こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

日本製鉄【5401】について〜株主総会雑感

初投稿:2022.7.1

こんにちは!

この記事は、日本製鉄【5401】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・V字回復と高配当にも関わらず市場は低評価

選択と集中

★★★

【目次】 

株主総会会場にて】

                     

1 日本製鉄について

⑴ 会社概要

粗鋼生産で国内首位世界3位の会社。

総資産8.7兆円、売上高6.8兆円、時価総額1.8兆円の事業規模です。

PBRは0.5倍と低評価。

基本理念

日本製鉄グループは、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、優れた製品・サービスの提供を通じて、社会の発展に貢献します。 

セグメント

●製鉄事業

●エンジニアリング事業

●ケミカル&マテリアル事業

●システムソリューション事業

4つの事業から構成されていますが、利益の9割を製鉄事業が生み出す一本足打法状態なのが気になります。

⑵ 株主になったきっかけ

割安かつ5%を超える高配当ということで注目していました。

2022年は相場は下落トレンドでしたので、そこそこの値段で購入。

2022年3月の配当をいただきました。

けれども、株価の低迷が続き塩漬け状態です。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:18%

売上高営業利益率:12%

収益性は高い数値となっています。

事業利益は6,000億円を目標にしていますが、そのうち

・原料権益:1,000億円

・海外事業:1,000億円

という収益構造になっているという雑誌の記事もあります。

これからも高い収益性を維持し得るのかに注目しています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):174%

自己資本比率(30%以上が望ましい):45%

短期的にやや懸念があるものの、中・長期的にはそれほど問題とはならない財務状況と判断します。

効率性 

・有形固定資産回転率:2.23

製造業の平均値が3.22であることを考えるとやや非効率と判断します。

反対に有形固定資産については更なる効率化の余地があるとも考えられます。

【総会会場の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第98回定時株主総会2022年6月23日(木) ホテルニューオータニ鶴の間

コロナ禍での赤字から一転、21年間で過去最高益となった。

選択と集中という方針に基づき、製鉄の立て直し、生産・販売の改革によるV字回復となった。

主な質疑応答

【事前】

Q.いわゆる徴用工問題について

A.韓国における判決は遺憾。

日韓外交交渉を踏まえ政府と共に適切に対応していく。

【会場】

Q.いわゆる徴用工問題について

A.和解金の支払いは考えていない。

Q.カーボンニュートラルについて

A.難しい問題であり多額の研究開発費を必要としている。

他社に先駆けて実現できるかどうかで、競争のルールが決まる。

経済合理性以上に脱炭素は重要であり、大型電炉等で頑張る。

Q.軽い鉄について

A.研究開発が進むことでもっと軽くし得る。

Q.鉄の規格が多いことについて

A.多種多様なサービスに応えるためでありご理解いただきたい。

Q.工場のタンクからの流出により魚が死んだことについて

A.ご心配をお掛けして申し訳ない。

社長として年に2回は全工場を回ってトップとしてのESGの周知について努めてきた。”努力が足りない”という指摘については謙虚に受け止め今後の活動に活かしたい。

Q.株主優待の再開について(都内での映像による工場紹介についての提言)

A.慎重に判断していく。

工場見学については貴重な意見として受け止める。

Q.円安について

A.1985年のプラザ合意に始まった理不尽な円高が続いたが、アベノミクスで復活した。

資源高の影響によるコストプッシュの影響を懸念している。

Q.従業員のリストラについて

A.国内の鉄の需要が6000万トンしかないのに、当社のみで5000万トンの供給力を持っていた。

3年前にリストラの決断をしなければ会社は全滅となっていた。

社長として極力大きな雇用を守るために、全工場を回って生き残れるかどうかの見極めを行った。

選択(工場閉鎖)と集中(設備投資)を実施中だが、リストラの効果がわかるまで5年はかかると見込んでいる。

なお、閉鎖された工場の社員に対しては違う場所になるが引き続き雇用されるように取り組んでいる。

Q.カントリーリスクについて

A.ロシアに対しては輸入はあるが輸出はなく直接的な顕著な影響は見込んでいない。

中国のロックダウンの影響はある。

Q.米中対立について

A.米中対立で最も困っているのは米中以外の国であり長期化するとの認識。

Q.将来のカーボンニュートラルな社会について

A.ロシアのウクライナ侵攻で脱炭素の矛盾が明らかになった。

中国については市場としての魅力はない。

今後はいろいろな収益の柱を立てることが大切。

Q.中期経営計画の進捗状況について

A.ようやく利益を出す力がついてきた。

事業利益6000億円以上を目指して更なる努力を継続する!

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役9名選任の件

・監査等委員である取締役5名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

過去の配当の推移は下記の通りです。

2022年3月期:160円

2021年3月期:10円

2020年3月期:10円

2019年3月期:80円

株主優待   

なし                

3 株主としてのコメント

⑴ 株価の低迷について

事業の安定性

低迷する株価の原因について、社長から投資家が当社の業績の安定性に懸念を持っているためと認識している旨の説明がありました。

そのため、中期経営計画の目標値をしっかりと達成して実績を積み重ねていくとのことでした。

事業についてはその方向で頑張って欲しいと思います。

PBRとESG経営

PBRというのはのれんブランド力などの無形の価値を表しています。

日本製鉄の場合は0.5倍であり投資家からの人気がありません。

一方、PBRについては、エーザイがESG経営に力を注ぐことで高PBRの実現に成功していると報じられています。

具体的には、女性管理職の登用や社員の給与の見直しなどです。

日本製鉄に当てはめてみると、株主総会での担当取締役の”紋切り型の解答”などを目撃するとESG経営による改善余地は小さくないと感じました。

ブランド価値価値向上に努めることを希望します。

⑵ 社長のリーダーシップ

リストラされた社員のような株主からの質問に対する社長の

「3年前にリストラを断行しなければ会社は全滅となっていた・・・」

という熱のこもった説明が印象に残っています。

勇気ある決断に敬意を表したいと思います。

ただし、社長の覚悟とビジョンをどれだけの社員が共有しているかということが気になりました。

繰り返しになりますが、他の取締役の言動がイマイチだったからです。

よって、リストラによりV字回復していますが、まだまだ様々な改革は今後も必要という認識を持つ必要性があるように感じました。

4 まとめ

日本製鉄について述べて来ました。

リストラと価格改定でV字回復を遂げましたがPBRの割安は市場の厳しい評価を示しています。

株主総会での社長のリーダーシップに頼もしさを感じた一方で、他の取締役の対応や一般社員のオペレーションについては正直良く分かりませんでした。

今後の改革が続くことを期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #日本製鉄

  

日本郵船【9101】〜株主総会雑感(会場からの自然な拍手の多さ)

投稿日:2022.6.27、更新日:2023.1.22、2023.6.21

こんにちは!

この記事は、日本郵船【9101】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年6月の株主総会の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・割安な高配当株

・コンテナ船事業の統合によるONE

★★★★★

【目次】 

日本郵船本社のロビーにて】

                      

1 日本郵船について

⑴ 会社概要

総資産3.7兆円、売上高2.6兆億円、時価総額1.5兆円の巨大企業です。

PBRは0.62倍と投資家からは厳しい評価。

一方、企業理念等は下記のとおりですが、共感できる内容だと思います。

企業理念(WHY)

当社の社会における存在意義・使命

●Bring value to life

ビジョン(WHAT)

当社が10年後にありたい姿、成すべきこと

●事業活動を通して積極的に社会や環境の課題を解決

●高い倫理観と社会規範に沿った責任ある事業活動を徹底

●絶えず半歩先の精神で新たな価値を創出

●安定的な収益構造を確立

中期経営計画(HOW)

企業理念に基づき、ビジョンを遂行する手段・方法

●Staying Ahead 2022

1 ポートフォリオの最適化

2 運賃安定型事業の積み上げ

3 効率化と新たな価値創出

セグメント

●ライナー&ロジスティック事業(51.6%)

・定期船事業

・航空輸送事業

・物流事業

不定期専用船事業(41.0%)

不定期船事業

●その他事業(7.4%)

