初投稿:2021.6.22、更新日:2022.3.11、2022.6.22、2023.6.24、2024.6.19
こんにちは!
この記事は、JAL【9201】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2024年4月期の株主総会に参加したことを追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・新社長の毅然とした態度がカスハラ対策にも通じる
・久しぶりの退場者
【目次 】
【東京ガーデンシアターにて】
1 日本航空について
⑴ 会社概要
ご存じの通り日本を代表する航空会社です。
2010年の経営破綻後は公的資金投入とリストラで更生法終結。
国内線、国際線ともにANAに次ぐ2位。
業績は2022年に”コロナ”前の水準への回復を目指しています。
売上高1.6兆円、総資産2.6兆円、時価総額約1.0兆円の事業規模です。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは1.2倍で前年より低下しています。
⑵ 株主になったきっかけ
2020年11月に公募増資をして株価が下落した際に株式を購入。
価値に比べて価格が低いとの判断は今のところ正しく、株価は買値の1.5倍を超えています。
含み益があることに加え、自分の株価はすぐに回復するだろうという予測が的中しました。
JALとは相性がいいのかもしれません。
⑶ 2024年3月期の経営分析
収益性
・売上高営業利益率:9%
収益性は前期よりも向上しています。
来期以降も期待します。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):139%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):36%
前期よりも若干向上しています。
短期的にも中・長期的にも懸念は少ないと考えます。
効率性
・有形固定資産回転率:1.51
前期よりもわずかですが向上をし続けています。
なお、新型フラッグシップ機エアバスA-350−1000はまだ3機ですが、増加することによる回転率の低下が気になります。
⑷ 2023年3月期の経営分析
赤字脱却です!
しかも約束通りの復配!
まずは、一安心しつつも冷静に数値を持って経営状態を確認してみます。
収益性
・売上高営業利益率:5%
久しぶりの営業黒字です。
コロナ禍後の通常化を通じて収益性は高まると予想します。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):138%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):34%
短期的にも中・長期的にも直ちに問題が生じるレベルでは無いと考えます。
ただし、前期よりも低下している点が気になります。
効率性
・有形固定資産回転率:1.34
前期よりも良くなっています。
これは売上が大幅に伸びたことに対して有形固定資産の金額が減少したことによります。
機材等への投資の伸びがいっぷくしたのではないかと推測します。
⑸ 2022年3月期の経営分析
残念ながら2期連続の赤字です。
細部は下記の通り。
収益性
2347億円の営業損失です。
昨年よりは損失額が少なくなっているのが救いです。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):160%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):36%
短期的にも中・長期的にも直ちに問題が生じるレベルでは無いと考えます。
過去の経営破綻から教訓を得た対応がなされていると推測します。
効率性
・有形固定資産回転率:0.65
売上高に比べると有形固定資産が効率的に生かされていないと考えます。
ちなみに有形固定資産の約8割が航空機であるとともに、「航空機建設仮勘定」も700億円が計上されており、将来への成長投資もしっかりとなされているようです。
【2022年6月開催の株主総会のストラップ】
⑹ 2021年3月期の経営分析
収益性
コロナ禍の直撃により赤字です。
安全性
2010年に経営破綻した経験からか、コロナ禍にもかかわらず財務基盤は思った以上に良かったです。
・流動比率:119%
・負債比率:115%
・自己資本比率:47%
効率性
・有形固定資産回転率:0.46
有形固定資産のなかでも最新鋭機エアバスA350を購入していることから、有形固定資産回転率は極めて低い数値が出ていました。
ただし、燃費がいいことや脱炭素などを考え合わせると長期的な視点では必要な有形固定資産への投資と言えるかもしれません。
【2021年6月のストラップ】
2 株主総会等
⑴ 2024年6月の株主総会
第75期定時株主総会 2024年6月18日(火) 東京ガーデンシアター
会場ではお茶をいただくとともにフラッグシップ機であるエアバスA-350−1000のビジネス席等の体験ブースが展示されていました。
新任の女性社長が議長でした。
挨拶に引き続き、事故が多発したことについて国土交通省から厳重注意を受けたことに対する説明と陳謝がありました。
なお、動議(もどき)が4、5件、退場者1名という少し、落ち着かない株主総会でした。
あと、JALの株主総会では、スクリーンには株主の発言がほぼリアルタイムの”生字幕放送”となって表示されるのが常です。
毎回そのスピードと正確さには感心していますが、JALの方にお聞きしたところ、
”NHKグローバルメディアサービスによるものです!”
