初投稿:2024.5.2
こんにちは!
この記事は、キャノン【7751】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・優れた技術力VSチャイナリスク
・88歳の会長と83歳の社長!
【目次】
【キャノン本社】
1 キャノンについて
⑴ 会社概要
カメラやコピー機で馴染みの会社ですが、半導体露光装着、監視カメラ、医療機器も展開しています。
売上高約4.1兆円、総資産約5.4兆円、時価総額約5.6兆円の事業規模。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは1.23倍です。
企業理念等
下記の通りで、崇高さを感じさせられます。
一方で、少し抽象的な気もします。
⚫️企業理念
『共生』
⚫️キャノンのDNA
「人間尊重」「技術優先」「進取の気性」
⚫️三自の精神
自発、自治、自覚
セグメント
下記の5つに区分されています。
( )内の数値は売上高の構成比を示しています。
プリンティングの占める割合が大きいことが意外でした。
⚫️プリンティング(56.1%)
⚫️メディカル(13.2%)
⚫️イメージング(20.6%)
⚫️インダストリアル(7.5)
⚫️その他(4.5%)
⑵ 株主になったきっかけ
12月決算企業ということと半導体関連に注目していたので、2023年末に株主となりました。
十数年前にも株主となったことがありますが、当時のことはあまり覚えていません。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:47%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):9%
製造業なのに粗利率が高いことが意外でした。
カメラ等の精密機器なので原材料費が少ないという理解で良いのでしょうか?
それに比べて営業利益率が思ったほど高くはありません。
販管費等にそれなりのコストを投じているようです。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):155%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):67%
短期的にも中・長期的にも問題ありません。
また、自社株買いした株式については償却する予定はないとのことなので、M&A等に使用されるのではないかと推察します。
効率性
・有形固定資産回転率:3.82
製造業らしく、有形固定資産回転率(全業種中央値は4.5)は高くはありません。
勘定科目を見てみると「建物及び構築物」、「土地」、「機械及び装置」に続いて「建設仮勘定」が計上されています。
設備投資に対して積極的な姿勢と考えます。
【株主総会の看板】
2 株主総会等
第123期定時株主総会 2024年3月28日(木) キャノン本社
⑴ 株主総会
参加していません。
ライブ配信もありませんでした。
参加した人の主なコメントは下記の通りです。
⚫️後継者問題〜常に考えている!?
⚫️サステナビリティ〜CO2削減や気候変動対策には積極的に取り組んでいる。
⚫️チャイナリスクについて〜中国は日本にとって重要な隣人と考えている。
中国で扱うものは中国で作る、研究開発の拠点は中国には置かない。
国策に沿って中国とつきあう。
⚫️人事〜難しい国家資格を保有していても社内試験に合格しないため浮かばれない社員がいるのでは?
⚫️議長〜発言のために挙手をしている人を見つけるのに苦労している様子だった。
決議事項
⚫️剰余金処分の件
⚫️取締役10名選任の件
⚫️監査役1名選任の件
⚫️取締役賞与支給の件
⚫️取締役に付与される新株予約権の総額および総数改定の件
承認・可決されました。
⑵ 株主還元
配当
1株配当実績は下記の通りです。
コロナ前の高配当から減配後、徐々に増配に転じているようです。
・2023年12月期:140円
・2022年12月期:120円
・2021年12月期:100円
・2000年12月期:80円
・2019年12月期:160円
株主優待
なし
自社株買い
2023年度は計1000億円規模の自社株買いを実施されたようです。
2024年度も引き続き同規模の自社株買いが実施されると報じられています。
【表札】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
カメラやプリンタを愛用していたこともあり馴染みのあることで応援したいという気持ちになります。
また、時代の流れという点で、インダストリアルビジネスユニットでは生成AIに使われるGPUの先端パッケージ関連の半導体露光装置にも期待が持てます。
⑵ 気になっていること
技術力に比べて営業力についてはどうなんでしょうか?
特に、経営者の高齢化が気になります。
88歳の会長、83歳の社長の良さもあるとは思いますが、
”会社のポテンシャルはきちんとに引き出されているのか?”
が、気になりました。
あと、チャイナリスクに対する姿勢に疑問を持ちました。
・米中対立で米国か中国かの選択を迫られるのにその決断ができないこと
・チャイナリスクが顕在化した場合、在中の邦人全員を政府が助けることは不可能なことが自明なのに、”国策に沿う”とはどのような意味なのか?
など、状況によっては企業価値を大きく毀損させかねない経営陣に疑問を持ちました。
【記念館】
4 まとめ
キャノンについて述べてきました。
大企業で馴染みがあり半導体関連の時流にも載っている点で良い会社だと思います。
積極的な自社株買いにより株価は堅調に推移している点も評価できます。
その一方で、経営陣の高齢化及び地政学リスクに対する懸念も感じていました。
チャイナリスクに対する認識が甘いのでは?
と考え、
企業価値を大きく毀損することが起きてからでは遅い!
と判断して持株を売却しました。
それでも、引き続き会社の動向はモニターしていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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