投稿日:2022.5.27
こんにちは!
この記事は、ヨシムラ・フード・ホールディングス【2884】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・中小企業支援プラットフォームを活かした相互補完の会社
・株価低迷も将来が楽しみな会社
【目次】
【株主総会会場となったTKPカンファレンスセンター】
1 ヨシムラ・フード・ホールディングスについて
⑴ 会社概要
複数の中小食品企業(食品卸、中華、冷食、清酒、水産加工、製麺など)をM&Aし相互補完した会社です。
総資産237億円、売上高、292億円、時価総額121億円という事業規模。
他の金額に比べて時価総額が小さいことから投資家からの人気がイマイチのようです。
よって、PBRも1.92と低く、のれんやブランド価値が低く評価されています。
MISSION(目指す社会像)
いつまでも、この”おいしい”を楽しめる社会へ
VISION(果たす役割)
地域の”おいしい”を守り、育て、海外へ
VALUE(大切にする価値観)
あなた”らしさ”を大切にします
”経営理念”はちょっと抽象的な印象もありますが、真面目な会社という印象を持ちます。
セグメント
●食品製造事業
国内製造事業は、独自の製品を開発、製造し、主に卸売業者を通じてスーパーマーケット、コンビニエンスストア等へ販売を実施。
海外製造事業は、独自の製品を開発、製造し、主にスーパーマーケット、ホテル、航空関連企業等へ販売を実施。
●食品販売事業
国内販売事業は、販売力と企画力を強みとしており、消費者のニーズを捉えた商品を企画開発し、主に産業給食、生協、スーパーマーケット等への販売を実施。
海外販売事業は、海外から仕入れた良質な製品を主にスーパーマーケット、レストラン、ホテル等への販売を実施。
⑵ 株主になったきっかけ
ユーチューバーが取り上げたことから注目していました。
食料品という業種の銘柄はほぼ初めてで関心も高かったです。
「中小企業支援プラットフォーム」を活用したビジネスモデルが悪くないことと2月が決算であることも注目しました。
そして2021年に3回に分けて購入しましたが、下げトレンドは改善せず含み損を抱えています。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:22%
・売上高営業利益率:3%
数値だけを見ると収益性は低いです。
ただし、業界を考えると3%というのは食品製造業としては平均的な水準のようです。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):197%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):35%
特に経営に支障があるということはない安全レベルと考えます。
コロナ禍であることを考えると奮闘しているように思います。
効率性
・有形固定資産回転率:5.16
少し古いですが、農林水産省による『食品企業財務動向調査報告書』(平成24年3月)によると、食品製造業の固定資産回転率は約2で推してきたことを考えると効率的な経営がなされていると考えます。
【株主総会の案内板】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第14回定時株主総会 2022年5月27日(金)TKP新橋カンファレンスセンター
雨の中、30人弱ぐらいの方が会場に集まっていました。
社長の挨拶とスライドを用いた会社説明(直近のM&Aによる3つの子会社の紹介)がなされました。
特に、ONE STORYというマーケティングに強みを持つ会社をグループ化したことの成果を強調されていました。
質疑応答
Q.IR(見せ方)について
A.ご提言ありがとうございます。真面目にコツコツ良いものを作るだけでなく見せ方にも工夫するように努めます。
Q.M&Aのソーシング(対象企業の選定と交渉)とPMI(合併後の統合プロセス)について
A.一番多いのは地銀からの情報。独自で実施する場合もあるが良い案件は少ない。
PMIは基本的に自社で実施している。
Q.DX化の推進について
A.DXの重要性は認識しているが、今はマーケティング機能の拡充に注力していきたい。
Q.ガバナンス強化について
A.本社は上場していることもあり一定以上のガバナンスは維持しているが、経営を委託している二十数社の子会社については強化していく必要性があると認識している。
決議事項
●定款一部変更の件
●取締役に対する譲渡制限付き株式付与のための報酬決定の件
●補欠監査役1名専任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
辞任する取締役の紹介
辞任する取締役の紹介がありました。
株主から拍手が送られました。
⑵ 株主還元
配当
なし
株主優待
2月は300株以上、8月は2500株以上の保有の株主に対して自社グループ製品が送付されるとのことです。
【TKP新橋カンファレンスセンター前のツツジ】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
社長の総会の議事運営が丁寧であり、かつ真摯な態度に好感が持てました。
後継者不在問題に取り組む会社の姿勢も支持できます。
「中小企業プラットフォーム」という仕組みも優れたものと考えます。
年単位で考えたときに、将来が楽しみとなる会社です。
⑵ 気になっていること
『地域の美味しいを守り、育て、海外へ』というビジョンは希少性があり共感できます。
また、成長戦略としてM&Aによる欠落機能の補完、具体的にはONE STORY子会社化によるマーケティング強化は上手な一手だと思います。
ただし、オペレーションレベルとなると本社事業27名では、ちょっと少ないように感じました。
マーケティングもデジタル化も大事なのは分かっていても、限られた経営リソースでは優先順位づけをせざるを得ないという社長の発言もそのことを物語っています。
そこがクリアになれば、市場や投資家からの評価も見直され、株価の長期下落トレンドからも脱却できると予測します。
【TKP新橋カンファレンスセンターの1階の様子】
4 まとめ
ヨシムラ・フード・ホールディングスについて述べてきました。
ビジョンや戦略は悪くなくても経営資源(主に人の数)の少なさからオペレーションレベルで苦労していることが市場や投資家からの人気のなさにつながっているように思えました。
けれどもこの先、健全な経営のもと、人員が増え、恒常業務に加えM&AやPMIのノウハウが積み上がり、弱みであるマーケティングやデジタル化が補完・推進されれば、非連続的な成長もあり得るように感じました。
末長く会社の成長を見守っていきたいと思っています。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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