こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

三菱自動車【7211】について

初投稿:2023.8.2

こんにちは!

この記事は、三菱自動車【7211】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・オープンな株主総会

・自動車業界100年に1度の変革

【目次】 

【田町のショールームにて デリ丸のぬいぐるみ】

                   

1 三菱自動車について

⑴ 会社概要

自動車会社で四季報では事実上日産の傘下とあります。

大株主は日産、三菱商事とのこと。

同時に”自動車”業種の時価総額順位では8/8社です。

売上高2.4兆円、総資産2.2兆円、時価総額8651億円の事業規模。

PBRは1.0倍とギリギリの評価です。

企業理念 

下記の通りで、共感できるものと思います。

VISION

モビリティの可能性を追求し、活力ある会社をつくります

・MISSION

1 独創的な商品と優れたサービスにより、お客様に新たな体験を提供します

2 社会の持続可能な進展に貢献します

3 信頼される企業として誠実に活動します

4 アライアンスを活用し、ステークホルダーにより高い価値を提供します

⑵ 株主になったきっかけ

株価が安く、今後の伸び代が大きいことに期待しました。

過去最高業績や復配など、今後の展開が楽しみです。

⑶ 経営分析

経営分析の数値を見ると意外にも、業界トップのトヨタとそれほど遜色はないようです。

むしろ、トヨタの方が決算期にPBR1倍割れだったことを踏まえると健闘しているとさえ思います。

収益性

・売上高総利益率:21%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):8%

会社の2025年度における売上高営業利益率の目標は7%以上です。

そう考えると、円安の追い風が大きかったと考えます。

ちなみに、トヨタ売上高営業利益率は7%でした。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):146%

自己資本比率(30%以上が望ましい):38%

会社の目標については自己資本比率は45%以上とのこと。

そのように考えると、まだまだ安全圏ではなさそうです。

経営危機を経験した会社だからこそ、安全性についての感度は敏感だと思います。

ちなみに、トヨタ自己資本比率は39%です。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.41

ちなみにトヨタの場合2.94であることを考えると、有形固定資産については効率的な経営がなされていると考えます。

ただし、少し三菱自動車のディーラーが少ないような気もします。

【お台場の自動運転車】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第54回定時株主総会 2023年6月22日(木) シェラトン都ホテル東京

