こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

セブン銀行【8410】〜株主総会雑感(内部留保の使い道は・・・)

初投稿:2024.7.22

こんにちは!

この記事は、セブン銀行【8410】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・好業績にも関わらす株価は低迷

トップダウンの大切さ

【目次】 

セブン銀行のATM】

                     

1 セブン銀行について

⑴ 会社概要

ATMでお馴染みのセブン銀行です。

売上高1978億円、総資産1.7兆円、時価総額3248億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは1.19倍です。

企業理念 

下記の理念等が掲げらてています。

分かりやすく共感が持てるものだと思いますが、想像力を掻き立てられ創造性を発揮し得るようなキーワードがあっても良いように感じました。

⚫️存在価値(パーパス)

お客様の「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生み出し続ける。

⚫️社是

1 私たちは、お客様に信頼される誠実な企業でありたい。

2 私たちは、株主、取引先、地域社会に信頼される誠実な企業でありたい。

3 私たちは、社員に信頼される誠実な企業でありたい。

セグメント

下記の3つに区分されています。

クレジットカードのみならず電子マネー事業を継続していることは意外でした。

⚫️国内事業セグメント

⚫️クレジットカード・電子マネー事業セグメント

⚫️海外事業セグメント

⑵ 株主になったきっかけ

高配当かつ馴染みのある会社であることから、最近株主になりました。

⑶ 経営分析

収益性

売上高経常利益率:15%

収益性は高いと考えます。

数多くのATMがあることから薄利多売のビジネスモデルかと思いましたが、手数料ビジネスの良さを再認識させられました。

安全性

自己資本比率(30%以上が望ましい):16%

銀行なので、自己資本比率は低めです。

ただし、メガバンクでも自己資本比率が一桁である会社があることを考えるとキャッシュリッチ(自社株買いが可能)だと推察されます。

効率性 

・有形固定資産回転率:5054.32

非常に効率的です。

考えてみればATMが中核なので、有形固定資産も少額で済むことによる効率性であることが頷けます。

千歳市セブンイレブンにて】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第23回定時株主総会 2024年6月17日(月) 東京プリンスホテル

ライブ配信を視聴しました。

分かりやすい動画で業績が説明されました。

特に、増収・増益で業績が良いことと、第4世代のATMへの更新に注力していることが印象的でした。

ただし、今期は増収減益(ATM入れ替えのためのコスト増)と説明が最後になされ、ちょっと拍子抜けしてしまいました。

主な質疑応答

【事前】

Q.株価について

A.満足していない。

事業ポートフォリオを見直して(複線化)成長戦略を追求する。

Q.セブン&アイグループとのシナジーについて

A.+Connect(あらゆる認証・手続きの窓口)を通じて地方自治体との連携(特にマイナンバーカード)を強化していく。

Q.兼任の社外取締役について

A.取締役会に出席しているから問題ない。

Q.女性の活躍について

現状では、執行役員に2名、管理職17.7%、採用時の46.5%は女性である。

【会場】

Q.JREバンクの影響について

A.新しい銀行は我々のATMを使うことが多く、その点ではプラスと考えている。

ただし、銀行業務には影響があるので独自のサービスで対応していきたい。

Q.金利上昇に伴う調達コストの影響について

A.過去(1990〜1991年)に8%、7%の高金利の時代があったことを踏まえ、4つのシナリオを考えてそれぞれに対して金利上昇の影響を試算している。

その結果を踏まえ、具体的にはATMの現金のコントロール(圧縮)により調達コストを抑える一方で、個人向けローンのボリュームを上げたりしながらメリットもとっていきたい。

Q.硬貨(小銭)の扱いについて

A.ATMの入金は可能だが出金は不可。

レジについてはセブンイレブンとの調整を検討していきたい。

Q.金融犯罪(マネーロンダリング)対策について

A.現状では詐欺被害は少ない。

ただし、口座を不正に悪用されるケースはある。

このため、

・モニターをして犯罪のパターンを早期に発見する

・モニターをしてアクセスを注視する

あるいは、フィッシング対策に対応していくことが大切と考える。

Q.少子化対策について

A.時短勤務や(子供が2歳半にになるまでの)休職プランを用意し、多くの女性と半分ぐらいの男性が利用している。

厚労省の”えるぼしマーク”の認定も頂いている。

Q.キャッシュレス化対策について

A.グローバルな視点ではキャッシュレスは3〜4割に止まると考える。

その一方で、キャッシュレスにも対応するアプローチに取り組む。

Q.株価対策について

A.新規事業に投資をしているが償却までの5年程度を要すると予想している。

Q.手数料の値上げについて

A.手数料の値上げは提携先企業が決めている。

現状、200〜300円以上、上がることは少ないのではないか。

当社としては提携先企業のサポートを踏まえ適切な手数料の価格についてお願いする立場と認識している。

Q.(10年前からの株主より)業績、成長性は良いのに株価が低迷している理由は?

(会場から拍手!)

A.成長戦略が市場から評価されていないためと分析。

減益、特損、+Connectの実績を示せていないなどの要因もある。

このため、成長戦略の見える化により市場の評価を高めていきたい。

Q.他行(イオン銀行楽天銀行等)との差別化について

A.他校はネットを中心としたローン金利で収益を稼いでいるが、当社はATMを核とした手数料で儲けており、ビジネスモデルが異なる。

また、セブングループの中の比率は他グループに比べて小さいが、グループの中の4〜5%は稼いでいる。

他グループについては純粋に比較はしていないが、ベンチマークとして見ている。

Q.(ATMでお釣りが出てこなかった株主より)システムトラブルについて

A.紙幣の読み取りの品質向上に努めている(定量的には話せないが)。

また、ATMの稼働率は現在99.98%だがさらに向上する見込みである。

Q.株価回復の時期について

A.明言できないが、なるべく早く回復するよう努める。

具体的には原価低減、第4世代ATMにより+Connectの普及、カード事業のプラス化などに注力していく。

Q.トップラインを伸ばすに当たってのボトルネックについて

A.セブンカードの会員数が少ないのが課題。

海外については、米国のCDについては入金にもチャレンジして新マーケットの開拓に努める。

インドネシアやフィリピンではATMを伸ばしていく。

Q.減価償却の5年は今後も発生し続けるのか?

