こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

エニグモ【3665】について〜株主総会雑感

投稿日:2022.5.11、更新日:2023.4.28、2024.5.13

こんにちは!

この記事は、エニグモ【3665】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2024年4月の株主総会の内容を追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・減収で株価も低迷

スペシャルな市場を通じて豊かな人生を応援するビジョン

【目次】 

株主総会が実施された東京ミッドタウン】 

                      

1 エニグモについて

⑴ 会社概要

服飾に特化したネット通販「バイマ」を運営している会社です。

売上高62億円、総資産132億円、時価総額141億円の事業規模

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは1.25と低い評価。

円安の影響で、業績と株価は低迷中です。

ビジョン

"Speciality" Marketplace

バリュー

●セルフスターター

他人や環境に左右されず、自ら目標を見つけ引き金を引き、突き進める人

●アウトパフォーマー

自分の強みを鍛え、常識、限界、期待値を超えていく人

●チームビルダー

”日頃”のチームづくりと”実践時”のチームパフォーマンスに貢献できる人

読んだだけですが、分かりやすく良い方針と思います。

⑵ 株主になったきっかけ

1月決算銘柄で、業績の良いネット通販企業に関心があり購入。

NISA口座を利用しましたが、たちまち含み損。

グロース企業にとっては金利が上昇する今は厳しい時代かもしれません。

⑶ 2024年1月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:78%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):16%

高収益性を保っていますが、利益率はそれぞれ前期よりも1%ずつ低下しています。

減収・増益という結果ですが、円安などの厳しい経営環境の中にあって成長性の鈍化が気になります。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):419%

自己資本比率(30%以上が望ましい):80%

短期的にも中・長期的にも安全性については問題は見当たりません。

前期同様に、財務面はしっかりとしていると考えます。

効率性

・有形固定資産回転率:89.80

売上高減少もあり、回転率は高水準であるものの前期からは低下しています。

⑷ 2023年1月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:79%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):17%

高収益性を保っていますが、営業利益率は昨年よりも大幅に低下しています。

これは、戦略的投資としてTVCM・採用活動の強化により販管費が前期比136%となったためだ説明されています。

成長企業としてのあり方として積極的に評価して良いと考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):461%

自己資本比率(30%以上が望ましい):80%

短期的にも中・長期的にも安全性については問題は見当たりません。

円高の影響という厳しい環境において地に足をつけた経営がなされていると考えます。

効率性

・有形固定資産回転率:110.66

昨年同様、オフィス等への投資はミニマムでありIT企業らしい効率的な経営がなされていると考えます。

⑸ 2022年1月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:81%

売上高営業利益率:40%

高収益なビジネスモデルです。

世界166カ国のパーソナルショッパー約19万人の嗜好性が上手く反映されていると考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):474%

自己資本比率(30%以上が望ましい):79%

短期的にも中・長期的にも安全性に問題は見当たりません。

財務レバレッジに依存しない、手堅い経営だと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:163.77

有形固定資産への投資についても効率的になされていると考えます。

なお、勘定科目としては「建物」「工具器具備品」のみの約4600万円となっておりIT企業らしい効率的な経営だと思います。

東京ミッドタウンの1階の様子】

2 株主総会

⑴ 2023年4月の株主総会

第20回定時株主総会 2024年4月27日(木)東京ミッドタウンカンファレンス

昨年同様に受付にて水を頂きました。

以前の株主総会に比べると参加社は少なめ。

厳しい経営環境の中、守りを固め、将来の攻めも準備している現状について社長から説明がありました。

主な質疑応答

Q.役員報酬が高すぎる(平均の3倍)件について

A.売上、利益に応じた報酬制度になっている。

役員報酬については他社との比較も考慮している。

業績低迷について役員報酬は減額となっているが、その下げ幅の水準が足りないというご指摘については真摯に受け止め検討したい。

ただし、高慢経営をしているわけではないことはご理解いただきたい。

Q.サイキンソーへの出資はヘルスケア分野への展開と考えて良いのか

A.まだ、検討の段階で具体的な回答は差し控えるが、TV CMを予定している。

Q.ハワイのツアーの差別化について

A.ハワイのみならずグアムも現地のオリジナル商品と組み合わせたツアーを企画している。

Q.プライム市場への移行と自社株買いについて

A.現在条件を満たしていないのは、流通時価総額を250億円以上にすること。

これについては売上を上げることで達成したいと考える。

自社株買いについては中長期の戦略の中での利用を考えており、その場合でも償却せず保有することを考えている。

決議事項

⚫️剰余金処分の件

⚫️取締役4名選任の件

⚫️監査等委員である取締役2名選任の件

⚫️補欠の監査等委員である取締役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

株主総会雑感

3年連続で参加しましたが、やはり株主から質問も少なく、少し寂しい株主総会だったように感じます。

経営については、いろいろ頑張っているようですが、やはり以前の成長性の高さを知る株主からは物足りなさを感じてしまうのは仕方のないことかもしれません。

また、経営者というのは環境が変化しても生き残れるような仕組みを作るのがその役割だと思いますが、当社の場合、円高になって海外のブランド品が国内で売れることへのこだわりが強すぎるのではないかと懸念しています。

円高になっても円安になってもどちらでも収益が向上するような仕組みが出来ているのか否なは良く分かりませんでした。

INPEXのような石油・天然ガスの会社であっても、脱炭素ビジネスを大きく成長させています。

もし、当社の円高依存のビジネスモデルが、財務基盤の高さゆえに見直されないのであれば、長期的に見ると残念な結果になるのではないかと感じました。

⑵ 2023年4月の株主総会

第19回定時株主総会 2023年4月27日(木)東京ミッドタウンカンファレンス

入り口で昨年同様にペットボトルのお茶を頂きました。

社長による事業報告と今後の展望についての丁寧な説明がありました。

主な質疑応答

Q.PS Eliteによる取扱高について

A.数値については非公開である。

Q.効果的な広告について

A.TVCMやSNSを通じて実施しており、さまざまな角度から費用対効果を検証し続けている。

合わせて、専門家による細部に至るデータ解析も実施している。

Q.株価について

A.割安と認識している。

Q.自社株買いについて。

A.これまでは実施してきたが、プライム市場の上場基準における流通株式数に影響が及ぶため、株主還元については配当を中心に実施している。

Q.会社のガバナンスについて

A.(社外取締役より)透明性の高い取締役会が実施されるとともに、高いモチベーションを持って業務に当たっている。

また、社内の雰囲気も風通しが良いと感じている。

Q.月次の業績について

A.月次は非開示であるが四半期毎の発表を実施しているので、そちらを参考にしていただきたい.

Q.(3回目の株主総会出席者より)年々ムードが弱気になっているが、今後の展開について

A.ご指摘の通り当社の強みである非日常領域を中心としたスペシャリティなマーケットの領域を拡充することを目指していく。

Q.M&Aについて

A.ご指摘の通りM&Aは簡単ではない。

まずは、役員レベルでカルチャーフィットするかどうかを見極める事が重要である。

そして、現場感覚も大切にするよう、専門の執行役員を2名を配置することとした。

高値掴みとならぬよう、ファイナンシャル部門にも知見を有する人員を配置し、慎重にM&Aを進めていきたい。

Q.今後の展望について

A.スペシャルな領域を広げることで人生の豊かさを応援する会社として国内、ひいては世界に向けて事業展開をしていく所存である。

Q.戦略の実現性について

A.外部コンサルタントの活用、アイデア出しなどを踏まえて解像度を高めており、100%は勿論難しいが、十分に実現可能と考える。

Q.バイマトラベルについて

A.旅行というのは極めて単価の高い商品と認識している。

当社が重視するプライベートバリューとも親和性がある。

現在は、当社の強みである100億円の手元資金を活かす上で、勝負しやすい環境になってきたと考える。

Q.(パーソナルショッパーの株主より)法人と個人の比率について

A.比率については非開示である。

ただし、特定商品に対する法人の強みや幅広い分野における個人の強みの双方をバランスをとっていきたい。

パーソナルショッパー離れ防止に留意しつつ共存できる環境に努める。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役4名選任の件

