こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

2022年3月の投資のふりかえり

こんにちは!

この記事は、コア・サテライト戦略を踏まえ、個別株売買投資信託(ロボアドバイザーを含む)の長期・積立・分散投資を継続する個人投資家が2022年3月の投資についてレビューしたものです。

3月の投資成績は

株式投資の評価益は約120万円(2022年では評価損約30万円)

株式投資では約2万円の損失(2022年では90万円の損失)

となりました。

ちなみに、1ヶ月での評価益120万円は直近1年間では最高値

あの有名なテスタさんも3月は過去最高とおっしゃっていたようです。

投資家のみなさまの中でも好成績の方が多かったかもしれませんね!

【目次】 

【3月に宿泊したアンダースからの眺望】

f:id:cogepan20:20220403102801j:plain

1 株式 

⑴ 売却

・Casa(特定口座):200株(約2万円の損切り

・ネオジャパンシステム(特定口座):100株

株式の売買は、主に「資産ポートフォリオの見直し」と「議決権行使書の権利取得」の2つにより実施しています。

Casaは資産ポートフォリオの見直しで売却、ネオジャパンシステムも1月の決算終了により株主総会参加の権利を得ましたので利益を確定しました。

⑵ 購入

日本製鐵(NISA口座):100株

・JFEHD(NISA口座):100株

三菱重工業(NISA口座):100株

霞ヶ関キャピタル(特定口座):100株

博報堂DYホールディングス(特定口座):100株

インフレや地政学リスクを考慮して日本を代表する製造業を中心にNISA口座で購入しました。

霞ヶ関キャピタルは買い戻しで、長い付き合いになりそうです。

博報堂DYホールディングスも議決権行使書を得るために購入しました。

【マネーフォワードからの抜粋】

f:id:cogepan20:20220403094026j:plain

3ヶ月間の株式の評価額推移のチャートをご覧ください。

右肩下がりのトレンドから一転、3月中旬から上昇に転じています。

理由は2つ。

・株式を多く購入したこと

ウクライナ情勢と米国の金利についての”不透明感”が払拭されたこと

引き続き、市場を注視しながら「資産ポートフォーリオの見直し」を進めていきたいと思います。

2 配当

・Lib Work 280円(100株)

・ジャパンホテルリート 386円(100株)

・ヒューリック 6,000円(300株)

INPEX 2,800円(100株)

・ビーロット 3,000円(200株)

・JIA 6,400円(400株)

アウトソーシング 6,000円(200株)

・オーケストラHD 800円(100株)

・メディカルデータビジョン 560円(100株)

MonotaRo 1,150円(100株)

・ウイルズ4,000円(1000株)

  合計 31,376円

守りを重視した資産運用をする上で、配当はありがたいものです。

3 株主優待

3月に届いた主な株主優待は次の通りです。

・ヒューリックからのカタログギフトを利用したデメルのクッキー

f:id:cogepan20:20220403094628j:plain

f:id:cogepan20:20220403094644j:plain

・マネジメントソリューションズからのカタログギフトギフトで選択した赤飯

f:id:cogepan20:20220403094656j:plain

・ウイルズからのカタログギフトで選んだ枕

f:id:cogepan20:20220403094711j:plain

などをいただきました。

4 株主総会

3月に実施された持株の株主総会等は以下の19社です。

適時、株主総会等の内容を追記し記事をアップ(更新)していきます。

・ヒューリック(株主総会参加、記事更新済み)

・AI CROSS(株主総会参加、記事更新済み)

・Chatwork(株主総会参加、記事更新済み)

INPEX株主総会ライブ視聴、記事アップ済み)

・ビーロット(株主総会不参加、記事更新予定)

・アルベルト(株主総会不参加、記事更新予定)

クックパッド株主総会不参加、記事アップ予定なし)

ユーグレナ株主総会参加、記事アップ予定)

グローバルダイニング株主総会参加、記事更新予定)

・JIA(株主総会不参加、記事更新予定)

ペッパーフードサービス株主総会不参加、記事更新予定)

・オーケストラH D(株主総会参加、記事アップ予定)

・Kaizen Platform(株主総会不参加、記事アップ予定)

・ウイルズ(バーチャル株主総会参加、記事更新予定)

ルネサスエレクトロニクス株主総会参加、記事アップ予定)

・サンアスタリスク(ハイブリッド株主総会参加、記事更新予定)

アンジェス(ハイブリッド株主総会参加、記事更新予定)

・ラックランド(株主総会参加、記事更新予定)

・ビジョン(株主総会参加、記事更新予定)

5 投資信託等(iDeCoを除く)

 長期・積立・分散投資を実施しているのは下記の金融商品です。

積立投資を始めた年月も表示しています。

・ウエルスナビ :15万円/月(3万円×月5回) 

 2019年10月~:29カ月

セゾン投信:20万円/月(毎月4日、8日)

 2020年2月~:25カ月

SBI証券投資信託『SBI・V・S&P500』:積立中止

 2021年7月~7か月

さわかみファンド:1万円/月(毎月1日) 

 2020年8月~:19カ月

コモンズ投信:4万円/月(毎月1日) 

 2020年9月~:18カ月

マネックス証券eMAXIS Sim米国株式(S&P500):10万円/月(毎月1日)

  2020年9月~:18ヵ月

楽天証券でiFreeNEXT NASDAQ100インデックス:2万円/月

 2020年12月~:15カ月

コインチェックビットコイン積立:1万円/月 (毎月1日)

 2021年1月~:14カ月

現在の積立投資は毎月約53万円です。

なお、ひふみプラスは投資対象から外し全額売却(損切り)しました。

【マネーフォワードから抜粋】

f:id:cogepan20:20220403094140j:plain

上のチャートをご覧下さい。

ひふみプラスを約100万円現金化したにもかかわらず資産額は急上昇しています。

ドルコスト平均法で平均単価を安くしたことの効果が表れていると考えます。

また、ウエルスナビ等円安の効果も加わっています。

資産額としては過去最高ですが、まだまだ複利の効果が十分に発揮されるのはこれからだと思います。

ひきつづき長期・積立・分散投資を継続します。

6 貸株金利 

SBI証券にて貸株をしています。

貸株金利として

,452.11円

頂きました。

また、2%以上の高金利銘柄の貸株金利の推移

4月からの推移は

・サンアスタリスク:8.5%→10.25%→8.75%→7.5%→7.75%→8.25%→8.25%→8.5%→9.25%→9.5%→9.25%→8.75%

ペッパーフードサービス:8.0%→7%→6.25%→3.25%→2.5%→2%→2%→2%→2%→2%→2%→2%

8月からの推移は

グローバルダイニング:2.75% →2.25%→2.25%→2.25%→2.25%→2.5%→2.5%→2.5%

霞ヶ関キャピタル:2%

サンアスタリスクの貸株金利は今月8.75%と先月に続いて減少傾向。

今後株価上昇につき金利も低下するのか興味津々です。

また、GC注記が消えたグローバルダイニング(2.5%)が、霞ヶ関キャピタル(2%)やぺッパーフードサービス(2%)よりも金利が高いことが興味深いです。

7 気づき

⑴ マネー管理の重要性

資産額の直近ピークは昨年11月。

そこから米国経済、地政学リスク、日本の政治などの要因により4ヶ月間で資産額は大幅にマイナスになりました。

けれども、3月の3ヶ月間で600万円も資産額が急上昇しました。

ボラタイルな市場に振り回されないような、マネー管理の重要性を改めて認識しています。

⑵ 高配当株投資について

Twitterで東大〇〇トさんという方が

失敗の代表例「高配当株投資」

と呟いていました。

その理由は

・配当金に対し20%の税金を払う

・残りの80%に対して手数料を払いながら再投資をする

ため致命的なデメリットを抱えているとのこと。

本当でしょうか?

自分なりに考えてみると

・配当金に対して20%の税金を払う

→NISA口座なら無税

→特定口座でも、自分のように給与所得が無くさまざまな所得控除が得られる場合、確定申告により還付金として取り戻すことができる

・残りの80%に対して手数料を払いながら再投資をする

松井証券SBI証券など手数料無料な証券会社も多数存在する。

→自分の場合、配当金は再投資せず生活費としてそのまま消費している

ということで、致命的なデメリットはなさそうです。

特に、東大〇〇トさんを否定しているわけではありません。

要は、一般論や他人のやり方に左右されず、自分なりの資産形成や資産運用が大切であるということを強調したかったからです。

特にボラティリティの高い相場ほど、自分なりの投資スタイルが確立されていないと大きく振り回されてしまうことになりかねません。

例えば、短期投資のつもりが売り時を間違えて長期投資の塩漬け状態になるなどです。

自分なりの運用法をより確かなものにするためにも、こうやって定期的に振り返ることは意味のあるものだと思います。

8 まとめ

3月の資産運用について、長期・積立・分散投資株式投資などを中心に振り返りました。

株式投資の評価益が過去最高となるなど、明るい兆しも見え始めました。

但し、今後も市場は乱高下が予想されます。

『エブリシングバブルの崩壊』ということで、現金、債権、株式、コモディティ、不動産、暗号資産の厳しさが指摘されています。

自分なりのスタイルを保ちつつよく学び投資を継続していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。

#資産形成 #資産運用 #投資 #株式 #株主総会 #配当 #株主優待 #投資信託 #ロボアドバイザー

INPEX【1605】〜株主総会雑感

初投稿:2022.4.1、更新日:2023.5.15

こんにちは!