・不動産業

・その他事業

⑵ 株主になったきっかけ

株式のポートフォリオの分散化を図っています。

当時、海運株は持ったことがありませんでした。

けれども割安かつ高配当であることから興味を持っていました。

株価が下落時の2021年の秋にNISA口座で買っています。

株主総会の会場にて】

⑶ 2023年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:20%

売上高営業利益率:11%

売上高経常利益率:42%

2期連続の高収益を実現しています。

特に経常利益率の高さが際立っています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):144%

自己資本比率(30%以上が望ましい):67%

短期的にも中・長期的にも安全性に問題はないと考えます。

前期に比べて安全性は高まっています。

むしろ、資本の効率的な活用という観点から2000億円の自社株買いが実施されるようです。

効率性 

・有形固定資産回転率:2.29

有形固定資産の中には「航空機」が含まれています。

今後の事業譲渡に伴って、どのくらい回転率が向上するか注目しています。

⑷ 2022年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:20%

売上高営業利益率:12%

売上高経常利益率:44%

高収益です。

特に経常利益率の高さが際立っています。

特別利益として「固定資産売却益」195億円、「関係会社株式売却益」292億円が計上されています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):133%

自己資本比率(30%以上が望ましい):57%

短期的にも中・長期的にも問題はないと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:2.37

有形固定資産9642億円の内訳は金額の大きな順に

・「船舶」:5771億円

・「建物及び構築物」:1054億円

・「航空機」:1036円

となっています。

巨額な有形固定資産を活用して効率的に収益を上げた結果だと考えます。

【総会の案内板@パレスホテル】

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

第136期定時株主総会 2023年6月21日 パレスホテル「葵」

多くの株主が集っていました。

受付にてお茶と飛鳥Ⅱのパンフレットをいただいています。

主な質疑応答

【事前】

Q.配当政策について

A.現在は配当性向25%、配当金額170円となっている。

今後は、配当性向30%、最低一株配当100円、予定として一株120円とするが、追加的還元も業績に応じて実施する。

Q.自社株買いのタイミングについて

A.インサーダー取引とならないようタイミングについては差し控える。

Q.株価について

A.株価の低迷は海運事業の業績変動の激しさによるものと認識。

エネルギー事業等も実施しつつ業績の安定に努めるとともに、積極的な情報開示を心がける。

併せて自社株買いも実施する。

Q.女性の役員2名は少ないのでは?

A.30%以上を目標として人材育成を図っていく。

【会場】

Q.ONEが保有する多額のキャッシュについて

A.2018年からオペレーションを開始したONEはアセットは持っていなかった。

ここまで、退役・スクラップ待ちの船を用いて頑張ってきたので、当初の予定通り、利益の中から設備投資を実施する。

なお、親会社としてのリターンとしての配当性向50%というのは確定したものではない。

Q.高配当を維持して欲しい。

A.応援として受け止めます。

Q.商船三井と比較して配当政策では負けているのでは?

日本郵船:最低配当金額100円、予想配当金額120円

商船三井:最低配当金額150円、予想配当金額180円

配当性向を基準にしていることの是非等、ご指摘をしっかりと受け止める。

商船三井に配当で負けているという指摘については、株数の数が、当社5.6億株であるのに対して商船三井3.2億株であり約2/3ということもあると分析している。

よって、2000億円かけて自社株買いをすることで、株数を減らし、既存株主に行き渡る配当金額をあげていく予定である。

Q.ONEイノベーションについて

A.2.4万TEU型という世界でも最も大きな船となるり、6隻運用する予定である。

ただし、効率は良いかもしれないが、使い勝手は悪いため、今後は1.5TEU型を強化していく。

Q.世界におけるONEの勝ち残り戦略について

A.ONEは商船三井川崎汽船そして当社がそれぞれ不況の中で培ったコスト削減の知恵が生きている会社である。

その結果、運行の効率が良く利益率が高い。

コストコトロールが当社の強みである。

Q.船尾の文字は?

A.船尾には所属国の母港を記することになっている。

ご質問の名前についてはリベリアの首都である。

Q.船のブリッジまでの高さは?

A.積荷の量にもよるが、14階に相当する。

Q.日本貨物航空ANAへの譲渡について

A.航空貨物は船舶以上にボラティリティが高く、これまで赤字にに苦しんできた。

コロナ禍で旅客機(旅客機の下部に貨物を搭載)が飛ばなくなり、貨物機の需要が高まり2年間で大きな利益を得ることができた。

けれども今後の航空貨物事業の経営に当たっては、製造中止となったB-747の更新や整備機材等への設備投資や教育投資が必要になってくる。

将来の採算性を踏まえた結果、ANA日本航空貨物のブランドを存続するという条件で、断腸の思いで譲渡を決めた。

Q.飛鳥Ⅱに若い人を乗せて東南アジアを回る婚活等の活用について

A.貴重なご意見として受け止める。

Q.社長の趣味であるゴルフと数独について

A.議案とは全く関係のないことであるが、どちらもやなことをいっさい忘れられるという共通点がある。

Q.ここ数年の高収益は市況が良かったからではないか?

A.当社の一番の経営課題はいかにして収益を安定化させるか?ということだった。

談合となることは避けなければならないが、荷主との話し合いにより長期契約をいただけるよう努めてきたことは安定化に寄与している。

また、コンテナ船のボラティリティの高さを物流事業が吸収できるように拡充してきた。

さらに、ドライバルク、自動車用の船、LNG船など多種多様な船を保有していることもリスクヘッジにつながっている。

執行部としてこれからも頑張る!

Q.社長の話は丁寧で分かりやすいが話が長い(笑)IT化と人材育成について

A.これからは簡潔にお話させていただきます。

当社では風力発電自然エネルギーの核となると予想しているが、秋田県において風力発電のメンテナス要員を育成する教育機関を立ち上げて対応している。

Q.株価低迷は証券会社が当社を売り推奨しているため。

配当性向や最低配当金額を徐々に高めて、長澤前社長の敵を取ってほしい!

船日本一の誇りを持って頑張れ。

A.真摯に受け止めて、頑張っていく。

Q.海員組合の前トップが基金を流用したことについて

A.直接の関係はないが、事実確認は継続する。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役7名選任の件

・会社説明である取締役5名選任の件

・補欠の会社説明である取締役選任の件

・取締役の基本報酬額決定の件

・会社説明である取締役ほ報酬額決定の件

・取締役等に対する業績連動型金銭報酬制度に基づく報酬額算定方法の件

・取締役等に対する業績連動型株式報酬制度等に基づく報酬額等の算定方法の件

賛成多数により承認・可決されました。

最後に、新任取締役と新任執行役員が紹介されました。

株主総会雑感

新しい社長になりましたが、議事運営が上手で、会場から度々拍手が湧いていたことが印象的でした。

そのような株主総会は参加していて気持ちの良いものです。

社長の

当社の長年の一番の経営課題は収益の安定化

という言葉に、歴史博物館で知った当社の明治維新第二次世界大戦を生き抜いてきた歴史が重なって、うるっときました。

長く株主を続けいたいと思います。

【会場でいただいたお茶】

⑵ 2022年6月の株主総会

第135期定時株主総会 2022年6月22日(水) パレスホテル「葵」

多くの株主が集っていました。

ビデオを使った事業報告と社長のプレゼンによる対処すべき課題等が続きました。

主な質疑応答

【事前】

Q.自社株買い、株主還元等について

A.企業価値を高めるための新しい中期系計画を明確にし一貫した資本政策に基づき自社株買いを実施していく。

配当性向25%は目安であり、総合的な判断で実施する。

Q.為替、燃料の高騰について

A.想定為替レートは120円

1円の円安で経常利益が60億円増加する。

一方で、燃料の高騰はマイナス要因。

Q.低・脱炭素のコストについて

A.2〜3割のコスト高になるが必要なものと認識。

【会場】

Q.かつて7月20日だった海の日について

A.第3月曜日から戻すことについて前向きに対応していきたい。

Q.ONEの業績の見通しについて

A.2020年〜2021年は絶好調だったが、2022年の後半でやや萎むとの見通しを持っている。

一方で

・新造船がない

・米国の港湾労働者の供給減の継続

・コンテナ船の運賃の高止まり

を理由に意外に下げない可能性もある。

Q.北極海航路について

A.当社は使用していない。

Q.新中期経営計画におけるROIC等の数値目標の採用について

A.検討する。

Q.AIを使った船について

A.一部のサービスでは活用している。

しかし、AI教育(データのインプット)の問題もあり、さまざまに変化する海洋気象の状況下におけるAI活用は容易ではない。

Q.地震の多さなど日本固有のリスクの考慮について

A.BCP(事業継続計画)の中で考慮している。

特に通信インフラの確保を重視している。

Q.招集通知の文言について

A.配慮する。

Q.デリバティブ損失について

A.運賃の変動リスク回避のためのもので損失と同額の利益が出ているため実態はゼロである。

Q.脱炭素の船について

A.基本的には船では重油を炊いているが、45隻についてはガスを利用し3割のCO2削減に貢献している。

将来はアンモニア、水素、合成燃料等の船を増やす予定である。

Q.好業績と現社長の関係について

A.海運市場に風が吹いたのは確かだが、それをキャッチできたことが好業績につながった。

株主のおかげです。

Q.株価(PER)が低い(2.14倍)ことについて

A.これまで業績が安定しなかったことから、今の好業績が続かないと懸念されている可能性がある。

おそらく市場はPERではなくPBR(0.9倍)で評価しているのではないかと考える。

しっかりと業績を安定させタイムリーなIRに努める。

Q.会社の機関設計が監査役会設置会社であることについて(社外取締役過半数となる指名委員会等設置会社の検討について)