A.現在取り組んでいる第4世代のATMへの換装はハードウエアの更新である。

この先のサービス付加はソフトウエアの更新で対応できるため固定費が膨らみ続けることは無いと認識。

Q.これまで株主が元気になる話がない!(会場から拍手!)

役員は面白くない、配当も上げない、剰余金があるのに自社株買いもしない・・・。

A.内部留保については現在、積極策を検討中です。

期待しつつお待ち下さい。

決議事項

・取締役8名選任の件

監査役1名選任の件

・補欠監査役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

株主総会雑感

ライブ配信でしたが初めての株主総会

丁寧な議事運営がなされていると感じる一方で、経営陣の熱意というものが今ひとつ伝わらなかったのが残念です。

ただし、内部留保については策を練っているということでしたのでステークホルダーに対する嬉しいサプライズを期待しています。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記のとおりです。

業績を踏まえれば、増配しても良いように感じます。

・2024年3月期:11円

・2023年3月期:11円

・2022年3月期:11円

・2021年3月期:11円

・2000年3月期:11円

・2019年3月期:11円

株主優待

なし

自社株買い 

2023年秋、13億円を上限、発行済株式総数に対する割合は0.32%

株主総会が開催された芝公園付近にて 大谷翔平選手のMVPを祝して】

              

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

自分はマイナンバーカードが普及することが国民にとって、公平で効率的な社会をもたらすと考えています。

その点で、当行のATM(+Connect)によってマイナンバーカードを最大限に活用できるようになることに大いに期待しています。

企業価値の向上はもちろんですが、社会インフラとしての拡充にも期待しています。

⑵ 気になっていること

当行の一番の課題は、最後の株主の指摘に尽きると思います。

”元気になる話がなかった!”

現在の経営陣の認識として、

ボトムアップで部下が頑張って上げてきた企画を無難にこなすことが仕事

と思っている人ばかりなのではないか?と気になりました。

やたら、株主から質問を催促する議事運営ボトムアップの姿勢に付合します。

全体を俯瞰し、大局観を踏まえたトップダウンによる経営姿勢が疎かになっているように見えました。

金融機関であっても、SBIのように半導体製造に乗り出すようなトップダウンの決断をする会社もあります。

そのようなトップダウンの決断が下せないなら、せめて他社を真似してください。

リクルートは6000億円の自社株買いを発表してから株価は右肩上がりですよ!

13億円はちょっと少なすぎるのではありませんか?

4 まとめ

セブン銀行について述べてきました。

ATMはお金の入出金オンリーと思っていましたが、さまざまな手続きが可能ということで大いに関心が持てるようになりました。

一方、増収・減益の業績予想もあり株価は冴えません。

さまざまな制約がある中で、ポテンシャルを活かした経営による企業価値向上に期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #セブン銀行 #ATM

  

イオンモール【8905】〜株主総会雑感(イオンとの関係は・・・)

初投稿:2024.6.21

こんにちは!

この記事は、イオンモール【8905】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・親会社イオンとの関係

・株価低迷について

【目次】 

【イオン東雲店】

                     

1 イオンモールについて

⑴ 会社概要

イオンのショッピングセンターや商業施設を開発・運営する会社です。

売上高4321億円、総資産1.65兆円、時価総額4401億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは0.95倍と苦戦しています。

企業理念 等

下記の通り、さまざまな理念が掲げられています。

親会社の影響を強く受けていることが明らかです。

⚫️基本理念

お客さま第一

⚫️経営理念

イオンモールは、地域とともに「暮らしの未来」をつくる

Life Design Developerです。

⚫️経営ビジョン

アジア50億人の心を動かす企業へ

⚫️イオングループ未来ビジョン

一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを蘇澳増する

⚫️2030年ビジョン

地域競争業へ。

セグメント

下記の3つとなっています。

米中対立の状況下でバブルが崩壊した中国が気になります。

⚫️日本

⚫️中国

⚫️アセアン

⑵ 株主になったきっかけ

親しみのある2月決算企業ということで株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:19%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):11%

業績は、増収・増益。

収益性についても比較的収益性は高いと考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):73%

自己資本比率(30%以上が望ましい):29%

安全性については、短期的にも中・長期的にも懸念される水準です。

本来ならば財務強化が優先されても良さそうですが、親会社のイオンの意向なのか”高配当”が財務基盤強化よりも優先されている状況と推察します。

効率性 

・有形固定資産回転率:0.33

不動産を扱っているためか、効率性については低い状況です。

なお、有形固定資産の内訳は金額順に、「建物及び構築物」、「土地」、「使用権」、「建設仮勘定」となっており、今後も高額のまま推移すると予想します。

イオンモール岡山】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第113期定時株主総会 2024年5月23日(木) イオンタワー別棟

ライブ配信を視聴しました。

報告事項のポイントは

・真の統合型ESG経営を実施

・地域共創業

・マリモ(住宅・収益不動産開発)と資本業務提携

・増収・増益(過去最高)

・配当は一株50円

などです。

主な質疑応答

【事前】

Q.取締役の若返りについて

A.優先課題の解決を踏まえつつ若返りを実現している。

Q.女性取締役の兼務の多さについて

A.性別に関係なく高い見識をも人物を選んでいる。

兼務については業務に差しつかえのないことを確認し、会議に100%出席している。

Q.株価低迷の原因について

A.特に、国内の業績回復の遅れ(計画の未達)によるものと認識。

Q.株主還元について

A.連結配当性向30%を基本としている。

今期も来期も一株あたり50円を予定。

成長ドライブである海外への投資を考慮しつつ配当を実施していくが、収益力の回復次第では更なる還元も考えたい。

また、情報開示によりNISAを通じた株主の増加を目指す。

優待制度に変更の予定は今のところない。

Q.利益率の低下について

A.営業費用の増加に伴い利益が出ていないことによる。

Q.メガソーラ等の再生可能エネルギーによる環境破壊について

A.当社は小規模な発電でありかつソーラパネルは建物の屋上等に設置するものであり、環境負荷は比較的小さいと認識。

【会場】

Q.女性の社内取締役について

A.女性は社外取締役だけで良いとは考えていない。

ジョブローテーションを踏まえ執行役員制度により2名の女性が誕生している。

Q.レジ袋の有料化についてはやりすぎでは?