・監査等委員である取締役1名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

なお、新役員の紹介がなされ際は、拍手が送られていました。

株主総会雑感

活気という点では昨年には及びませんでしたが、11時半近くまでの間、中身の濃い議論がなされたと思います。

特に、事業を通じて豊かな人生を応援するというビジョンを社長から聞けたのは良かったです。

事業環境は厳しいものの、経営については奮闘していると感じました。

しばらくは塩漬け状態を覚悟の上、来年以降の株主総会も楽しみにしています。

⑶ 2022年4月の株主総会

第18回定時株主総会 2022年4月28日(木)東京ミッドタウンカンファレンス

会場でお茶をいただきました。

30人ぐらいの方が会場にいたように思います。

社長の挨拶で始まりました。

事業報告については”物足りない”とおっしゃっていたのが印象的。

原因としては認知率の低さゆえの新規会員の獲得に苦戦したとのこと。

一通りの説明を終えたのちに質疑応答の時間となりますが、こんなにたくさんの質問が出た総会は久しぶりのことでした。

主な質疑応答

Q.障害者雇用について

A.まだ実績はないが、積極的な採用に取り組んでいく。

Q.市場の評価が低いこととTV広告について

A.TV広告の効果はある。IRの積極的な実施とメリハリ投資を心がける。

Q.人材採用&個人投資家説明会の積極的実施について

A.積極的に実施する。

Q.トップライン拡大に伴う営業利益率について

A.規律を持った投資を続けるためこれまでと構造は変わらない。

Q.円安の影響について

A.出品価格の上昇に伴う割高感が予想される。

Q.業績低迷の内部、外部要因と対策について

内部要因:新規顧客の獲得に苦戦

外部要因:消費マインドの低迷、気温上昇の影響、配送費の高騰、(ユーザーのプライバシー保護のための)広告のトラッキング規制

対策:データサイエンスを駆使してLTV(ライフタイムバリュー:顧客生産価値)を上げる。

Q.リベンジ消費について

A.ビビットなリベンジ商品は期待できないが、長期的にみるとバイオリズムに従って消費が向上することが期待される。

Q.株価低迷とIR体制(63頁のスキルマトリックスを踏まえ)について(拍手あり)

A.積極的なIR活動に期するよう役員の人選を見直す。

Q.データサイエンティストの採用によるデータドリブンのマーケティングとは?

A.離脱する人の兆候が分かるので、その人に対処することでリピート率向上につなげたりしている。

Q.グローバルバイマの現状と見通しについて

A.日本の商品の魅力を十分に伝いきれていないので引き続きチューニングに努める。

Q.自社株買いについて

A.開示ルールに従い、月次報告を月初に示している。

Q.取締役と会場に女性がいないことについて

A.現在、取締役の女性はいないが管理職の30%は女性である。

Q.業績予想について?

A.現在は、総合的に考えて出していない。

Q.株主優待について

A.今は業績を優先させたい。

Q.M&Aの要件について

A.20%の複利成長に貢献できる企業をグローバルに選んでいきたい。

Q.世界が注目するウクライナにちなんだ広告について

A.まだ、広告でやるべきことが山積しているのでそちらを優先させる。

Q.自社株買いで3月に買わなかった理由について

A.証券会社に任せているのでコメントは差し控える。

Q.デジタルファッションとは?

A.NFTを用いたものであり、まだ未知の部分が大きいが大きな可能性を感じている。

Q.最後にいい話は?

A.アフリカへの投資において、e-コマースの可能性や可能性やアントレプレナーの活躍など期待できる!

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役4名選任の件

・監査等委員である取締役3名選任の件

・補欠の監査等委員である取締役1名選任の件

・取締役の報酬額設定の件

・監査等委員である取締役の報酬額設定の件

・取締役に対するストックオプションとしての新株予約権に関する・・・

拍手を持って賛成・可決されました。

⑷ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記のとおりです。

⚫️2024年1月期:10円

⚫️2023年1月期:10円

⚫️2022年1月期:10円

⚫️2021年1月期:10円

業績が厳しい中、株主還元にもしっかりと対応されている姿勢は評価できます。

株主優待

なし 

自社株買い

発行済み株式の6%である250万株について自己株式の取得を実施中。 

東京ミッドタウンカンファレンス】

               

3 株主としてのコメント

⑴ 好感が得られたこと 

会場入り口で女性からお茶をいただきました。

心遣いが嬉しいです。

また、株主総会で多くの質問に対し長時間真摯に回答されていた社長の株主に対する姿勢に好感が持てました。

ちなみに、東京ミッドタウンでの株主総会は持株の中ではMSOL以来ですが、

”類は友を呼ぶ”

という言葉通り好業績を継続を継続してほしいと感じています。

⑵ さえない株価について

株価が下落する理由は、業績の低迷、不祥事、将来への期待が持てないことの3つが挙げられます。

業績も良く不祥事もないことからさえない株価の原因は、成長鈍化などの将来への期待の剥落が考えられます。

具体的には新規顧客の獲得に苦戦していることや円安に伴い日本国内の消費マインドが低迷することなどが投資家から懸念されていると思います。

会社ののれん(無形の価値、ブランド力)を示すPBRも約1倍という低さであることも、投資家や市場からの評価が低いことの証左です。

問題点は把握しているのでそれらを克服し、会社の将来への成長ストーリーをしっかりと語ることが株価のトレンド転換には必要と考えます。

⑶ 気になったこと

女性株主の不在

普通の会社の株主総会でも女性株主は数名程度参加します。

まして高級ブランドのショッピング関連の会社なら女性の関心も高はず。

さまざまなブログにおいて、

「元○○でも年商1000万円!バイマを使った物販ビジネス・・・」

のような女性ブロガーを沢山知っています。

よって会場には多くの女性のステークホルダーが訪れると予想していました。

ところが、役員に女性はいませんでした。

さらに、参加した株主にも女性が皆無!

こんなことは、珍しいことです。

全くのです。

来年も総会に参加するつもりですが、女性が参加するかどうかについても着目したいと思います。

社長が演題のモニターを見過ぎ

社長がモニターを見る回数がちょっと多いかなと気になりました。

株主と真剣に対話する中で、モニターを見ることに注意を奪われることは決して好ましいことではありません。

そもそも、自信がないような印象を与えてしまいます。

基本は株主との質疑応答に集中しつつ、必要に応じてモニター情報を活用するなど見直してみてはどうでしょうか?

ビジョンレベルの話が少ない

ショッピングでどんな世界を実現したいか?

顧客に提供できる価値は何か?

など、ビジョンレベルの話が少なかったように思います。

成長企業が大企業になるためには、会社のビジョンの内外への周知徹底が極めて大切だとのこと。

そう考えると、社長が質疑応答に答えているだけでなく、ビジョンレベルの話を株主に語りかける時間を作った方が良いように感じました。

質問好き株主が沢山いることは良くわかりました。

ここは、総会終了後に事業説明会を開き、そこでまず社長が描く壮大な夢・ビジョンについて大いに語って貰った後に、株主と大いに語り合うスタイルも良いのではないでしょうか?

株主総会の案内板】

4 まとめ

エニグモについて述べてきました。

株主総会に3回連続で参加し続けて、業績、株価、株主の関心の3つが深く関わっていることを実感しました。

ユニークなビジネスモデルで、財務基盤も安定していますが、為替がどのように変化しても収益を生む仕組み作りについては不満を感じました。

グロース市場の株価指数は3年前に比べて半分以下に低迷しています。

大規模なM&Aや海外への積極的な進出などによる現状打破を期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #エニグモ #バイマ

  

菱洋エレクトロニクス【8068】〜好業績を知らせる中間報告書

投稿日:2022.5.5、更新日:2022.10.18

こんにちは!