この記事は、INPEX【1605】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年3月に実施された株主総会アーカイブ配信を視聴した雑感を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

★★★★

・V字回復した業績と高配当

・官民一体の強さ

【目次】 

株主総会の会場となったオークラ東京】

f:id:cogepan20:20220326163741j:plain                       

1 INPEXについて

⑴ 会社概要

経済産業大臣筆頭株主である、原油・ガス開発生産国内最大手の会社です。

最近の資源高で経済番組でも取り上げらることが増えています。

売上高2.3兆円、総資産6.2兆円、時価総額2.0兆円の巨大企業です。

また、日本企業が初めて事業主体として手掛けるLNGプロジェクとである「イクシスLNGプロジェクト」が注目されています。

企業理念 

私たちは、エネルギーの開発・生産・供給を、持続可能な形で実現することを通じて、より豊かな社会づくりに貢献します。

長期戦略(2030年頃に目指す姿)

ネットゼロ5分野に関して、再生可能エネルギー事業以外は商業化への初期段階にあるため、中期経営計画期間中、着実に研究・実証を進め、2030ごろに向けて実業家・商業化を進めます。再生可能エネルギー事業については、2030年ごろに発電容量で1〜2GWを目指します。

中期経営計画「INPEX Vision@2022」

「エネルギーの安定供給」「エネルギートランジションを両輪で推進していく具体的な目標・指示道を新たに示しています。

・ネットゼロ5分野

・石油・天然ガス分野

・強固な経営基盤の確立

ネットゼロ5分野

ネットゼロカーボン社会に向け、下記5つの事業を強力に推進するとのことです。

・水素・アンモニア

・CCUS

・再エネ

・カーボンリサイクル新分野

・森林

地域セグメント

( )の数値は売上高構成比です。

・ユーラシア(欧州。NIS諸国):(9.40%)

・中東・アフリカ:(49.70%)

・日本:(10.50%)

・アジア・オセニア:(28.50%)

・米州:(1.9%)

⑵ 株主になったきっかけ

資源高を背景とした好業績、高配当から2021年にNISA口座で購入しました。

既に、買値の1.5倍以上の株価となっています。

NISA口座なのでタイミングを見計らって売却しますが、長期間、株主でいたくなるような会社です。

⑶ 2022年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:59%

売上高営業利益率:54%

前期以上に高収益が続いており、しかも数値的に向上しています。

絶好調と考えて良いと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):138%

自己資本比率(30%以上が望ましい):64%

前期と同水準。

短期的にも中・長期的にも財務的な問題は無いと考えます。

ただし、負債の返済も軽くなので、株主還元と借入金の返済のバランスには注目したと思います。

効率性 

・有形固定資産回転率:0.94

前期よりも回転率は向上しています。

これは売上高の増加に伴うもので、有形固定資産については巨額の投資がなされていると考えます。

⑷ 2021年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:54%

売上高営業利益率:47%

巨大企業にも関わらず著しい好業績です。

油価の上昇、円安を背景に高い収益性となっています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):149%

自己資本比率(30%以上が望ましい):65%

短期的にも中・長期的にも財務的な問題は無いと考えます。

ただし、株主総会の質疑応答でもあったように、有利子負債が多いのも事実。

強固な財務基盤構築に向けた取り組みがなされると予想します。

効率性 

・有形固定資産回転率:0.55

数値としては効率性は高くはありません。

事業の性質上、多くの有形固定資産を抱えているためと考えます。

f:id:cogepan20:20220326163819j:plain

2 株主総会

⑴ 2023年3月の株主総会

第17回定時株主総会 2023年3月28日(火) オークラ東京

アーカイブ配信を視聴しました。

総会のポイント

・増収増益で業績は絶好調

・対処すべき課題ということで、長期戦略と中期経営計画の説明がなされました。

・総還元性向40%、1株あたりの年間配当金の下限を30円とする。

決議事項

・剰余金処分の件

資本準備金の額の減少の件

・取締役12名選任の件

監査役5名選任の件

拍手を持って賛成可決されました。

なお、新役員については紹介がなされていました。

株主総会雑感

社長が二刀流とおっしゃっていた主要2分野を軸に事業を展開する長期戦略は悪くないと感じました。

というのも

・石油・天然ガス分野における取組み:米国共和党の利権

・ネットゼロ5分野における取組み:米高民主党の利権

なので、米国の政権交代のリスクを管理する上で有効と考えるからです。

共和党の反ESGの活動が活発化する中、どのような状況でも利益を出せるようにするのは長期的な株主の利益にも通じるものとして着目していきたいと思います。

一方で、当社が2024年に油価の下落を予想しているのが興味深く感じられました。

個人的には、ロシアの敗北を決定的にするためにはソ連が崩壊した時のように原油価格の下落は最も効果的だと考えています。

そういった可能性を踏まえての業績見通しであるかどうかは分かりません。

ただし、米国の大統領選が2024年に決まっており、ウクライナ支援の成否が争点になると予想されます。

米国によるウクライナ支援を左右する米国大統領選までに、戦局を左右するイベントが発生し、その影響を当社も受けざるを得ません。

そのような状況においても慌てないように、長期的かつ幅広い視点を持って株主として今後の事業展開を注目していきたいと思っています。

⑵ 2022年3月の株主総会

第16回定時株主総会 2022年3月25日(金) オークラ東京

ライブ中継を視聴しました。

ポイントは3つ

・説明責任の徹底

株主総会ハイブリッド(会場とネット)開催するとともにその概要をアーカイブ配信主な質疑応答の要旨をPDFでアップするなどの株主・投資家への説明責任を徹底的に果たそうとする姿勢が感じられました。

また、質疑応答も「一人一問づつ」という縛りはあったものの、10時〜12時までの間、目一杯実施していたと思います。

また、ルネサスエレクトロニクス株主総会のように事前にアクセスしておかないと当日はライブ配信を見られないという”不具合”が無いことも良かったです。

・数値を用いた説得力のある回答

「1円の円安で28億円の当期純利益」、「ネットD/Eレシオ50%以下を目標にする」など数値を用いた具体性のある回答が、各取締役からあり経営態勢の安定性が伺えました。

・丁寧な回答

女性や大学生の”基本的な質問”に対しても丁寧にかつ相手をリスペクトするような姿勢で回答していました(PDFには載っていませんでしたが)。

自分達の事業に賭ける情熱と質問者を思いやる優しさが感じられる対応で好感が持てました。

会社HPでも総会の様子を視聴できます。

www.net-presentations.com

質疑応答

質疑応答の概要は下記リンクで確認できます。

https://www.inpex.co.jp/ir/shareholder/pdf/20220329.pdf

 

⑶ 株主還元    

配当

1株あたりの配当実績の推移は下記の通りです。

・2022年12月期:62円

・2021年12月期:48円

・2020年12月期:24円

・2019年12月期:30円

なお、総還元性向40%以上を目途とし、1株あたりの年間配当金の下限を30円に設定するなど、安定的な配当金を基本とするとのこと。

株主として歓迎します。

株主優待   

400株以上の株主に対して株数と継続保有年数に応じたオリジナルQUOカードがもらえます。

f:id:cogepan20:20220326163838j:plain              

3 株主としてのコメント

⑴  ENEOSとの比較

厳密には業界が異なるのかもしれませんが、資源関連株という括りではENEOSと比較することができると考えます。

実はENEOSの株主でもありますが、株価の上昇ではINPEXに軍配が上がります。

なぜ、INPEXの株価が上昇しENEOSの株価が冴えないのか?

一つには経営陣の違いがあると思います。

INPEXの会長及び社長は元エネルギー庁長官であり他の取締役も様々な経歴を持つ方が多く、いわゆる”ダイバシティ経営”がなされていると考えます。

これに対して、ENEOSの社内取締役の場合は各種石油企業出身者で固められており、考え方が”金太郎飴”に近いのでは無いかと懸念しています。

平時ならともかく、今はウクライナ情勢、米中対立、グローバルサプライチェーンの再構築、米国の金利上昇そしてコロナ禍と有事と言って良い状況。

このような経営環境下においては、国家運営を経験している人材が豊富なINPEXの方が官民の力を活かすという”攻め”リスク管理という”守り”の両面で有利と考えます。

⑵ 気になっていること

INPEXについては約10年前にIR説明会を受けましたが、当時はあまり魅力を感じませんでした。

そして会社の業績・株価も比較的底ばいで続き、昨年は赤字となっています。

現在はV字回復を達成し上昇トレンドを継続しています。

この勢いがどこまで続くか気になっています。

f:id:cogepan20:20220326163854j:plain

4 まとめ

INPEXについて述べてきました。

資源高等を背景に好業績が続いています。

そして、株主総会における株主ひいては投資家や市場に対する説明責任を徹底的に果たそうとする姿勢に好感を持ちました。

私達の繁栄をエネルギーの安定供給を通じて実現している会社として長く応援したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #INPEX #ネットゼロ5分野

  

東京海上ホールディングス【8766】〜株主総会雑感(資本効率の徹底)

投稿日:2021.3.10、2023.6.26

こんにちは!