A.ご指摘のように悩ましい部分があり、プラスティック削減への貢献は大きくはないが、環境問題について考えるきっかけにはなっていると認識。

出店者、顧客の負荷にならないようさまざまな意見を頂きながら進めていきたい。

Q.沖縄のライカムの眺望がダイワハウスのマンションによって損なわれるのでは?

A.ダイワハウスについては一体街開発として当初かから建設される予定だった。

なお、イカムは周辺で一番高い場所にあるので眺望への影響は少ないのではないか。

Q.7人中4人が若い新人で大丈夫か?

A.さまざまな検討を踏まえての人選である。

なお、(社長自身は)常に精一杯業務に取り組んできた。

Q.柏のイオンの無料バスについて

A.イオン利用者以外の方の利用が増えたためイオンカードやレシートの確認を実施しているが、状況を見ながら柔軟に対応したい。

Q.ベトナムにおける地方政府との締結式について

A.ベトナムの地方において、イオンのサービスを誘致することは地元の要望を実現する上で、重要事項と認識している。

Q.稲毛駅前にイオンモールは建つのか?

A.都市開発について地元と行政と調整中である。

Q.設備更新(1990年〜2000年)について

A.老朽化施設の改修については計画的に求められる物を精査して実施している。

Q.剰余金処分を議案に入れないことについて

A.定款を変更してイムリーに配当するために実施している。

Q.配当は少ないのでは

A.配当性向は従来の25%から30%にするとともに、実際には50〜60%の水準で実施している。

Q.外国人の取締役について

A.現地法人における活躍を踏まえ検討する。

Q.株主総会は良くなった。

A.貴重なご意見、ありがとうございます。

検討するだけでなく、その結果を適時、情報開示をしていきます。

Q.株価を意識した経営について

A.利益が出ていないことが株価低迷の原因。

収益を出すことに注力している。

併せて当社に対して期待してもらうことも大切。

Q.受託モールについて

A.浦和美園レイクタウンの受託モールはイオンリテールの支出によるものだが、一部当社の提案に対する成果報酬もいただいている。

Q.まちづくりについて

A.地域共創については志をともにできることが大切。

マリモ社とは志をともにしつつリージョナルシフトを実施していく。

決議事項

・取締役12名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、退任役員4名の紹介がありました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当の推移は下記の通りです。

赤字だった2021年2月期でも減配すらしなかったのは親会社の意向でしょうか。

・2024年2月期:50円

・2023年2月期:50円

・2022年2月期:50円

・2021年2月期:40円

・2000年2月期:40円

・2019年2月期:38円

株主優待

株数と保有期間に応じてギフトカード等が選べます。

自社株買い  

適時、実施しているようです。  

【イオンラウンジにて】

             

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

普段の買い物等で親しみのある会社です。

特に、地方に転勤になった時など、イオンモールを見つけて元気になったりしたものでした。

株主優待も充実していますし、配当利回りも約2.6%あります。

株価は冴えませんが株主還元の恩恵を享受しながら気長に株価の回復を待つことも可能かもしれません。

⑵ 気になっていること

親会社イオンの影響が大きいように感じました。

・財務基盤が脆弱なのに高配当が継続

・中国進出

・増収増益にも関わらす若返り人事で社長交代

など。

ある意味、イオンの犠牲者のようにすら感じられます。

また、冴えない株価は将来への懸念によるものでしょうか。

金利上昇が不動産業に与える影響

・更新を要する施設が増加する一方で、インフレによる資材が高騰

・国内の回復の遅れ

など。

そのような、懸念を払拭させてくれるような成長ストーリーを描き、それを市場に周知できるかどうかが今後の株価を左右するように感じました。

4 まとめ

イオンモールについて述べてきました。

親しみのある会社ですが、意外と株価が冴えないことが印象的でした。

財務基盤、施設の更新、中国問題など懸念事項は少なくありません。

親会社と消費者との板挟み状態なような状況で気の毒に感じる部分もありますが、若返った経営陣のリーダーシップに期待したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産運用 #イオンモール

  

ディップ【2379】について

初投稿:2024.5.30 

こんにちは!

この記事は、ディップ【2379】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・社長のリーダーシップ

・何故、株価は横ばい・・・

【目次】 

株主総会が実施された六本木ヒルズ

  

                   

1 ディップについて

⑴ 会社概要

『アルバイトの「バイトル」等、ネット特化で求人情報提供。AI・RPAなどDX事業を育成中』と四季報にあります。

売上高537億円、総資産507億円、時価総額1557億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは3.62倍の高評価です。

企業理念

ドリーム、アイデア、パッションという企業理念が社名にもなっておりわかりやすいです。 

⚫️「私たちdipは夢とアイデアと情熱で社会を改善する 存在となる」

セグメント

セグメントは下記の2つ。

主力の人材サービス事業の堅調さに加え、DX事業の成長性が期待されます。

⚫️人材サービス事業

⚫️DX事業

⑵ 株主になったきっかけ

2月決算企業の中で、大谷翔平選手のQUOカード株主優待という報道に釣られて、権利付最終日の直前に株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:89%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):24%

収益性は著しく高い数値です。

特に粗利率の高さはビジネスモデルの良さを意味していると考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):305%