この記事は、【8068】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2022年10月に中間レポートをいただき、その報告に対するコメントを追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・高配当、伝統、半導体などに比べて投資家の評価が低いのでは?

三菱電機からの”親離れ”について

★★★

【目次】 

株主総会会場で配られたマスク】 

                     

1 菱洋エレクトロニクスについて

⑴ 会社概要

エレクトロニクス商社で、三菱電機インテル等外国製品を扱っています。

総資産726億円、売上高1121億円、時価総額546億円の事業規模

総資産や売上高に比べて時価総額が低いのは市場や投資家の評価が高くないことの証左。

実際、会社の無形価値(ブランド力)を示すPBRも0.96倍となっており解散価値を下回ります。

半導体関連銘柄であり商社であるということで期待できそうなのですが、ちょっと株価は苦戦しているようです。

会社のビジョン等は下記の通りです。

ちょっと分かりにくい部分もありますが方向性としては妥当と考えます。

また、60年を越える伝統から顧客、人材、ノウハウの蓄積には大きなものがあると推測します。

実務(オペレーション)レベルでは恵まれているように考えます。

では戦略的にはどうなのでしょうか?

対処すべき課題等から戦略の考察を試みます。

企業スローガン

すべてを、つなげよう。

技術で、発想で。

行動指針

VALUE and PRIDE

ビジョン

”全てがつながるスマート社会”に感動を与えるソリューションパートナーになる

企業情報

エレクトロニクスを中心に付加価値の高い商品とサービスを提供するトータルサービスカンパニー。

目指す姿

お客様の課題やお困りごとを他社よりも早く、優れたやり方で解決させていただく企業

セグメント

半導体/デバイス事業

トップブランドからユニークなデバイスまで豊富なラインナップと的確な提案力でものづくりを支援

●ICT/ソリューション事業

お客様が直面する課題やニーズをキャッチし各種領域のスペシャリストが解決までのプロセスを支援

⑵ 株主になったきっかけ

1月決算高配当企業ということで2022年1月に株主になりました。

2021年1月の一株あたりの配当は120円

今期も期待しましたが一株あたりの配当は60円でした。

でも、四季報によると予想配当利回りは5%を超えており、高配当の恩恵は得ています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:10%

売上高営業利益率:2%

収益性は高くありません。

他の商社同様?薄利多売のビジネスモデルの面があると思います。

会社の企業情報に謳われているように付加価値の高い商品やサービスを生み出すことを追求することで収益性の向上に通じると考えます。

ちなみに、新・3ヵ年計画によると2025年1月の目標は

一人当たりの営業利益を1.4倍にすることで

営業利益率:3%

となっています。

きちんとした事業活動をすることで達成可能だと思います。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):218%

自己資本比率(30%以上が望ましい):58%

短期的にも中・長期的にも安全性に問題は認められません。

効率性 

・有形固定資産回転率:511.87

商社らしく、有形固定資産にはあまりお金を投じていないようです。

数値だけ見れば効率的と考えます。

ちなみに有形固定資産の内訳は金額順に「その他」、「工具、器具及び備品」、「建設借勘定」、「土地」となっています。

独自のサービスを生み出すために、有形固定資産への投資もある程度は必要と思いますが・・・。

株主総会会場】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第62回定時株主総会 2022年4月26日(火) 時事通信ホール

参加せず。

なお、参加者にはマスクを配布していたようです。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部選任の件

・取締役8名選任の件

・会計監査人選任の件

可決されたとの通知を得ています。

⑵ 株主還元    

配当 

過去の一株当たりの配当推移

2021年1月:120円

2021年7月:60円

2022年1月:60円

2022年7月:60円(予想)

予想配当利回り5.51%四季報による)

株主優待  

なし 

株主総会会場となった時事通信社

               

3 株主としてのコメント

⑴ 独自性とは?

対処すべき課題の中で、従来の物販にサービスを加えることで独自性を追求していくとあります。

ただし、具体的にどの様な商品・サービスを目指しているかよくわかりません。

独自性の追求が会社の将来性に及ぼす影響も未知数です。

穿った見方をすれば、三菱電機グループから外れることによって独自性を追求せざるを得なくなったと考えた方が腹落ちする様な気もします。

⑵ 三菱電機グループとの関係

2021年3月、立会外分売により三菱電機菱洋エレクトロニクスの筆頭株主ではなくなりました。

NTTがドコモを完全子会社した様に世界的にM&A等により企業単独ではなく各グループ力を結集する流れとは逆行しているようにも感じられます。

また、三菱電機には、菱洋エレクトロニクスに代わる別の会社との取引が増加していると情報もあります。

三菱グループから離れる方向性は戦略的に良いことなのでしょうか?

”親離れ”の方向性とその成果に注目していきたいと思います。

⑶ 自己株式26%について

個人的には三菱電機グループとの関係強化が戦略的に正しいと考えます。

ただし、三菱グループを離れ独自性を発揮するという戦略もアリかもしれません。

その場合、26%の自己株式を活用してM&Aを行い独自性追求を具現化することが必要です。

四季報でも10億円程度のM&Aを複数検討中とあります。

スピード重視です。

⑷ 今後の方針

60年を越える伝統、半導体関連銘柄、商社であることを考えると、PBRが1倍未満というのはちょっと市場の評価が低すぎないかと感じていました。

けれども、三菱電機グループから離れ、独自路線を追求しつつもM&Aも検討段階となれば、将来性に懸念を抱かれるのも仕方のないことかもしれません。

配当の高さでしばらくはホールドしていく予定です。

でも、戦略に着目し会社の成長性には注視していきたいと思います。

⑸ 「中堅決算のご報告」を読んだコメント

10月初旬に中間配当5000円の通知と共に『中間決算のご報告』が郵送されました。

一読したコメントをまとめます。

良かったこと

まずは、当上期において売上・利益ともに当初に見通し以上に大きく伸長する好業績であったことが評価されます。

その理由として、半導体供給不足化における好需給、急激な為替変動といった環境要因の他、『経営改革の成果』があったと報告書では分析されています。

以前から三菱電機からの”親離れ”に着目していましたが、その方向性が正しければ更なる成長が期待できると思います。

また、レポートで初めて知ったのですが、スポーツの応援にも力を入れているとのこと。

具体的には

・国内卓球リーグ「Tリーグ」

・女子プロバスケットボールチーム「東京羽田ヴィッキーズ

・男子プロバスケットボールチーム「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

とこのと。

スポーツを通じた”社会貢献”する姿勢も好感が持てます。

気になっていること

米中対立が激しさを増しています。

米国は中国に対する厳しい半導体規制を加速しています。

・その影響が当社にどの程度及ぶのか?

・プラスなのかマイナスなのか?

など今後の動向が気になっています。

また、高配当が魅力の当社ですが、配当については純資産配当率(DOE)5%を目安としているとのこと。

ただし、DOEの計算式は、

DOE=年間配当総額➗株主資本×100(%)

となっており、株主資本を減らすことで5%は達成できてしまいます。

しかも、当社は自己株式を24.6%も保有しておりその”使い道”も良くわかりません。

株主としては、年間配当総額を増やす方向で高配当を維持してほしいと願いつつも、気になっているところです。

4 まとめ

菱洋エレクトロニクスについて述べてきました。

会社をビジョン、戦略、オペレーションの3つの階層で考えた場合、三菱電機グループを離れる方向性という戦略に懸念を感じました。

ただし、好業績を知らせる中間報告書の内容を踏まえると戦略的には正しい方向に向かっているのかもしれません。

また、新・3ヵ年計画も発表され、配当の高さも魅力です。

半導体を取り巻く環境要因など機になる点はありますが、会社を成長性を見守りたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #菱洋エレクトロニクス #ヴィッキーズ #ダイヤモンドドルフィンズ

  

2022年4月の投資のふりかえり

こんにちは!

