初投稿:2021.9.20、更新日:2022.8.30
こんにちは!
この記事は、インテリックス【8940】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、株主総会参加時の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・リノベーション市場のトップランナー
・低いPBRと中期経営計画
【目次】
【会社から頂いた事業説明資料】
1 インテリックスについて
⑴ 会社概要
不動産再生(リノベーション)の会社です。
総資産409億円、売上高361億円、時価総額50億円の事業規模。
時価総額の小さから分かるように、PBRも0.45と厳しい評価。
リノベーション市場のリーディングカンパニーですが、企業価値向上には伸び代が大きいように思います。
企業理念等
・ミッション:人と社会と新しい価値を繋ぎ、幸せをつくる
・ビジョン:すべての人にリノベーションで豊かな生活を
・バリュー:Intellex Mind インテリックスが大切にしている11のこと
・スローガン:次の価値を図る。
セグメント
2つの事業から成り立っています。
●リノベーション事業分野
リノベックスマンションの販売。
●ソリューション事業分野
収益物件やリースバック物件の売却。
⑵ 株主になったきっかけ
5月決算企業の中で、業績の良さなどを考えて株主になりました。
ちなみに、不動産再生銘柄としては、インテリックスの他にスターマイカを保有しており、両者を比較しながらの分析も試みています。
⑶ 2022年5月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:17%
・売上高営業利益率:4%
収益性は低く、しかも売上高営業利益率が昨年比で1%低下しています。
中期経営計画ではROE10%を目標とされているので、計画通りの進捗なら収益性向上が期待されます。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):134%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):29%
昨年と比べると短期的な安全性は若干向上した一方、反対に中・長期的には低下しています。
棚卸資産の増加に伴い有利子負債が増えたことによるものと説明がありました。
安全性に懸念はあるものの、会社としては財務面を考慮しながら経営をしているものと考えます。
効率性
・売上債権回転率:157.18
・棚卸資産回転率:1.83
債権の回収については昨年より効率性が低下したものの、比較的高い経営がなされていると考えます。
一方、棚卸資産回転率は1.83は前期の3よりも低下しています。
そのことは、在庫不足等の理由で物件の売却が進まず減収となったことと一致します。
ちなみに、棚卸資産回転率はスターマイカよりも良い数値となっています。
⑷ 2021年5月期の経営分析
株主総会招集通知に記載の計算書類に基づき分析しています。
収益性
リノベーション市場の追い風を受けて増収増益でした。
細部は以下の通りです。
・売上高総利益率:17%
・売上高営業利益率:5%
収益性は低いです。
原価及び販管費が高いことが原因だと思います。
企業価値を高めるためにはコスト高を改善し、収益性を高める必要があると考えます。
ちなみに同業のスターマイカ(同じく株主です)は
・売上高総利益率:15%
・売上高営業利益率:8%
です。
顕著な差は無いものの営業利益率が高いスターマイカの方がより頑張っているようにも感じます。
また、売上高総利益率が40%を超える場合、競争力のあるビジネスモデルを構築していると見なされます。
持株の不動産会社のなかで、それを達成しているのはCasa(59%)のみで、DXの効果が効いているためと考えています。
安全性
・流動比率(200%以上が目安):132%
・負債比率(100%以下が目安):213%
・自己資本比率(30%以上が目安):32%
財務につきましても、懸念が残ります。
スターマイカとの比較でも指標の優劣はあるものの、財務が盤石な状態とは言えない状況です。
十数年前に一世を風靡したカタカナ不動産会社がリーマンショックで全滅しました。
不動産会社への投資には、特に、〇〇ショックで生き残れるかどうかという視点が欠かせないと考えます。
効率性
・売上債権回転率:197.96%
比較的高いです。
同業のスターマイカも約400と債権回収は上手にやっていると考えます。
キャッシュフローが滞らないよう留意して経営しているようです。