自己資本比率(30%以上が望ましい):78%

短期的にも中・長期的にも安全性に問題はない水準です。

むしろ、財務を活かした資本の有効活用が問われる段階ではないかと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:26.31

サービス業の有形固定資産回転率の平均は年毎のバラつきが大きいのですが、50〜150ぐらいとなっています。

そう考えると、有形固定資産についても効率的な経営がなされていると考えます。

なお、有形固定資産額約20億の内訳においてその大半が「建物」であり、減価償却額が13億円となっています。

本社のある六本木グランドタワーへの投資と推察します。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第27期定時株主総会 2024年5月23日(木)六本木ヒルズ森タワー

3月の社員総会や各種のCM、さらに座談会の動画を流すなど、イメージで訴えることが多かったです。

また、スポットワークへの新規参入やAIソリューションなどの成長戦略について熱く語る社長の姿が印象的でした。

主な質疑応答

【事前】

Q.30億円のソフトウェア投資の継続について

A.投資は継続する。

詳細は公表できないが、減損の予定はない。

【会場】

Q.タイミー先行するスポットワーク市場のシェアについて

A.参入するからにはナンバーワンを目指す。

時期については3〜5年の計画で考えている。

なお、この分野はメルカリやリクルートも参入予定である。

Q.M&Aによる成長戦略について

A.当社は企業文化を重視している。

カルチャーが合うDX企業のM&Aについては検討をしている。

Q.自社株買いについて

A.ちょうど昨日、計画していた自社株買いは完了したところである。

現在の株価に満足はしていないので、今後も前向きな自社株買いを検討している。

Q.テレビCMとネットCMの割合について

A.4:6の割合である。

なお、看板や掲示板の活用にも注力している。

渋谷ジャック(渋谷の看板を独占)して大谷選手の広告を流した際には、それ見たさに渋谷に足を運ぶ方も多くいるほどの効果があった。

決議事項

⚫️定款一部変更の件

⚫️取締役(監査等委員である取締役を除く)5名選任の件

⚫️監査等委員である取締役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

増配が続いており株主重視の姿勢に好感が持てます。

・2024年2月期:88円

・2023年2月期:72円

・2022年2月期:61円

・2021年2月期:56円

・2020年2月期:56円

・2019年2月期:50円

株主優待

株数に応じたQUOカードが2月末と8月末に貰えます。

自社株買い 

適時実施しています。  

株主総会で頂いた統合報告書等】

             

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

社長のリーダーシップ

一見すると”いかつい”印象の社長でしたが、株主総会での質疑応答は誠実で丁寧な印象を持ちました。

また、大谷選手の渋谷ジャックの広告などの大胆なイベントから推測すると、社長によるリーダーシップがしっかりと発揮されているように推察されます。

AI時代は日進月歩でありこれまで以上にスピード経営が求められます。

そのような点で、社長のリーダーシップに期待したいと思います。

⑵ 気になっていること

経営分析では素晴らしい状況であることが分かりましたが、逆に、

「それなのに何故、この株価?」

と思うほど、株価はさえません。

時価総額も1000億円を超えています。

思うにきっかけがあれば上昇トレンドを形成するのではないか?

そのような点で、会社の次の一手が気になりました。

株主優待

4 まとめ

ディップについて述べてきました。

大谷選手のQUOカードに惹かれて株主になりましたが、業績や経営状況の良さや社長の外見とトークのギャップなど色々な気づきが得られて良かったです。

その一方で、株価が横ばいなのは、自分にはまだ見えていない会社の”脆弱性”があるのかもしれません。

そのような点も踏まえつつ、今後もモニターしていきたいと思います。

 

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ディップ #dip

 

  

GENDA【9166】〜株主総会雑感(もっとエンタメを!)

初投稿:2024.5.8

こんにちは!

この記事は、GENDA【9166】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・会長、社長、CFOの親しみやすさ

・エンタメ企業らしい株主を楽しませる株主総会を!

【目次】 

株主総会会場のベルサール汐留】

                     

1 GENDAについて

⑴ 会社概要

アミューズメント施設のGiGOを中心に展開し、エンタメ業界のM&Aや海外展開での成長を続けている会社。

グロース市場上場は2023年7月28日

売上高556億円、総資産521億円、時価総額998億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは5.12倍と高評価です。

企業理念 

非常に具体的で野心的な理念だと思います。

実際、2040年の世界一について株主総会でも繰り返し審議されていました。

ステークホルダー全員の頭合わせをするには、有効な理念だと思います。

⚫️ASPIRATION(大志)

世界中の人々の人生をより楽しく

⚫️VISION(野望)

2040年の世界一のエンタメ企業に

セグメント

アミューズメントの単一事業となっていましたが、今期からは

⚫️エンタメ・プラットフォーム事業

アミューズメント」と「フード&ビバレッジ(F&B)」から構成

⚫️エンタメ・コンテンツ事業

「キャラクター・マーチャンダイジング(MD)」と「コンテンツ&プロモーション」で構成

の2つのセグメントとなっています。

⑵ 株主になったきっかけ

1月決算企業で、業績が良く、新しい会社ということで株主になりました。

朝の経済番組の出演を含め、社長が目立っていますが株主総会を通じて会長やCFOより親しみを感じました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:23%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):10%

収益性は悪くはありません。

ただし、ネットで注目されている割には、堅実な経営がなされていると思います。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):140%

自己資本比率(30%以上が望ましい):38%

短期的にも中・中長期的にも問題があるレベルではありません。

反対に、新興企業でありがちなキャッシュリッチで自己資本を厚くしているわけでもありません。

M&Aを得意としているだけあって、資本の効率化という点でも今後の財務の巧みさに期待します。

効率性 

・有形固定資産回転率:4.43

サービス業という括りが妥当かという点はありますが、二桁の回転率を考えると有形固定資産についてはあまり効率的な経営がなされているとは言い難いです。

勘定科目は金額順に「アミューズメント施設機器」、「建物及び構築物」、「賃貸資産」、「工具、器具及び備品」、「建設仮勘定」、「その他」となっています。

憶測ですが、効率性の低さは、買収したゲームセンターの”資産”の収益への貢献の度合いを示していると考えます。

【案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第6回定時株主総会 2024年4月26日(金) ベルサール汐留