この記事は、コア・サテライト戦略を踏まえ、投資信託(ロボアドバイザーを含む)の長期積立分散投資(守りの資産)と個別株投資(攻めの資産)を継続する個人投資家が2022年4月の投資についてレビューしたものです。

ちなみに、個人的にはダブルコア・サテライト戦略を推奨しており、個別株投資をさらに守りの銘柄と攻めの銘柄に分けています。

4月の投資成績は

株式投資の評価益は約92万円(2022年では評価損約123万円)

株式投資では約22万円の損失(2022年では112万円の損失)

となりました。

世界の株式の時価総額の減少額は8兆ドル(7.3%)だそうです。

自分の株式の減少額はそれよりは多少良かったかもしれません。

ちなみに、あの有名なテスタさんも4月は1億3千万円の損失とおっしゃっていたようです。

全体的に厳しかったようです。

【目次】 

【4月に宿泊したザ ライブリー東京麻布十番のラウンジ】

1 株式 

⑴ 売却

・日本モーゲージファンド(NISA口座):(約10万円の損切り

・RIZAP(NISA口座):200株(約13万円の損切り

・TAC(NISA口座)

三菱地所(特定口座):100株(約1万円の利益)

三井不動産(特定口座):100株

東急不動産(特定口座):100株

NISA口座についてはRIZAPTAC今年中に期限を迎えることから損切り

日本モーゲージファンドについては「資産ポートフォリオの見直し」の観点から同じく損切り

不動産系の銘柄は多少の利益が出たところで利益を確定しています。

なお、6社とも議決権は得ています。

⑵ 購入

・HEROZ(特定口座):100株

商船三井(特定口座):70株

HEROZ4月決算銘柄ということで議決権行使書を得るために購入しました。

商船三井は単位未満株を単位株(100株)にするために70株購入しています。

【マネーフォワードからの抜粋】

3ヶ月間の株式の評価額推移のチャートをご覧ください。

この1ヶ月間で”行って来い”状態となっています。

理由は2つ。

・購入よりも売却した銘柄の方が多かったため

・米国のFRBの利上げスピードの向上と中国上海のロックダウンの影響

引き続き、市場を注視しながら「資産ポートフォーリオの見直し」を進めていきたいと思います。

2 配当

・バルニバーニ 2,500円(100株)

菱洋エレクトロニクス 6,000円(100株)

・ネオジャパン 1,400円(100株)

・Casa 3,000円(100株)

エニグモ 1,000円(100株)

  合計 13,900円

守りを重視した資産運用をする上で、配当はありがたいものです。

3 株主優待

4月に届いた主な株主優待は次の通りです。

ユーグレナから「からだにユーグレナ」スティック

・バルニバーニからのメンバーズカード(5%引き)と食事券(2000円分)

アウトソーシングからの1000円分のQUOカード

ペッパーフードサービスから3000円分の食事券

・ネオジャパンからのQUOカード500円分

などをいただきました。

なお、マネックス証券マネックスポイントは毎年3月に期限を迎えるので、『勝てるROE投資術』という本をいただきました。

投資をする上で参考になります。

4 株主総会

4月に実施された持株の株主総会等は以下の4社です。

適時、株主総会等の内容を追記し記事をアップ(更新)していきます。

菱洋エレクトロニクス(株主総会不参加、記事更アップ予定)

・ネオジャパン(株主総会参加、記事アップ済み)

・Casa(株主総会参加、記事更新済み)

エニグモ株主総会参加、記事アップ予定)

5 投資信託等(iDeCoを除く)

 長期・積立・分散投資を実施しているのは下記の金融商品です。

積立投資を始めた年月も表示しています。

・ウエルスナビ :15万円/月(3万円×月5回) 

 2019年10月~:30カ月

セゾン投信10万円/月(毎月4日、8日)

 2020年2月~:26カ月

SBI証券投資信託『SBI・V・S&P500』:積立中止

 2021年7月~7か月

さわかみファンド:1万円/月(毎月1日) 

 2020年8月~:20カ月

コモンズ投信:4万円/月(毎月1日) 

 2020年9月~:19カ月

マネックス証券eMAXIS Sim米国株式(S&P500):5万円/月(毎月1日)

  2020年9月~:19ヵ月

楽天証券でiFreeNEXT NASDAQ100インデックス:2万円/月

 2020年12月~:16カ月

コインチェックビットコイン積立:1万円/月 (毎月1日)

 2021年1月~:15カ月

現在の積立投資は毎月約38万円です。

赤字は積立額を変更したもので、先月より15万円少なくしています。

株式と投資信託等の金額はほぼ同じになりましたので、投資信託等の積立のペースをゆるめています。

【マネーフォワードから抜粋】

上のチャートをご覧下さい。

3月は大きく上昇したにもかかわらず、4月はほぼ横ばいでした。

米国株の低迷が影響しています。

まだまだ複利の効果が十分に発揮されるのはこれから!

ひきつづき長期・積立・分散投資を継続します。

6 貸株金利 

SBI証券にて貸株をしています。

貸株金利として

,452円

頂きました。

また、2%以上の高金利銘柄の貸株金利の推移

・サンアスタリスク:8.5%→10.25%→8.75%→7.5%→7.75%→8.25%→8.25%→8.5%→9.25%→9.5%→9.25%→8.75%→8.75

・セルソース:3.25%

ペッパーフードサービス:8.0%→7%→6.25%→3.25%→2.5%→2%→2%→2%→2%→2%→2%→2%→2%

グローバルダイニング:2.75% →2.25%→2.25%→2.25%→2.25%→2.5%→2.5%→2.5%→2.5%

霞ヶ関キャピタル:2%→2%

サンアスタリスクの貸株金利8.75%と高止まりしています。

今後株価上昇につき金利も低下するのか興味津々です。

セルソースを単位未満株で保有していますが、高い金利がついています。

7 気づき

⑴ 単位未満株式投資について

通常の株式の売買単位は100株です。

ただし、証券会社によっては単位未満単位で売買が可能です。

株式投資で得られる富はキャピタルゲインインカムゲイン

それらが得られると分かっていても、値嵩株なら数百万円が必要です。

そんな時、単位未満株の売買ならキャピタルゲインインカムゲインを得るチャンスが広がります。

これが、単位未満株式投資を行う理由の一つ。

もう一つは分散投資

ハイパーグロース株のように株価が乱高下する場合は、単位未満売買をうまく使って平均単価を下げるのも有効な手段と思います。

今回、商船三井を70株購入して100株にしました。

元々、配当利回りが10%を超えていることからインカムゲイン目当てに10株のみを購入していました。

ところが3分割したことにより30株となったことから、株価が安くなった時に買い増しを行なって100株としました。

ちなみに、手数料についてはSBI証券では買いについてはキャッシュバックがあり、売りについては単位株とした場合無料にすることができるので実質無料。

「値嵩株のキャピタルゲインインカムゲインの追求」ボラティリティの高い株の分散投資を効率的に行うよう単位未満株式売買を継続していきます。

⑵ 恩株について

元を引いている株を恩株と呼ぶそうです。

200株買って株価が倍になった時に100株売却すれば、残りの100株は”ただ”なので安心して持ち続けることができるというのがその趣旨だと思います。

その意味で、グローバルダイニングの株は5年以上の売買期間の中でコストを回収しているので100株しかありませんが恩株となっています。

ダブルコア・サテライト戦略の中の株式の中のコア(守りの資産)の部分に相当します。

ただ保有するだけでなく、グローバルダイニングが経営するレストランに足を運ぶことは人生においてもさまざまな楽しみもたらしてくれます。

4月にラ・ボエム麻布十番権八渋谷店を訪れました。

家族でいい時間を過ごすことができ感謝しています。

ラ・ボエム麻布十番

【ランチの前菜】

権八 渋谷店】

【ランチで頂いた天ぷら定食】

8 まとめ

4月の資産運用について、長期積立分散投資株式投資などを中心に振り返りました。

寅年はボラ年

『エブリシングバブルの崩壊』ということで、現金、債権、株式、コモディティ、不動産、暗号資産の厳しさが指摘されています。

その意味でダブルコアサテライト戦略の「守りの資産」の有効性をますます実感しています。

自分なりのスタイルを保ちつつよく学び投資を継続していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。

#資産形成 #資産運用 #投資 #株式 #株主総会 #配当 #株主優待 #投資信託 #ロボアドバイザー

ネオジャパン【3921】について〜めずらしい監査役会設置会社

投稿日:2022.4.30

こんにちは!