と教えていただきました。
すごいプロ集団がいるものだと、少しテンションが上がりました。
主な質疑応答
【事前】
Q.不安全事象対策について
A.「現場が立ち止まる環境」と「安全を管理する仕組」について改善事項があった。
緊急対策と中長期的対策を実施していく。
Q.株価向上策について
A.成長戦略によって利益を拡大することと株主還元(配当性向35%)を実施する。
Q.JGC入会の資格の壁が高くなったことについて
A.ポイントが消えることなく積み上がる仕組みができたことをご理解いただきたい。
【会場】
Q.台湾、中国路線の今後について
A.増便は難しいが、中国については復便を検討している。
Q.不当解雇を不服とする2号議案修正動議について
A.承知した。
なお、役員報酬は報酬委員会で合法的に決定したものであり、22年度は減額されていたものが23年度に戻ったことに加え、業績連動で報酬がアップしたものである。
Q.不当解雇を不服とする動議について
A.承知した。
なお、整理解雇された165名は裁判によって法的に決着している。
さらに、解決案として希望者全員に対して業務委託契約の話し合いをしてきた。
その結果、多くの解雇者は労働組合を通じて2022年7月で集結しているが、一部の整理解雇組合が反対している状況である。
Q.持株が少ない役員について
A.コロナ禍において業績連動による持株付与が停止されていた影響によるもの。
Q.チェックイン時のトラブルについてのクレーム
A.ご意見をしっかりと受け止めて改善していく。
A.JAL Payは年会費がかからない、両替でマイルが貯まるなどのメリットがある。
Q.B-767退役に伴う航空貨物の搭載量について
A.A-321neo、B-737はコンテナ搭載可能であり、準幹線で使用する予定である。
A−350は搭載量が大きく幹線での利用を考えている。
Q.剰余金を争議の解決に使う動議について
A.動議の要件を満たしていないため却下
Q.JAL Mallの1年間のレビュー
A.数多くあるeコマースの中で、ここでしか買えないJAL関連商品を取り扱っていることが最大の特徴である。
店子も増えている。
成長戦略を踏まえ、着実に上昇していくと考える。
Q.EBIT上昇に関する貨物専用機について
A.業績向上に貢献している。
Q.カスタマーハラスメント対策について
A.コロナ前より事案は増えている。
悪質なケースについて毅然とした対応をとるガイドラインを設定している。
また、ANAと共同で対応している。
Q.御巣鷹山の事故でボイスレコーダーやフライトレコーダーの解析について
A.国土高中小の自己調査委員会が詳細に調査し、調査報告書を掲げているので参照されたい。
Q.航空券を高く買ったことに対する動議について
A.承知した。
Q.若手の活躍の場について
A.年齢による昇格を取っ払っており、若手に対するチャンスを提供している。
決議事項
・剰余金処分の件
・取締役9名選任の件
・監査役2名選任の件
拍手を持って承認・可決されました。
よって、修正動議は全て否決です。
なお、閉会にあたり新任者の紹介がありました。
⑵ 2023年6月の株主総会
主な質疑応答
【事前】
Q.国内線の新しい運賃体系について
A.シンプルに分かりやすくするように改善した。
後から予約した方が安くなる場合については、直前の受給の影響によるものである。
株主優待でファーストクラスを取りにくいのは、席数の上限による。
特典航空券で予約変更をする場合は、取り消してから実施して欲しい。
Q.新しいステータスプログラムについて
A.買い物でもステータスプログラムの向上につながるようになる。
詳細は秋に発表する。
【会場】
Q.JAL123便の事故について
A.個別案件については訴訟で対応させていただきたい。
Q.チェックインシステムの共同利用の進捗について
A.山形空港でパイロット運用を実施しており、その実績を踏まえて本格運用とした。
なお、JALカードによるタッチアンドゴーは継続する予定。
Q.インド便におけるスペシャルミール等の対応について
A.インド人の宗教上の問題やスペシャルミールによって普通食の提供が遅れる等の混乱については承知している。
ただし、多様性に対応する必要性もあり、しっかりと対応していきたい。
Q.鹿児島便で普通席よりもファーストクラスの方が安かったことについて
A.空席状態により稀にそのようなことになるケースはある。
Q.パソコンやスマホからの予約時のシステムエラーについて
A.システムエラーについては大きな問題として捉えています。
申し訳ありません。
現在、改修に時間を要していますが、全力で取り組んでおります。
Q.人材育成と男性社員の採用について
新卒、中途採用者、外国人の採用にそれぞれ注力している。
経験者比率50%、外国人を国内で勤務させるなど様々な取り組みを実施している。
男性についても積極的に採用をしている。
なお、生産性向上、価値創造性を高めるための賃金上昇の重要性も認識している。
Q.みんなが元気になるようなイベントを企画してほしい。
A.同感である。
販売促進においても様々なイベントを立ち上げていきたい。
Q.株価においてANAに勝つためには?
