初投稿:2023.10.31
こんにちは!
この記事は、カラダノート【4014】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・妊娠・子育てアプリの会社
・今後のJMDCとの関係
【目次】
【株主総会の会場】
1 カラダノートについて
⑴ 会社概要
売上高20億円、総資産10億円、時価総額36億円の事業規模。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは9.63倍の高い評価です。
企業理念
理念は下記の通りで、共感できるものです。
『家族の健康を支え笑顔をふやす』
セグメント
主な事業としては下記の通り紹介されています。
少し抽象的な印象を持ちました。
⚫️ファミリーデータプラットフォーム事業
自社メディア等により収集するデータベースを元に、ユーザーのニーズに合った商材を提供しているクライアント又は自社サービスをマッチングする
なお、会社説明会では3本柱として
・家族サポート事業(個人)
・データマーケティング
・大企業とのPoC共同事業(例えば、中部電力)
を挙げていました。
⑵ 株主になったきっかけ
決算が7月の企業であり株主優待が気になって株主になりました。
社名から健康管理の会社のイメージがありましたが、妊娠・子育てアプリに強みを持つ会社ということは株主総会にて知りました。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:74%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):営業赤字
IT企業らしく粗利率は高いです。
残念ながら営業赤字ですが、社長の話によると今期に黒字化の見通しが立っているとのことで楽しみです。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):263%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):35%
短期的には問題ない水準です。
ただし、中・長期的には会社の規模を考えると少し懸念の残る数値と考えます。
元々固定資産もなく今回減資をしているので、何かあった時の対応が気になります。
効率性
・棚卸資産回転率:79.79
主にサービスを提供している会社なので、棚卸資産回転率は高めです。
情報通信業の平均が約25であることを考えても、効率的な経営がなされていると推測します。
【株主総会の案内板】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第15回定時株主総会 2023年10月26日(木) 田町グランパークプラザ棟
十人前後の株主が集っていました。
総会そのものは30分程度で終了し、その後、会社説明会がなされました。
主な質疑応答
Q.退任する取締役(12年勤務)について(一言お願いします)
A.社長から、「新たな道を歩みたい」という本人の意向が紹介される(本人からの一言はなし。)
Q.1号議案の減資に伴う繰越利益剰余金の補填について
A.繰越利益剰余金がマイナスのままの会社もあるが、当社は今期、黒字化を予定しており、これに合わせて過去のマイナスを清算することが妥当と判断した。
Q.1号議案に伴う節税と社会的責任のバランスについて
A.納税による社会的責任を果たすことは重要と考える。
資本金1億円というのは大企業レベルであり、当社の事業規模や利益にふさわしいレベルを考えての減資と考える。
Q.新役員の挨拶ともう一人の退任役員のコメントについて
A.承知した(総会後)。
Q.減資や固定資産がないことが資金調達に与える影響について
A.M&A等においては銀行から借入金を得られる状況にある。
(公募増資も含めて)資金調達についてはその都度、最適な方法で実行していく。
決議事項
・資本金の額の減少及び剰余金処分の件
・取締役3名選任の件
・監査等委員である取締役3名選任の件
拍手を持って承認・可決されました。
⑵ 会社説明会
株主総会の5分後に約30分程度の会社説明会が実施されました。
主なポイント
・医療費圧縮の流れ:シックケア→ヘルスケア→ウエルネス
・競争力の源泉:妊娠・子育てアプリは95%の利用率、接点から一気通貫の事業
・成長戦略:個人顧客数×LTV(ライフタイムバリュー)×家族コンシェルジュ数
主な質疑応答
A.トップダウンによる”指示待ち”等の影響につては十分留意して経営していく。
併せて、社員の子供に無償で株式を贈与する新制度である「わが子のように」の実例を紹介しながらオリジナリティの重要性に言及。
Q.事業全体の底上げを図るのか、特定の重点分野に注力するのか(戦略について)
A.子育てのDX化について改善を継続していく。
今後もパイオニアに近い形でアプリを出していく。
ただし、これまでを振り返るとアプリにより便利にはなったが、少子化に歯止めがかかったとは言えない。
コンシェルジュによるより深い問題解決、官民共同等に留意し、メディアへのポジティブな情報発信を通じて社会の雰囲気をかえ、ひいては少子化対策に貢献していきたい。
Q.今後の黒字化の推移について
A.ストックビジネスを中心に頑張る。住宅関連事業の業績が大きいと認識。
Q.人員の大量採用に伴うガバナンスや組織文化への影響について
A.採用時や育成時を含めてしっかりと人事評価することで対応していく。
Q.これからの資本業務提携について
A.ビジョンが一致する会社と共同で事業を実施しつつ変化を起こすことが重要と認識。
そのためには、当社のスタンスをSDGs、サステナビリティ、子育て支援等で発信し続けることが重要。
遊園地などにも着目している。
そのような情報発信の過程で事業化への紹介がなされると思料する。
Q.データビジネスの難しさについて
A.PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)については、ご指摘のとおり個人情報管理などハードルが高く難しい面が多々ある。
ただし、その難しさを乗り越えた先に還元が得られるものと考える。
(JMDCの松島さんからの補足)データの流れにはリアルからデータへとデータからリアルの2つの流れがあり、これらは循環している。
データビジネスの深化に応じて見えないものが見えてくることに意義があると考える。
JMDCの親会社であるオムロンのデバイスとの連携についてはこれからの話ではないか。
当社の社外取締役就任についてはあくまで私個人の判断である。
⑶ 株主還元
配当
なし
株主優待
下記のお水ボトル1セット無料券
調べてから使ってみたいと思います。
【株主優待】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
少子化に果断に挑む社長の心意気は素晴らしいと感じました。
特に、便利にはなったが少子化に歯止めがかからない現実を直視し、その上で、改善策を考える姿勢には好感が持てました。
さらに、オリジナリティやパイオニア精神からもさらなる成長が期待されます。
また、妊娠・子育てアプリを通じて、生まれる前から”顧客”の情報を入手できるのはある意味、すごいことだと感心しています。
JDMCが関心を寄せるのも納得です。
⑵ 気になっていること
社長のノンバーバル(非言語)コミュニケーションは上手ではありません。
総会中にずっとモニターを覗き込んでおり、株主へのアイコンタクトがほとんど無かったからです。
対処すべき課題に「知名度の向上」が挙げられていますが、まずはステークホルダーとの良好なコミュニケーションから始めないと上手くいかないのではないかと気になりました。
もう一つ気になったのは、JMDC代表取締役会長の方の社外取締役就任と生え抜きの取締の退社です。
当社にとって、一つの転機だと推測されます。
社長の今期黒字化の強気の姿勢の背景に、成長著しいJMDCとの関係があるように思えてなりません。
JMDCとの関係が当社の成長に及ぼす様々な影響をモニターしていきたいと思います。
【株主総会の会場の全景】
4 まとめ
カラダノートについて述べてきました。
あまりよく知らないで株主となりましたが、株主総会や会社説明会を通じて、少子化対策や成長性といった点で魅力を感じました。
その一方で、役員の入れ替わりによる当社の方向性についてはまだまだ見えない部分を感じています。
今までの良さを活かしつ、当社の今期からの黒字化、さらには持続的成長を期待します。
お読みいただき、ありがとうございました。
なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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