A.より良いガバナンスを目指して検討を続ける

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役8名選任の件

・取締役賞与支給の件

・取締役等に対する業績連動型金銭報酬制度導入に伴う報酬額設定の件

・取締役等痛いする業績連動型株式報酬等の額及び内容の一部改定の件

拍手をもって賛成・可決されました。

最後は新任役員の紹介を持ってお開きとなりました。

紹介の際の社長の「○○さん」という言い方が印象的でした。

⑶ 株主還元    

配当

過去の一株当たりの配当金は次のとおりです。

2022年3月期:1,450円

2021年3月期:200円

2020年3月期:40円

2019年3月期:20円

2桁、3桁、4桁と桁違いな増配が特徴です。

こんな高配当な株式は初めてです。

今後も高配当の継続を期待しています。

株主優待

飛鳥クルーズ料金10%割引優待券がいただけます。

いつか、クルーズ旅行するのも夢です!

また、何気なく氷川丸日本郵船歴史博物館の招待券もいただいています。

氷川丸日本郵船歴史博物館の招待券】

3 株主としてのコメント

⑴  高配当は続くのか

このまま高配当が続くかどうか気にまります。

ざっくりと、下記の理由から好業績が続き、高配当維持の淡い期待を抱いています。

●来春発表される新中期経営計画への期待

●グローバルサプライチェーンの再構築(自由主義圏を中心とした経済)

●本格的なインフレの時代の到来(モノの価値が上がる)

●リーディングカンパニーとしての矜持

また、株価のボラティリティの高さは個人投資家の少なさ(29.1%)によるものと考えます。

高配当維持による長期個人投資家の増加により株価の安定化にも寄与します。

個人投資家を増やす施策にも着目していきたいと思います。

⑵ 航空輸送事業について

自分の予想とは反対に、日本郵船の航空機部門がANAに譲渡されることとなってしまいました。

コロナ禍が収束し経済活動の活性化に伴い物流が伸びています。

ただし、海運が絶好調なのに対して空運は冴えない展開を続けています。

この違いは何か?

海運については17年に日本郵船商船三井川崎汽船の海運大手3社が世界市場で勝ち抜くためにコンテナ船事業について合弁会社ONE(Ocean Network Express)を設立しました。

このことが空運との明暗を分けた要因だと考えます。

であるならば、航空輸送事業についてもJALANAとともに航空貨物の合弁会社の設立を考えてもいいのでは?

投資余力があるのは日本郵船なので、物流事業の競争力確保、ひいては日本の国力増進につながる航空貨物の合弁会社設立への積極的な検討を期待します。

⑶ 将来の夢

東京マラソンのフィニッシュ地点の左手方向には日本郵船の本社ビルがあります。

ランナーにとっては感動の瞬間を日本郵船本社付近で迎えるわけです。

ランナーの皆さんはゴール直後は極限的にハイな状態になっています。

この状況を活かし、例えば飛鳥クルーズにつなげるような活動があっても良いように思いいます。

ちなみに、東京マラソンに出場して日本郵船本社ビルを見ながら完走することいつの日か飛鳥クルーズを楽しむことも自分にとっては大切な夢です。

⑷ 株主優待を利用した氷川丸日本郵船歴史博物館見学

重要文化財である日本郵船氷川丸日本郵船歴史博物館」を見学してきました。

氷川丸の外観は何度も眺めていましたが、中に入るのは初めて

値段の高さやチャップリンの乗船、そしてレーダーの搭載など、目から鱗でした。

氷川丸

また、歴史博物館は映像とナレーションによる歴史の説明がとても分かりやすくて良かったです。

日本郵船激動の歴史が良く分かり株主として有意義な時間を過ごすことができました。

株価の激動にも耐えられそうな勇気をもらったような気がします!

日本郵船歴史博物館の正面玄関】

株主総会会場となったパレスホテル2階「葵」】

                  

4 まとめ

日本郵船について述べてきました。

好業績に支えられた高配当に恵まれ、株主として満足しています。

その好業績に貢献した海運における国内ライバル会社との提携という実績に着目しました。

さらに、高配当の継続、空運分野での事業統合、東京マラソン協賛や飛鳥クルーズなどさまざまな期待(夢)のある会社だと思っています。

末長く応援していく予定です。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #日本郵船 #ONE #氷川丸 #日本郵船歴史博物館

  

トヨタ【7203】について

初投稿:2022.6.18、更新日:2023.6.

こんにちは!

この記事は、トヨタ【7203】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年6月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・CASE時代に向けて

パレットタウン地区の再開発に期待

【目次】 

【メガウエーブで紹介されたトヨタハイブリッド車

                     

1 トヨタについて

⑴ 会社概要

お馴染みのトヨタです。

4輪自動車で世界首位の会社。

総資産74兆円、売上高37兆円、時価総額37兆円の事業規模です。

PBRは約1倍と低評価。

しかも、株主総会2日前に全固体電池のEV発表でようやくPBR1倍割を解消するという”奇策”によるもの。

かつては王者と言われていただけに、姑息な印象を持ちました。

企業理念 

株主総会の招集通知では企業理念として2つが紹介されていました。

●「豊田綱領」

豊田佐吉の遺訓をまとめたトヨタの原理原則

●「トヨタフィロソフィー」

モビリティカンパニーへの変革に向けた未来への道標

・豊田綱領

Valueトヨタウエイ〜パートナー、ソフト、ハード

・Mission:幸せを量産する

Vision:可動性を社会の可能性に変える

100年を超える伝統のある企業を支える重要な”企業理念”と考えます。

セグメント

3つの事業から構成されています。

●自動車事業(車両、生産用部品、部品、その他)

●金融事業

●その他事業

金融事業を柱にしていることは意外でした。

⑵ 株主になったきっかけ

日本を代表する巨大企業ということで興味がありました。

自動車業界への期待や高配当も魅力。

株式を5分割したことから2022年にNISA口座で保有しています。

⑶ 2023年3月期の経営分析

収益性

売上高営業利益率:7%

減益でした。

収益性は前期よりも3%低下。

株価同様、業績も冴えません。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):110%

自己資本比率(30%以上が望ましい):39%

短期的にも中・長期的にも前期とほとんど変化はありません。

リスク管理にはしっかりと取り組んでいるようです。

効率性 

・有形固定資産回転率:2.94

有形固定に関しては前期よりも数値は向上しています。

これは有形固定資産の金額よりも売上高の伸びが大きかったためです。

⑷ 2022年3月期の経営分析

収益性

売上高営業利益率:10%

大企業にもかかわらず収益性は高いです。

優良株とも言えそうです。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):109%

自己資本比率(30%以上が望ましい):40%

短期的にも中・長期的にも懸念はありません。

効率性 

・有形固定資産回転率:2.55

有形固定に関しては比較的効率的な経営がなされていると考えます。

有形固定資産の内訳は金額の大きな順に、「機械装置」、「賃貸用車両及び器具」、「建物」となっています。

また、極めて巨額の減価償却が計上されていることもトヨタの特徴だと思います。

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

第119回定時株主総会 2023年6月14日(水) トヨタ本社

 

⑵ 2022年6月の株主総会

第118回定時株主総会 2022年6月15日(水) トヨタ本社 

参加せず。

報道によると脱炭素に向けた方針について説明があったとのことです。

また、過去の株主総会の様子を動画で見ましたが、社長の就任以来の激闘が熱く語られていました。

今回の株主総会の様子はトヨタイズム」にて発信されるとのこと。

期待します。

対処すべき課題

株主総会招集通知で掲げられた対処すべき解題の項目は以下の通りです。

・商品を軸にした経営

カーボンニュートラル実現に向けた取り組み

・ソフトウエアとコネクティッドの取り組み

・商用領域の取り組み

・Woven City(ウーブン・シティ)

・従業員との話し合い、人材育成

ちなみに、CASEとはConnected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング、Electric(電動化)の頭文字をとった略称とのことです。