この記事は、ネオジャパン【3921】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・過去最高益&10期連続の増収増益

・さえない株価のなぜ?

【目次】 

桜木町駅で発見したネオジャパンの看板】

                      

1 ネオジャパンについて

⑴ 会社概要

四季報によると、グループウエア大手でありパッケージソフトの業種において27/72社という順位です。

総資産は73億円、売上は59億円、時価総額171億円の会社です。

意外と小さめの事業規模だと思います。

企業理念 

リアルなITコミュニケーションで豊かな社会形成に貢献

ビジョン

ビジネスICTツールを社会インフラに、全ての企業にITメリットを

セグメント

●ソフトウエア事業( )数値は構成比

クラウドサービス(61.4%)

・プロダクト(36.9%)

・技術開発(1.7%)

システム開発

子会社によるクラウドインテグレーション、システムインテグレーションを活かしたエンジニアリングサービスの提供。

●海外

・米国、マレーシア、タイで事業を展開しているが、コロナ禍によりセグメント損失を計上。

⑵ 株主になったきっかけ

1月決算銘柄で、業績が良い会社ということで2022年1月に株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:51%

売上高営業利益率:21%

高収益なビジネスモデルと考えます。

しかも、10期連続の増収増益で前期は過去最高益

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):330%

自己資本比率(30%以上が望ましい):71%

短期的にも中・長期的にも安全性には問題なさそうです。

株主総会も30回目であり、リーマンショック等の経済危機を乗り越えてきた知見が生かされていると考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:99.99

有形固定資産への資金も効率的になされていると考えます。

なお、勘定科目の内訳は金額の高い順に「建物」、「車両運搬具」、「工具、器具及び備品」、「使用権資産」となっています。

車両運搬具に約1,300万円投じていますが、VIP用の高級車でしょうか?

株主総会会場となった横浜ランドマークタワー

2 株主総会

⑴ 株主総会

第30回定時株主総会 2022年4月26日(火) 横浜ランドパークタワー25階

受付時にお水をいただきました。

会場では20名弱の方が集まっていました。

社長の挨拶に続き、スライドを用いた事業報告がなされました。

主な質疑応答

Q.サイボウズとの競争について

A.サイボウズの顧客層は従業員300名程度の会社で、当社の場合は1000名以上の大企業であり顧客層が異なる。

知名度向上のために積極的にIRを実施する。

Q.社長の鼻マスク(鼻を覆っていないマスク着用)はやめた方がいい

A.承知した(総会終了時に再度、鼻マスクを注意されていた)。

Q.社長の株式の売却について

A.何を言っているのか良く分からないが、個人の問題なのでコメントは差し控える。

Q.社長の右腕となる人材の育成について

A.自分はエンジニア出身。右腕となる人材は育成中。

Q.監査役会設置会社なので、役員のプロフィールやスキルマップがわからない。

A.必要応じて開示内容を見直す。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

拍手を持って、賛成・可決されました。

ただし、一部の株主から反対の声が上がっていました。

⑵ 株主還元    

配当

今期は一株当たり14円です。

増配です。

配当利回りは約1.4%程度。

株主優待

500円のクオカードをいただきました。 

江ノ島江ノ電の風景・・・センスはいいと思います。

株主総会会場で頂いた水】

                

3 株主としてのコメント

⑴ 株主総会で好感が持てたこと

・会場の案内係が親切

・ミネラル水の配布

・会社を紹介するパンフレットの提示

・眺めが良い会場(ランドマークタワー25階)

・好調な業績を発表する際、役員全員が起立してお辞儀されていた姿勢。

⑵  株主総会で気になったこと

・社長の覇気のなさ

・社長の鼻マスク

・「弁護士」と書かれた名札の人の同席(珍しい)

株主総会終了後、総会関係者の控室から廊下に響き渡っていた高笑い(何がおかしかったのだろう・・・?)

⑶ なぜ株価が冴えないのか

IT業界というフィールドの良さ、官公庁・大企業などの優良顧客、10年連続の増収増益という業績の良さ、創業30年を超える実績などを考えると何故、株価が冴えないのか疑問を感じています。

PERが18倍、PBRが3.3倍。

株価が割安というよりは、市場・投資家からあまり高い評価を受けていません。

その理由を知りたくて総会に参加しました。

自分なりの答えはガバナンス、社長、成長ストーリーの3点が問題と感じました。

ガバナンス

ネオジャパンは監査役会設置会社です。

多くの会社が「指名委員会等設置会社」「監査等委員会設置会社となっており、経営の健全性・効率性及び透明性を確保するための事実上のスタンダードとなっているのに、プライム市場の中でいまだに監査役会設置会社であるのはめずらしいと思います。

何が問題なのでしょうか?

日本の株式の売買の半分以上は外国人投資家が行なっています。

その外国人投資家が重視するのはガバナンスやコンプライアンス

会社経営において実質的に社長の権限が強すぎるなら、リスクが高すぎて投資家は敬遠します。

四季報によると外国人の保有率はわずか1.7%!

しかも社長はそんなに若くありません。

ネオジャパンが外国人投資家の投資対象たり得ないのなら今の株価水準も納得です。

社長

初めて拝見した社長はちょっとお疲れ気味でした。

株主総会の質問も一人1問としていましたが、その1問に対する答えも冴えない内容でした。

質疑応答で会話がこれほど噛み合っていない会社もちょっと珍しいと感じました。

自社株買いで株主に報いようとする企業が多い中、正反対の態度で「社長が株を売って株価が下がっても個人のことだから関係ない!」と言い放つ姿もちょっとびっくりしました。

ちなみにネオジャパンはチャットラックという主力商品を持っています。

チャットと言えば、ChatworkやSkackなど競合がひしめいています。

Chatworkの場合、株主総会終了後に社長自ら株主への事業や商品の説明を行い、株主からの質問にもとことん答え、エンドユーザーのニーズを吸い上げています。

ネオジャパンの社長にはその様な姿はちょっと想像できません。

将来への成長ストーリー

30年と言えば一つの節目。

自分の持株会社の中でも、第2創業ということで日本M&AセンターHDラックランド経営者の交代新たなビジョンを打ち立て世代交代を実現しています。

ネオジャパンについては、そのような将来への成長ストーリーが見えにくく、後継者問題という爆弾を抱えています。

そのことが市場や投資家からの低い評価に繋がっていると考えます。

ランドマークタワー25階からの風景】

株主優待QUOカード500円分】

4 まとめ

ネオジャパンについて述べてきました。

業績が絶好調なのに株価が冴えないことを不思議に思っていました。

株主総会に参加することで、自分なりに腹落ちする理由を得ることができました。

良い顧客や良い商品・サービスを持っているだけに、ふつうの経営が成されれば市場や投資家の評価も変わってくると推測します。

第2の創業を期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ネオジャパン

  

Kaizen Platform【4170】〜株主総会雑感

投稿日:2022.4.20、更新日:2023.4.20

こんにちは!