この記事は、東京海上ホールディングス【8766】に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。

なお、2023年6月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(変更箇所は青字です)。

・海外M&Aの成功による成長

・情熱的な経営トップ(社長)について

【目次】 

東京海上ホールディングスの本社ビル】

f:id:cogepan20:20220309135915j:plain                     

1 東京海上ホールディングスについて

⑴ 会社概要

メガ損保で首位級と四季報にあります。

自動車保険等でお馴染みの会社です。

「パーパス」(存在意義)

「安心と安全の提供を通じてお客様や社会の”いざ”をお支えしお守りする」

中期経営計画2023〜成長への変革と挑戦

2+1の成長戦略

下記のポイント1及びポイント2にポイント3を加えたもの

ポイント1:新しいマーケット×新しいアプローチ

ポイント2:保険本業の収益力強化

ポイント3:次の成長ステージに向けた事業投資

セグメント

・国内損害保険事業(53.5%)

・国内生命保険事業(13.1%)

・海外保健事業(33.3%)

・金融・一般事業

⑵ 株主になったきっかけ

今後金利が上がる事を見込んで金融関係で、かつ、高配当銘柄ということで2021年に株主となりました。

配当を考えNISA口座で購入しています。

ちなみに、生保や損保で顧客となったことはなかったと思います。

ただし、個人的には東京マラソン(フル)を走ったことが過去2回あり、そのゴールが東京海上ホールディングスビルの真横であることから親しみを感じてます。

しばらく保有後に売却(利益確定)して、3分割後に再度株主となっています。

 

⑶ 2023年3月期の経営分析

収益性

売上高経常利益率:8%

2年前よりも向上している点は評価できます。

安全性

自己資本比率(30%以上が望ましい):13%

自己資本比率は低いですが、金融機関ということもあり妥当なんだろうと推察します。

社長も意味のない資本を抱える考えのないことを株主総会で強調されていました。

効率性

・有形固定資産回転率:17.1

2年前に比べて顕著な変化はありません。

本社ビル建替の影響はまだ先と推測します。

⑷ 2021年3月期の経営分析

25兆円の総資産を用いて5兆円の売上を計上しています。

そして修正純利益は5000億円(世界第3位)とのこと。

割合で考えると低いようにも感じられますが、立派な業績と考えて良いと思います。

収益性

売上高経常利益率:5%

安全性

自己資本比率(一般に30%以上が望ましい):14%

一見低い数値となっていますが、金融機関ということもあり問題とはならないようです。

効率性 

・有形固定資産回転率:16.33

売上に対しては土地・不動産は小さめと考えられます。

なお、丸の内の本社ビルは建て替えられるとの報道がありました。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

第21回定時株主総会 2023年6月26日(月) パレスホテル「葵」

会場入口にてお茶をいただきました。

会場の中ではスクリーンが5面もあり、広い会場を有効に使っているように感じました。

株主総会の冒頭、社長による不祥事(保険料の調整行為)についての陳謝から始まりました。

その後、議案の上程が為された後に経営戦略についてのプレゼンが社長から熱く語られました。

ビデオでは、防災・減災という点でリアルタイムハザードサービスとしてアラートメールが配信されるサービスが紹介されていました。

増収にも関わらず、災害が多くて減益となったことに対する対応と理解しました。

最後は、4万人の社員に対して

人が成長の「原動力」

として締めくくっていました。

主な質疑応答

【事前】

Q.株主還元方針について

A.基本は配当で、利益のブレを考慮して5年平均の配当性向50%を基準に実施している。

また、財務の健全性や成長投資ののちに自己株式の取得を実施しており、今回は1000億円を実施した。

不必要な資本は溜め込む必要はないと考えている。

Q.女性経営者の選抜について

A.2027年に女性の役員比率30%、2030年に女性の管理職比率30%を目標として取り組んでいる。

候補者は着実に増加しているが、まだまだ道半ばと認識しつつ低年齢時から高度な役割を付与して人材育成に努めている。

【会場】

Q.気候変動対策について

A.米国において気候変動等によるリスクの高い火災保険の販売停止等については承知している。

当社としては、保険を禁止することにこだわらず、顧客との対話、保険のカバーの限定、脱炭素活動など様々な活動も同時に実施していくこととしている。

Q.不祥事について

A.成立しなかったものの、共同保険に対して保険料の調整行為が行われたことについてお詫びいたします。

真摯に対応しつつ再発防止に努めているが、金融庁には23日に報告を実施した。

”裏切った利益に価値はない”

という意識を社員に周知徹底させていく。

Q.不祥事に対する監査人の見解について

A.当該事案については、直ちに報告を受けている。

その後の対応についてもガバナンス上、コンプライアンス上も適切に対応されていたと思料する。

Q.金融庁からの行政処分について

A.コメントする立場にない。

Q.NZIA(ネットゼロ保険同盟)脱退後もネットゼロ目標は維持するのか?

NZIAについては加入企業が独自で活動するようになり脱退が相次いだことから当社も脱退したが、目標は維持していく。

Q.東アジア石油パイプラインには関与するのか?

A.個別の契約についてはお答えできませんが、グループとして保険の引き受け方針に基づいて活動を実施している。

Q.グレーゾーンのある保険について支払い可能かどうかを明確にすることについて

A.個別の案件については総会終了後に担当者からお話を伺います。

既に保険の支払い可能な場合とそうでない場合の事例を示している商品もある。

保険金については法令で規定されていない場合もあり、打ち合わせの中で総合的に対応させていただきつつ、わかりやすい説明に努める。

Q.労働環境について

A.当社はピープルズビジネスということで社員の頑張りによる生産性向上を重視している。

残業時間は減少傾向にある。

休暇についても、5日間連続で取得できる特別休暇を年2回付与している。

育児休暇については女性については当然のこと、男性についても100%以上取得している。

その意味で概ね問題ないと認識。

ちなみに、育児休暇期間は1ヶ月以内が多いようだが、もっと長期でリードしていくことが重要と考えている。

Q.株式分割について

A.東証の指導による50万円以内を実現すべく、昨年3分割した。

今後も投資しやすい株価に留意する。

Q.昔の火災保険の場合時価となっているものが多いが、新価(同じ物件を新たに購入等する際に必要な金額)への切り替えはどうなっているのか?

A.長期契約者を含め、切り替えの案内等、適時実施している。

Q.支払いのわかりやすさや約款の説明について

A.パンフレット等を用いて、分かりやすい説明に努めている。

Q.NTTの25分割のようにもっと分割してほしい

A.株主からの投資しやすさに考慮していく。

Q.事業売却の考え方について

A.資本効率の向上のため事業ポートフォリオの見直しを実施しており、その一環として事業売却を実施している。

選定に当たっては収益性と成長性について追加出資の効果の見極めを含めて総合的に検討して実施している。

Q.地政学的なリスクが事業に与える影響について

A.各種事案については、エマージングリスク、重大なリスク等に選定して注視している。

その際、学識経験者からの知見を得てインテリジェンスを向上させ、顧客との共有も実施している。

また、場合によってはBCP(事業継続プログラム)の作成支援、ひいては所要の訓練等を実施したりしている。

現状では差し迫った脅威はないと認識している。

しかし、株価や金利の変動等によるストレスについては常に検討している。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役15名選任の件

監査役1名選任の件

拍手を持って、承認・可決されました。

株主総会雑感

社長のエネルギッシュさは以前から知っていましたが、株主からの質問に対して複数の担当役員を指名したり、自ら補足(確認)のために回答内容を念押ししたりして丁寧な議事運営を行なっていたことが印象的でした。

また、株主も保険関連と推察される方が多く、話が上手でちょっと長く”語る”方が多かったように感じました。

一番の気づきは、”不必要な資本をため込まない”資本効率を追求する姿勢の徹底です。

事業ポートフォリオの見直しとして、見込みのない会社を売却することも徹底しています。

内部留保を溜め込むキャッシュリッチの会社が多い中、資本効率を高める経営については良い勉強になりました。

ただし、当社が持ち合い解消ということで長期間にわたって株式を売却し続けたことが、バブル崩壊後の株価右肩下がりの原因の一つという専門家もいて、物事は多面的に見ることが大切だと感じました。

⑵ 2021年6月の株主総会

第19回定時株主総会 2021年6月28日(月) パレスホテル東京

株主でなかったため参加していません。

ただし、経営戦略についてのプレゼン動画をHPで見ることができます。

東京海上DRによるデータ活用の取り組みなどを挙げながら、今後の成長戦略が熱く語られていました。

株主に夢を与える内容だと考えます。

ちなみに、個人的にパレスホテル記念日にクラブフロアに宿泊したこともあり思い出の場所です。

⑶ 株主還元    

配当

1株当たりの配当実績は次のとおりです。

12期連続増配とのこと。

次回は121円の予想とのことでこちらも楽しみです。

2022年3月期:100円

2021年3月期:85円

2020年3月期:67円

2019年3月期:63円

2018年3月期:60円

2017年3月期:53円

2016年3月期:47円

2015年3月期:37円

2014年3月期:32円

株主優待   

なし

自社株買い

約1000億円を実施したとのことです。

【2022年3月6日の東京マラソン当日の本社ビル】

f:id:cogepan20:20220309141047j:plain               

3 株主としてのコメント

⑴  社長のTV出演

2022年2月10日の朝のテレビ番組に社長がテレビ出演していました。

社長は麻布高校で剣道部主将を務めた後、東大工学部を卒業する文武両道の情熱的な経営トップとして紹介されていました。

テーマは深化する”グローバル経営”

大手金融機関の中で東京海上HDが唯一PBRが1倍を超えている事を取り上げその原動力となっている”海外M&A”の成功について取り上げていました。

興味深かったのは規律あるM&Aということで

1 高い収益性

2 強固なビジネスモデル

3 カルチャーフィット

の3要件を挙げている点でした。

M&Aについては個人的にも関心が高いので参考になりました。

そして、M&Aに伴い優秀な人材を確保することにも成功しているとのこと。

自然災害が常態化する昨今、グローバル化により強固な経営基盤確保をするという戦略は妥当なものだと感じました。

また、損保事業については

・防災・減災

・モビリティ

・ヘルスケア

に着目とのこと。

その際、

「自動運転が広がれば自動車保険に影響が出るのでは?」

との問いには

「むしろ自動運転車の混在により事故処理の複雑化が予想されるので、迅速な支払いによる被害者救済というニーズが高まる」

との回答。

なるほど、そういう面もあるかもしれません。

今後は保険金の支払いのみならず、その前後についての取り組みを拡充されるとここと。

いい番組でした。

⑵  気になる点

地政学的リスク(ウクライナ情勢等)