A.現在4つの事業領域で、機材の更新等で頑張っている。
ポストコロナを見据えてこれまでに培ってきたことを実施する。
Q.動議(弁護士を取締役にして社員の疲弊を解消せよ?)
A.同義を承った。
Q.為替変動の影響について
A.外貨の収入と費用がバランスするよう、機械的にヘッジしている。
円安は燃料の高騰を招く反面、インバウンドの取り込みのチャンスという面もある。
Q.コロナ禍の研修の成果について
A.例えば、エアボビリティなど新規領域に派遣した人材が所要の知見を習得してきている。
また、一番問題となったのはパイロットの飛行時間の確保であるが、シミュレータやモックアップを用いて対応してきた。
リソースの維持はしっかりしてきたつもりなので、今後の反転攻勢に期待してほしい。
Q.2050に向けたCO2廃止の取り組みの具体例は
A.抽象的な話で申し訳ない。
具体的には、A-350を用いることでCO2排出量が約2割削減となる。
また、SAF(持続可能な航空燃料)の活用も進んでいる。
A.搭乗時の被曝量は基準値よりはるかに低い数値でマネジメントされている。
健康被害も報告されていない。
安心してご利用ください。
Q.動議(社長の報酬をパイロットに充当しろ?)
A.同義として承った。
なお、役員報酬については基本報酬と業績連動型報酬から成立しており、過去の実績に応じて支払われる。
Q.貨物事業の展開について
A.ANAが日本郵政貨物の事業譲渡を受けて業務拡張することは承知している。
当社としては、eコマース事業やトラック運転手不足という新たな需要に応じて採算性を考慮しながらビジネスを展開していく予定である。
また、新たな貨物航空機についてはアライアンスの中で活用を計っていく。
ご期待下さい。
Q.動議(整理解雇者は苦しんでいるので社長は辞任しろ?)