この記事は、Kaizen Platform【4170】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・将来に期待が持てる成長企業

・動画や事業報告書のわかりやすさ

【目次】 

【会社から届いた事業報告書】

                     

1 Kaizen Platformについて

⑴ 会社概要

企業サービスのデジタル化を支援するUX/DXソリューションと動画ソリューションの2本柱の会社。

総資産42億円、売上高22億円、時価総額95億円の事業規模。

上場が2020年12月22日というベンチャー企業です。

ビジネスモデルは「人材が不足する市場において、企業のグロースを支えるプラットフォームとチームを提供」とあります。

企業理念 Corporate Philosophy

Kaizen the World

なめらかな働き方で世界を改善する

実現したい未来像 Future Vision

成長していくDX市場におけるプラットフォームとしてのポジションをより強固にするための投資を行い、DXのEMS(Elecrrinics Manufacturing Service:電子機器の受託生産を行うサービス)を目指す。

セグメント( )は構成比

・UX/DXソリューション(64.1%)

・動画ソリューション(35.9%)

⑵ 株主になったきっかけ

将来性に魅力を感じました。

また、動画に強い会社ということで、個人的な関心も背中を押しました。

⑶ 2022年12月の経営分析

2期連続の増収減益です。

一般的に株価が下落するのは増収減益と言われます。

そのことは、ここ2年間の株価下落トレンドに符合します。

招集通知に計算書類がなく、わざわざネットで検索して見る価値がないので、収益性、安全性、効率性等の分析は省略します。

⑷ 2021年12月の経営分析

収益性

・売上高総利益率:42%

・営業赤字

粗利率は高いですが、残念ながら営業赤字です。

株主総会の説明では、為替(3,600万円を超える)の影響とのことでした。

支払金利も2,600万円を超えており、気になります。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):173%

自己資本比率(30%以上が望ましい):57%

それほど悪くはありません。

ただし、利益剰余金が10億円を超える赤字ということで財務的には恒常的に厳しい状態でここまでやってきたようです。

効率性 

・有形固定資産回転率:999.67

非常に高い数値です。

有形固定資産の内訳は「工具、器具及び備品」の約200万円で、非常に低コストだと考えます。

比較的効率的な経営がなされていると思います。

2 株主総会

⑴ 2023年3月の株主総会

第6回定時株主総会 2023年3月29日(水)

バーチャルオンリー株主総会

主な質疑応答

【事前】

Q.取締役のプロフィールについて

A.郵送したものには記載はないが、電子データとして提供しているのでそちらを参照されたい。

Q.暴落している株価について

A.心苦しく感じている。

株価については言及しない。

業績向上が最大の株価対策と考える。

Q.事業計画の開示について

A.当社は事業規模が市場に比べて小さくボラティリティの影響を受けやすいので中期経営計画は非開示としている。

【当日】

Q.行使された議決権についての数値の開示について

A.改善点として承る。

Q.(Chat GPT等)AI との競合について

A.自社の競争力を有意に捨ためにAIを活かす。

決議事項

・取締役5名選任の件

クリックにより可決。

社長の回答に対するKaizen提案

質疑応答時の社長の回答に違和感を感じたので自分なりのKaizen提案を考えてみました。

・取締役のプロフィールについて

ライブ配信視聴中に

「知りたければネットで検索しろ」

と言われても、それはちょっと株主には酷です。

改善提案として、事前にIRから個人宛、あるいは前株主に対して情報提供を実施し、そのような対応を実施済みであることを、回答に付言しておけば、株主重視の姿勢が伝わったと思います。

・株価低迷について

社長は業績向上で株価を上げると回答しました。

社長は基本的な株価のことを理解していないのでは?

株価=EPS(一株あたりの当期純利益)×PER(株価収益率)

という式で株価は決まります。

この中で、業績向上はEPSの向上にしかつながりません。

よって、PERを向上するために、IRを積極的に実施するなど市場の評価を上げることも不可欠です。

さらに、経営者からのメッセージとして自社株買いをすることが、上場企業の標準になていることを踏まえると、社長は株価に無関心と言われれも仕方がないと考えます。

また、株価に言及することは控えると発言していましたが、東証はPBR1倍割の企業に対する是正処置を勧告しています。

当社のPBRも1.9程度で成長企業にしては市場の評価が低すぎます。

社長は上場企業の経営者としての自覚が必要です。

改善提案として、業績以外のIRや上場企業としてのPBR向上策についての言及を挙げます。

・中期経営計画を発表しないことについて

会社の規模が市場環境の変化に対応できないので計画を非開示にしていると社長は言いました。

リスクを回避するためと理解しましたが、そもそも成長企業がリスクを取らなくてどうするのですか?

他社のことですが、オペレーションリースの会社でJIAという会社があります(株主です)。

この会社が、コロナ禍において当社と同じ理由(リスク回避)から中計を非開示としていました。

その結果、ライバル社のFPGに大きく差をつけられてしまっています。

リスク回避とキレイゴトを言ってますが、責任を取りたくない逃げの姿勢であるように見えて仕方ありません。

リスクを取らなければリターンはなく、それがジリ貧の現状に通じています。

スピード感のある積極的な姿勢について改善提案します。

バーチャルオンリー株主総会について

つまらない総会の一言に尽きます。

理由は、

・会社からの一方的な総会(双方向性の欠如)。

・社長の話に熱意が感じられない。

・集計のための沈黙の時間が長くテンポがわるい。

・株主が他の株主の”発言”を直接伺う機会の喪失。

などです。

自分は会場に電車賃と時間を割いて足を運ぶことが多いですが、9割は

「来て良かった」

とい満足感が得られます。

そして、

「応援しよう」

という気持ちになります。

バーチャルオンリー総会でそのようなことは期待できません。

今後、バーチャルオンリー総会の会社とは距離を置くようにしたいと思います。

⑵ 2022年3月の株主総会

第5回定時株主総会 2022年3月29日(火) 三田NNビル

www.irwebcasting.com

主な質疑応答

Q.中期経営計画について

A.会社の事業規模が小さく経営環境も流動的なので、将来、計画を策定する予定。

Q.株価について

A.常に注目している。業績によって株価向上に努める。

Q.株主還元について

A.現状は成長フェーズなので内部留保を優先させたい。

Q.派遣会社の新規立ち上げについて

A.成長を続けている現在、既存事業にしっかり注力する。株主の意見は参考とする。

Q.経常損失について

A.為替差損等によるものである。事業をしっかり行うことで黒字化を目指す。

Q.IR態勢について

A.メールの回答が遅れたことについは申し訳ありません。年に4回の決算説明会を実施しているので、そちらもご活用下さい。

Q.共同創業者の株式売却とガバナンスについて

A.個人の判断によるものであり、会社としてはコメントできない。ガバナンスについては強化を続ける。

決議事項

・定款一部変更の件×2

・取締役5名選任の件

・取締役に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬決定の件

滞りなく賛成・可決されました。

⑶ 株主還元    

配当

なし

株主優待   

なし   

【三田付近の様子 慶應大学三田キャンパス】

             

3 株主としてのコメント

⑴ 株主総会動画の配信

HPで株主総会の動画を閲覧することができます。

株主への説明責任を果たす姿勢に好感が持てると共に投資家へのアピールにも通じると考えます。

また、動画を得意としている会社らしく構成、画角、編集等も良かったと思います。

持株会社でバーチャルオンリー株主総会を実施したウイルズも見習って欲しいです。

⑵ KAIZEN Report

得意なのは動画だけではなさそうです。

送付されてきた事業報告書も、図や表が洗練されており分かりやすかったです。

特に、大事なキーワードについて英語表記が良かったと思います。

特に、注目したのが「グロースハッカーという言葉。

これは、「Webサイトの効果や収益性を高め、企業やサービスを成長させる施策を行う人材の総称」だそうです。

グロースハッカーというコトバがより一般化し、会社の強みがより浸透することを期待しています。

⑶ 役員人事の多様性

同年代の比較的若い経営者層で固まっているベンチャー企業が少なくありません。

持株の中では、ビザスクやOrchestra Holdingsがそれに該当します。

環境の変化が急な時代においては、多様な考え方、特にベテランの知見が会社の存在を左右する場合が少なくないと言われています。

詳細は下記の『成熟脳』をご覧下さい。

その点、Kaizen Platformの場合は、社外取締役にザッパラスやユニ・チャームでの経営経験を有する”ベテラン兼プロ”がいることが強みと考えます。

ライザップの業績が良い時には、カルビーの経営者の参画などもその好業績の原動力となっていたはず。

優秀な取締役の知見を吸収しながら会社の成長に尽力してほしいです。

⑷ 気になっていること

社長の寝癖

動画で社長の頭髪の寝癖が気になって仕方ありませんでした。

人は、尖ったものに集中する習性があります。

せっかくいいことを言っても、寝癖が気になっていては話の内容が入ってきません。

次はしっかりと整髪することを望みます。

累計表示

”事業報告書”の中で拡大するサービスのグラフが、累計アカウント数と累計登録ユーザー数の表記となっていました。

累計なので、当然、解約数も含まれています。

グロースではなくネットの数値も気になります。

M&Aに伴うPMI

D・ZEROという会社のM&Aについては、積極的な成長を目指す姿勢として評価したいと思います。

ただし、M&Aは経費や期間を要する面もあります。

一般的にPMI(Post Merger Integlation:合併後の統合プロセス)と呼ばれるものですが、自社オンリーで行うのか、それとも専門のプロにお願いするのか気になります。