さまざまなリスクに対応する商品・サービスを考えている点は評価できます。

けれども、現在の私達をとりまく環境の変化のスピードはそれ以上と考えます。

ウクライナ情勢もその一つ。

よりスピード感のある経営が期待されます。

気候変動リスク

防災・減災について研究機関とともに研究に乗り出しているとのことでした。

四季報にも【ESG】という見出しがあるように、その分野にも注力していくことが予想されます。

ただし、ESG投資の14%はロシアにお金が流れているとの指摘もありました(天然ガスがグリーンエネルギーと位置付けられているため)。

さまざまな投資をしていますがお金の流れについてもきちんと把握することを期待します。

M&Aについて

今の東京海上HDの好業績は海外M&Aの成功によるものです。

そして、今後も積極的にM&Aを展開していくとのこと。

”数合わせのM&Aはしない”という言葉に安心しつつも、一つM&Aの失敗が事業に与える影響が大きいのも事実(例えば、コロワイドかっぱ寿司の買収など)。

会社の過去の成功体験への過剰適合してしまわないか少し懸念を持っています。

株主総会で頂いた資料とお茶】

4 まとめ

東京海上HDについて述べてきました。

情熱的な社長海外M&A成功による好業績、自動運転と自動車保険など投資をする上で参考になると考えます。

個人的には保険ではお世話になっていませんが、上昇トレンドの株価高配当東京マラソンフィニッシュエリアの本社ビルパレスホテルでの株主総会など好感を持っています。

不確実な世の中、リスク管理、ひいてはソリューションプロバイダーとしての東京海上HDの今後に注目しています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #東京海上ホールディングス

  

丸紅【8002】〜株主総会雑感(株主との良好な関係)

投稿日:2022.3.5、更新日:2022.7.31、2023.1.10、2023.8.28

こんにちは!

この記事は、丸紅【8002】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年の株主総会の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・2年連続の過去最高益

経営陣と株主の良い関係

【目次】 

【丸紅本社ビル】

f:id:cogepan20:20220304144230j:plain                     

1 丸紅について

⑴ 会社概要

5大商社の1つで、伊藤忠商事から独立した会社。

芙蓉グループで非財閥系です。

バフェット氏が大量に購入したこともあり株価は上昇トレンド。

売上高9.0兆円、総資産7.9兆円、時価総額3.9兆円の事業規模です。

付加価値(ブランド力、のれん)を示すPBRは1.28倍であり前期に比べて大幅に向上しています。

企業理念 

伝統のある会社らしく、下記の通りの理念を明らかにしています。

●社是

「正・新・和」

●経営理念

丸紅は社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指します。

セグメント

下記16のセグメントから構成されています。

・ライフスタイル

・情報・不動産

・フォレストプロダクツ

・食品第一

・食品第二

・アグリ事業

・化学品

・エネルギー

・金属

・電力

・インフラプロジェクト

・航空・船舶

・金融・リリース事業

・建機・産機・モビリティ

・次世代事業開発

・その他

特徴は食料のセグメントが2つあることでありアグリ事業も含め、食料に強い商社と言えそうです。

また、直近の稼ぎ頭は金属であり、最近の資源価格の上昇の影響を上手に活かしていると考えます。

⑵ 株主になったきっかけ

高配当で今後の資源価格上昇を見込んで2021年9月に株主となりました。

配当の高さを考えてNISA口座で保有しています。

思惑通り株価は堅調に推移しています。

5年間の期限はありますが、さらに長期的な付き合いになるような予感がします。

⑶ 2023年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:12%

売上高経常利益率:7%

前期よりもそれぞれ1%づつ収益性が改善しています。

しかも継続しています。

計画的に収益性を上げているとすれば相当の実力を有していると推察します。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):134%

自己資本比率(30%以上が望ましい):37%

・ネットDEレシオ:0.52倍

安全性についても前期より向上しています。

特に、ネットDEレシオの中期経営計画の目標である0.7倍程度という目標達成です。

効率性 

・有形固定資産回転率:9.55

毎年、回転率が高まっており効率的な経営がなされていると思います。

稼ぐ力がついてきた証左と考えます。

本社ビルの建替コスト”回収”も進んでいると思います。

⑷ 2022年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:11%

売上高経常利益率:6%

昨年よりも収益性は高まっています。

5大商社の中では事業の”質”はイマイチですが、改善しているは評価すべきだと考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):121%

自己資本比率(30%以上が望ましい):28%

・ネットDEレシオ:0.8倍

安全性については昨年とほとんど変化はありません。

なお、ネットDEレシオの中期経営計画の目標である0.7倍程度に対して、0.8倍であったことから安全性に対しては会社の目標達成と考えられます。

効率性 

・有形固定資産回転率:8.91

昨年よりも回転率が高まっており効率的な経営がなされていると思います。

他の総合商社と比較しても高い数値となっています。

よって、本社ビルを建て替えることに投じたコスト等も含めて十分に”回収”されていると推測します。

⑸ 2021年3月期の経営分析

2021年3月期の連結計算書類をもとに経営分析を試みます。

基本的には上方修正と増配ということで2019年3月期の赤字から回復しています。

収益性

・売上高総利益率:8%

売上高経常利益率:4%

収益性はそれほど高くはありませんが、収益の合計が6兆円を超えているので稼ぎは小さくはありません。

持株会社である三菱商事(売上高総利益率12%、売上高計上利益率4%)と比較すると丸紅の方が売上原価が高い一方、販管費等のコスト削減で利益率は丸紅の方が良いと考えられます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):126%

自己資本比率(30%以上が望ましい):28%

なお丸紅はNet D /Eレシオを経営指標として重視しているようです。

ネットD /Eレシオ=(有利子負債ー現預金)/自己資本

負債(Debt)は資本(Equity)でまかなえることが望ましいという見方から、長期の支払い能力(安全性)を見るときに使われる指標。

これまでの丸紅のネットD/Eレシオの推移

2020年3月期:1.16

2021年3月期:0.88

2022年3月期:0.8(見通し)

ちなみに、株主レポートによるとネットD/Eレシオが0.8倍で財務基盤の再生に目処がつきつつあるとのことです。

効率性 

・有形固定資産回転率:6.32

経営の効率性という点では、三菱商事と同レベルです。

売上債権や棚卸資産も含め、三菱商事との間で顕著な相違は見られませんでした。

【丸紅ギャラリー無料招待券(入場料500円) 2名入場可】

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

第99回定時株主総会 2023年6月23日(金) 丸紅ビル

ライブ配信を視聴しました。

主なポイント

・新社屋での初めての株主総会

・2年連続の過去最高益

・ネットDEレシオが0.52倍

・78円を起点とする累進配当

・機動的な自社株買いの実施

・非資源の実力がついてきた

主な質疑応答

【事前】

Q.中・長期の業績見通しについて

A.過去2年間は追い風が吹いていた。

2023年度、2024年度は厳しいと予想する。

Q.株主還元方針

A.従来の配当性向25%以上から累進配当と機動的自社株買いとした。

自社株買いは21年度は300億円、22年度は600億円実施。

株価も上昇傾向。

収益力や財務基盤が向上したことにより株主還元を拡充した。

【会場】

Q.ロシアのウクライナ侵攻とウクライナ復興事業について

A.(CFOより)ウクライナ侵攻の財務的なインパクトは少ないし、昨年までに処理済みである。

(社長から)ウクライナ復興については現在まさに活発化している。

フィンランドの担当大臣からも参加して欲しいとの要請もあり、前向きに対応していこうと考えている。

Q.米国のガビロン社の売却について

A.ガビロン社の収益については赤字にはなっていなかった。

ただし、農家が力をつけた(バイオ燃料ビジネス)という米国の農業の構造的変化があり、それに対応した。

また、穀物を中国に向けてトレードしていたが、チャイナリスクにも対応することの重要性も高まってきていた。

売却はしたが、日本向けの穀物ビジネスは確保している。

Q.さらなる増配について

A.増配できるのならしたい。

連結純利益が2023年度に4200億円、2024年度に4000億円を大きく達成した際には可能。

現在、事業は巡航速度以上で進捗中である。

Q.ウェルファムフーズの動物虐待について

A.アニマルウェルフェアに注意を払っている。

動き回れない鶏についてのことについては、当社では屋根付きの施設にて飼育している。

Q.雷対策について(株主の推奨する避雷針について)

A.参考にさせていただく。

Q.ホライゾン3の進捗について

A.(CDIO(次世代事業担当)より)次のビジネスを見出すために、当社の今までの知見と勝ち筋を生かすための事業である。

若い世代に支持されるビジネスやヘルスケアに進展が見られる。

数字での貢献はまだないが、2030年代を目指してゼロからの挑戦を試みている。

近いうちに発表したい案件がいくつか出てきているのでご期待下さい。

Q.バフェットさんの投資について

A.光栄なこと。

当社の株式を買い増す際も、事前に取締役会の承認を得てから実施するなど、クリアかつ紳士的である。

ただし、買い方は急。

・ビジネスに投資をしている

・ビジネスを安く買う

・良い経営者

の3点がバフェットさんの投資方針なので、その期待の添えるよう今後も尽力する。

Q.芸術を定款に加えたことについて

A.当社では多くの作品を保有している。

新社屋にはギャラリーもありそこで活かすことを考えている。

なお、NFTアートの可能性もあるが今は具体的なことは考えていない。

Q.累進配当は大丈夫か?