決議事項

・取締役9名選任の件

監査役2名選任の件

・補欠監査役1名選任の件

・取締役に対する譲渡制限付株式報酬制度改訂の件

・定款一部変更の件

⑶ 株主還元    

配当

過去の一株あたりの配当の推移は以下のとおりです。

2022年3月期:148円

2021年3月期:240円

2020年3月期:220円

2019年3月期:220円

22年期はコロナ禍等の影響により厳しい環境だったようです。

ちなみに配当性向は30%とのこと。

また、トヨタの機関設計は指名員会等設置会社なので、配当金については取締役会で決定することができるようです。

そのため、5月には配当金が振り込まれていました。

さすがです。

株主優待  

なし  

【お台場のメガウエーブにて(2021年12月31日に閉館)】

               

3 株主としてのコメント

⑴ 期待していること

円安効果

円安により様々な影響が出ています。

日経平均株価がドルベースではピークから3割減なのに対して、円ベースでは1割ちょっとの下落で済んでおり、投資家(ロング)にとってはありがたい話です。

また、ドル円がピークから2割円安になったことから、日本のDGPが2%上昇との試算も報じられています。

円安効果がトヨタの業績にどのくらいの好業績をもたらすのか・・・期待しています。

CASEについて

トヨタは車の将来についての取り組みも目が離せません。

CASEの時代にあって、トヨタが培ってきたハードウエアの強みを活かしながら、車両開発プラットフォーム「Arene(アーリン)」を用いて安全で高品質な最新のソフトウエア開発の実現を目指すとのことです。

近い将来、どのような車が登場するか楽しみです。

Woven City(ウーブン・シティ)

動画によるとウーブン・シティというのは、東日本大震災後の東北復興のために工場を建てることと引き換えに東富士工場を閉鎖しなければならなかったことから、ここに研究開発の拠点を構えたとのことです。

こうした新しい試みが成功し、一つのモデルとして普及することが望ましいと考えます。

⑵ 気になっていること

株主総会ライブ配信

愛知県での総会参加は厳しい方が多いのでは?

ライブ配信は今日、標準化されつつあります。

トヨタがいまだにライブ配信未対応とは意外。

来期からの実施に期待します。

不祥事

招集通知で、レクサス高輪における検査結果の改ざん、連結子会社である日野自動車の燃費に関する不正な認証申請などが挙げられていました。

再発防止には徹底を期していただきたいと思います。

それにしても、ちょっと悪質な不祥事があったにも関わらず株価はそれほど大きな影響を受けていません。

それは、PBR1倍という割安さゆえなのかもしれません。

ゲームチェンジャー

SONYがホンダと組んでEV市場に乗り込んできました。

GAFAも本格参入の予定と報じられています。

自動車業界にもゲームチェンジャー候補が続々と登場。

迎え撃つトヨタの対応が気になります。

お台場の再開発

お台場のパレットタウン地区(メガウエーブ、ヴィーナスフォート、大観覧車等)が閉館となり2025年にトヨタが中心となって新しい商業施設をつくるとのこと。

約1万人収容の大型複合アリーナが誕生すると言われています。

期待しています!

【再開発が決まったパレットタウン地区】

4 まとめ

トヨタについて述べてきました。

円安による好業績が期待されます。

合わせて日本の将来を左右する大きなインパクを持つ会社として注目しています。

株価は冴えませんが、トヨタが進める様々な取り組みに注目し、応援したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #トヨタ

  

Jフロントリテーリング【3086】〜株主総会雑感

投稿日:2022.6.11、更新日:2023.6.11

こんにちは!

この記事は、Jフロントリテーリング【3086】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年5月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・『我慢する社員はダメになる』 VS 指名委員会等設置会社

・長く株主をしていて感じたこと

【目次】 

【銀座シックス】

                     

1 Jフロントリテーリングについて

⑴ 会社概要

大丸松坂屋の百貨店に加えパルコなどを有する企業グループ。

2月が決算月です。

総資産1.2兆円、売上高3300億円、時価総額3100億円の事業規模です。

PBRは0.78倍であり、投資家からの期待は高くありません。

基本理念

私たちは、時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客様の期待に応えるご満足の実現を目指します。

私たちは、公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指します。

グループビジョン

”くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”

セグメント

百貨店意外にもさまざまな事業を展開しています。

特に、ディベロッパー事業に力に強いことが特徴と思います。

●百貨店事業:大丸、松坂屋

●SC事業:パルコ

ディベロッパー事業:「錦三丁目25番街区計画」

●決済・金融事業:カード事業、保険代理店事業

●その他:卸売業、人材派遣業

中期経営計画(2021〜2023)

●3つの重点戦略

・リアル×デジタル戦略

・プライムライフ戦略

デベロッパー戦略

●経営構造改革

・ビジネスモデル改革によるコスト削減

・事業基盤の絞り込み

●経営基盤機能戦略

・財務戦略

・人財戦略

・IT戦略(守りのIT)

⑵ 株主になったきっかけ

地方都市に住んでいた時、東京出張のお土産を大丸東京店でよく買っていました。

東京に住むようになってからスーツなど、ますます大丸東京店を使うようになり優待欲しさから株主となりました。

NISA口座で約5年保有し、売却後、再度特定口座で株式を購入し現在に至っています。

⑶ 2023年2月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:47%

売上高営業利益率:5%

収益性は前期よりも向上しています。

コロナ禍のリベンジ消費にとどまらず、恒常的な収益性の改善につながるかどうかに注目しています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):63%

自己資本比率(30%以上が望ましい):33%

短期的にも中・長期的にも懸念が残る数値です。

前期に比べても改善は見られません。

今後、インフレや金利の上昇等の事業環境の変化が会社に及ぼす影響が気になります。

効率性 

・有形固定資産回転率:0.77

ディベロッパー事業に注力していることで回転率は不動産会社なみの水準となっています。

ただし、有形固定資産の金額そのものは昨年よりも低下しており、新規の大規模な投資がなされていない点は安心材料と考えます。

⑷ 2022年2月期の経営分析

コロナ禍の厳しい環境下で、増収増益そして増配は立派だと思います。

収益性

・売上高総利益率:45%

売上高営業利益率:3%

粗利率の高いビジネスモデルです。

ただし、販管費が多く営業利益は低めです。

これが、将来の成長のための一時的な投資によるものか、構造的にコストがかかるのかを見極めることが大切だと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):68%