【トップランナーの約束。として、リノベーションされたマンションの品質の高さをアピールする頁】
2 株主総会等
⑴ 2022年8月の株主総会
第26回定時株主総会 2021年8月30日(火) 渋谷駅セルホテル東急
十数名の方が会場に集っていました。
社長の挨拶で総会が開始。
事業報告の中で、在庫不足や商品化の遅れにより減収・減益となったことが報告されました。
併せて、プライム市場選択に伴い、2027年までに上場基準を満たすための中期経営計画を策定した旨が説明されました(ROE10%以上など)。
主な質疑応答
Q.事業の多角化について
A.セグメントをリノベーションとソリューションに区分した。
その中で、社会のニーズに応じてリースバック事業等を立ち上げている。
ストックビジネスとフロービジネスを活かしつつ利益を積み重ねていく。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役9名選任の件
・監査役1名選任の件
・会計監査人選任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
最後に、新役員の紹介があり拍手が送られていました(終了時は拍手なし)。
その後、中期経営計画についての説明が実施されました。
株主総会雑感
総会の運営は感染症対策、お水のサービス、テーブル付きの席など申し分のないものでした。
ちょっと、株主総会での株主からの質問が少ないのがちょっと気になりました。
会社の持続的経営においては経営陣の奮起のみならず、株主を含むステークホルダーからの熱い支持が必要と考えます。
今後、会社がIRを積極的にするなどして
”ステークホルダーを巻き込みつつ勢いづくこと”
が、低いPBRの改善等に役立つように感じました。
【株主総会会場にていただいた水】
⑵ 2021年8月の株主総会
第26回定時株主総会 2021年8月27日(金) 渋谷駅セルホテル東急
参加できず。
⑶ 株主還元
配当
2021年5月期:1株当たり35円
株主優待
なし
配当利回りとしては3%を超えており、株主としてはありがたいと感じています。
会社の目標は配当性向30%だそうです。
出来れば、一貫して増配基調を維持して頂くことを願っています。
【株主総会の会場 エクセルホテル東急】
3 株主としてのコメント
⑴ リノベーション市場について
会社の説明資料では、首都圏におけるマンション市場は、中古物件(リノベーション市場)の成約件数が新築の供給戸数を2016年以降5年連続で上回っているとされています。
そして、インテリックスはこの中古物件市場におけるトップランナーとしています。
けれども、それにしては時価総額は100億に満たず、収益性も高くないというのは何故なのか?
例えば、新築物件市場における有名企業と言えば、三井、三菱、住友、野村などが思い浮かび、時価総額も兆の単位の巨大企業ばかりです。
SDGsのトレンドも追い風にできるはずなのに。
そのように考えると、リノベーション市場まだまだ発展途上にあり、市場もそのポテンシャルを十分に織り込んでいないのかもしれません。
今後の成長が楽しみな反面、”市場からあまり高い評価を受けていない”理由についても引き続き、深掘りしつつ株主を続けていくつもりです。
⑵ 不動産投資について
内藤忍氏の著書『日本×世界で富を築く グローバル不動産投資』のあとがきにおいて、インテリックスからの情報提供を得たとの記載がありました。
内藤忍氏の主張は、金融資産と実物資産によるハイブリッド投資がこれからの時代に有効になるとするものです。
自分もその考え方にはある程度納得しつつも、どうしても不動産投資のハードルの高さを意識してしまいます。
そんな意味でも、まず、不動産会社の株主になって中古マンション業界のことを学ぶことも実物資産に投資をする前の第一歩としても有効なのではないかと考えます。
いまなら、8万円弱で100株の単位株主になることが出来ます。
【エクセルホテル東急にて】
4 まとめ
インテリックスについて述べてきました。
PBRが0.45倍と市場や投資家からは厳しい評価。
けれども、プライム市場選択に伴い、中期経営計画を策定しセグメントも変更しての事業展開に期待も持てます。
何かきっかけがあれば大きく成長することもあると信じて、株主を続けていきます。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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