A.ある程度数字は掴んでいるので、世界大恐慌でも起きない限り大丈夫。

そしてもし、世界大恐慌が発生した場合であっても、社会全体が大問題になっており、当社だけの問題ではなくなっている。

Q.人材育成について(ゼネラリストかスペシャリストか)

A.良い質問です。

これまでは、”サイロ?”と呼ばれるあるセグメントにいる人が多かった。

今後は、優秀な人材をゼネラリストでありつつ専門性を持つ人材として育成して行きたい。

Q.取締役の定年について

A.原則として定年は設けているが、重視していない。

人的リソースの枯渇が問題視されている昨今、女性、シニア、外国人の活用が重視されてきていると認識。

年齢で切るのではなく、能力に応じて働けるような環境が大切。

Q.脱炭素エネルギーのキャンペーンの一環としての”ワンピースの世界”の展示について

A.”ワンピースの世界”については多くの反響と評価をいただいた。

ただし、契約期間を満了したことから、あたらしい企画を考えていく。

Q.航空船舶セグメントのバウンド・フォー社(スペイン)との風力プロジェクトについて

A.当社も50隻の船舶を保有しており、10%の燃料節減効果が達成できれば大きな貢献になる。

風力推進装置ではバウンド・フォー社の持つ知見に期待している。

Q.女性人材の活用について

A.現在、部長クラスまで女性が数名活躍しているが、執行役員までは時間がかかる見通し。

ただし、採用において女性総合職を40〜50%採用しており、計画的に人材育成を実施している。

なお、女性だからといって下駄を履かせる登用は意味がないと考える。

Q.(10年以上の株主より)最近、事業投資が上手になった理由は?

A.投資の規律を強化した。

それ以降、投資案件については精査され、安易な申請は上がらなくなり、厳選度は高まってきている。

2019年度にまとめて大型の減損処理を実施し、若い人のための環境を整備した。

ご指摘のとおり、仕組みをいじくってもカルチャーが動かないと意味はないと考える。

ぞうぞ、長く株主でいてエンジョイしてください。

Q.女性の社外取締役から一言

A.社内では働きがいを持っている社員がたくさんいる。

自分も、ダイバーシティという点では意見を言って行きたい。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役10名選任の件

監査役1名選任の件

・取締役報酬改定の件

監査役の報酬額改定の件

拍手を持って承認・可決されました。

株主総会雑感

ライブ配信を視聴していて気持ちの良い株主総会でした。

株価が4倍になった株主からの慰労の言葉に社長も思わず

「頑張りました!」

との返事に、会場からも笑いが湧き上がっていました。

また、バフェットさんとのやりとりも具体的なビジネスのやり取りが伺えて有益でした。

同じ質問に対して、三菱商事

「相手がある話なので、コメントは控えさせていただく。」

という塩回答とは対照的でした。

単に、キャピタルゲイン(含み益)やインカムゲイン(配当)が得られるだけでなく、そういった世界を相手にビジネスをしている当社ならではの”学びや気づき”のある株主総会も株主にとっては大きな魅力です。

新社屋での株主総会に近いうちに足を運んでみたいと感じました。

⑵ 2022年6月の株主総会

第98回定時株主総会 2022年6月24日(金) パレスホテル「葵」

ライブ配信を視聴しました。

社長から冒頭、記録を塗り替えることのできた年(増収増益、過去最高の配当、株価の上場来高値など)という言葉で総括されていました。

中期経営計画(GC2024)に言及され

・配当の下限を60円

・既存事業の強化&新たなビジネスモデルの創出

・グリーンのトップランナー(水素、アンモニアを重視)

・連結純利益4,000億円

ROE:15%

・ネットD/Eレシオ0.8倍

などの説明がありました。

主な質疑応答

Q.新しくなった自社ビルでの株主総会開催について

A.コロナ禍で来場する株主数が見通せない中、柔軟な対応が可能なパレスホテルでの開催に至った。

自社ビルについては無料招待券をご活用の上、丸紅ギャラリーにご足労いただいた際に併せてご覧きたい。

なお、新しく自社ビルを新しくしたのは

・本社勤務の4,000名の勤務環境を向上させること

・災害に対応し、通信インフラを強化(ネットやソフトに対応)することによって世界中で働く社員の営業活動のサポートに万全を記す

ためである。

Q.米ガビロン穀物事業の売却について

A.穀物を売却する時期を米国の農家が決めており収益力が低下していたため売却するに至った。

なお、売却益が見込まれており、ある意味”良いタイミングで手仕舞いできて満足”。

Q.国内の農村の育成(自給自足)について

A.現状の自給率はカロリーベースで36%。

農業に携わる160万人のうち65歳以上の年齢が120万人であり、その方達の重労働を支援するためにITを駆使しした可視化などを展開している。

畜産関連は米国とブラジルが圧倒的に強く海外から安定て輸入することも大切。

Q.中期経営計画(GC2024)の展望について

A.カタール天然ガス利用、オーストラリアでのCO2貯蔵回収実証など実施している。

グリーンについて米国企業との協業も模索している。

Q.次世代事業開発本部(CDIO)の進捗について

A.2030年に大きくなる事業を開発(ヘルスケア、スマートシティ、若い世代向けビジネス等)を継続しており、本社社員の成長や他社からの評価など、手応えを感じている。

Q.グリーンビジネスのコアについて

A .EV(電気自動車)の普及とともに銅事業の強みが活かされると考える。

Q.最近の株価低迷について

A.株価については商社株の中で一番上昇した。

現在の低迷は特定の原因によるものではなく調整と見ている。

Q.株主総会資料の電子提供制度について

A.インターネットが使えない人でも、来年の3月31日までに証券会社や信託会社に書類送付の申込を行えばこれまで通り書類をもらうことは可能。

Q.バフェット氏の株式売買について

A.大量報告書での変動(売買)は確認されていない。

現在の株価とバフェット氏との関連は薄いと考える。

Q.航空・船舶部門のeVTOLの進捗について

A.eVTOL(電動垂直離着陸機、空飛ぶタクシー、空飛ぶ車)についての業務提携は

・英国のバーティカルエアロスペース社と五人乗り

・米国のリフトエアクラフト社とひとり乗り

の2つがあり販売権を取得している。

大阪万博に向けた実証実験中である。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役10名専任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

株主総会雑感

総合商社は日本独自の会社であり説明がしにくい印象がありました。

けれども株主総会ライブ配信を視聴して、丸紅がアグリ(農業)や銅に強いことや将来に向けての布石を打っており、e VTOLなどの夢のある事業を手がけていることがわかってきました。

業績が絶好調のためか株主からの質問も多すぎることなく、社長が一つ一つの質問に対して真摯に応えている姿勢は好感が持てました。

⑶ 株主還元    

配当

配当利回り(予想)は4.99と高いです。

また、配当の推移は以下のとおりです。

配当金額が上下しますが、配当の下限を60円とすることは有り難いです。

・2022年3月期:62円

・2021年3月期:33円

・2020年3月期:35円

自社株買い

・2023年3月期:600億円

・2022年3月期:300億円

株主優待

なし

その他

2019年の赤字で中断していた自社株買いの再開も検討中とのこと。

株主レーポートに丸紅ギャラリー無料ご招待券が添付されていました。 

【丸紅のモニュメント】

f:id:cogepan20:20220304144320j:plain       

3 株主としてのコメント

⑴ 丸紅ギャラリーについて

丸紅ギャラリーは古今東西の美が共鳴する空間」をコンセプトに、丸紅が保有している染織物、染織図案、絵画の3本柱から構成される美術品コレクションを中心に展示・公開する施設とのことです。

注意点は期間限定で開館しているということ。

過去、2回開館している時期を失念してしまったため満を辞して2023年1月に訪れました。

広くはありませんが、綺麗で近代的なギャラリー

今回の展示は開館記念第3回展『ボッティチェリ特別展《美しきシモネッタ》』

『ビーナス誕生』のモデルとなった方です。

美術についての知見はあまりありませんが、色々と気づきが得られて満足です。

これからも、定期的に足を運んでみたいと思いました。

【本社ビル1階のエスカレーター横のデジタルサイネージ

【入口前にて 奥が入口です】

⑵ 気になる点

ウクライナ情勢を含め、地政学的リスクは意識しなければならないと考えます。

ロシアが中国を道連れにして冷戦時代に戻る可能性もあると思います。

四季報では”中国に強い”との記述。

そうした、チャイナリスクをどこまで管理できるのか気になります。

また、今期の好業績は鉄鉱石価格上昇のおかげですが、来期は価格下落に伴う減益予想も懸念しています。

【館内1階のデジタルサイネージ

f:id:cogepan20:20220304144427j:plain

4 まとめ

丸紅について述べてきました。

総合商社であり馴染みがない印象ですが、調べてみると皇居横に自社ビルがあったりギャラリーを有しているなどの発見がありました。

株主総会実施場所のパレスホテル東京は宿泊経験もあり、皇居周辺をよく走っており、さらに美術館巡りも好きなので一気に親しみが湧いてきました。

インフレや資源高騰という追い風とカントリーリスクという逆風が吹き荒れていますが、それらを含め紅の活動に長期間注目していくつもりです。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #株主総会 #丸紅 #累進配当

  

2022年2月の投資のふりかえり

こんにちは!