自己資本比率(30%以上が望ましい):30%

短期的にも、中・長期的にも懸念される数値となっています。

不動産投資に注力し続けてきたことに加え、コロナ禍が加わった結果の安全性の低さだと考えます。

ただし、数年前の株主総会で財務面の懸念についての質問に対してはそれ程危惧べき水準ではないとの回答がありました。

今後も、安全性と成長性のバランスをとりながらの経営がなされると推測します。

効率性 

・有形固定資産回転率:0.69

小売業というよりは、不動産業のような低い数値となっています。

巨額な不動産を有している一方で、売上高はそれに追いついていないと考えます。

また、非流動資産を見てみると、有形固定資産が4800億円、投資不動産が1900億円となっており、不動産に力を注いでいることが伺えます。

株主優待

2 株主総会

⑴ 2023年5月の株主総会

第15期定時株主総会 2023年5月25日(木) ニューピアホール

ライブ配信を視聴しました。

社長の挨拶に続いて、取締役会の議長、締め委員会、監査委員会、報酬委員会の代表からの報告がありました。

業績は増収増益、そしてガバナンスを強化しつつ再成長を目指すとのことでした。

質疑応答についても、担当役員が回答しそれを議長が補足するというスタイル。

良い経営ができている印象でした。

主な質疑応答

【事前】

Q.フィナンシェへの出資の効果について

A.事業ポートフォリオの見直しの一環として、7.5億円投資した。

デジタル技術(特にブロックチェーン技術)に強い会社であり、eスポーツやWeb3領域全般での活躍が期待できる。

Q.銀座SIXの業績について

A.前期は過去最高の業績だった。

インバウンドは3割低下したが、国内富裕層がそれを補ったことが要因。

特に、ラグジュアリブランドの効果は1.5倍だった。

テナントの新陳代謝もうまく行っている。

なお、クレジットカードのポイントの共通化についてはシステム的にハードルが高いと認識。

Q.株主優待の改善について

A.これまで、生鮮食料品、オンラインショッピング、レストラン・喫茶店などを株主優待の対象範囲として拡充してきた。

今後も利便性向上に努める。

【会場】

Q.配当について

A.配当性向30%を目標としている。

基本的にはキャッシュフローの創出状況を踏まえ、成長投資と財務を優先した上で残りの利益を配当としている。

なお、今回は2円増配の31円とした。

Q.グループの土地の簿価と時価について

A.簿価は約4100億円、時価は約8000億円である。

Q.百貨店における化粧品や食品売り場従業員の表現について

A.法令についての知識をeラーニングや集合教育を通じて取得させ、従業員等のコンプライアンス意識の向上に努める。

Q.CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)投資(特にエグジット)について

A.CVC投資については、

・スタートアップ

・ビジョン実現に向けての改善

・人材育成

・財務リターン

の4つのポイントがある。

元々、エグジットは考えてはいるが、研究開発的な面が強いため、財務リターンよりも戦略リターンを優先して考える。

Q.ROIC(投下資本利益率)の向上について

A.経営指標としてはROE自己資本利益率もあるが、当社としては自己資本のみならず借入金を含めた投下資本に対する利益率を重視している。

特に、ディベロッパー部門の収益性向上を期待している。

そして、ROIC向上のために事業別ROICを導入するとともに、各事業所の取組をホールディングとしてチェックする仕組みとしている。

Q.クレジットカードが百貨店、銀座SIX、パルコでバラバラな件について

A.グループ外の会社が運営している場合もあるので、グループ内で運営できるような方向性で通化を目指す。

ただし、会員基盤を毀損させないよう慎重に実施していく。

Q.クレジットカードの年会費2200円の無料化について

A.アプリを含めクレジットカードの利便性向上に努める

Q.コンプライアンスについて

A.店舗のセールストークについてルールを守りながらの表現力のレベルアップに努めている。

Q.セールストークコンプライアンス事案は当社のみの話か?

A.当社社員のみならず、取引先が関わっている場合もあるが他社の件については差し控える。

決議事項

・取締役11名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

株主としてのコメント

全般的に生産性のある株主総会だったと思います。

ただし、いくつか気になったことがあったのでコメントします。

今後攻めの経営姿勢で臨むということと、事業ポートフォーリオの拡充の関係がよくわかりませんでした。

というのも、攻めの姿勢であれば経営資源を集中することが基本ですが、百貨店とディベロッパーの2本に分散するとのことだったからです。

また、今後金利が上がることが予想される中、不動産投資は長期ならともかく、短期的には厳しいのではないかと考えます。

大手財閥系の不動産会社の株価低迷がその証左です。

どちらかといえば、百貨店に経営資源を集中させている三越伊勢丹HDの方が攻めの姿勢としては投資家の理解が得られやすいと考えます。

あと、株主優待の利便性向上が説明されましたが、その一方で利便性が毀損されている部分もあります。

2022年5月からデパ地下のタイムセールでは株主優待(10%割引)が利用できなくなっています。

三越伊勢丹HDではそのような、ケチくさいことはありません。

守りの時は頑張っていたと思いますが、これからインフレの時代にしっかりと(他社に出し抜かれないように)攻め切れるのか?

株主として気になりました。

⑵ 2022年5月の株主総会

第15期定時株主総会 2022年5月26日(木) ニューピアホール

ライブ配信を視聴しました。

社長の挨拶に続き、指名委員会、監査委員会、報酬委員会の各長の方から業務執行状況についての説明がありました。

質疑応答については、社長の多くの方からの発言を促す姿勢に好感を持ちました。

主な質疑応答

【事前の質問】

Q.取締役の構成について

A.独立・社外取締役過半数となりガバナンスの強化を図っている。併せて善管注意義務を果たすことに注力し企業価値の向上に努めている。

Q.中期経営計画の進捗状況について

A.生活を豊かにする商品群の強さと優良な顧客を大切にし、”守り”から”攻め”に転じつつある。

Q.株主優待の改善について

A.パルコについては紙からクレジットカード化を図った。

通販についても10%引きとできるようにした。

パルコと大丸・松坂屋カードの統合については検討を続ける。

【会場からの質問】

Q.百貨店事業のメリットについて

小売業のエリア拡充、小売以外の業務の多様化、業務の効率化、人材の多様化などの点でシナジーが生じている。

ただし、B to BのパルコとB to Cの百貨店の基幹システムの統合については引き続き検討を重ねる。

Q.人材戦略(女性の活躍)について

A.女性の管理職への登用が進んでいる。

Q.従業員の賃金の向上について

A.さまざまな点を考慮し、年収ベースでの給与向上に努めている。

Q.(海外を含む)富裕層の取り込みについて

A.コンテンツとタッチポイントの2つが重要と認識。

コンテンツとしては現代アートと機械式高級腕時計の拡充を図っている。

タッチポイントとしては、使いやすいアプリ(英語版、中国語版を含む)を作り20〜30代へのオンラインでのアプローチに努めている。

Q.同業他社との比較した際の強みについて

A.不動産やエンタメに強いパルコがグループ内にあること、全国に店舗を展開していること、アプリの開発等やり切る力があること、外商を通じた富裕層へのアプローチなどがある。

Q.名古屋の不動産開発について

A.パルコでもない百貨店でもない豊かな生活に資するメディアセンター的なものの2026年の実現を目指して準備を進めている。

決議事項

●定款一部変更の件

●取締役10名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

最後に役員の紹介がありました。

⑶ 株主還元    

配当

1株あたりの配当の推移は以下のとおりです。

2023年2月期:31円

2022年2月期:29円

2021年2月期:27円

2020年2月期:36円

2019年2月期:35円

2018年2月期:35円

2017年2月期:28円

好業績を反映し、増配されています。

株主優待  

大丸・松坂屋お買い物ご優待カード(10%割引) 

【大丸のデパ地下にて】 

               

3 株主としてのコメント

⑴ 同業他社との違いについて

JFRの強みは何と言っても百貨店と不動産の日本柱であることと思います。

これに対して、丸井は百貨店と金融の2本柱、そして三越伊勢丹は百貨店中心の戦略と考えています。

各社の戦略が今後どのように明暗を分けるのか?興味深いところです。

⑵ 株主総会雑感

過去に数回株主総会に参加し質問したことがあります。

非常に真摯な態度でお答えいただいたことを覚えています。

株主側も”ふつうの質問”をする方が多く、総会に参加していて気持ちの良い時間を過ごすことができました。

株主を含め、金融機関やテナントなど会社とステークホルダーとの関係が比較的良好なのではないかと思います。

⑶ 長く株主をしていて気になっていること

株主優待カード

10%割引となる株主優待カード(大丸松坂屋カード)を愛用しています。

ただし、2022年5月ごろからデパ地下の特売品での利用が禁止されるようになってきたようです。

JFRはこのように”しれっとセコイことをする組織文化”があるように感じています。

以前は利用していたクレジットカードも年会費を徴収するようになったので退会しました。

株主や消費者の期待や信頼をもっと大切にする組織文化が醸成されることを期待します。

株主総会でのある役員の対応

株主総会における質疑応答で手に持った何度も紙を見ながら回答している役員がいました。

想定問答集なのか事務局からの資料なのか分かりませんが、株主からの基本的な質問に対して紙を見ないと回答できないというのはちょっといただけません。

機関設計で厳しいガバナンスを目指しても、役員の対応(力量)が追いついていかないのでは意味がありません。

渡辺一雄さんの「我慢する社員はダメになる」

大丸といえば、『我慢する社員はダメになる』という渡辺一雄さんのエッセイを思い出します。

昭和の時代の大丸勤務の実態を明らかにしたものですが、この本を読んで大丸という会社の恐ろしさを感じました。

現在のJFRは機関設計としてはガバナンスが一番厳しい、指名委員会等設置会社となっており、過去のようなことはないとは思いますが・・・。

この本は、会社を多面的に長い時間軸を持ってかつ多面的にみることの大切さを教えてくれます。

 

【大丸京都店前にて】

4 まとめ

Jフロントリテーリングについて述べてきました。

株主を5年以上続けていて、質の高い商品をお値打ち価格で購入できたことなどのありがたい面がある一方で優待内容の改悪や役員の力量不足について懸念を感じています。

また、百貨店はそれぞれ独自の戦略で生き残りを図っており、JFRの百貨店と不動産の2本柱戦略の成果を期待しながら株主を続けていこうと考えています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #Jフロントリテーリング #パルコ 

  

2022年5月の投資のふりかえり

こんにちは!