ライブ配信を視聴しました。

手話が同時配信されている株主総会は初めてでした。

また、編集後の総会の動画を1ヶ月アーカイブ発信するとのこと。

オープンな株主総会だと感じました。

主な質疑応答

【事前】

Q.バッテリーEV戦略について

A.バッテリーEVはインフラの状況や補助金不足等の影響によりバラつきながら進んでいくと認識。

ASEANではハイブリッド車を中心に投入、欧州ではアライアンスを活用しつつ、今後9モデルのEV車を投入していく戦略である。

なお、バッテリーの価格低減については性能とコストのバランスをとりながら進んでいくと思われる。

Q.株主還元について

A.長期安定の配当を基本とする。

同時に、同業他社を参考に自己資本1兆円、自己資本比率45%も目指す。

成長と還元のバランスをとっていく。

【会場】

Q.社名やマークの変更について

A.ご指摘のとおり国内においてあまり良いイメージがないことは承知している。

ただし、ASEANにおいては三菱自動車のブランドが浸透しており、国内においてもコアなファンがいることも事実。

当面は、三菱自動車の名前とマーク(エンブレム)をつけた商品を自信を持って販売できるよう尽力する。

Q.地方自治体との協力について

A.岡崎市とは既に協力関係(太陽光発電を提供する一方で、EV車をご購入頂く)にあり、倉敷市京都市とも関係強化に力を注いでいる。

今後も、廃バッテリーを街路灯に活用することなどを通じていろいろな自治体との関係を深めていきたい。

Q.モータースポーツへの参入について

A.かつてはパリダカール・ラリーやWRCにも参戦した。

直近では、アジアクロスカントリーラリーにてデビューウインを果たした。

ここにはしばらくは参戦していく予定である。

参戦により耐久信頼技術や四輪駆動技術に大きく貢献しているので、今後は状況を踏まえて次のステップを考える。

Q.女性専用のスペースの確保について

A.基本的には女性活用を推進している。

個々の案件については必要に応じて拡大していく。

(女性取締役より)いずれはそのような時期が来ると思うので鋭意準備していきたい。

Q.デジタル人材の確保と社風について

A.当社は既にネクタイ着用の必要はなく、出社も週に2日を原則としている。

これは、IT人材のみならず、社会の変化に合わせたルールの見直しによるもの。

IT人材が入社しても活躍できる環境に配慮していきたい。

Q.三菱電機からのIT人材の支援について

A.考えていない。

Q.株価対策としてのグローバルIRについて

A.シンガポールやロンドンでのIR活動を実施している。

今後も、当社の強みである電動化・四輪駆動技術、デリカミニの足回りの強さ等をアピールしていきたい。

Q.障害者雇用について

A.法定雇用率の2.3%は達成している。

今後2.7%に上がっても対応できるように、岡崎に加え、水島や京都で所用の準備を進めている。

Q.エンジン車の将来について

A.2050年に50%の電動化を目標といているが、この中にはハイブリッド車も含まれており、まだまだエンジン車を作っていく予定である。

Q.防衛装備品である73式トラックの維持(製造中止?)について

A.今後も必要な支援を提供していく。

Q.国外のプラットフォームの国内への投入について

A.そのような可能性はあり得る。

Q.ランサーエボリューション11について

A.セダンやクーペに根強い需要があるのは承知しているが、リソースを考えると0からセダンを製造するのは現実的ではない。

ただし、SUVやトラックへのより大きな需要を踏まえ、夢を持って対応していきたい。

Q.EVバッテリーの普及に係る当社のプロモートについて

A.電力会社や同業他社との協力により尽力していきたい。

Q.自動車業界の不正について

A.他社の事についてのコメントは控えさせていただく。

国土交通省の指導のもと、業界の一員として進めていくことが基本。

その上で、当社自身も再発防止に全力で対応していきたい。

Q.役員の評価について

A.業績目標の達成度や透明性等を踏まえて評価している。

役員として緊張感を持って業務に取り組む。

Q.今期の業績見通しについて

A.業績見通しを立てた時期は、米国のシリコンバレーバンクの破綻や円高基調であったことから“堅め“の見通しとなっている。

モメンタムは変えない。

当社は輸出産業でもあり為替の影響は30億円(恐らく1円の変化と推測します)ある。

CFOとしては自己資本比率、成長、株主還元のバランスに配慮していく。

Q.(車を沢山持っている株主から)接客について

A.ご指摘の接客問題については認識している。

アウトランダーの販売が好評の反面、接客について多くの意見をいただいている。

今までは、セールストークのスキルコンテストを実施してきたが、今後は接客についても取り組み国内販売の重点強化に努める。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役13名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、新役員紹介の際と閉会時にも拍手が送られていました。

⑵ 株主還元    

配当

1株5円の復配です。

株主優待

なし

自社株買い   

なし

【デリカミニ】

              

3 株主としてのコメント

空飛ぶタイヤなど、映画やドラマでも取り上げらるくらいの不祥事が生じた会社であり、正直、あまり良い印象を持っていませんでした。

けれども、株主総会ライブ配信を視聴して、悪いイメージは払拭されました。

しっかりとした誠実な議事運営がなされるとともに、心ある多くの株主の愛に支えられていることを感じました。

不祥事についてはドラマ化されましたが、その後の信頼回復活動についても十分にドラマティックだと思いました。

ショールームの様子】

4 まとめ

三菱自動車について述べてきました。

自動車業界100年に一度の変革期における経営、不祥事からの復活などに興味深いテーマに着目しています。

初めて株主総会ライブ配信を視聴しましたが、経営陣の真摯な態度と株主からの建設的な意見が多く、思った以上に“ふつう”の会社だと感じました。

三菱グループの一員であり、独自技術や海外におけるブランド力を考えると、今後の展開が楽しみです。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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