A.動議として承った。
決議事項
・剰余金処分の件
・取締役9名選任の件
・監査役1名選任の件
拍手を持って原案が賛成・可決されました。
⑶ 2022年6月の株主総会
昨年同様、厳重なチェックを受けての株主総会参加でした。
入口にてお茶をいただきました。
社長から、2期連続の赤字および無配についての陳謝がありました。
ビデオによる業績報告、スライドを用いた対処すべき課題について社長の説明がなされました。
その中で、2023年3月期にEBIT(経常利益+支払利息ー受取利息(事業活動の利益))800億円、黒字化、復配を目指すとのことでした。
特にマイレージの高い評価を活用したビジネスを強化する方針を強調されていました。
その一環として、非航空領域の中核会社となるJALUXを連結子会社化しています。
主な質疑応答
【事前の質問】
Q.役員報酬の仕組みと現状と見直しについて
A.役員報酬=基本報酬+賞与+株式報酬となっているが、基本報酬は10%カット、賞与と株式報酬は不支給とのことでした。
また賞与や株式報酬については財務、事業、ESG等と連動するように見直しを行った。
Q.株主優待について
A.今後も続けるので安心してほしい。
マイル・航空以外の優待については、企業価値向上に必ずしも資さないため実施しない。
なお、期間限定商品を株主専用サイトで用意しているのでご活用いただきたい。
Q.旅客事業について
国内:DX、スマートエアポート、A350の運行、航空サブスクサービスなどに注力中。
海外:回復基調、来年にはA350を投入予定、インバウンドの取り込みに全力を尽くす。
【会場からの質問】
Q.整理解雇された人達について
A.2010年の経営破綻に伴い約16,000名がJALを去った。
その中に整理解雇された人は165名。
整理解雇された人が裁判で訴えたが整理解雇は法的に有効であるとの判決が出ている。
JALはその後、会社を離れた社員を約100名を再雇用(整理解雇者は11名)している。
ただし、2つの労働組合が会社に対して未だに金銭解決を要求している。
Q.整理解雇についての社長の見解について
A.コロナ禍の厳しい環境の中、数千名の社員が社外出向中で頑張っている。
整理解雇された人達だけを特別扱いすることは妥当ではない。
解決金は払わない!
Q.海外の航空会社との業務提携について(例えばアイスランド航空)
A.提携可能な企業のリサーチを継続していく。
Q.6月10日に整理解雇者が提出した声明について
A.読んだ。整理解雇は法的に有効であり引き続き人権を尊重した経営を続ける。
Q.旅客事業の展望について
A.国内:ほぼ回復
海外:65%程度回復、戻り切らない需要については観光事業等で盛り上げていく。
Q.取締役選任(社長)についての動議
A.承知した。
Q.非航空機分野の拡充によるリスク回避について
A.金銭的な効果は試算していないが将来パンデミックが生じた際のリスク回避効果は期待できる。
Q.スカイマークの救済について
A.JALも経営再建中で救済する余裕はなかった。
Q.質疑応答のインターネット中継について
A.個人株主との丁寧な質疑応答を心掛けているので、透明性を踏まえ、株主の個人情報に配慮しつつオンデマンドでの株主配信を検討していく。
Q.女性の管理職の登用について
A.3年間で女性の管理職が37名から78名と倍増している。
現在、管理職の19.4%が女性であり、今後も外国人や女性の積極的な登用に努める。
Q.JALのアプリの評価の低さについて
A.運賃についてのシステム開発が昨年度終了した。本年度中に、モバイル搭乗券、チャット機能搭載などにより使い勝手の良いアプリを実現させる。
A.リニア新幹線の影響は少ないと試算。
むしろ協業できると考えている。
月旅行、サブオービタル(地上から高度100kmまで)飛行への事業展開を考え当該会社に出資をしている。
Q.営業所の統廃合について
A.市内と空港に分かれていた営業所を統廃合しオフィススペースの削減に努めている。飛行場のない京都の営業所は営業活動の拠点として従来から活動を実施している。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役9名選任の件
・監査役1名選任の件
修正動議は否決され、会社が提案した議案が多くの株主の賛成により可決されました。
ちなみに、帰り際に”売れ残ったおーいお茶”を再度頂いています。
【2021年6月の株主総会入口付近の様子】
⑷ 2021年6月の株主総会
約500名が参加するという久々の大きな株主総会。
・議決権交付書の確認が3回
・持ち物検査が1回
という物々しい受付。
総会そのものは約2時間近く中身の濃い議論がなされました。
自分の中での主なポイントは3点
・素晴らしい議事進行
有明の東京ガーデンシアターという新しい会場、スクリーンに表示される字幕など
経営破綻時に整理解雇された165名(労働組合?)関係者による金銭要求
・マイルのブランド価値、収益源
コロナ禍の渦中にも関わらず収益を上げるJALのマイルのブランド価値
株主からの質問の半分は整理解雇に関するもの。
動議も有りました。
「役員が報酬を自主返納してその金銭を整理解雇された者への慰謝料にしろ!」
というスーツ姿の男性の主張には、思わず耳を疑いました。
・ここまで人は卑しくなってしまうのか!
という驚きと
・このような人は人の安全にかかわる仕事に絶対に就かせてはならない!