主な質疑応答

広い会場に多くの株主が集っていましたが、静かな雰囲気。

開会直後に社長から上場のお礼の言葉が伝えられました。

前期すべて上回った業績、前期のふりかえりと今季の予想について社長からのプレゼンが続きました。

また、バーチャルオンリーの株主総会については基本的にパンデミックの時に実施することとする方針など、好感が持てる説明だったと思います。

【事前】

Q.赤字の多いゲームセンターの運営について

A.マニュアルの共通化、DXの推進、調達コストの低減等によるリリブランドを通じて増収増益を計っていく。

Q.M&Aの資金について

A.資金の調達については、借入金、エクイティファイナンス等、同一基準で実施していく。

Q.株主優待について

A.有効な手段と考えるが、株式価値向上を優先させる。

【会場】

Q.会長と社長のゲームに対する原体験について

A.社長は、”リボン”や”なかよし”、プリクラなどに親しんだこと。

会長は、小学校では自分が作ったゲームで友達が楽しんでいる姿を見て、大学時代は企画したジュリアナパーティを多くの人に楽しんでもらえることを経験し、エンタメの仕事(イオンファンタジー)に進んだ。

Q.2040年の世界についての世界感について

A.産業革命以来働く時間は低下し、余暇時間が増え続けている。

今後はどのようなエンタメが好きかがその人のアイデンティティを決める世の中になると予想する。

Q.沼津のあわしまマリンパークやアニメのラブライブについて

A.ラブライブについてパートナーとして関与していく。

Q.取締役のボードの構成において社外が2名では少ないのでは?

A.経営はチームでするものであり、社外取締役は重要で、かつ、積極的に経営に関与している。

Q.営業利益率が10.5%から7%に低下した理由について

A.低利益率のカラオケを買収した影響と、会計基準が日本なのでのれんの償却の影響により営業利益率が低下した。

Q.海外展開について

A.現在、米国、台湾、中国に進出しているが中でも米国に注力している。

Q.世界一の指標について

A.エンタメ世界一のイメージはウォルトディズニーであり、指標としては売上、時価総額等が考えられる。

現在の成長スペースを継続することが世界一に通じると考える。

Q.M&Aのリスクとブランドについて

A.M&Aの進捗についてはIRをご覧下さい。

M&A後のブランドについては、ケースに応じてブランドを統一したり、以前のブランドをそのままにしたりしている。

Q.海外展開(特にインド)について

A.具体的な国名については話せない。

米国中心に展開をしていく。

Q.定款の変更(ロボット、電子機器等の追加)の必要性について

A.将来におけるゲーム機の開発を目的としたもの。

Q.協業しているFLIPSについてのM&Aについて

A.事業展開については色々なやり方があり、現時点では決まったものはない。

Q.カラオケとGiGOを展開するメリットについて

A.シナジー効果があると考える。

Q.今後のエンタメ業界(ソーシャルゲーム)のリスクについて

A.店舗事業については感染症の影響が大きいと考える。

また、全般的に金利上昇のリスクはあると認識。

Q.ラウンドワンのような業態について

A.今は考えていない。

Q.GAGAのグループ入りという新しいチャレンジについては喜ばしい。

A.ありがとうございます。

Q.ミニロケの米国における反応について

A.2021年から展開しているが、支持を受けていると認識。

Q.プロバスケットボールチームであるサンロッカーズとの契約について

A.単なるスポンサーのみならず広告・宣伝を超えた色々な関係を探っていきたい。

決議事項

⚫️定款一部変更の件

⚫️取締役7名選任の件

拍手を持って、承認・可決されました。

なお、閉会前に新役員の紹介と退任する役員からの挨拶がありました。

さらに退任者からの

”当社は若くて爽やかな会社”

という言葉に好感を持ちました。

⑵ 株主還元    

配当

なし

株主優待

なし

自社株買い

20億円を上限に4月から7月までの間で、適時、自社株買いを実施していると報じられています。   

【総会終了後のメッセージ】

               

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入ったこと

経営陣の人柄が分かってよかったです。

特に、会長の

「周りを喜ばせることに生きがいを感じる」

という発言に、一緒にお酒を飲んだらさぞかし美味しいだろうなと妄想してしまいました。

CFOの方の発言も丁寧で分かりやすい説明がなされていて、財務的な安心感を感じました。

社長も当初は丁寧な対応をされていましたが、少し緊張気味で、後半はお疲れなのか”金融機関出身者らしさが出ていました。

それらを考え合わせても、6回目とは思えないほどしっかりとした議事運営は気に入りました。

⑵ 株主総会にもエンタメを!

株主総会に集った株主の方の会社への愛を感じました。

質問を聞いていても、意地悪なものはなく、建設的な提言や質問が多かったように思います。

さらに、会社のWEBサイトではM&Aの進捗について詳細かつ説得力のあるIRを数多く出されています。

ならば、経営陣は自信と熱意とエンタメ心を持って、株主の質問に答えても良いように感じました。

エンタメ心とは、経営陣が株主との対話を楽しむこと。

自分の中のイメージを挙げれば、会話がきちんと成立していて、一体感があり、自然な拍手や笑いが生じた「日本郵船」や「三菱商事」、「丸紅」の株主総会などがあると思います。

来年の株主総会に期待します。

【総会会場の出入り口にて】

4 まとめ

GENDAについて述べてきました。

どちらかと言えば、ネット上の話題先行の会社というイメージがありましたが、経営陣の様子を通じてその堅実な面を確認することができて安心しました。

来てよかったです。

業績も好調で、2040年の世界一の夢も魅力だと思います。

充実しているIRをもっと読み込んで会社の理解を深掘りした上で、来年も株主総会に参加したいと感じました。

お読みいただき、ありがとうございます。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #GENDA 

  

キャノン【7751】〜経営陣の高齢化とチャイナリスク

初投稿:2024.5.2

こんにちは!