この記事は、コア・サテライト戦略を踏まえ、個別株売買投資信託(ロボアドバイザーを含む)の長期・積立・分散投資を継続する個人投資家が2022年2月の投資についてレビューしたものです。

2月の投資成績は

株式投資の評価益は約50万円(2022年では評価損約150万円)

株式投資では約84万円の損失(2022年では88万円の損失)

となりました。

【目次】 

【バレンタインデーのチョコ】

f:id:cogepan20:20220302080201j:plain

1 株式の売買 

⑴ 売却

・ファーストブラザーズ(NISA口座):200株(約10万円の損切り

・アルベルト(NISA口座):100株(約74万円の損切り

・サムティ(特定口座):100株

ファーストブラザーズとアルベルトはNISA口座ということで売却が前提となります。

株価動向とキャッシュの必要性を考えて売却しました。

サムティも持株の一部を売却しましたが次の11月決算までに買い戻す予定です。

⑵ 購入

・ビザスク(NISA口座):100株

ビザスクは2月が決算月のため購入しました。

【マネーフォワードからの抜粋】

f:id:cogepan20:20220302092309j:plain

3ヶ月間の株式の評価額推移のチャートをご覧ください。

右肩下がりのトレンドを継続しています。

けれども、直近1ヶ月では二番底のようにも見えます。

ウクライナ情勢の件も株価下落の要因でしたが、ロシアの進行とともにリスク(不透明感)がなくなりマーケットは反発しています。

戦況に応じて株価は影響を受けると思います。

ただし、トレンドの行方は米国の利上げにかかっていると考えます。

2 配当

・国土1,000円(100株)

インテリックス 1,300円(100株)

・ファーストブラザーズ 5,400円(200株)

・スターマイカ 2,000円(100株)

・サムティ 20,400円(400株)

  合計 30,100円

守りを重視した資産運用をする上で、配当はありがたいものです。

3 株主優待

2月に届いた主な株主優待は次の通りです。

・ヒューリックからのカタログギフト3000円相当

・サムティからの株主優待カード(無料宿泊)

をいただきました。

【ヒューリックの株主優待(カタログギフト3000円相当)】

f:id:cogepan20:20220302080421j:plain

【サムティの株主様ご優待カード】

f:id:cogepan20:20220302191734j:plain

4 株主総会

2月に実施された持株の株主総会等は以下の3社です。

・スターマイカ株主総会参加、更新済み)

・ファーストブラザーズ(株主総会参加、更新済み)

・サムティ(大阪のため株主総会不参加、更新済み)

引き続き、株主総会で得られた”気づき”を今後アップしていく予定です。

5 投資信託等(iDeCoを除く)

 長期・積立・分散投資を実施しているのは下記の商品です。

積立投資を始めた年月も表示しています。

・ウエルスナビ :15万円/月(3万円×月5回) 

 2019年10月~:29カ月

セゾン投信:20万円/月(毎月4日、8日)

 2020年2月~:25カ月

SBI証券で投資信託『ひふみプラス』:積立中止

 2020年6月~:16カ月

SBI証券投資信託『SBI・V・S&P500』:積立中止

 2021年7月~7か月

さわかみファンド:1万円/月(毎月1日) 

 2020年8月~:19カ月

コモンズ投信:4万円/月(毎月1日) 

 2020年9月~:18カ月

マネックス証券eMAXIS Sim米国株式(S&P500):10万円/月(毎月1日)

  2020年9月~:18ヵ月

楽天証券でiFreeNEXT NASDAQ100インデックス:2万円/月

 2020年12月~:15カ月

コインチェックビットコイン積立:1万円/月 (毎月1日)

 2021年1月~:14カ月

現在の積立投資は毎月約53万円です。

【マネーフォワードから抜粋】

f:id:cogepan20:20220302093456j:plain

上のチャートをご覧下さい。

本来であれば、右肩上がりのチャートとなるはずです。

けれども、米国金利ウクライナ情勢を受けて乱高下しています。

ドルコスト平均法が聞くことで平均単価が下がり長期的には大きな利益を生じると予想しています。

ちなみに、一部の投資信託が評価損となりましたが以下に概要を記載します。

・ウエルスナビ:評価益継続

セゾン投信:評価益継続

eMAXIS Slim米国株式(S&P500):評価益継続

コモンズ投信:一部評価損

・iFreeNEXT NASDAQ100インデックス:評価損から評価益へ復活

・サカワミファンド:評価損

6 貸株金利 

SBI証券にて貸株をしています。

貸株金利として

,175円

頂きました。

また、2%以上の高金利銘柄の貸株金利の推移

4月からの推移は

・サンアスタリスク:8.5%→10.25%→8.75%→7.5%→7.75%→8.25%→8.25%→8.5%→9.25%→9.5%→9.25%

ペッパーフードサービス:8.0%→7%→6.25%→3.25%→2.5%→2%→2%→2%→2%→2%→2%

8月からの推移は

グローバルダイニング:2.75% →2.25%→2.25%→2.25%→2.25%→2.5%→2.5%

サンアスタリスクの貸株金利は今月9.25%と減少傾向。

今後株価上昇につき金利も低下するのか興味津々です。

7 気づき

⑴ 株式売買について

一般にコア・サテライト戦略は資産運用8割エンタメ2割とされています。

そして、資産運用として投資信託等の長期・積立・分散が中心となります。

エンタメとしては株式投資等(投機)などが挙げられます。

でも、エンタメとしての株式投資についても資産運用に資する株と投機的な株式に分けられるように感じています。

資産運用に資する株というのは例えば、コロワイドやイオンのように株主優待や配当で元が引けている(コスト回収済み)のものがあると思います。

おそらく今後もずっと持ちづくけることになる恩株です。

そして、投機的な株といえばマザーズ市場のグロース株が挙げられます。

2月に再度購入した、ビザスクなどもその筆頭だと思います。

そのように考えると”ダブルコアサテライト戦略”というのも良いと考えます。

今後、このダブルコアサテライト戦略について研究してみたいと思います。

⑵ 投資信託の長期・積立・分散投資について

価格が乱高下するものほど長期・積立・分散投資平均単価を下げるため有効と言われています。

その意味で、ここ数ヶ月はいい買い場と思い投資を継続しています。

短期的にはウクライナ情勢、中期的には米国金利、長期的には世界経済が成長するかどうかが大きな要因になると考えています。

ロシアが日米欧の経済圏から排除されました。

ひょっとすると中国も道連れになるかもしれません。

そうなると、再び冷戦時代となります。

米ソ冷戦時代に日米欧の経済は成長していました。

そう考えると米露(中国)冷戦時代も経済成長するという前提なら長期的には投資は上昇トレンドとなると考えます。

激動の時代ですが、お金をやりくりしつつ、長期的視点を持って資産運用を継続していきます。

まとめ

2月の資産運用について、長期・積立・分散投資株式投資などを中心に振り返りました。

厳しい状況が続いますが、ドルコスト平均法による平均単価の低下、投資手法をさらに磨くなどの良い点も見出せました。

併せて、国際政治や国内政治も資産運用に大きな影響を及ぼしていることもひしひしと感じています。

引き続き、よく学び、よく投資していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。

#資産形成 #資産運用 #投資 #株式 #株主総会 #配当 #株主優待 #投資信託 #ロボアドバイザー

IHI【7013】について

投稿日:2022.2.22

こんにちは!

この記事は、IHI【7013】に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。

・創業160年を超える伝統

・エンジンメーカーとしての技術力の高さ

【目次】 

IHI本社ビル@豊洲

f:id:cogepan20:20220122221603j:plain                      

1 IHIについて

⑴ 会社概要

企業理念 

・技術をもって社会の発展に貢献する

・人材こそが最大化つ唯一の財産である

HII5つの魅力(ホームページより)

HPにて投資家に向けて5つの魅力を下記の通り紹介していました。

・成長力:創業1853年、160年以上続く成長

・変化力:海から陸、空へ、国内から海外へ

・技術力:脈々と受け継がれる造船の技術

・推進力:利益の源泉は回転

・収益力:累積損益曲線(投資回収に15〜20年を要するビジネスモデル)

概ね納得のいく内容でした。

ただし、推進力はちょっと違和感を感じました。

利益の源泉が回転と言っても、身近な”回転の商品”である洗濯機とはあまり関係がないようで・・・。

セグメント

・資源・エネルギー・環境事業:29%

・社会基盤・海洋:14%

・産業システム・汎用機械:34%

・航空・宇宙・防衛:22%

4つの事業分野のバランスが取れていると考えます。

ちなみに、吊り橋として明石海峡大橋(3911m)が世界最長

そして、民間航空用エンジンロングシャフトという部品の世界史シェアは50%だそうです。

思った以上にさまざまな製品があることに驚きました。

⑵ 株主になったきっかけ

エンジン製造会社という技術力の高さは以前から知っていて関心がありました。

また、本社が東京都江東区にあり親しみも感じていました。

2021年のNISA枠の中銘柄分散を意識して、大型株で製造業のIHIを購入しました。

⑶ 経営分析

2022年度の経営目標

・税引後ROIC10%以上

・CCC80日

・営業利益率8%

一般に営業利益率が10%以上の銘柄を優良銘柄と呼ぶそうです。

営業利益率についてはもうひと踏ん張りを期待します。

収益性

・売上高総利益率:16%

売上高営業利益率:3%

低収益です。

売上原価、販管費に対して売上が少ないと考えます。

コロナ禍の影響で、特に航空機用エンジンなどの受注が厳しいためと推測します。

ただし、米国ではボーイングの業績が回復していると報じられています。

今後に期待します。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):124%

自己資本比率(30%以上が望ましい):18%

短期、中・長期的に安全性は懸念が残ります。

特に、自己資本比率の小ささは問題だと考えます。

自己資本が小さいからと配当も出していない状況。

財務会計についてはしっかりとした対応が求められていると考えます

効率性 

・有形固定資産回転率:4.41

製造業の平均とほぼ同レベルです。

効率性という点では経営上の問題は見出せませんでした。

2 株主総会

⑴ 株主総会

第204回定時株主総会 2021年6月24日(木)グランドプリンスホテル新高輪

204回という回数の多さはなかなかおめにかかれません。

議決権行使書を入手したら総会に参加する予定です。

⑵ 株主還元    

配当

配当の推移は下記の通りです。

2018年3月期(201回):33円

2019年3月期(202回):70円

2020年3月期(203回):50円

2021年3月期(204回):0円

2022年3月期(205回):70円(予想)

安定していません。

無配からいきなり70円配当など、嬉しい反面、ちょっと極端すぎるように考えます。

今後は、連結配当性向30%を目指すとのことです。

株主優待   

なし                

f:id:cogepan20:20220217182449j:plain

3 株主としてのコメント

⑴  第205期中間IHIリポートを読んで

分かりやすい株主通信となっていたと思います。

技術力を駆使した将来への夢のある成長ストーリーが語られていました。

ただ、少し財務面の情報量が相対的に少ないように感じました。

株主が安心するような、直近の業績向上や自己資本の充実についての丁寧な説明にも力を注いで欲しいと思います。

⑵  気になっていること

ノリノリのCMについて

テレビでは1度しか見ていませんが、ちょっと若者ウケするCMを流しています。

基本的にB to Bの会社だから広告は不必要とは言いませんが、何のための広告なのでしょうか?

