こげぱんの資産運用

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三菱ケミカルグループ【4188】〜選択と集中

初投稿:2021.8.8、更新日:2022.1.11、2022.7.23

こんにちは!

この記事は、三菱ケミカルHD【4188】に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。

・総合石油化学メーカーからの脱却

選択と集中

なお、株主総会の内容を追記し記事をアップデートしています(青字が更新箇所です)。

【目次】 

【パレスホテル&本社の所在地であるパレスビル

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1 三菱ケミカルホールディングスについて

⑴ 会社概要

四季報では、総合化学首位とあります。

会社のアドレスは東京都千代田区丸の内1丁目1番1号です。

総資産5.5兆円、売上高3.9兆円、時価総額1.1兆円の事業規模。

PBRは0.73とマーケットからは厳しい評価。

経営理念

「KAITEKI」 

KAITEKI価値評価

サステナビリティ

イノベーション

・経済効率性

子会社

三菱ケミカル(株):機能商品分野、素材分野

田辺三菱製薬(株):ヘルスケア分野

生命科学インスティチュート:ヘルスケア分野

日本酸素HD(株):素材分野

新中長期経営基本戦略:KAITEKI Vision 30

・経営基盤:経営効率化・合理化、人事制度改革・働き方改革、組織改革・グローバルマネジメント

・事業基盤:ビジネスモデル変革、次世代事業の取り組みとCVC

・事業戦略:①リスク事業の再編・再構築の加速化、②社会ニーズ変化から成長が加速される分野への布石、③ヘルスケア事業の成長戦略

・財務数値:コア営業利益、ROE、資源配分

経営戦略における最重要ポイント

1 市場の成長性、競争力、サステナビリティにフォーカスしたポートフォリオ

2 分離・再編し、独立化を進める事業

3 グループ全体におけるコスト構造改革

4 戦略崇高のためのスリムな組織

5 戦略的なキャピタル・アロケーション

主要財務指標(2025年度目標)

EBITDAマージン:18〜20%

コア営業利益率:11〜13%

EPS:125〜145円

ROIC:7%以上

ネットD /E:0.5〜1.0

⑵ 株主になったきっかけ

コロナ禍において株を取得しました。

コロナ対策として世界に貢献できる会社と考えたからです。

株価については、1年ぐらい厳しい状況が続きました。

けれども、最近は含み益を有するようになるとともに、さらなる上昇が期待できるところまで来ています。 

⑶ 2022年3月期の経営分析

増収増益黒字化です。

収益性

・売上高総利益率:28%

売上高営業利益率(10%以上が優良株):8%

高収益にはあと一歩だと思いますが、売上高営業利益率の7%の改善は素晴らしいと思います。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):140%

自己資本比率(30%以上が望ましい):33%

毎期、少しづつ改善している点が評価できます。

ちなみに会社目標のネットD/ Eレシオは0.5〜1.0としていますが、現状は1.4とのことです。

効率性

棚卸資産回転率:5.34%

まだまだ製造業の平均値に至りませんが、改善は続いているようです。

全般として規模は大きいものの、効率性にはさらなる改善の余地が多いと考えます。

⑷ 2021年3月期の経営分析

売上収益は約3.26兆円ですが、76憶円の赤字でした(コア利益では減収減益)。

収益性

売上高営業利益率:1%(昨年は4%)

※セグメント:売上収益にたいするコア営業利益率

・機能商品分野:5.9%

・素材分野(ケミカルズセグメント):1.6% 

・素材分野(産業ガスセグメント):10.5%

・ヘルスケア分野:4.6%

安全性

流動比率:119%

・負債比率:237%

自己資本比率:30%

財務的には盤石とは言えませんが、昨年よりは若干良くなっています。

効率性

棚卸資産回転率:4.56

製造業の平均が10%を超えているので、商品の売れ行きは良くないことを示しています。

特に、自動車用途等の需要の低迷が影響しているようです。  

2 株主総会

⑴ 2022年6月の株主総会

第17回定時株主総会 2022年6月24日(金) ロイヤルパークホテル

迅速な議事進行を理由に議長補佐が登場。

約1時間の株主総会でした。

ビデオによる事業報告に続き社長による今後の取り組みについてのプレゼンが実施。

印象に残ったのは下記の通りです。

・ネットD/Eレシオ:1.7→1.4

・ヘルスケア部門のマイナスは研究開発費

5つの重点戦略についての説明

・原材料コストの製品価格への転換が今後のポイント

主な質疑応答

Q.石油化学と炭素事業を切り離すことについて

A.どのようなビジネスでも上向きのフェーズと下向きのフェーズがある。

下向きのフェーズにある石油化学と炭素事業は分離した上で同業他社と共に規模を追求すべきと判断。

Q.天災などの日本固有のリスクについて

A.製品の6割は日本で製造しており、ゼロリスクは難しいが安全性のプライオリティはナンバーワンと考えて対応している。

Q.リストラによる士気低下について

A.ヒューマン・リソースについては真摯に捉えている。

様々なコミュニケーションに努める。

Q.総合化学メーカーからスペシャリティへの移行について

A.ステップバイステップが重要。

まずは、ローカルなレベルでの統合から始めて力をつけてからグローバルなレベルでの統合を目指す。

Q.取締役の構成について

A.中長期的な視点で考えており、監督と執行の機能向上に努める。

Q.国家安全保障の観点からの石油化学について

A.日本ナンバーワンとして残すべき企業である。

ただし、成長分野ではなく細分化されていること、オーバーキャパシティ需要減にも対応していかなくてはならない。

そのため、統合により強固な石油化学事業とすることを目指す。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役9名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