この記事は、キャノン【7751】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・優れた技術力VSチャイナリスク

・88歳の会長と83歳の社長!

【目次】 

【キャノン本社】

                     

1 キャノンについて

⑴ 会社概要

カメラやコピー機で馴染みの会社ですが、半導体露光装着、監視カメラ、医療機器も展開しています。

売上高約4.1兆円、総資産約5.4兆円、時価総額約5.6兆円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは1.23倍です。

企業理念等

下記の通りで、崇高さを感じさせられます。

一方で、少し抽象的な気もします。

⚫️企業理念

『共生』

⚫️キャノンのDNA

「人間尊重」「技術優先」「進取の気性」

⚫️三自の精神

自発、自治、自覚

セグメント

下記の5つに区分されています。

( )内の数値は売上高の構成比を示しています。

プリンティングの占める割合が大きいことが意外でした。

⚫️プリンティング(56.1%)

⚫️メディカル(13.2%)

⚫️イメージング(20.6%)

⚫️インダストリアル(7.5)

⚫️その他(4.5%)

⑵ 株主になったきっかけ

12月決算企業ということと半導体関連に注目していたので、2023年末に株主となりました。

十数年前にも株主となったことがありますが、当時のことはあまり覚えていません。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:47%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):9%

製造業なのに粗利率が高いことが意外でした。

カメラ等の精密機器なので原材料費が少ないという理解で良いのでしょうか?

それに比べて営業利益率が思ったほど高くはありません。

販管費等にそれなりのコストを投じているようです。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):155%

自己資本比率(30%以上が望ましい):67%

短期的にも中・長期的にも問題ありません。

また、自社株買いした株式については償却する予定はないとのことなので、M&A等に使用されるのではないかと推察します。

効率性 

・有形固定資産回転率:3.82

製造業らしく、有形固定資産回転率(全業種中央値は4.5)は高くはありません。

勘定科目を見てみると「建物及び構築物」、「土地」、「機械及び装置」に続いて「建設仮勘定」が計上されています。

設備投資に対して積極的な姿勢と考えます。

株主総会の看板】

2 株主総会

第123期定時株主総会 2024年3月28日(木) キャノン本社

⑴ 株主総会

参加していません。

ライブ配信もありませんでした。

参加した人の主なコメントは下記の通りです。

⚫️後継者問題〜常に考えている!?

⚫️サステナビリティ〜CO2削減や気候変動対策には積極的に取り組んでいる。

⚫️チャイナリスクについて〜中国は日本にとって重要な隣人と考えている。

中国で扱うものは中国で作る、研究開発の拠点は中国には置かない。

国策に沿って中国とつきあう。

⚫️人事〜難しい国家資格を保有していても社内試験に合格しないため浮かばれない社員がいるのでは?

⚫️議長〜発言のために挙手をしている人を見つけるのに苦労している様子だった。

決議事項

⚫️剰余金処分の件

⚫️取締役10名選任の件

⚫️監査役1名選任の件

⚫️取締役賞与支給の件

⚫️取締役に付与される新株予約権の総額および総数改定の件

承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

コロナ前の高配当から減配後、徐々に増配に転じているようです。

・2023年12月期:140円

・2022年12月期:120円

・2021年12月期:100円

・2000年12月期:80円

・2019年12月期:160円

株主優待

なし

自社株買い

2023年度は計1000億円規模の自社株買いを実施されたようです。

2024年度も引き続き同規模の自社株買いが実施されると報じられています。  

【表札】 

              

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

カメラやプリンタを愛用していたこともあり馴染みのあることで応援したいという気持ちになります。

また、時代の流れという点で、インダストリアルビジネスユニットでは生成AIに使われるGPUの先端パッケージ関連の半導体露光装置にも期待が持てます。

⑵ 気になっていること

技術力に比べて営業力についてはどうなんでしょうか?

特に、経営者の高齢化が気になります。

88歳の会長、83歳の社長の良さもあるとは思いますが、

”会社のポテンシャルはきちんとに引き出されているのか?”

が、気になりました。

あと、チャイナリスクに対する姿勢に疑問を持ちました。

・米中対立で米国か中国かの選択を迫られるのにその決断ができないこと

チャイナリスクが顕在化した場合、在中の邦人全員を政府が助けることは不可能なことが自明なのに、”国策に沿う”とはどのような意味なのか?

など、状況によっては企業価値を大きく毀損させかねない経営陣に疑問を持ちました。

【記念館】

4 まとめ

キャノンについて述べてきました。

大企業で馴染みがあり半導体関連の時流にも載っている点で良い会社だと思います。

積極的な自社株買いにより株価は堅調に推移している点も評価できます。

その一方で、経営陣の高齢化及び地政学リスクに対する懸念も感じていました。

チャイナリスクに対する認識が甘いのでは?

と考え、

企業価値を大きく毀損することが起きてからでは遅い!

と判断して持株を売却しました。

それでも、引き続き会社の動向はモニターしていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #キャノン #半導体露光装置

  

サントリー食品インターナショナル【2587】〜株主総会とミニコンサートのシナジー

初投稿:2024.4.27

こんにちは!