と感じました。
こうした理不尽な”整理解雇者”の主張とは反対に、会社側は極めて冷静かつ真摯な対応だったと思います。
同時に、会場の多くの株主も会社側の説明の後に惜しみない拍手を送っていました。
”整理解雇者”を除く多くの株主と感覚を共有出来て安心しました。
質疑応答
Q.株主優待の是非について
A.優待の期間の延長を実施している。株主優待は販売促進に貢献しており収益改善に不可欠。
Q.国際線ネットワークの進捗について
A.独占禁止法の特例許可を得るよう努力中。
Q.役員ダイバーシティ(女性取締役)について
A.女性役員が回答。現在役員数は5名。管理職比率を19.5%から30%に引き上げるべく努力中。ご期待ください。
以上、事前質問
Q.マイレージ事業について
A.航空機座席(ファーストクラス等)で償還でき、キャッシュアウトが少ないので利益が出しやすい。引き続き、ブランド価値向上に努める。
Q.航空機整備員の減少によりミスを防げるのか?
A.ハイテク機器を駆使し、壊れる前の兆候をつかんで予防整備により事故防止の徹底を図る。
Q.再度の新株発行は?
A.コミットメントライン(負債)もあり、新株発行は考えていない。増資による希薄化を打ち返すべく努力するので、ご期待ください。
Q.整理解雇者165名の労働争議が解決しない理由は?
A.最高裁で判決も出ているので金銭要求には応じない。
再雇用という形で対応していく。
※2010年の経営破綻に伴い、3割(16,000)名がJALを去った。
2018年から整理解雇者、早期退職者、希望退職者の経験者採用を開始し、約100名が再雇用。
整理解雇者の身を特別扱いはしない。
なお、165名の整理解雇者からは7名が採用済み。
Q.JAL”グループ”にしないのか?
A.考えていない。グループ化しなくても出向や社内異動の形で人材のマルチタスク力向上は履かれている。
Q.役員報酬について
A.役員報酬は基礎報酬50%、業績連動報酬50%となっている。
現状は、業績連動報酬0%、基礎報酬10%カットの45/100となっている。
Q.超音速機の導入について
A.ブーム者については出資もしており注視していく。導入の検討はこれから。
最後の株主の質問は、厳しい環境にもかかわらず頑張っている現場の職員への温かいねぎらいの言葉であり、それに対する赤坂社長のお礼の回答でした。
ホッとしました。
議案は採択され、新役員が紹介され拍手で迎えられました。
株主総会後
総会後に、ボーイング777とエアバスA350の違いについてJALの社員とみられる方に質問してみました。
答えは、燃費が25%もA350の方がいいという回答でした。
それなら、機種変更もやむを得ないと納得。
スッキリした気持ちで総会会場を後にすることが出来ました。
⑸ 株主還元
配当
・2024年3月期:75円
・2023年3月期:40円
・2022年3月期:0円
・2021年3月期:0円
増配、ありがたいです。
株主優待
優待券を頂きました。
はじめての人にJALの商品やサービスを知ってもらうきっかけと位置付けているようです。
【総会会場となった東京ガーデンシアター前】
3 株主としてのコメント
⑴ 2024年の株主総会雑感
客室乗務員に対するカスハラが問題になっており、JALとしては毅然とした態度をとることが指導されているようです。
整理解雇フレンズのような株主総会における心ない株主からの動議の連発等に対する議長の毅然とした態度は、ある意味、カスハラに対する模範になったと考えます。
具体的には、
・大声で議事進行を邪魔する株主に対する退場命令
・要件を満たさない”動議”についての不採用通告
・動議の乱発に対して、動議であっても優先せず、普通の質問と同等に指名
などが挙げられます。
個人的には、コロワイドの社長のように
”株主様の今のご意見は心外です!”