小林取締役の挨拶

28歳の中途入社で48年間(取締役は17年間)勤務した。

鹿島の事故があったものの、それ以外は大きな事故がなく勤務できたことに感謝。

2015年には指名委員会等設置会社への移行も果たした。

大きくなった会社から時代の流れに則った会社への流れができた。

これからは株主としてギルソン社長のパフォーマンスを見守りたい。

株主総会雑感

化学部門に対して分離・再編して独立化を進めることに対する質問が集中しました。

株主からの質問は的確かつ真摯なものが多かったと思います(英語を駆使して直接社長に質問もされる株主もいらっしゃいました)。

株主の会社に対する深い愛情を感じました。

来年以降は、もう少し総会の時間を多くして、より多くの株主からの質問・提案の機会を設けるべきだと思います。

⑵ 2021年6月の株主総会

第16回定時株主総会 2021年6月24日(木) ロイヤルパークホテル

ライブで見ました。

場所は本社隣のパレスホテルかと思いきや、三菱グループ御用達?のロイヤルパークホテルでした。

質疑応答

Q.(三菱化成OB?)から、ヘルスケア部門に対する社長の考え方は?

A.大きなパイプラインを作ることが必要。

DX推進によるコンバージョン(転換)も期待している。

Q.ケミカルズセグメントの回復は先々期のレベルを考えると物足りない?

A.MMAについて競争の優位性があり今後も投資を継続する。石化と炭素については、低炭素時代を考え自問自答しながら対応していく。

Q.1200億円の減損の内訳は?

A.医薬開発遅れと米国工場の閉鎖によるもの。

Q.配当政策は配当性向30%で良いのか(DOE(株主資本配当率)の方が妥当では)?

A.配当は重要なトピック。資本配分は①投資、②R&D、③配当、④自社株買いがあり、ご指摘を踏まえ検討する。

Q.てんかんについても取り組んでほしい。

A.前向きに検討する。

Q.外国人の社長が誕生した経緯は?

A.(指名委員長から)リーダーとしてふさわしい人物を7人選抜し、最終的にジョンマーク・ギルソン氏が選ばれた。

⑶ 株主還元    

配当

2018年度:40円

2019年度:32円

2020年度:24円

減配が続きました。

今後は配当性向30%を基準とする安定配当に加え増配を目指すとの社長からのメッセージに期待します。

株主優待

なし                    

株主総会の会場 ロイヤルパークホテル】

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3 株主としてのコメント

⑴ 外国人の新社長について

ジョンマーク・ギルソン社長のプレゼンは説得力がありました。

株主総会での社長らしさが出ていました。

三菱ケミカルは、M&Aを繰り返してきただけあって分かり難い部分が会社のネック。

明確な戦略・ビジョンを徹底的に広めることにより、市場の評価を高めることで会社のさらなる飛躍が期待できると感じました。

⑵ 売上高3兆円超の巨大企業の運営について 

この指とまれということでM&Aによって、売上高3兆円を超える、世界でも有数の企業となった三菱ケミカル

規模拡大を目指す経営を極めたと思います。

今後は、事業PFの入替を通じた 効率化を目指す経営のフェーズに入りつつあるようです。

会社の買収、工場閉鎖、本社の移転などは実行力の高さを示していると考えます。

世界的な巨大企業の経営を学ぶという意味でも、長く株主でありたいと思います。

⑶  選択と集中

三菱ケミカルHDは化学業界における時価総額順位は4位です。

これだけ大きな企業グループでも4位というのは意外でした。

では、化学業界1位はどこか?

信越化学工業です。

信越化学工業三菱ケミカルHDの違いの一つにイメージの違いがあります。

信越化学工業といえば、半導体のシリコンウエハと誰もがイメージすると思います。

では、三菱ケミカルHDと聞かれて真っ先にイメージするのは何か?

おそらく、人それぞれ大きく異なるのではないでしょうか。

その意味で、会社も事業の選択と集中に注力しているとの”株主通信”の記事に注目しました。

コークス事業と石油化学事業を切り離し、その資源を成長分野と位置付ける事業に再投資するとのことです。

さらに各セグメントのトピックスとして、

・ヘルスケアセグメント:ASL筋萎縮性側索硬化症)患者さんへ新たな治療選択肢を提供

・機能商品セグメント:半導体関連のソリューションをワンストップで提供

・産業ガスセグメント:人の命と健康を守る産業ガス

・ケミカルズセグメント:約40%の世界生産能力シェアを持つMMA(メタクリル酸メチル)

などが紹介されていました。

これらの内容は選択と集中という点で企業価値を高めることにつながり有効と考えます。

ただし、それでもまだ道半ばというのが正直な感想です。

”株主通信”には今後の展開として

1 事業ポートフォリを絞り込み成長分野に投資する

2 シンプルで無駄のない組織構造に変革する

3 グループ全体で徹底的にコスト削減する

とあります。

株価も上昇基調を維持しており、時価総額も増え続けています。

個人的には、信越化学工業のシリコンウエハのような会社を代表する商品が抜きん出てくることを期待しています。

4 まとめ

三菱ケミカルグループについて述べてきました。

大きくなった会社を時代に沿うように改革していく選択と集中の経営がなされています。

総合科学メーカーを支えてきた元従業員株主の矜持愛情を感じることができました。

引き続き株主として変革に挑戦する経営を応援したいと思います。

お読み頂き、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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