この記事は、コア・サテライト戦略を踏まえ、投資信託(ロボアドバイザーを含む)の長期積立分散投資(守りの資産)と個別株投資(攻めの資産)を継続する個人投資家が2022年5月の投資についてレビューしたものです。

5月の投資成績は

株式投資の評価損は約34万円(2022年では評価損約157万円)

株式投資では約2万円の損失(2022年では114万円の損失)

となりました。

4月に続いて5月も厳しい1ヶ月でした。

【目次】 

【鑑賞したトップガン

1 株式 

⑴ 売却

・テセック(特定口座):100株(約12万円の損切り

・ワイズテーブル(特定口座):100株(約7万円の損切り

東京海上HD(NISA口座):100株(約17万円の利益確定)

業績等を考えてテセックとワイズテーブルは損切りしました。

また、東京海上HDはちょっと利食いが早かったかもしれませんが、他の投資資金が必要となったため売却をしています。

⑵ 購入

・プラスアルファコンサルティング(特定口座):40株

・Sansan(特定口座):100株

IGポート(特定口座):100株

プラスアルファコンサルティングは値動きが激しいので割安時に単位未満株で購入を続けています。

SansanとIGポートは5月決算銘柄ということで購入しました。

【マネーフォワードからの抜粋】

3ヶ月間の株式の評価額推移のチャートをご覧ください。

購入した株式の金額より売却の方が高かったことと株価の下落を受けて下げ基調となっています。

ただし、月の後半にかけて多少の回復の兆しも見えてきています。

2 配当

・J .フロント リテイリング  1,500円(100株)

イオンディライト 4,200円(100株)

・ランド 190円(1900株)

・クリエイトレストランツHD 300円(100株)

ビックカメラ 1,000円(200株)

ドトール日レスHD  1,400円(100株)

乃村工藝社 2,800円(100株)

トヨタ 2,800円(100株)

  合計 14,190円

ランドは少ないながらも配当で株主に報いようとする姿勢は評価できます。

トヨタは3月決算ですが、他の企業よりも1ヶ月早い配当はさすがです。

3 株主優待

5月に届いた主な株主優待は次の通りです。

・ラックランドから「かき炊き込みご飯のもと」など

・クリエイトレストランツHSからの食事券(2,000円分)

・Jフロントリテイリングからの10%割引カード

JALから株主割引券(半額)

ビックカメラからのお買い物優待券2,000円分×2

イオンディライトからお買い物件2,000円分

ドトール日レスHDから優待カード(1,000円分)

・ワイズテーブルからXEXカード(10%割引)と5,000円の食事券

・ヨシムラフードサービスから自社商品(800円分)

などをいただきました。

なお、サムティから議決権行使のお礼としてQUOカード1000円分もいただいています。

4 株主総会

5月に実施された持株の株主総会等は以下の10社です。

適時、株主総会等の内容を追記し記事をアップ(更新)していきます。

イオンディライトライブ配信視聴、記事更アップ済み)

・イオン(ライブ配信視聴、記事アップ済み)

ドトール日レスHD(株主総会参加、記事更新済み)

乃村工藝社株主総会不参加、記事更新予定)

・ワーズテーブル(株主総会参加、記事更新済み)

・ランド(株主総会不参加、記事更新予定)

・ヨシムラフードHD(株主総会参加、記事アップ済み)

・クリエイトレストランツHD(株主総会不参加、記事更新予定)

・いちご(株主総会参加、記事更新済み)

・ビザスク(株主総会参加、記事更新済み)

株主総会に参加することでその会社への理解が深まります。

5 投資信託等(iDeCoを除く)

 長期・積立・分散投資を実施しているのは下記の金融商品です。

積立投資を始めた年月も表示しています。

・ウエルスナビ :15万円/月(3万円×月5回) 

 2019年10月~:31カ月

セゾン投信10万円/月(毎月4日、8日)

 2020年2月~:27カ月

さわかみファンド:1万円/月(毎月1日) 

 2020年8月~:21カ月

コモンズ投信:4万円/月(毎月1日) 

 2020年9月~:20カ月

マネックス証券eMAXIS Sim米国株式(S&P500):5万円/月(毎月1日)

  2020年9月~:20ヵ月

楽天証券でiFreeNEXT NASDAQ100インデックス:2万円/月

 2020年12月~:17カ月

コインチェックビットコイン積立:1万円/月 (毎月1日)

 2021年1月~:16カ月

現在の積立投資は毎月約38万円です。

株式よりも投資信託等の金額が上回ってきました。

引き続きコア・サテライト戦略に従って着実に資産を運用していきたいと思います。

【マネーフォワードから抜粋】

上のチャートをご覧下さい。

5月は中旬にかけて米国の利上げの影響で大きく下げましたが、徐々に回復しつつあることがわかります。

株価下落は平均単価を下げていると考え、積立投資を継続していきます。

6 貸株金利

SBI証券にて貸株をしています。

貸株金利として

,731円

頂きました。

また、2%以上の高金利銘柄の貸株金利の推移

・サンアスタリスク:8.75%

・セルソース:4.25%

グローバルダイニング:2.5%

霞ヶ関キャピタル:2%

サンアスタリスクの貸株金利8.75%と高止まりしています。

なお、ペッパーフードサービスは2%から1.5%に低下しています。

7 気づき

⑴ 株価の低迷について

コロナ禍、地政学リスク、米国金利上昇、チャイナリスクなどの影響により株価は”低空飛行”状態です。

ただし、株化の低空飛行には良い面もあると思います。

ドルコスト平均法の場合平均単価を下げる効果があります。

そして、トップガンでも、低空飛行をして敵の原子炉を爆破して生還するという感動的な物語が描かれていました。

大切なのは市場で生き残ることと肝に銘じて投資を継続していきたいと思います。

⑵ 投資信託等の資産について

今月は投資信託等の資産額が株式をはっきりと上回り始めました。

”守りの資産”の金額が大きくなることは安心感につながります。

それに、”ほぼほったらかし”でも複利の効果で増えてくれることにもありがたみを感じています。

また、積み上げた投資信託の現金化についても色々と検討を続けています。

例えば、セゾン投信ではセゾン定期便(定期解約サービス)を利用していますが、

・買い:定額ドルコスト平均法

・売り:低口(終了時期が明確)

なので、低迷する株式市場が回復に向かう時には残高が増えているのではないかとも思っています。

引き続き、より良い”自動運転の投資ができる仕組みづくり”を目指していきたいくつもりです。

8 まとめ

5月の資産運用について、長期積立分散投資株式投資などを中心に振り返りました。

寅年はボラ年

『エブリシングバブルの崩壊』ということで、現金、債権、株式、コモディティ、不動産、暗号資産の厳しさが指摘されています。

その意味でダブルコアサテライト戦略の「守りの資産」の有効性をますます実感しています。

6月は参議院選挙前ということで、経験上株価の大きな下落はないのではないかという希望を持っています。

ただし、何が起きても不思議でないのが投資の世界。

引き続き、生き残れるよう投資スタイルを磨いていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。

#資産形成 #資産運用 #投資 #株式 #株主総会 #配当 #株主優待 #投資信託 #ロボアドバイザー

ヨシムラ・フード・ホールディングス【2884】〜2年連続株主総会に出席して感じたこと

投稿日:2022.5.27、更新日:2023.6.5

こんにちは!

この記事は、ヨシムラ・フード・ホールディングス【2884】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年5月の株主総会の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・中小企業支援プラットフォームを活かした相互補完の会社

・将来が楽しみな会社

【目次】 

株主総会の会場となった日比谷国際ビル】

【過去に株主総会会場となったTKPカンファレンスセンター】

1 ヨシムラ・フード・ホールディングスについて

⑴ 会社概要

複数の中小食品企業(食品卸、中華、冷食、清酒、水産加工、製麺など)をM&Aし相互補完した会社です。

売上高、292億円、総資産237億円、時価総額194億円という事業規模。

PBRも2.6倍と前期よりも良くなっています。

MISSION(目指す社会像)

いつまでも、この”おいしい”を楽しめる社会へ

VISION(果たす役割)

地域の”おいしい”を守り、育て、海外へ

VALUE(大切にする価値観)

あなた”らしさ”を大切にします

”経営理念”はちょっと抽象的な印象もありますが、真面目な会社という印象を持ちます。

セグメント

●食品製造事業

国内製造事業は、独自の製品を開発、製造し、主に卸売業者を通じてスーパーマーケット、コンビニエンスストア等へ販売を実施。

海外製造事業は、独自の製品を開発、製造し、主にスーパーマーケット、ホテル、航空関連企業等へ販売を実施。

●食品販売事業

国内販売事業は、販売力と企画力を強みとしており、消費者のニーズを捉えた商品を企画開発し、主に産業給食、生協、スーパーマーケット等への販売を実施。

海外販売事業は、海外から仕入れた良質な製品を主にスーパーマーケット、レストラン、ホテル等への販売を実施。

⑵ 株主になったきっかけ

ユーチューバーが取り上げたことから注目していました。

食料品という業種の銘柄はほぼ初めてで関心も高かったです。

「中小企業支援プラットフォーム」を活用したビジネスモデルが悪くないことと2月が決算であることも注目しました。

【2023年5月の株主総会の案内板】

⑶ 2023年2月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:20%

売上高営業利益率:2%

数値から明らかなように収益性は低いです。

しかも前期よりも低下しています。

株主総会の質疑応答から、社長は成長性ほど収益性は重視していないように感じました。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):164%