もしも人材採用を意識してのことならその効果はいかに?

気になります。

信用売の多さ

信用売り残が増加し続けています。

これは、コロナ禍で空運が厳しいと考える投資家が多いためと推測します。

株価が上昇した2022年2月初旬も売り残が増加しています(その後微減)。

信用売の多さが気になります。

株主総会実施場所

品川プリンスホテルで実施されていますが、本社のある江東区に変更してもよいのでは?

最近は豊洲有明にも新しい施設が増えてきました。

JAL有明ガーデンのガーデンシアターで約400名の株主総会を実施しています。

特に品川こだわりがないのなら、豊洲地区での総会を希望します。

4 まとめ

IHIについて述べてきました。

創業160年を超える長い伝統を持つ重厚長大の面と若者ウケするCMが対照的的な会社です。

優秀な技術者は数多くいると思いますが、自己資本の低さや配当の不安定さを見ると財務会計に強い人材の育成も急務と考えます。

今後の空運の復活という外部環境の好転のみならず、自ら変わろうとする姿勢も期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #IHI

  

三菱商事【8058】〜株主総会雑感(心ある株主からの拍手)

初投稿:2022.2.19、更新日:2022.7.、2023.7.18

こんにちは!

この記事は、三菱商事【8058】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、株主総会の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・時代とともに変化する総合商社のビジネスモデル

・成長戦略(EX、DX、未来創造)

【目次】 

三菱商事の本社ビル】

                      

1 三菱商事について

⑴ 会社概要

総合商社の大手で三菱グループの中核企業です。

売上高21兆円、総資産22兆円、時価総額9.9兆円の事業規模です。

バフェット氏の大量購入等によりPBRが1.22倍と1倍割れ解消です。

また、株主構成は

・金融機関・証券会社:44.15%

・外国法人等:29.73%

・個人・その他:19.19%

・その他の法人:5.39%

・自己株式:1.54%

となっています。

なお、株主数は53,010名増加して404,144名です。

企業理念 

「三綱領」

●所期奉公:事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する。

●所持公明:公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。

●立業貿易:全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。

歴史のある会社であることを思い出させてくれるような企業理念だと思います。

「中期経営戦略2021」

●事業ポートフォーリオ

●成長メカニズム

●人事制度改革

定量目標・資本政策

セグメント

天然ガス

・総合素材

・石油・化学

・金属資源

・産業インフラ

・自動車・モビリティ

・食品産業

・コンシューマー産業

・電力ソリューション

・複合都市開発

・その他、調整・消去

⑵ 株主になったきっかけ

高配当、資源高、日本を代表する商社ということで数ヶ月前に株主となりました。

バフェットも保有しているということで以前から気にはなっていました。

保有してからも基本的に株価は右肩上がり。

高配当株でもあり株主としては満足してます。

⑶ 2023年3月期の経営分析

業績は増収増益、過去最高益でした。

収益性

・売上高総利益率:12%

・売上高税引前利益率:8

前期よりも1%売上高税引利益率が向上しています。

ちなみにROEは15.8%で前期よりも向上しています。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):136%

自己資本比率(30%以上が望ましい):41%

前期よりも安全性は向上しています。

好決算を背景に財務を強化したのかもしれません。

効率性 

・有形固定資産回転率:7.21

継続的に効率的な経営がなされていると推察します。

⑷ 2022年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:12%

・売上高税引前利益率:7%

前期よりも売上高税引利益率が向上しています。

ちなみにROEは15%と高い値を示しています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):130%

自己資本比率(30%以上が望ましい):36%

前期とほぼ同じ水準です。

効率性 

・有形固定資産回転率:6.20

前期よりも良くなっています。

おそらく、売上高の上昇の影響だと考えます。

⑸ 2021年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:12%

・売上高税引前利益率:2%

売上原価及び販管費が大きく、収益性は意外と高くありませんでした。

それでも売上高が巨額なので利益は大きな金額となります。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):132%

自己資本比率(30%以上が望ましい):35%

財務的に盤石とは言い難いですが、問題となる数値ではないと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.13

卸業としては平均よりも少し下回る数値です。

⑹ 総合商社とは?

総合商社は

財閥系:三菱商事三井物産住友商事

非財閥系:伊藤忠商事、丸紅、双日豊田通商

大手7社と呼ばれています。

総合商社は

基本機能:商取引機能、在庫機能、金融・ファイナンス機能、情報・渉外機能

付帯機能:資源開発機能、オーガナイズ機能、事業経営・管理機能

の機能を有すると言われています。

資源株と見做されることが多い総合商社。

でも、それは付帯機能である資源開発機能に注目されてのことと考えます。

そもそも、総合商社は時代の変化に合わせて柔軟にビジネスモデルを変化させており、非資源分野の育成にも力を注いでいるようです。

脱炭素の流れで、太陽光や風力、水素など新エネルギーへの転換が図られています。

 

 

【株主通信の表紙】

f:id:cogepan20:20220218221407j:plain

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

2022年度定時株主総会2023年6月23日(金)ザ・プリンスパークタワー東京

ライブ配信を視聴しました。

事業報告はビデオでなされ、90カ国において12の営業グループの活動等が紹介されました。

また、議案上程において環境に関する株主提案が昨年同様になされましたが、短期目標の設定によりポートフォリオの売却等に支障をきたし経営が制約されることから反対である旨の説明がなされました。

主な質疑応答

【事前】

Q.業績、予想、株主還元について

A.資源高、アフターコロナを背景に過去最高益を達成。

来期は好況の反動により純利益9200億円を見込む。

前期は1株180円の配当と2000億円の自社株買いを実施した。

今期は1株200円の配当と1000億円の自社株買いを実施する予定。

なお、当社は累進配当制を導入している。

Q.成長戦略について

A.EX、DX、未来創造の3本柱で頑張る。

EXでは2050年のカーボンニュートラルを目指しつつ金属資源の確保に注力する。

DXではデジタルを駆使して既存ビジネスの生産性向上に努める。

未来創造では日本の課題解決を通じて、地域経済を強化していく。

【会場】

Q.CCS(CO2回収・貯留:Carbon Capture Strage)について

日本製鉄、エクソン・モービルと弊社で覚書を結んで事業に取り組んでいく。

ただし、コストが高いことから、他の手法も同時に進めている。

Q.円安や資源高等の恩恵が無くなっても大丈夫か?

A.資源以外でも、例えば自動車(自動運転)なども頑張っている。

循環型成長モデルを確立し、地政学リスクも含め、耐性をつけていく。

Q.バフェットさんとの会合について

A.相手のある話なので情報開示はできないが、92歳で不老長春な方だとの印象を持った。

Q.三菱ふそう日野自動車との統合について

A.トヨタ自動車と(独)ダイムラートラックが中心となって考えている。

インドネシアでの三菱ふそうの50%以上のマーケットシェアは大切にしつつ、成長させていく。

Q.”選択”という雑誌の成城石井の暴露記事について

A.議長の指示に従っていただけなかったので、質疑は打ち切らせていただきます(会場から拍手)。

Q.セグメント別資産額を開示して資産効率を分かりやすくしてほしい。

A.ご指摘のとおり有価証券報告書では開示しているが、より分かりやすい報告を検討する。

Q.社長が社員から妬まれることでグループ力が下がることはないか?

A.多様性が我が社の強みであり、エンゲージメント(社員同士の繋がり)の高さ意識しつつ社員が一丸となるよう努めている。

Q.退任する齊木社外取締役から一言お願いします。

6年間勤務したが印象は変わらない。

・組織で大切なのは、人材、金、仕事の進め方であり当社はこの3つが強い。

・リスクを探知する能力とそれに対応する力が優れている。

・事業を構想する力と実行力の高さが際立っている。

当社は日本経済をリードしていく会社として今後も期待できる(会場から拍手)

Q.台湾有事の際のシーレーン防衛等は大丈夫か?

A.地政学リスクによる世界の分断等については常に注視している。

事案発生時は、まずは従業員や家族の安全を最優先としし、事業への影響の局限化に努める。

Q.再生エネルギー事業の懸念事項について

A.我が国においては自給自足のエネルギーが重要と認識している。

しっかりとした調査を踏まえ、課題を認識しつつ政府の指導を仰ぎつつ、地元の理解を深めながら事業を推進する。

Q.洋上風力発電の隘路(リスク)について

A.エネコ社(蘭)とともにワンチームで風力発電事業に取り組んできており、それを元に秋田、銚子で事業を展開している。

技術向上の結果、10MWの発電を実用化しているが、まだまだ発展の余地があると考える。

また、タービン技術など重要でありサプライチェーン構築に万全を期したい。

Q.今期は減益予想であるが累進配当は大丈夫か?

