初投稿:2024.5.8
こんにちは!
この記事は、GENDA【9166】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・会長、社長、CFOの親しみやすさ
・エンタメ企業らしい株主を楽しませる株主総会を!
【目次】
1 GENDAについて
⑴ 会社概要
アミューズメント施設のGiGOを中心に展開し、エンタメ業界のM&Aや海外展開での成長を続けている会社。
グロース市場上場は2023年7月28日。
売上高556億円、総資産521億円、時価総額998億円の事業規模。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは5.12倍と高評価です。
企業理念
非常に具体的で野心的な理念だと思います。
実際、2040年の世界一について株主総会でも繰り返し審議されていました。
ステークホルダー全員の頭合わせをするには、有効な理念だと思います。
⚫️ASPIRATION(大志)
世界中の人々の人生をより楽しく
⚫️VISION(野望)
2040年の世界一のエンタメ企業に
セグメント
アミューズメントの単一事業となっていましたが、今期からは
⚫️エンタメ・プラットフォーム事業
「アミューズメント」と「フード&ビバレッジ(F&B)」から構成
⚫️エンタメ・コンテンツ事業
「キャラクター・マーチャンダイジング(MD)」と「コンテンツ&プロモーション」で構成
の2つのセグメントとなっています。
⑵ 株主になったきっかけ
1月決算企業で、業績が良く、新しい会社ということで株主になりました。
朝の経済番組の出演を含め、社長が目立っていますが株主総会を通じて会長やCFOより親しみを感じました。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:23%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):10%
収益性は悪くはありません。
ただし、ネットで注目されている割には、堅実な経営がなされていると思います。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):140%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):38%
短期的にも中・中長期的にも問題があるレベルではありません。
反対に、新興企業でありがちなキャッシュリッチで自己資本を厚くしているわけでもありません。
M&Aを得意としているだけあって、資本の効率化という点でも今後の財務の巧みさに期待します。
効率性
・有形固定資産回転率:4.43
サービス業という括りが妥当かという点はありますが、二桁の回転率を考えると有形固定資産についてはあまり効率的な経営がなされているとは言い難いです。
勘定科目は金額順に「アミューズメント施設機器」、「建物及び構築物」、「賃貸資産」、「工具、器具及び備品」、「建設仮勘定」、「その他」となっています。
憶測ですが、効率性の低さは、買収したゲームセンターの”資産”の収益への貢献の度合いを示していると考えます。
【案内板】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第6回定時株主総会 2024年4月26日(金) ベルサール汐留
主な質疑応答
広い会場に多くの株主が集っていましたが、静かな雰囲気。
開会直後に社長から上場のお礼の言葉が伝えられました。
前期すべて上回った業績、前期のふりかえりと今季の予想について社長からのプレゼンが続きました。
また、バーチャルオンリーの株主総会については基本的にパンデミックの時に実施することとする方針など、好感が持てる説明だったと思います。
【事前】
Q.赤字の多いゲームセンターの運営について
A.マニュアルの共通化、DXの推進、調達コストの低減等によるリリブランドを通じて増収増益を計っていく。
Q.M&Aの資金について
A.資金の調達については、借入金、エクイティファイナンス等、同一基準で実施していく。
Q.株主優待について
A.有効な手段と考えるが、株式価値向上を優先させる。
【会場】
Q.会長と社長のゲームに対する原体験について
A.社長は、”リボン”や”なかよし”、プリクラなどに親しんだこと。
会長は、小学校では自分が作ったゲームで友達が楽しんでいる姿を見て、大学時代は企画したジュリアナパーティを多くの人に楽しんでもらえることを経験し、エンタメの仕事(イオンファンタジー)に進んだ。
Q.2040年の世界についての世界感について
A.産業革命以来働く時間は低下し、余暇時間が増え続けている。
今後はどのようなエンタメが好きかがその人のアイデンティティを決める世の中になると予想する。
Q.沼津のあわしまマリンパークやアニメのラブライブについて
A.ラブライブについてパートナーとして関与していく。
Q.取締役のボードの構成において社外が2名では少ないのでは?
