こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

JDSC【4418】株主総会雑感(AIを核とした産業協調の強み)

初投稿:2023.9.28

こんにちは!

この記事は、JDSC【4418】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・東大と関係が深いAI会社

・PKSHAとはにて非なる会社

【目次】 

株主総会の会場 ソラシティ】

                       

1 JDSCについて

⑴ 会社概要

売上高19億円、総資産42億円、時価総額181億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは5.07倍と高評価です。

業種はSI ・ソフトウエア開発で時価総額順位は110/256社とのこと。

四季報ではブレインパッドPKSHAが比較会社となっています。

企業理念 

HPには私達が提供できる価値として

「利益に直結したAI活用サービス」

が掲げられています。

事業内容

下記の3つが事業内容です。

⚫️機械学習を活用したアルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供事業

⚫️ITシステムの開発と運用事業

⚫️データサイエンスに関するコモン・コンサルティング事業

⑵ 株主になったきっかけ

6月決算企業を探していました。

東京大学との繋がりの深いAI企業ということで追い風を受けて成長するかもしれないと思い株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:51%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):4%

IT企業らしく粗利率が高い割には営業利益率は高くありません。

会社の説明によると人材確保・育成のために投資をしているとのこと。

成長投資についは一過性のものか計画的に今後も継続されているかどうかが気になるところです。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):601%

自己資本比率(30%以上が望ましい):86%

短期的にも中・長期的にも財務的には問題ありません。

会社の規模を考えて安全計数を高めに経営することは理解できます。

ただし、少し資本効率を高めても良いように思えます。

M&Aも積極的とのことなので、その点での成長を期待します。

効率性 

・有形固定資産回転率:31.02

全業種の平均が47.3(2021年)であることを考えると、更なる効率化の余地があると考えます。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第5期定時株主総会 2023年9月26日(火) お茶の水ソラシティ

受付でペットボトルに入った水をいただきました。

席にはプレゼン資料が配布。

集まった株主は比較的ベテランで30名を超えていました。

11時からの総会開始。

社長CFOから業績の説明と当社のコンセプトが配布資料に沿ってなされました。

事業の例として

・フレイル事業

・”船のかかりつけ医”的な事業

・メールカスタマーセンター事業

などの事例が紹介されていました。

ビジネスの構造は同じで業界が異なるので効率性とリスク分散が同時に達成しうる良いビジネスモデルだと感じました。

主な質疑応答

Q.リーン(社員30名)であるMCC社の買収について

A.損益分岐点、利益率、リスク共に低い会社である。

買収には攻めの部分があるが、グループ全体としてのシナジー効果があると考える。

Q.1号議案(減資)とM&Aの財源について

A.ご指摘のとおり節税による株主メリットもある。

M&Aの財源については借入金を考えている。

ただし、過剰にならないよう気をつけ、適正な資本構成に努める。

Q.大きく増減する社員数の推移について

A.ストックオプションの行使により大量の離職者が発生した。

離職者の中には起業を試みる者、フリーランスとして当社を支援する者などがいるが、当社のJoint R&Dという仕組みについては個別のコンテンツが重要であり、ノウハウが流出するリスクは少ないと考える。

それよりも、新規採用者の教育・育成により当社ビジネスの本質が損なわれないように留意することが重要。

Q.継続顧客60%の意味について

A.妥当と考える。

新規顧客40%によって各種分野における顧客分散がなされることで、リスク管理に資すると考える(1社に依存しすぎると何かあった場合は大変なことになる)。

Q.海外の人材の活用について

A.これまでに何人かのトライアルを実施してきたが、顧客とのコミュニケーションの問題から能力が十分に発揮されなかった。

海外人材の活用については引き続き検討する。

決議事項

・資本金の額の減少の件

・取締役5名選任の件

・取締役に対する株式報酬付与のための報酬決定の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、散会前に前役員から”ひとこ挨拶”があったのが印象的でした。

経営陣と株主の良好な構築に寄与していたと思います。

株主総会雑感

総会に参加するまでは、数多く存在する流行のAI企業としか思っていませんでした。

ただし、コンソーシアスムという結合する理論のビジネスモデルや株主との関係を大切にしようとする姿勢は評価されるものだと感じました。

将来が楽しみな会社と出会えて良かったと思っています。

⑵ 株主還元    

配当

なし

株主優待

なし 

自社株買い

2022年11月にM&Aを目的とした自社株買いが実施されています。

【会場 カンファレンスセンターへの入り口】

                 

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入ったこと

社長から社名のJDSCのCの頭文字であるコンソーシアスムというコンセプトの説明に関心を持ちました。

この指とまれということで、自社の能力だけではできないことを”産業協調”で実現するというのは素晴らしい発想だと思います。

当社の競争力の源泉となる可能性があり将来性に期待が持てます。

⑵ 気になったこと

気になったことを簡潔に列挙します。

・大量の離職や採用により組織文化やガバナンスはしっかりと醸成できるのか?

株主総会の時間が短かった(10時スタートを希望)

・コンソーシアムの良さがHPでは見つけられなかった。

・そもそも当社のHPは分かりにくい。

・役員のスーツの着こなしや身だしなみ、足で机の布を蹴る仕草

など。

今後、会社が成長することでステークホルダーとのコミュニケーションがますます重要になると思います。

その際、ノンバーバルコミュニケーション(非言語によるコミュニケーション)である、見た目(姿勢、服装、仕草、話し方等)で評価を落とさなければ・・・と気になりました。

⑶  PKSHAとの比較

以前、PKSHAの株主だったことがあります。

確か、起業時の役員がどんどん離職していき最後は一人になって、

「意思決定が早くなるからいいんだ!」

と社長が豪語していたと記憶しています。

そして株主総会の時には、信者のような若手株主によるヨイショの発言と、ベテランによる苦言が交錯し、カオスのような状態でした。

今考えると、PKSHAは基本的に社長の好みによる【排除の論理】が特徴だったと思います。

そして当社の株主総会

最初はPKSHAと同じだったらどうしようと懸念していました。

というのも、

・東大関

・AI企業

・上場後まもない

株主総会でミネラルウォーターの提供

株主総会でのプレゼン資料の配布

など共通点が多かったからです。

でもそれは杞憂だったと思います。

JDSCのJOINT R&Dがしっかりと社内カルチャーとして根付いているという前提に立てば、【結合の理論】が特徴となるからです。

PKSHAとは対極に位置するものです。

ということで、株主総会も有意義な審議ができていました。

参加して良かったです!

【会場でいただいたお水】

4 まとめ

JDSCについて述べてきました。

追い風の期待されるAI企業であることに加え、ビジネスモデルも良いものであると考えます。

ただし、まだ事業規模も小さく株主総会も5回目の会社なので、人員の増減他、いろいろなことがこの先も発生すると推察します。

それらの課題も含め、自社の強みを活かしながら成長を続けることを今後も注視していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

    

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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