自己資本比率(30%以上が望ましい):31%

特に経営に支障があるということはない安全レベルと考えます。

ただし、安全性についても前期より低下していることは注意が必要です。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.05

前期と同レベルです。

ただし、売上高増に加えて有形固定資産そのものも増えています。

主な勘定科目は金額順に、「建物及び構築物」、「土地」、「機械装置及び運搬具」、「リース資産」、「その他」となっています。

⑷ 2022年2月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:22%

売上高営業利益率:3%

数値だけを見ると収益性は低いです。

ただし、業界を考えると3%というのは食品製造業としては平均的な水準のようです。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):197%

自己資本比率(30%以上が望ましい):35%

特に経営に支障があるということはない安全レベルと考えます。

コロナ禍であることを考えると奮闘しているように思います。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.16

少し古いですが、農林水産省による『食品企業財務動向調査報告書』(平成24年3月)によると、食品製造業の固定資産回転率は約2で推してきたことを考えると効率的な経営がなされていると考えます。

2 株主総会

⑴ 2023年5月の株主総会

第15回定時株主総会 2023年5月30日(火) 日比谷国際ビル 

受付にてペットボトルのお水をいただきました。

11時からのスタートということで会社としては時間短縮の意向だったようですが、株主からの質問が多く、終了時刻は12時を軽く超えていました。

会社からの説明は下記のようなポイントを中心に、主にM&Aの成功により売上高が伸びていることが中心でした。

・CAGR17%

・8年間で売上高は0→110億円

・ノウハウ構築期(2008〜2016)は年間1件のM&A

・ノウハウ進化期(2016〜2022)は年間2件のM&A

・M&A拡大き(2022年〜)

主な質疑応答

Q.IRに注力することについて。

A.IRに注力しているが、グループ化したOne Story(マーケティングが得意な会社)が自分たちの仕事で多忙なのが現状。

落ち着いたらグループのIR活動に積極的に取り組む予定である。

Q.各種会社のグループ化のシナジーについて

A.現状では28社の間でシナジーを活かすべく取り組んでいる。

四国のかき揚げの会社やフリーズどドライの出汁についての実例もある。

Q.大型M&Aの目標値について

マルキチ(北海道のホタテ関連会社)のような業界のど真ん中の会社を買収することで、当社はそのような規模の会社のM&Aも可能なことが周知されたと認識。

質問のM&Aについては相手のある話なので目標値等の開示は控える。

ただし、M&Aに関しては良い環境が整っていることは申し上げる。

Q.28社がヨシムラフードサービスのグループに属していることのアピールについて

A.組織やお金の部分で繋がっている他は、そのままの各社のアピールでも良いと考える。

中には、グループに属していることがアピールになる会社もあるので、その場合にアピールすれば良いのではないか。

現状のグループ内の状態は良好であり、今後も要望がある限りM&Aはやっていきたい。

Q.大型M&Aに賭ける気持ちについて

A.ご指摘のロコンドやIRジャパンのような大勝負は特に考えていない。

M&Aについてはこれまで同様に慎重に実施していく。

Q.収益性の低迷について

A.全体として収益性を上げたいが、分野別によって収益性の高さがまちまちである。

さらに、会社によっても攻めることが得意な会社と硬い守りに特徴がある会社が存在している。

よって経営リソース(ヒト、モノ、カネ)は伸び代があるところに注ぎ込んでいく。

28社の中で傾斜して考え、戦略的に支援をしていく予定である。

なお、各社については収益性の率ではなく、絶対額を重視する経営を指導していく。

Q.為替の影響について

A.約6億円の当期純利益のうち約5億円は為替差益によるものであった。

その大半が、円安に伴うシンガポールのビジネスがもたらしたものだ。

なお、シンガポール事業は、為替差益獲得ではなく、あくまでもビジネスとして活かすことを優先している。

よって、為替ヘッジはしていないが、為替に左右される持分は下げていく。

Q.金利の影響について

A.短期的には変わらないと予想している。

なお、金利の上昇は借入コストの増加を伴うが、景気も良くなっていることを考え合わせるとなんとかやっていけると認識している。

また、輸入コストが下がることはビジネス上はプラスの効果をもたらすと考えている。

なお、借入金については早めに眺めに調達することに留意したい。

Q.ベルベという会社(社長逃亡)のM&Aについて

A.M&Aは会社貢献するかどうかで判断している。

どのような会社でも、精査して見極めてからグループ化させる。

Q.M&Aに当たり社長が重視していることについて

A.グループ化した後に互いに良いパートナーとなっていけるかどうかが重要。

社長として指針を出したのち、取締役会の検討のプロセスを踏んでM&A実施に移行する仕組みとなっている。

Q.原材料価格高騰に伴う価格転化の成否について

A.現状は、交渉して価格を転化できるところとそうでないところがある。

分野と交渉環境によって価格添加の状況が会社ごと異なっているのが現状。

ただし、トータルで考えれば交渉力は上昇しており、原材料価格高騰のダメージは小さくなってきている。

Q.シンガポールの状況について

A.前半は売り上げが1/10に落ち込むなどして苦戦したが、後半は回復している。

コロナ前の水準に近づきつつある。

Q.インフレの影響について

A.価格を上げても受け入れられる点ではメリットが大きいと考える。

Q.賃上げについて

A.各社によって必然的に賃上げがなされると認識。

デメリットとしては、低価格を強みにしていた会社の業績への影響。

現状では各事業会社の賃上げについての上申を検討するというプロセスを踏んでいる。

Q.値上げによって売上げが下がるケースについて

A.(グループ内の事例を挙げつつ)顧客がその製品を欲しい度合いによると考えており、正に我々のビジネスが試されている。

売上減によって本物の実力ではないことを再認識させられる部分もあった。

Q.グループ内の会社の売却について

A.我々はファンドではないので、高く売れるからといって売却を選択することはない。

ただし、逆に破産寸前の状況になったら個別・具体的に考える。

決議事項

・取締役5名選任の件

監査役3名選任の件

・補欠監査役1名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

なお、3名の新役員の紹介があり、散会時には会場から拍手がありました。

株主としてのコメント

2年連続で株主総会に参加しました。

感じたことは

・社長が前回よりも自信を持って議長を務めていた。

・株主からの質問が前回よりも積極的だった。

の2点です。

特に、株主については、地下アイドルを推すような以前からの長期の株主と、M&Aの成功を嗅ぎつけて短期的な成果を期待する株主に大別されたように感じられました。

社長の丁寧かつ本音ベース?の質疑応答も聞き応えがあり、参加して勉強になりました。

ただし、株主総会開始の時刻が11時なのは感心しません。

昼休みまで会議を長引かせるより、2時間以内に会議をまとめて気持ちよく昼休みを迎えた方がステイクホルダーの利益に一致すると思います。

M&Aによる成長性が来年も継続するかどうかに加え、株主からの質問の増加傾向が次回も続くかどうか、大いに楽しみにしています。

【2022年5月の株主総会の案内板】

⑵ 2022年5月の株主総会

第14回定時株主総会 2022年5月27日(金)TKP新橋カンファレンスセンター

雨の中、30人弱ぐらいの方が会場に集まっていました。

社長の挨拶とスライドを用いた会社説明(直近のM&Aによる3つの子会社の紹介)がなされました。

特に、ONE STORYというマーケティングに強みを持つ会社をグループ化したことの成果を強調されていました。

質疑応答

Q.IR(見せ方)について

A.ご提言ありがとうございます。真面目にコツコツ良いものを作るだけでなく見せ方にも工夫するように努めます。

Q.M&Aのソーシング(対象企業の選定と交渉)とPMI(合併後の統合プロセス)について

A.一番多いのは地銀からの情報。独自で実施する場合もあるが良い案件は少ない。

PMIは基本的に自社で実施している。

Q.DX化の推進について

A.DXの重要性は認識しているが、今はマーケティング機能の拡充に注力していきたい。

Q.ガバナンス強化について

A.本社は上場していることもあり一定以上のガバナンスは維持しているが、経営を委託している二十数社の子会社については強化していく必要性があると認識している。

決議事項

●定款一部変更の件

●取締役に対する譲渡制限付き株式付与のための報酬決定の件

●補欠監査役1名専任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

辞任する取締役の紹介

辞任する取締役の紹介がありました。

株主から拍手が送られました。

⑵ 株主還元    

配当

なし

株主優待

2月は300株以上、8月は2500株以上の保有の株主に対して自社グループ製品が送付されるとのことです。 

【2023年に頂いた株主優待

【TKP新橋カンファレンスセンター前のツツジ】  

              