ビジョンのPR不足

『ビジョナリーカンパニー』というベストセラー本は、ベンチャー企業が大企業になる過程を研究したものです。

その中で、

ベンチャー企業が大企業に成長を遂げるか否かは、ビジョンをいかに周りに浸透させるかにかかっている」

という趣旨が述べられていました。

そういう視点で社長の言動を見てみると、ちょっと物足りない気がします。

もちろん、ビジョンを熱く語ればいいという単純な話ではありません。

ZUUやユーグレナ株主総会において、総会開始早々、長々と社長が創業の想いを語り出すスタイルは必ずしも賛同を得られるものではありませんでした。

思い出に残ってるのは、株価が右肩上がりだった数年前のアルベルトの社長。

総会終了後、1分程度で”会社の目指すものとカタリスト戦略による非連続的な成長”について語っていた姿が頼もしく思われました。

4 まとめ

Kaizen Platformについて述べてきました。

1年前の株主総会を視聴したときは期待していました。

けれども、1年間の株価低迷とバーチャルオンリー株主総会を視聴して、社長の力量と株主軽視の姿勢に幻滅したため株式を損切りしています。

ちなみに、一般論として増収減益のときは株が下がりやすいことを申し添えます。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #Kaizen Platform

  

ルネサスエレクトロニクス【6723】について

投稿日:2022.4.15

こんにちは!

この記事は、ルネサス エレクトロニクス【6723】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・将来有望な半導体会社

・気になっていること

★★★

【目次】 

【本社が所在する豊洲フォレシア】

f:id:cogepan20:20220412151058j:plain                      

1 ルネサス エレクトロニクスについて

⑴ 会社概要

日立、三菱電機NEC半導体が統合した会社で、車載マイコンが世界首位級。

総資産は約2.4兆円、売上高は約1兆円、時価総額約2.5兆円という巨大企業です。 

四季報では電子部品・産業用電子機器の時価総額順位が243社中5位。

パーパス

「To Make Our Lives Easier」(人々の暮らしを楽(ラク)にする技術により、持続可能な将来を築く)

ルネサスカルチャー

●Transparent

従業員間の相互理解

Agile

高速回転

●Global

数字を用いたコミュニケーション

●Innovatibe

発想力、創造力

●Enterpreneurial

自発的、かつ主体性を持った行動とその結果責任

セグメント

●自動車向け事業

●産業・インフラ・IoT向け事業

●その他

⑵ 株主になったきっかけ

2021年に半導体に対する期待と応援という意味で購入しました。

また、本社が地元に近いという親近感もあります。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:50%

売上高営業利益率:18%

収益性は高いビジネスモデルと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):116%

自己資本比率(30%以上が望ましい):48%

指標は多少低めですが安全性に問題はなさそうです。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.08

有形固定資産の勘定科目で一番額が大きいのは「機械及び装置」、次が「建物」です。

製造業として特性が現れています。

製造業としての効率的な経営という意味では妥当と考えます。

豊洲駅直結のオフィスビル

f:id:cogepan20:20220414171314j:plain

2 株主総会

⑴ 株主総会

第20回定時株主総会 2022年3月30日(水) 豊洲フォレシア

ハイブリッド方式の株主総会

ライブ中継を見る予定でした。

けれども、事前アクセスが必要だったようで失念していたため参加できませんでした。

ホームページで確認したところ、質疑応答のみその要旨がPDFで示されていました。

主な質疑応答

リンクは下記の通りです。

事前を含め77件の質問があったとのことです。

質問が多いということは株主の関心の高さの証左。

会社はしっかりと説明責任を果たしIRに力を注いでほしいと思います。

https://www.renesas.com/jp/ja/document/oth/questions-and-answers-20th-ordinary-general-meeting-shareholders?r=1320231

⑵ 株主還元    

配当

なし

株主優待  
なし                 

3 株主としてのコメント

⑴ 株主総会について

経済産業省の影響を受ける巨大企業としてはルネサスINPEXがあります。

そして、INPEX株主総会も会場とライブ中継によるハイブリッド方式でした。

けれども

INPEX:会場はオークラ東京、ライブ中継では事前アクセス必要なし

ルネサス:会場は自社オフィスの会議室(人数制限あり)、ライブ中継では事前アクセス必要あり

さらに、総会終了っご

INPEX株主総会の動画をアーカイブ配信

ルネサス:配信なし

唯一同じだったのは、主要な質疑応答をPDFにて公開していることでした。

なぜ、ライブ中継で事前アクセスが必要なのか?

ルネサスはハイテクの会社でしょ?

回線容量などの技術的な問題?

資源関連の会社のINPEXでもできることができていないルネサスにはちょっとがっかりしました。

⑵ 気になっていること

英語のビデオ

ルネサスのHPにアクセスすると会社紹介のビデオがありました。

見てみると、何故か英語。

冒頭、日立、三菱、NECの統合による会社であることが紹介されていました。

でも、この3社は日本では馴染みの会社ですが、海外ではどこまで知られているのか?

それから、変なアニメのサムライが出てきたのもセンスを疑います。

そもそも日本語の紹介ビデオが何故ないのでしょうか?

謎です。

最高益

四季報ルネサスを調べてみると、

「火災保険金も営業利益押し上げ。最高益」

とあります。

世界的な半導体企業で業績好調なはずなのに、”火災保険による最高益”とはちょっと拍子抜けです。

”にわか保険成金じゃあるまいし”

もっと、四季報にいい記事を書いてもらうようにガンバリましょう!

本社オフィスが小さい

豊洲に本社を持つ会社は数多くあります。

その中でも、NTTデータIHI、BIPROGY(旧:日本ユニシスは立派なモダンなオフィスビルを構えています。

会社の規模としては同じくらいの規模のルネサスが比較的小じんまりしたオフィスビルの一部のフロアを本社オフィスとしているのはちょっと小さい気がします。

もちろん、会社の機能はそれぞれ異なることは承知しています。

ただし、工場火災などの事故を引き起こしているのも事実。

事故が、本社機能(スタッフ部門、管理部門)が十分でないことに起因するなら本社オフィスの拡充も考えた方が良いと思います。

筆頭株主である(株)INCJ

ルネサス筆頭株主(株)INCJ

ここは、官民ファンドである株式会社産業革新機構から新設分割する形で発足した会社。

よって、経済産業大臣の指導を受けることになります。

官民ファンドだからビジネスに悪影響を与えることはないと思いますが、正直、良くわからない会社。

足枷がないのかどうか気にまります。

4 まとめ

ルネサスエレクトロニクスについて述べてきました。

半導体というフィールドの良さ、高い技術力、火災保険金の恩恵など楽しみな面が多い反面、管理という部分については不安を感じました。

株主総会に取り組む姿勢を見ても、同じく経産省の影響を受けるINPEXを見習って欲しいし会社の発展を願う株主に十分報いててはいないように思います。

事故の発生、機会損失、車載用半導体がなくて自動車会社に迷惑をかけているなどありますが個人的に地元にオフィスがあるということで暖かく見守っていく予定です。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ルネサスエレクトロニクス

  

Orchestra Holdings【6533】について〜株主総会雑感

投稿日:2022.4.9

こんにちは!