A.経営はチームでするものであり、社外取締役は重要で、かつ、積極的に経営に関与している。
Q.営業利益率が10.5%から7%に低下した理由について
A.低利益率のカラオケを買収した影響と、会計基準が日本なのでのれんの償却の影響により営業利益率が低下した。
Q.海外展開について
A.現在、米国、台湾、中国に進出しているが中でも米国に注力している。
Q.世界一の指標について
A.エンタメ世界一のイメージはウォルトディズニーであり、指標としては売上、時価総額等が考えられる。
現在の成長スペースを継続することが世界一に通じると考える。
Q.M&Aのリスクとブランドについて
A.M&Aの進捗についてはIRをご覧下さい。
M&A後のブランドについては、ケースに応じてブランドを統一したり、以前のブランドをそのままにしたりしている。
Q.海外展開(特にインド)について
A.具体的な国名については話せない。
米国中心に展開をしていく。
Q.定款の変更(ロボット、電子機器等の追加)の必要性について
A.将来におけるゲーム機の開発を目的としたもの。
Q.協業しているFLIPSについてのM&Aについて
A.事業展開については色々なやり方があり、現時点では決まったものはない。
Q.カラオケとGiGOを展開するメリットについて
A.シナジー効果があると考える。
Q.今後のエンタメ業界(ソーシャルゲーム)のリスクについて
A.店舗事業については感染症の影響が大きいと考える。
また、全般的に金利上昇のリスクはあると認識。
Q.ラウンドワンのような業態について
A.今は考えていない。
Q.GAGAのグループ入りという新しいチャレンジについては喜ばしい。
A.ありがとうございます。
Q.ミニロケの米国における反応について
A.2021年から展開しているが、支持を受けていると認識。
Q.プロバスケットボールチームであるサンロッカーズとの契約について
A.単なるスポンサーのみならず広告・宣伝を超えた色々な関係を探っていきたい。
決議事項
⚫️定款一部変更の件
⚫️取締役7名選任の件
拍手を持って、承認・可決されました。
なお、閉会前に新役員の紹介と退任する役員からの挨拶がありました。
さらに退任者からの
”当社は若くて爽やかな会社”
という言葉に好感を持ちました。
⑵ 株主還元
配当
なし
株主優待
なし
自社株買い
20億円を上限に4月から7月までの間で、適時、自社株買いを実施していると報じられています。
【総会終了後のメッセージ】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入ったこと
経営陣の人柄が分かってよかったです。
特に、会長の
「周りを喜ばせることに生きがいを感じる」
という発言に、一緒にお酒を飲んだらさぞかし美味しいだろうなと妄想してしまいました。
CFOの方の発言も丁寧で分かりやすい説明がなされていて、財務的な安心感を感じました。
社長も当初は丁寧な対応をされていましたが、少し緊張気味で、後半はお疲れなのか”金融機関出身者らしさが出ていました。
それらを考え合わせても、6回目とは思えないほどしっかりとした議事運営は気に入りました。
⑵ 株主総会にもエンタメを!
株主総会に集った株主の方の会社への愛を感じました。
質問を聞いていても、意地悪なものはなく、建設的な提言や質問が多かったように思います。
さらに、会社のWEBサイトではM&Aの進捗について詳細かつ説得力のあるIRを数多く出されています。
ならば、経営陣は自信と熱意とエンタメ心を持って、株主の質問に答えても良いように感じました。
エンタメ心とは、経営陣が株主との対話を楽しむこと。
自分の中のイメージを挙げれば、会話がきちんと成立していて、一体感があり、自然な拍手や笑いが生じた「日本郵船」や「三菱商事」、「丸紅」の株主総会などがあると思います。
来年の株主総会に期待します。
【総会会場の出入り口にて】
4 まとめ
GENDAについて述べてきました。
どちらかと言えば、ネット上の話題先行の会社というイメージがありましたが、経営陣の様子を通じてその堅実な面を確認することができて安心しました。
来てよかったです。
業績も好調で、2040年の世界一の夢も魅力だと思います。
充実しているIRをもっと読み込んで会社の理解を深掘りした上で、来年も株主総会に参加したいと感じました。
お読みいただき、ありがとうございます。
なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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