と反論するぐらいの熱意が良いと感じています。
議長がしっかりと議事運営しようとする姿勢に対して、多くの心ある株主から拍手が何度も湧き上がっていました。
自信を持ってください。
大多数の株主の支持を背景に、よりいっそう毅然とした態度による、株主総会の議事運営を期待します。
⑵ 2023年の株主総会雑感
ここ3年間では、一番”落ち着いた”総会だったと思います。
それでも、動議が3件発生しました。
多くの株主が質問したい中で、「動議」と叫んで優先的に発言の機会をゲットするのはどうかと感じました。
訴訟やクレームについては、裁判所やカスタマーサポートでお願いします。
不条理や理不尽な思い或いは絶望というのは特別な人にだけ生じるものではありません。
みんな、大なり小なり辛い思いを抱えて生きています。
その意味で考えるなら、人生(命)は時間なので、動議を通じて多くの株主の時間を奪うということは、その人達の命の犠牲にしていることにも通じます。
今回の総会では、インド便で疲弊するCAさんを気遣うなどの心ある質問が多く、そのことについての審議は多くの株主にとっても意味のあることと考えます。
3年間で総会の荒れ具合が収束に向かっていると思いますが、それが加速し、
来てよかった
と思えるような有意義な株主総会になるよう一人の株主として注力したいと思います。
⑶ 2022年の株主総会雑感
総会終了後、”整理解雇フレンズ”の人達が集まって大きな声ではしゃいでいる姿が目に付きました。
整理解雇された苦難を大勢の株主の前で訴えることができて満足されたのでしょうか?
それにしても、何が楽しくては子供みたいにしゃいでいるのか理解に苦しみます。
労働組合の問題の根の深さを改めて痛感しました。
残念ながら彼らが現実的な対応をすることは期待できないと思います。
問題解決には「全ては時が解決する」くらいの覚悟が必要だと感じました。
『沈まぬ太陽』とは会社と労組の攻守が逆ですが、複雑な気持ちでいっぱいです。
話は変わりますが、2期練続の赤字なのにJALの株価はあまり下がらないですね。
過去最高益を更新中のSBIホールディングスの株価が下落中なのとは対照的です(株主の7割が機関投資家)。
PBRが1倍程度で割高ではないことと、優待目当ての多くの個人株主に支えられているためでしょうか。
JALは個人株主の愛を決して忘れてはならないと思います。
そこさえ外さなければ引き続きJALの株主を続けるつもりでいます。
⑷ 2021年の株主総会雑感
航空機の運航という人の命を預かる会社。
理不尽な”整理解雇者”の粘着質な主張にして毅然たる対応を貫いた経営サイドとそれを拍手をもって支持する多くの株主に囲まれ、会社の素晴らしい株主総会の運営力を実感しました。
安心してJALの飛行機に乗れそうです。
一方で中国系の春秋航空日本を6月に子会社化して訪日需要を取り込もうとしているが、対中国でG7が厳しい態度で臨んでいる今日、中国ビジネスや中国人インバウンドがはたして、会社の思惑通りいくのか?懸念点も少なくありません。
全体として、総会の対応については、個人の資質も高いと思われますが、組織力の底力のなせる業と考えます。
その背景には、経営破綻という地獄、そして『沈まぬ太陽』のような労働組合による陰湿ないじめとそれに対する対応など、血のにじむような運営力なしではここまで復活することが出来なかった事情があったように推察します。
株主の発言が、リアルタイムで字幕として表示されているスクリーンを見て、
そんなことが出来るのか!
と、株主総会では初めての経験でもあり、思わず感動してしまいました。
そもそも、東京ガーデンシアターはコンサート会場。
音楽活動はありませんでしたが、株主総会にもかかわらず、それと同等以上の感動を頂けました。
この感動をもとに、株主としてJALの復活を末永く注視していきたいと思います。
【2022年6月の株主総会で頂いたおーいお茶】
4 まとめ
JALについて述べてきました。
JALを利用する機会は少なかったですが、公募増資をきっかけに株主となって以来、旅行でJALを頻繁に利用(プレミア会員)するようになりました。
一方、4年前の株主総会の一部の株主の(『沈まぬ太陽』の世界のような)”特異さ”はここ4年で収束の兆候が見えてきましたが、残念ながら社長交代により息を吹き返しました。
久しぶりに退場者も目撃しています。
よって、来年からも新社長の更なる毅然とした議事運営を期待します。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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