この記事は、Orchestra Holdings【6533】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・オーケストラという社名に感じた違和感

・ビジョンで掲げる創造とは?

★★★

【目次】 

株主総会会場となった恵比寿ガーデンタワー】

f:id:cogepan20:20220408171245j:plain                      

1 Orchestra Holdingsについて

⑴ 会社概要

企業向けデジタルマーケティングとデジタルトランスフォーメーションの2本柱の会社です。

総資産105億円、売上額166億円、時価総額283億円の会社です。

企業理念 

創造の連鎖ー事業を通じて創造の志士を輩出し続けるー

セグメント

・デジタルトランスフォーメーション事業

クラウドインテグレーション、WEBシステム開発アプリ開発

・デジタルマーケティング事業

運用型広告、SEOコンサルティング、クリエイティブサービス

「運用型広告」とは広告主がターゲットや予算、クリエイティブ(配信内容)を自由に変更し、効果を高めることができるネット広告です。

・その他

プラットフォーム事業、タレントマネジメントシステム、新規事業等

⑵ 株主になったきっかけ

12月決算の好業績企業ということで株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:23%

売上高営業利益率:8%

売上高営業利益率が10%に至らずちょっと物足りないです。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):184%

自己資本比率(30%以上が望ましい):47%

盤石とは言えませんが短期的にも中・長期的にも安全性については問題はなさどうです。

効率性 

棚卸資産回転率:629.25

・有形固定資産回転率:26.86

棚卸資産から商品・サービスが売れており効率的な経営がなされていると考えます。

また、恵比寿ガーデンプレイスタワーに所在しつつも不動産とうのコストについてても効率的になされていると思います。

株主総会の案内板】

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2 株主総会

⑴ 株主総会

第13回定時株主総会 2022年3月29日(火) 恵比寿ガーデンプレイスタワー

綺麗なオフィスで総会会場となった会議室の楽譜の壁が印象的でした。

株主は十数名参加。

役員の方は全員終始マスクを着用していました。

社長の自己紹介から始まり、適時事務局からの説明がありました。

株主総会はは30分ほどで終了。

主な質疑応答

Q.社長が意識している(会社が目指すべき)業界について(運用型広告事業は1.8兆円の市場規模

A.現在はデジタルトランスフォーメーション事業とデジタルインフォメーション事業の2分野で活動しているが、いずれは共通する業界が生まれると考える。その共通分野におけるリーディングカンパニーを目指す。

Q.中期経営計画を発表しないことについて

A.変化が早い業界なので柔軟な対応を可能にするために中期経営計画は作成していない。なお、EBITDAと時価総額に着目して経営を実施している。

Q.IT人材戦略の将来展望について(2030年にはIT人材が45万人不足

A.(タレントマネジメントシステム等)IT人材事業に将来に向けて力を注ぎ続ける。

Q.国際展開について

A.将来の課題として検討している。現在はベトナムで40名が活動中。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役6名専任の件

監査役の報酬額改定の件

滞りなく賛成・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

過去の一株あたりの配当の推移は以下の通りです。

毎年一円づつの増配、四季報の【連続増配】はちょっとエグいと思います。

2018年12月期:5円

2019年12月期:6円

2020年12月期:7円

2021年12月期:8円

株主優待  

なし    

【恵比寿ガーデンタワー1階の様子】

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3 株主としてのコメント

⑴ 株主総会に参加して感じた違和感

本社オフィスを訪れ、オーケストラという社名のイメージへの違和感を3つ感じました。

取締役及び社員の単一性という違和感

オーケストラという社名から経営陣に対して国籍、年齢、性別など色々な人材が揃っているようなイメージがありました。

けれども、経営陣の方は同じようなプロフィール(証券会社2名、広告、コンサル、弁護士)でほぼ同世代(1971年〜1980年生まれ)の方ばかり。

デジタルと名のつく事業を2本も行っているのにIT企業出身の方がいないのはちょっと意外でした。

取締役候補者についてのスキルマトリックスは掲載されていませんでしがが、ちょっと偏りがあるように感じます。

さらに、会場運営にあたるスタッフも30〜40代が中心。

本社を訪れて感じたのは多様性ではなく単一性でした。

ステークホルダーへの姿勢に対する違和感

社長が、株主総会早く終わらせたいような落ち着きのなさを感じました。

株主の質問もクレームのようなものもなく、むしろ建設的な意見もあったのに何をそんなに焦っているのか?

会社というのは顧客、取引先、顧客、株主等様々なステークホルダーとの関係で成り立っています。

社名からステークホルダーと共に”楽団”としてのまとまりや調和を期待していましたが、どちらかといえば”内向き”な姿勢でした。

司会方に総会終了後に事業説明の内容を確認した際も、何か、「責任を取りたくない」的なスイッチが全開だったのが気になりました。

創造の連鎖というビジョンに対する違和感

創造という言葉から発明や考案というイメージが湧きます。

会社が保有する特許、実用新案あるいは意匠などはどれだけあるのでしょうか?

ネット記事によると創造性とは新しい事業を創造することだそうです。

新しい事業とは?

良く分かりません。

今の事業に創造性はあるのか?

デジタルトランスフォーメーションは紙を中心としたアナログデータを電子媒体によるデジタルデータに置き換えるもの

それほど創造性がなくても仕事はできます。

また、デジタルマーケティング事業もインターネット広告が伸びているフィールドである考えると、創造性を発揮して画期的な商品やサービスがなくても業績を伸ばすことができそうです。

そもそも、DXも広告も同業他社が数多く存在しており、オーケストラHDが創造したものではありません。

ビジョンは会社が大きく成長する上で最も重要であると『ビジョナリーカンパニーZERO』では指摘されています。

創造の連鎖がどこまで社員に浸透しているのか気になるところです。

 

⑵ 類似企業

・ファーストブラザーズ

ファーストブラザーズという会社があります。

社名のブラザーズというのは創業当時のメンバーの「結束」を表すものです。

けれども、社名とは反対に実際には社長が発行済み株式の過半数を握っており、メンバーの結束よりも社長一人の意向の方が大きいのが現実です。

名前が会社の特徴とずれていることと共に中期経営計画を出す気がないという点もよく似ています。

・AIクロス

自社が展開する市場の規模、現在位置、将来獲得すべきシェアについての明言を避けているところが似通っていました。

・言質を取られたくないのか(経営の柔軟性確保)?

・あまり業界内のシェアを意識していないのか?

いずれにしても懸念が残ります。

そのように考えると、IT企業のセラクの社長が目指すべき業界のシェアや数値目標をその積算根拠とともにスラスラ説明していたことが、実は簡単そうで実はそれほど簡単ではないことが実感されました。

クックパッド

恵比寿ガーデンプレイスタワーに本社がある会社ということが似ていました。

ただしクックパッドは2021年5月6日に、

「よりいっそう職住接近が必要」

という謎の理由により恵比寿から横浜みなとみらいへ移転しています。

お家騒動以来、経営の迷走が続くクックパドとは恵比寿ガーデンプレイスタワー以外の類似点が生じないことを希望します。

4 まとめ

オーケストラホールディングスについて述べてきました。

株価は定期的に暴落があるものの、業績は好調で成長性にも期待が持てます。

けれども、社内の均一性(多様性の無さ)株主と向き合う姿勢創造性というビジョンについては違和感を感じています。

株価が昨年11月に5310円をつけた後、今年1月には2415円と半額まで下落しています。

自分には違和感しか感じられませんでしたが、市場はそれ以上のネガティブな要因を織り込んでいたのかもしれません。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #Orchestra Holdings #オーケストラホールディングス