この記事は、サントリー【2587】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・新しい社長と改訂された企業理念

・お金と音楽(ミニコンサート)の親和性

【目次】 

株主総会が開催されたサントリーホール

                    

1 サントリーについて

⑴ 会社概要

売上高1兆5917億円、総資産1兆9124億円、時価総額1兆5570億円の事業規模。

会社の付加価値(ブランド力、のれん)を示すPBRは1.43倍東証の要望レベルはクリアしています。

企業理念 

馴染みのある言葉もあり、奥が深い理念と考えます。

⚫️私たちの目的   Our Purpose

人と自然と響き合い、豊な生活文化を創造し、「人間の生命の輝き」を目指す。

⚫️私たちの価値観   Our Values

Growing for Good/やってみなはれ/利益三分主義

⚫️私たちのDNA    ”Who We Are”

Alwais Togethee with Seikatsusha

生活者の喜怒哀楽に寄り添い、潤い豊かな人生を提供します。

セグメント

地域別になっているようです。

⚫️日本

⚫️APAC

⚫️欧州

⚫️米国

地域別の収益を見てみると国内が高く、海外の伸び代が多いことが分かります。

⑵ 株主になったきっかけ

12月決算企業で、業績が良く、ミニコンサートがあったことから直前に、株主となりました。

なお、昨年も株主でしたが、総会は別の会社と競合していたため参加できませんでした。

今回、リベンジで株主総会&ミニコンサートに参加しましたが、昨年もこちらに参加しておけば良かったと後悔しています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:37%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):9%

比較的収益性は悪くないと考えます。

ちなみに、アサヒビールの前期の決算も同水準の収益性でした。

業界大手は類似の経営状況に収斂していくのでしょうか?

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):119%

自己資本比率(30%以上が望ましい):62%

安全性については、短期的にも中・長期的にも問題ないレベルです。

さらにアサヒビールとの比較においても安全性は高い水準にあります。

ただし、資本効率と企業価値の向上から考えると何かしら手を打つ段階にあるのかもしれません。

効率性 

・有形固定資産回転率:3.82

高くはない数値だと思います。

けれども、さまざまなドリンクを製造している以上、土地や建物への投資が必要なのは理解できます。

ちなみにアサヒビールの場合も約3でした。

【今回の株主総会の看板】

【前回の株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第15回定時株主総会 2024年3月27日(水) サントリーホール

新社長から前期の業績、中期経営計画等についての報告がありました。

特に印象に残ったのは、企業理念の改定

更なる成長に期待が高まりました。

主な質疑応答

【事前】

Q.地方活性化について

A.自治体と協調しつつ、民間人材の派遣、広報、健康増進等の分野で活動している。

Q.当社の強みについて

A.変化するニーズに対応できるところ。

特に、ナチュラル、健康、さまざまな嗜好性への対応。

Q.株主優待について

A.株主還元については配当を基準としているので優待は予定していない。

【会場】

Q.社長が女性になったのにきめ細やかさがない

A.お土産についてはお帰りの際にお渡しする予定です。

Q.1400億円のキャッシュフローについて

A.2023年時点では805億円であり、キャッシュフローについては成長余力として活用していく。

Q.当社のIT化について

A.IT化については重要と考える。

具体的な取り組みについては、自動販売機の品切れ防止のための無線での状況把握、工場のスマートファクトリー化など。

社員の教育にも必要である。

IT化に伴うメリットとリスクのバランスを考えながらやっていく。

Q.Seikatsushaの意味について

A.顧客を消費の一瞬のみでなく生身の人間として捉える趣旨である。

Q.女性管理職について

A.タレントレビューを通じてリーサーを増やす取り組みを強化する。

Q.収益に比べて利益の伸びが低いのは人件費のコントロールに問題があるのでは?

A.生産性を上げるための人件費ととらえ、全体を見ながらコストコトロールしている。

併せて2024年の物流問題(ドライバー不足等)に対する最適化にも努める。

Q.特徴を活かした販売戦略について

A.市場のニーズをとらえたスピード感ある開発力を活かしていく。

具体的には成長と利益の二兎を取れるような自動販売機の開発にも注力している。

また、品質重視やコンプライアンス遵守によって小林製薬のような事案防止を図っていく。

Q.(最初からの株主より)日本の人口減少への対策について

A.2030年に向けて、ポテンシャルの高い海外においてM&Aの活用によって伸びていきたい。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役6名選任の件

監査役会設置会社である取締役1名選任の件

・補欠の監査等委員である取締役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

・2023年12月期:80円

・2022年12月期:80円

・2021年12月期:78円

・2020年12月期:78円

・2019年12月期:78円

・2018年12月期:78円

親会社の意向なのか、減配せず手堅く配当されてきたようです。

株主優待

なし

自社株買い 

2024年12月期において積極的に実施しているようです。 

サントリーホールにて】

                

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

株主総会は、会社を想う株主が多いように感じました。

建設的な質疑応答は参加していて気持ちが良かったです。

さらに、ミニコンサートは素晴らしかったです。

アメイジンググレースにウルっときてしまいました。

総会でお金の話で左脳をフル回転させ、その後、音楽を堪能しながら右脳を活性化させることができたのではないかと感じました。

お金と音楽の親和性を実感しています。

⑵ 気になっていること

株主総会の中で、株主優待を希望する声が多かったように思います。

サントリーが好きな人なら、製品が欲しくなるのは当然の心理だと思います。

ただし、親会社からすれば合理的に考えれば優待は魅力的に感じられないことも理解はできます。

ただし、同じような位置付けの通信のソフトバンクがペイペイポイントの株主優待に設定するケースなどを考えると、

株主優待に関する一工夫あっても良いのにな・・・”

と気になりました。

サントリーホール前の広場にて】

株主総会のお土産】


4 まとめ

サントリー食品インターナショナルについて述べてきました。

新しくなった社長の頑張りも好感が持てましたし、何よりニコンサートの素晴らしさがとても印象的でした。

一方、IT&DX関連などライバル企業に対して少し出遅れているようにも感じられました。

それらを全部考え合わせても、ミニコンサートがある限り毎年参加したいと思えるような株主総会でした。

お読みいただき、ありがとうございます。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #サントリー #ミニコンサート

  

Key Holder【4712】〜株主総会雑感

初投稿:2024.4.18

こんにちは!