A.中期経営計画に基づき精度を持った予算を立てているので大丈夫です(会場から拍手)。

Q.株主提案について、火力発電所の建設とネットゼロは矛盾しないのか?

A.2050年ネットゼロ達成に向けて、様々な分析を実施しており矛盾はないと考える。

なお、”1.5°Cシナリオ”は毎年検証していく。

Q.経営におけるスピード感について

A.担当者が事業を構想して経営陣に上げるまでに4つの階層を通過するが、場合によっては承認までの手続きを加速することも可能(リスクを詰める必要はある)。

経営スピードが遅いとは思っていない。

慎重さとスピードをうまくバランスさせていく。

Q.サハリン2のリスクと回収について

A.1日も早い正常化を願っている。

サハリン2については政府と事業パートナーとともに適切に取り組んでいく。

メンテナンス等については当面問題ないと考える。

個別事業についてのコメントは控えさせていただく。

Q.バングラディッシュ等の新興国に高価な化石燃料に依存させるのはいかがなものか?

A.当社は事業を通じて解決していく社会課題をマテリアリティと定義して取り組んでいる。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役9名選任の件

監査役1名専任の件

・取締役報酬改定の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、株主提案は否決されています。

株主総会雑感

下記の3回、会場の株主から自然な拍手が湧いていました。

・議長の指示に従わない株主の発言を打ち切った時

・齋木社外取締役の退任挨拶

・減収予想だが累進配当は実施すると説明した時

心ある株主が数多く参加する株主総会は気持ちの良いものです。

視聴して良かったです。

一方、質疑応答の際は、少し答弁内容が抽象的だったような気がします。

もう少し経営に当たっている役員の方の生の声を活かしながら回答された方が、多くの株主の心に響いたのではないかと思いました。

⑵ 2022年6月の株主総会

2021年度定時株主総会2022年6月24日(金)ザ・プリンスパークタワー東京

資源高と経済回復を背景に過去最高益となったと報告がありました。

また、EXとして2050年のカーボンニュートラルの達成のため、洋上風力発電、水素、アンモニアに注力するとのこと。

さらに、DXとしてデジタルとリアルの融合を推進し自動運転などの実用化を目指すとのことでした。

対処すべき課題として、中期経営計画2024(MCSVの創出)について説明がなされていました。

主な質疑応答

【事前の質問】

Q.業績、配当について

A.純利益については、2022年の8500億円に対して2024年は8000億円を見込んでいる。

配当については150円、自社株買いは700億円を予定している。

Q.成長戦略について

A.EX・DXをすすめ再生エネルギーを拡充し、現状12%のエネルギー自給率の向上に努める。

Q.サステナビリティについて

A.カーボンニュートラルのロードマップに基づき、成熟した社会的課題(マテリアリティ)の解決に努める。

【会場からの質問】

Q.新社長としての心構えについて

A.”つながり”を大切にしており、コミュニケーションよくやっていきたい。

Q.電力ソリューションとしての潮力発電について

A.まだまだ技術開発段階である。

Q.未来創造、地域のブランド化の具体化について

A.脱炭素実現のためには地域の理解が必要であり、そのためには地域の活性化が不可欠である。

ともに発展させていくことが重要。

Q.総合商社の中での首位奪還後の展開について

A.スリム化も含め一つ一つの事業を丁寧に見直していく。

Q.社外取締役から退任の総括

A.三菱商事多様性のある会社。

その気があれば各種会議に社外取締役として100回程度参加も可能。

強みとしては多様なビジネスを実施していることから適時入れ替えが可能なことと、全世界に展開していることによりリスク対応が可能なこと。

社内に優秀な人材が豊富である。

新社長は体格が大きくて緩やかに見えるが、行動力がありスピード感のある経営をされる人物。

(会場から拍手)

Q.チャイナリスクについて

A.重要な国だが、リスク・エクスポージャー(最悪の場合投資した資産を失う変動リスク?)は実施済み。

基本的には自由・資本主義以外への投資はしない。

Q.原油価格の前提がきこ変動リスクに一致しているか?

A.デロイトトーマツとの対話や幅広い調査により、1.5°Cシナリオと原油価格の一致に務めている。

Q.ESG(環境)と資源価格上昇(利益)について

2原論では語れない。

エネルギーの安定供給、環境配慮、競争力という3つのテーマを考慮して経営に当たる。

特にE(環境)のためにはS(地方)に力を入れることが大切と認識している。

Q.何故、新社長に選ばれたと思うか?

A.6年前だったら選ばれなかった。

エネルギー・電力分野での実績が評価されたと思う。

37年間の会社人生を歩んできた。

さらに43年間会社のために全力を尽くす。

Q.定款一部変更に対する修正動議

A.承知した。

Q.総合商社とは?

A.多様性を持っていることが強み。

Q.設備投資の表記と株主還元について

自社株買いよりも成長投資を重視する。

株主還元は配当を中心に考える。

Q.再生エネルギーの展望と製品の国産と外国産について

A.現在12%のエネルギー自給率エネルギー安全保障の観点から風力、太陽光、水力などにより高めるよう努めている。

性能の良さも大切だが、競争力も考えなければならない。

国産と外国産の製品が切磋琢磨することが大切。

Q.株価の急落について

A.直近では豪州の石炭のロイヤリティの引き上げなどの影響が考えられるが、当社は強靭性を持っているので限定的と考える。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役11名選任の件

監査役2名選任の件

(株主提案)

・定款一部変更の件

・定款一部変更の件

会社提案の4件が拍手を持って賛成・可決され、株主提案と株主からの修正動議は否決されました。

終了後に新役員の紹介がありました。

最後は、

「みんなで力を合わせて当社の企業価値向上に邁進する所存ですので・・・」

との社長の言葉に対する株主からの拍手で締めくくられました。

株主総会雑感

週刊ダイヤモンドという雑誌によると三菱商事は今回の社長の交代に際して、王者の余裕を示したとのこと。

それは、総合商社の首位奪還ということで前社長に花を持たせつつかなりの損失を計上することで新社長の円滑なるスタートにも配慮したというものです。

記事の内容については検証できませんが、退任する社外取締役の話などから優秀な人材が互いに協力して経営に当たっている様子を垣間見ることができました。

全般として気持ちの良い株主総会でした。

視聴して良かったです!

⑶ 2021年6月の株主総会

2021年6月25日(金) ザ・プリンス パークタワー東京

アーカイブ配信を利用して視聴しました。

事前アンケートに基づく、業績と配当についての説明とともに9つの質問に対する回答もしっかりと編集されていました。

説明責任を積極的に果たそうとする姿勢に好感を持ちました。

⑷ 株主還元    

配当

一株あたりの配当の推移

2018年度:125円

2019年度:132円

2020年度:134円

2021年度:134円→142円(見通し)

高配当で増配基調であり、株主としては満足です。

また、累進配当性を採用しており、業績の影響を局限して長期に株主に報いる方針もありがたいと考えます。

株主優待   

なし 

その他

東洋文庫ミュージアムへの無料招待券がいただけました。

株主優待ではないので、外国人も不満はないかも?

2022年9月まで有効なのでそれまでにミュージアムへ足を運んでみます。

【株主通信に同封されてきた東洋文化ミュージアムの招待券】  

f:id:cogepan20:20220218214442j:plain            

3 株主としてのコメント

⑴ 株主通信を読んで

他の会社と同様にカーボンニュートラル社会へのロードマップが紹介されていました。

けれども中身はEX(2兆円投資)と(NTTと組んだ)DXの相乗効果を狙う内容となっており、他社よりも良く練られているように考えます。

そして、ウエストホールディングスから調達した太陽光発電の再エネをAmazonに長期供給する取り組みが紹介されていました。

未来創造に挑戦する事業展開に注目していきます。

⑵  気になっていること

株主総会で◯期、○回の表記がない

1870年(明治3年)に土佐・高知藩の岩崎弥太郎が設立した海運業の九十九商会が会社の源流である歴史の長い会社のためかもしれません。

ただし、年度表記なので総会実施日と一致しないのがややこしく感じます。

ファシリティ・マネジメントの分野でイオンディライトと競合?

産業インフラ事業におけるトピックスとして、ファシリティ・マネジメントへの進出が記載されていました。

読んでみると、人材不足を解消するためDXに力を注ぐとのこと。

イオンディライトと同じことが書かれており、どちらかが真似したのかもしれないと、少し気になりました。

EPSの予想

四季報によると一株あたりの当期純利益(EPS)は

2021年3月期:116.9円

2022年3月期:635.1円

2023年3月期:484.8円

2024年3月期:550.4円

と予想されています。

今期はV字回復過去最高益を更新していますが、23年3月期は減益予想となっています。

少し先のことですが、右肩上がりの成長を期待しています。

三菱商事の重要な子会社のひとつであるローソン】

f:id:cogepan20:20220217180359j:plain

4 まとめ

三菱商事について述べてきました。

株価ではなくビジネスモデルを買う」というバフェットが保有するだけあって時代に柔軟に対応できるさまざまな事業を経営していることがわかりました。

株主としては配当をいただけたり、含み益を狙えることも大きな魅了です。

ただし、本当に三菱商事から学ぶべきは、生き残るために個人も企業と同様に時代に応じて変化することかもしれないと感じました。

お読みいただき、ありがとうございました。 

【子会社の三菱HCキャピタル】

cogepan20.hatenablog.com

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

株式投資 #株主総会 #資産運用 #三菱商事 #ローソン #マテリアリティ