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

社長の総会の議事運営が丁寧であり、かつ真摯な態度に好感が持てました。

後継者不在問題に取り組む会社の姿勢も支持できます。

「中小企業プラットフォーム」という仕組みも優れたものと考えます。

年単位で考えたときに、将来が楽しみとなる会社です。

⑵ 気になっていること

『地域の美味しいを守り、育て、海外へ』というビジョンは希少性があり共感できます。

また、成長戦略としてM&Aによる欠落機能の補完、具体的にはONE STORY子会社化によるマーケティング強化は上手な一手だと思います。

ただし、オペレーションレベルとなると本社事業27名では、ちょっと少ないように感じました。

マーケティングもデジタル化も大事なのは分かっていても、限られた経営リソースでは優先順位づけをせざるを得ないという社長の発言もそのことを物語っています。

そこがクリアになれば、市場や投資家からの評価も見直され、株価の長期下落トレンドからも脱却できると予測します。

【TKP新橋カンファレンスセンターの1階の様子】

4 まとめ

ヨシムラ・フード・ホールディングスについて述べてきました。

ビジョン戦略は悪くなくても経営資源(主に人の数)の少なさからオペレーションレベルで苦労していることが市場や投資家からの人気のなさにつながっているように思えました。

けれどもこの先、健全な経営のもと、人員が増え、恒常業務に加えM&AやPMIのノウハウが積み上がり、弱みであるマーケティングやデジタル化が補完・推進されれば、非連続的な成長もあり得るように感じました。

末長く会社の成長を見守っていきたいと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ヨシムラ・フード・ホールディグス #M&A #中小企業 #食料品

  

ANA To Me CARD雑感〜休日メトロ放題のポイント還元→パスモへのチャージ

初投稿:2022.5.16、更新日:2022.7.9、2022.7.17

こんにちは!

この記事はANA To Me CARDに関心のある方に向けたホルダーとしてのコメントをまとめたものです。

なお、休日メトロ放題のポイント還元について追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

【目次】

1 ANA To Me CARD PASMO JCB Seriesについて

ソラチカ一般カードとも言われています。

「To Me CARD PASMOANA カード」の機能が一つになったとのこと。

PASMO定期券機能に加え、PASMOオートチャージ機能もあります。

このカードを利用し始めたのは5年以上も前(定期更新がありました)。

メトロを利用して通勤定期を使いために契約しました。

現在は通勤はしていないことと、年会費2200円が必要なことから継続については思案中です。

2 休日メトロ放題

⑴ 事前手続き

「休日メトロ放題」とは、2022年5月の土日祝日のメトロが実質乗り放題となるメトロポイント会員限定のキャンペーンです。

4月末までの申込で、事前登録料2000円が必要。

ポイントの還元は7月11日

現在、休日ごと利用中ですが、いくら還元されるか楽しみでもありちょっとドキドキでもあります。

なお、事前登録にあたっては

●メトロポイントクラブに入会

・お客様番号:10桁の数字

・WEBパスワード:8桁の英数字(大文字・小文字)

・駅パスワード:4けたの数字

●クレジットカード(本カード以外でも可能)

・WEB ID

・WEB パスワード

パスモICカード

固有番号:PBで始まる17桁の英数字(大文字)

が必要で、駅のATMでの確認を行いました。

意外とやり慣れない新しいことをしたので時間を要しました。

その苦労が報われることを希望します。

⑵ ポイント還元

待ちに待ったメトロポイントクラブからのメールが来ました。

ポイント還元は18,011ポイント!!

2,000円の事前登録料を十分に上回る”お得”をゲット!!

でも、正直なところホッとした気持ちでいっぱいです(笑)

受領したメールは下記のとおりです。

***************************

いつもメトロポイントクラブをご利用いただきありがとうございます。
お客様が2022年7月11日に獲得予定のメトロポイントをお知らせいたします。

================================
現在のメトロポイント
:197ポイント

当月獲得予定のメトロポイント
:18,011ポイント
================================
※2022年7月8日時点の情報です。

◆ポイントについて
当月獲得したポイントの有効期限は翌年度末までとなります。
貯まったポイントは東京メトロ各駅のピンク色の券売機でPASMOへチャージできます。

◆ログインはこちら
https://www.metro-point-club.jp/mp/

***************************

【休日メトロ放題のポスター】

⑶ ポイントをパスモICカード)へチャージ

メトロポイントを還元してもらいました。

でも、そのままでは意味がありません。

もう一手間、還元されたメトロポイントをパスモICカード)へチャージするという手間が待ち構えています。

早速、最寄りのメトロの駅の券売機に行きました。

・お客様番号:10桁の数字

・駅パスワード:4けたの数字

を入力した時の画面は下の通りです。

還元された18,0208ポイントが左上に表示されています。

早速、右上のチャージ画面をタップします。

出てきた画面が上のものです。

何と、全額チャージできるわけではないとのこと。

チャージ金額の上限が2万円ということのようです。

残念ながら、今回でチャージが完了となならないようです。

では、いくら入金しましょうか?

こう見えても、ビビリの性格なので控えめに5,000円分のチャージとしました。

上の画面にビフォー・アフターが示されています。

何とかチャージは終了しました。

でも、

・駅の券売機まで足を運ばなければならない

・チャージ金額の上限がある

など、色々と制約のあることも分かりました。

もう少し、利便性が向上することを期待します。

3 カードの再発行手続き

2020年ごろ、カードの再発行手続きをしています。

理由は、ズボンのポケットに入れて使っていたことも有り、経年劣化が進んでしまったからです。

かざすだけなら使用できましたが、券売機に挿入したところ認識されない事態へ。

サポートセンターに電話したところ、無料で交換してもらいました。

でも、ちょっと手間がかかりました。

というのも、再発行手数料を請求されそうになったからです(結局は”ふつう”に使用していたことが理解され払わずに済みましたが)。

同じ様な経年劣化の場合にJR系のクレジットカードの場合は無料でした。

今回の件で、クレジットカードによっても対応が異なることを知りました。

ちなみに、ソラチカカードの場合

・盗難にあった場合

・暗証番号を変える場合

については、手数料1100円が必要になると明記されていました。

よって、それ以外の理由であれば無料で再発行がなされるということでした。

4 PASMO一体型カードの更新時に気をつけること

再発行の場合、直ちに古いカードにハサミを入れることが多いと思います。

けれども、PASMO一体型カードの場合は、それをしてはいけません。

PASMOを新しいクレカに移行する手続きが必要だからです。

手続きは、多機能券売機で実施できます。

分からない場合は駅員さんに聞くなどして確実にパスモを移行しましょう。

【券売機でのパスモ移行手続き画面】

f:id:cogepan20:20220125094902j:plain

パスモが新カードに移行した証】

f:id:cogepan20:20220125094919j:plain

5 ポイントについて

話は変わりますが、このソラチカカードの特徴は何と言っても3種類のポイントがたまること。

JCBによるOki Dokiポイント

ANAマイレージ

・メトロポイント

この他にも旅行傷害保険空港ラウンジの利用などのサービスが付加されています。

ポイントは溜まりますが、それを管理しないと無駄にしかねません。

ネット登録したり、スマホアプリでそれぞれ見える化するなどして管理することが必要になると思います。

併せて、マネーフォワードやザイムなどの家計簿アプリでの”一元管理”も役に立ちます。

また、それぞれのポイントの期限についてもカレンダーに紐づけることも大切だと思います。

例えば、メトロポイントの場合、毎年4月1日~翌年3月末日までに付与されたポイントは翌々年の3月末が有効期限となります。

駅の自動券売機を使って、メトロポイントを選択し、「お客様番号」と「駅パスワード」を打ち込むことでメトロポイントをパスモにチャージすることができます。

なお、お客様番号などは会員登録時のメールに記載されています。

ちなみに、2022年3月には850ポイントをチャージしました(残り8ポイント)。

2021年3月の残高は10ポイントでした。

数多くのポイントがありそれぞれが異なるルールで運用されており、その掌握は容易ではありません。

だからこそ、それらのポイントを管理する仕組みづくりが大切になるのだと思います。

大変ですが、頑張ってやっていきましょう。

ちなみに、このカードは年会費が2200円かかります。

費用対効果を検討し継続するか否かを判断したいと思います。

6 まとめ

キャッシュレスが進む現代。

ポイント、電子マネー、○○ペイが大きく報じられています。

その中でクレジットカードには何十年と利用されてきた信頼と実績があります。

クレジットカードとの上手に付き合うための参考となれば幸いです。

お読み頂き、ありがとうございました。

 

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