置会社であるのはめずらしいと思います。
何が問題なのでしょうか?
日本の株式の売買の半分以上は外国人投資家が行なっています。
その外国人投資家が重視するのはガバナンスやコンプライアンス。
会社経営において実質的に社長の権限が強すぎるなら、リスクが高すぎて投資家は敬遠します。
しかも社長はそんなに若くありません。
ネオジャパンが外国人投資家の投資対象たり得ないのなら今の株価水準も納得です。
社長
初めて拝見した社長はちょっとお疲れ気味でした。
株主総会の質問も一人1問としていましたが、その1問に対する答えも冴えない内容でした。
質疑応答で会話がこれほど噛み合っていない会社もちょっと珍しいと感じました。
自社株買いで株主に報いようとする企業が多い中、正反対の態度で「社長が株を売って株価が下がっても個人のことだから関係ない!」と言い放つ姿もちょっとびっくりしました。
ちなみにネオジャパンはチャットラックという主力商品を持っています。
チャットと言えば、ChatworkやSkackなど競合がひしめいています。
Chatworkの場合、株主総会終了後に社長自ら株主への事業や商品の説明を行い、株主からの質問にもとことん答え、エンドユーザーのニーズを吸い上げています。
ネオジャパンの社長にはその様な姿はちょっと想像できません。
将来への成長ストーリー
30年と言えば一つの節目。
自分の持株会社の中でも、第2創業ということで日本M&AセンターHD、ラックランドは経営者の交代と新たなビジョンを打ち立て世代交代を実現しています。
ネオジャパンについては、そのような将来への成長ストーリーが見えにくく、後継者問題という爆弾を抱えています。
そのことが市場や投資家からの低い評価に繋がっていると考えます。
【ランドマークタワー25階からの風景】
4 まとめ
ネオジャパンについて述べてきました。
業績が絶好調なのに株価が冴えないことを不思議に思っていました。
株主総会に参加することで、自分なりに腹落ちする理由を得ることができました。
良い顧客や良い商品・サービスを持っているだけに、ふつうの経営が成されれば市場や投資家の評価も変わってくると推測します。
第2の創業を期待します。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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