この記事は、Key Holder【4712】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・総合エンタテイメント事業

・地下アイドルのように応援したくなる会社

【目次】 

株主総会会場のガーデンホールの入り口】


                      

1 Key Holderについて

⑴ 会社概要

四季報では、SKE48、乃木坂46物販等エンタメ、広告、映像制作のクリエイティブ企業とあります。

個人的にはWOWOWのお気に入りのドラマの制作に関わっている会社という印象が強い会社です。

売上高275億円、総資産272億円、時価総額183億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは0.89倍と苦戦しています。

企業理念 

”豊さの創造”

とあります。

エンタメを扱う会社らしくて好感が持てます。

なお、社名のKeyはステークホルダーの心や企業を、しっかり掴む(Hold)したいという願いが込められているとのことです。

セグメント

下記の4つの事業を展開しています。

・総合エンターテイメント事業

・映像制作事業

・広告代理店事業

・その他事業(不動産賃貸事業)

上記の事業間のシナジーがどのようになっているのかについて気になりました。

⑵ 株主になったきっかけ

12月決算で、業績が良く、エンタメというこれまで馴染みの薄い事業について関心を持ったため、年末に株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:17%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):7%

業績としては増収増益ですが、収益性はあと一歩というところだと思います。

そのあたりが、PBRの低さに繋がっていると考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):134%

自己資本比率(30%以上が望ましい):72%

短期的にも中・長期的にも問題はありません。

取締役候補者のスキルマトリックスの項目の中にM&Aが入っていることからも、恵まれた資本を活かしてどのようなM&Aを展開するかどうかに注目しています。

効率性 

・有形固定資産回転率:29.35

サービス業についての有形固定資産回転率のAIによる判定では5.8ですが、検索の結果では一桁多い回転率を示すサイトも少なくありません。

現状では「建物」へのミニマムな投資がなされていると考えます。

なお、不動産賃貸業も営んでいるとのことで、投資不動産も有形固定資産とほぼ同額が計上されています。

【案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

若い女性による司会が印象的でした。

社長からは

・自社株買いについての報告

・総合エンターテイメント事業としての事業展開

・海外案件の期ずれの問題(TOKYO VICE?)

・10円配当

・リラクゼーションスパの株主優待

などについての報告がありました。

主な質疑応答

Q.SKE等の購入する意思のない人のチケット応募対策について

A.所要の策を講じる。

Q.(Jトラストの株主より)Jトラストとのシナジーについて

A.シナジーを出すよう尽力する。

Q.アルタ閉店に伴うKey Studioの営業終了について

A.アルタを所有する伊勢丹の判断である。

Kye Studioは当社のルーツであり影響は大きい。

今は利益が出てしっかりやっていける代替スタジオを模索中である。

Q.新しいファンの獲得について

A.ご指摘のとおり、小中高生が足を運びやすくなるよう努める。

Q.秋元氏の作品の遅れに対する対策いついて

A.秋元氏が全てを確認しながらやっている。

よって、タイミングによっては延期も有り得る。

スタッフによるバックアップ体制には引き続き最善を尽くす。

Q.新規の人が個別握手会にどうやって参加していいかわからないことについて

A.マネジメントとファンの交流会に着目してより良くしていく。

Q.利益の2/3を稼ぎ出す乃木坂46をもっとアピールすべきでは?

A.乃木坂46についてはSONYと50%づつの出資でありすり合わせが必要。

グループとしてのCM等常日頃から効果的なPRを考えている。

Q.配当政策について

A.配当性向の市場平均は40%だが、当社は17.7%。

成長のためのM&Aなども考慮しつつ、内部留保を続けながら利益が出た場合に還元する方針。

Q.株主還元(減配にならないように)について

A.貴重なご提案ありがとうございます。

Q.男性アイドルグループについて

A.秋元氏と共に検討中である。

ジャニーズ事案があったが、次なる一手の一つとして考えている。

Q.女性アイドルの不祥事に対するペナルティについて

A.タレントは従業員ではない。

事案についてはケースバイケースで対応する。

なお、所要の教育、コミュニケーション、マネジメントについては引き続き徹底していく。

Q.いい会社なのにそのよさを伝える努力が足りないのでは?

A.ご指摘ありがとうございます。

IR等に注力します。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役6名選任の件

監査役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記のとおりです。

・2023年12月期:20円

・2022年12月期:10円

・2021年12月期:10円

・2000年12月期:10円

・2019年12月期:1円

配当を続けており、しかも増配基調なのは評価できます。

株主優待

6月末の株主に対して、600株以上で株数に応じてリラクゼーションサロンで利用可能なチケット(22、000円分/100分)がもらえます。

自社株買い 

内部留保を利用した自己株式の取得などを実施しているとあります。

また、株式を活用したM&Aも活発に実施しているようです。

【ガーデンホール出口の様子】

               

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

株主総会では、会社を愛する株主が多く建設的な提案が多かったように感じました。

参加していて気持ちの良い総会でした。

アイドルを応援する勢いで、当社の株主となり、さらに親会社のJトラストの株主になったような株主さんもいらっしゃったように思います。

ある意味、親会社のJトラストの社長さん以上に当社の良さを理解している株主もいるのではないかと感じました。

自分のような”にわか”株主と違って、当社とそのタレントを知り尽くした方の意見は投資をする上でとても参考になりました。

⑵ 気になっていること

株主総会で最後に質問された方の

”良い会社だけどIRが足りてないのでは?”

という指摘が当社の現状をよく物語っているように思いました。

配当政策にしても、今期の減配予想?の影響を少し甘く見ているのではないかと気になっています。

市場はネガティブな情報には敏感です。

東証も株価を意識した経営を推奨しています。

配当一つとっても株価に与える影響をよく考えて社名通りの真摯で丁寧な経営を期待します。

4 まとめ

Key Holderについて述べてきました。

初めて株主総会に参加して伸び代の多い会社だと感じました。

アイドル同様、会社を”推し”たくなる株主の気持ちに少し触れることができたかもしれません。

来年の株主総会にも参加したいと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #