初投稿:2023.8.9
こんにちは!
この記事は、フージャースホールディングス【3284】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・高配当・好業績かつ株主に恵まれた会社
・リスク管理の取組は・・・
【目次】
1 フージャースホールディングスについて
⑴ 会社概要
売上高792億円、総資産1475億円、時価総額382億円の事業規模。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは1.05倍とギリギリの評価。
ただし、配当利回りは5%を超えています。
企業理念
スローガンは下記の通りです。
少し抽象的な感じもしますが、その辺りが現場で運営にあたる社員のやる気やアイデアを生む原動力につながるのではないかと考えます。
・コーポレートスローガン
欲しかった暮らしを、しよう。
セグメント
・不動産開発事業
・CCRC事業
・不動産投資事業
・不動産関連サービス事業
・その他事業
⑵ 株主になったきっかけ
高配当株ということで2022年冬にNISA口座で購入しています。
おかげさまで含み益を維持しています。
できる限り長く株主でいたいと思っています。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:24%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):11%
収益性は高いです。
会社は「市況に左右されない安定的な事業基盤を構築することに努めてきた」とのこと。
この高収益性が長く続くことを期待しています。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):342%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):29%
短期的には問題ないものの、中・長期的には懸念が残る数値となっています。
経営陣も、
「財務基盤の強化と資本効率の両立」
を課題として認識しているようですが、金利の上昇等の影響には注意を払う必要があると考えます。
効率性
・有形固定資産回転率:3.39
不動産会社らしい数値だと考えます。
勘定科目は金額順に「建物及び構築物」、「土地」等の順になっています。
【丸の内駅前】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第10期定時株主総会 2023年6月23日(金) ベルサール八重洲
ライブ配信を視聴しました。
ビデオによるセグメントごとの事業報告、対処すべき課題、中期経営計画等の説明が続きました。
さらに、下記の通り経営目標と株主還元についても言及。
・2026年度目標:経常利益100億円以上、売上高経常利益率10%以上、純利益65億円、ROE15%以上
・株主還元:配当性向40%以上、DOE4%以上
以上の報告に続き、議案が上程されました。
主な質疑応答
Q.金利上昇の影響について
A.当社はプロジェクト単位で融資を受けており固定金利が中心である。
よって、金利の上昇が直ちにプロジェクトに著しい影響を及ぼすとは考えていない。
ただし、新規物件が買いにくい状況になることについては懸念している。
Q.今後のワクワクするような夢のある話について
A.30年前はこの業界は川上理論だったが、リーマンショックにより川下理論となり、顧客中心の事業となってきていると認識(好ましいこと)。
今後は企業力(?)をいかにしてつけていくかが勝負。
アライアンスや大手の傘下に入る企業が多い中、ライフスタイルの多様化に伴い大きなビジネスチャンスもあると認識している。
大変である一方でやりがいもある。
消費者にとっては、「ガマン」から「ワガママ」の時代になったと思う。
住宅領域の中において、開発に注力したい。
また、当社は、シニア向けマンションに強みがあるが、海外事業も育てば良いと考えている。
Q.退任するいくま取締役の今後について
A.数年かけて退任準備を進めてきた。
後継者も育ち問題ないと考える。
今後は他の金融機関で働くが、当社への想いは不変である。
来年は株主として、皆様と同じ席から会社を応援していく。
Q.シニア向けマンションへの大手の参入について
A.シニア向けマンションには分譲と運営の2つの要素があると考える。
分譲に関しては参入障壁はないが、運営の部分についてはこれまで苦労して培ったノウハウが当社にはあり、これが参入障壁たり得ると考える。
また、分譲の価格帯も財閥系は1億越えが中心価格帯なのに対して、当社は5〜6千万が中心。
また、可能であれば23区内への挑戦を考えている。
Q.(江古田の森に入居している株主より)契約後の非入居期間の管理費について
A.入居ありがとうございます。
管理費につきましては区分所有法で決められており、ご容赦ください。
Q.(同上)物件の売却は可能か
A.可能である。
なお、当社はワンストップサービスを提供しているので売却の際には是非ご用命ください。
ちなみに、過去の実績では購買価格の88%(?)程度で売れています。
Q.当社の顧客にマンションを売った後のソフト面が雑であることについて
A.申し訳ありません。
この後、個別に担当者と話をさせていただきます。
Q.(2005年から少なからずの株式を保有する株主より)バイオマス事業の失敗について
→やれることはやれ、やれないことはやるな
→事業というのは千人に一人というレベルの人材が数人いれば大丈夫
→事業は強みのあるところに絞り込んで欲しい
→岐阜のタワーマンションでは頑張った
A.厳しいご指摘、ありがとうございます。
住宅の開発が軸足と認識し、そこを中心に頑張ります。
決議事項
・剰余金処分の件
・取締役4名選任の件
・補欠のLである取締役1名選任の件
拍手を持って、承認・可決されました。
⑵ 株主還元
配当
1株配当実績は下記の通り。
高配当が続いています。
・2023年3月期:52円
・2022年3月期:36円
・2021年3月期:24円
・2020年3月期:35円
・2019年3月期:25円
株主優待
なし
【打ち水された丸の内駅前】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
住宅系の不動産の会社の株主総会では、入居者からのクレームのオンパレードになることも珍しくない。
当社も、そのような発言が散見されました。
ただし、株主も経営陣も真摯な態度で”審議”しており、好感が持てました。
株主に恵まれた会社だと思います。
また、30年間当社を率いてきた、廣岡取締役からの”この業界についての一言”は興味深かった。
新興カタカナ不動産会社がリーマンショックで壊滅した時のことも含めて参考になりました。
同じくリーマンショックを生き抜いた会社にランドという会社もありますが、現在の経営状態は当社の方が安定しているように思います。
不動産業界の天国と地獄を知る経営者からの知見に触れるという意味でも株主総会に参加する価値はあると思料します。
⑵ 気になっていること
株主からの指摘にもあったように、バイオマス事業には失敗したようです。
そのことは、不動産(住宅)の一本足打法が続くことです。
得意な分野に経営資源を集中することも大切ですが、デフレの世の中からインフレの時代への大転換期においてリスク管理の点で必要となる事業や地域分散についてはどのように考えているのか?
ちょっと気になりました。
【丸の内ストリートギャラリー】
4 まとめ
フージャースホールディングスについて述べてきました。
高配当、参入障壁の高いシニア向けマンションに強みを持つ特徴など、長く株主を続けていきたい気持ちになりました。
一方で、不動産業界の転換期において、持続可能な成長を実現するためにはリスク管理(事業分散、地域分散)が必須となりますが、その点については・・・。
愛ある株主の方々と共に見守っていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #