こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

LTS(6560)について

こんにちは!

 

この記事は、LTSに関心のある方に向けた個人投資家(株主)としてのコメントを記したものです。

 

1 会社概要

2 株主となったきっかけ

3 株主総会

⑴ 2020

⑵ 2021

4 株主還元

5 今後の方針

 

 【株主総会が実施された東京証券会館

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1 会社概要

LTSは企業のデジタルシフトと働き方改革を支援するコンサル会社。

ネットなどでは、テンバーガー(株価10倍)候補としている発信者もいます。

 

ミッション:可能性を解き放つ

ビジョン:世界を拡げるプロフェッショナルカンパニー

バリュー:L(Learn 学びまくる)

     T(Think 考え抜く、思い尽くす)

     S(Suprise 驚かせる)

 

事業は、プロフェッショナルサービス事業部とプラットフォーム事業部の2本柱です。招集通知からの抜粋は次の通り。

 

プロフェッショナルサービス事業部

 顧客の現場に入り込み、顧客の課題や変革テーマに応じた各種支援をワンストップで提供する事業。サービス別の3区分は次の通り。

  •  ビジネスプロセスマネジメント

顧客の事業構造をビジネスプロセスとして可視化し、プロセス改善に必要な手法を立案、改善の実行支援などを行う。

顧客の経営から事業の最前線まで、変革を実行するための現場に入り込み、成長戦略構築や事業開発、業務改革や組織改革を支援する。

  •  デジタル活用サービス

経営のデジタルトランスフォーメーションを実現するために必要となる、顧客の業務に合わせたリサーチ及びテクノロジー活用手法の策定、IOTやマーケティング等の分析によるバリューチェーンの改善手段等を提供する。

 

プラットフォーム事業

プラットフォーム事業は次の3つのプラットフォームからなる体制です。

アサインナビ:IT/DX/コンサル企業

コンサルタントジョブ:フリーコンサルタント

・CS Clip:事業会社

 

2 総会の様子

2021年3月17日(水)(第19回) 東京証券会館 9階会議室

 

業績:4期連続の増収・増益

課題:優秀な人材の確保、M&A

配当:当面見送る。ここ数年は事業拡大のチャンスなのでそちらを優先する。

   中期計画の達成が見通すことができ、一定の事業規模となったタイミングでの配当を考えている。

 

主な質疑応答は次の通り

Q.中期計画に示される2030年の売り上げ500億円の妥当性は?

A.今後も20%成長を維持しつつ、M&Aが成功(過去3回のM&Aは成功)することを目指す。

Q.海外展開についての考え方は?(野村総研も豪州で苦労している)

A.DXの包括支援を踏まえ、関連会社であるFTPコンサルティングジャパンとの協業をベトナムから始める。

Q.アサインナビの会員数の増加についての施策は?

A.プラットフォーム事業については、「アサインナビ」、「コンサルタントジョブ」、「CS Clip」の3本柱で考えている。このうち、アサインナビの今後については会員数の増加よりも、面談数や成約率の向上に力を注ぐ。

 

 

3 株主としてのコメント

総会に行ったのは2回目。

前回は

・質疑応答の際の応対は、少し自信なさそうな印象

・成長ストーリーが見えにくい

などの印象を持ちました。

 

今回は

・社長の笑顔もあり、自信をもって経営している様子

・中期経営計画(2021~2024)公表

もあり、前回より”向上”した印象を受けました。

 

ただし、今後の見通しとしては将来大きく飛躍するために今後数年は先行投資をするために利益の成長が鈍化するようなことが懸念。

業績は4期連続増収・増益ですが、株価は乱高下

ホールドするのは結構大変です。

ただし、長い目で見れば株価の大幅上昇も見込めるので、それぞれの時間軸によってリスク許容度が変わってくるようにも思えます。

自分は、成長期の会社経営というものに興味があり研究しています。

成長株投資が好きだからです。

 

ちなみに10バーガー(株価10倍以上)の代表的な要件は下記の通りです。

 

1 上場5年以内→2017年12月上場

2 時価総額300億円以内→154億円

3 成長株(売上高成長率20%以上)→年平均30%以上

4 創業者が筆頭株主又は上位株主→椛島氏が筆頭株主(14%)

5 成長が見込める業界→DX支援

 

この要件にLTSは当てはまります。

 

研究対象として、利益の期待を込めて、LTSの経営を引き続き注目していきたいと思います。

  

おつきあいいただき、ありがとうございました。

 

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サムティ【3244】について〜議決権行使の謝礼としてのQUOカード1000円

初投稿:2021.3.24、更新日:2022.2.11、2023.3.

こんにちは!

この記事は、サムティ【3244】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・議決権行使への謝礼としてのQUOカード(1000円)など手厚い株主還元

・旅行付きの人にはホテル無料宿泊券も魅力

なお、2023年2月の株主総会招集通知を受け取ったことをきっかけに記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

【目次】

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1 サムティについて

⑴ 会社概要

大阪発祥の総合不動産会社です。

四季報では

「ファンド、REIT、投資家向けに新築や再生マンションを販売」

とあります。

「サムティ、サムティ・・・♬」の歌で始まる柴犬まるちゃんのCMでおなじみの方も少なくないと思います(CMが変わりました)。

レジデンス、商業施設、オフィスなどからの賃貸収入による安定性(ストックビジネス)と、不動産流動化や投資用マンションの卸販売(フロービジネス)の2本が主な収益源です。

経営理念

「倫理、情熱、挑戦 そして夢の実現」

サムティらしさが出ていると思います。

また、中期経営計画「サムティ強靭化計画(アフターコロナ版)」では収益モデルの転換を重点戦略として掲げ、

「不動産を、超えてゆけ。」

をスローガンに、資産規模拡大に向け事業を推進しているとのこと。

積極的な事業展開も注目です。

セグメント

不動産開発事業(売上高構成比42.9%)

不動産ソリューション事業(売上高構成比41.0%)

海外事業(売上高構成比0.7%)

不動産賃貸事業(売上高構成比8.8%)

ホテル賃貸・運営事業(売上高構成比3.0%)

その他事業(売上高構成比2.8%)

となっています。

セグメント数が増え、事業の収益構造がより分かりやすくなったと考えます。

なお、サムティという社名は創業者の方々の頭文字にちなんだものだそうです。

⑵ 株主となったきっかけ

旅行好きなためホテルの無料宿泊券に魅力を感じて株式を購入しました。

高配当かつ押し目をつくりながらも右肩上がりのため約4年間、保有し続けています

余談ですが、以前は志摩のリゾートホテルの無料宿泊券を株主優待としていた会社がありましたが、その会社が優待を廃止した今、サムティの存在は貴重なものと考えます。

⑶ 経営分析

6期連続増収、8期連続の増益・増配です。

収益性

・売上高総利益率:20%

売上高営業利益率:10%

10%という売上高営業利益率優良株と考えます。

売上高総利益率が20%ということは売上原価が約80%ということ。

それにそれに比べれば約10%である販管費が比較的小さいことが分かります。

コストコトロールに努力してると考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):412%

自己資本日率(30%以上が望ましい):30%

短期的な安全性を評価する流動比率に懸念はありません。

それに比べると、中・長期的な安全性を示す自己資本比率は低めと考えます。

ただし、他の不動産会社も30%前後のところがほとんどなので経営及ぼす影響はそれほど大きくはないのかもしれません。

効率性

・有形固定資産回転率:0.99

持株会社の中堅不動産会社では有形固定資産は二桁以上です。

有形固定資産が1未満というのは三菱地所三井不動産東急不動産などの大規模開発を継続する大手不動産会社です。

サムティも新規ホテルを開業するなどしているために有形固定資産額が急増したと考えます。

新規ホテルの収益性には要注目です。

株主優待~使えるホテル数が増加】

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2 株主還元

⑴ 株主優待

11月末日の200株以上の株主に対して優待カードとしてホテル共通ご優待券(電子チケット)が株主数に応じていただけます。

⑵ 配当金

以下の通り5期連続の増配が続いています。

35期(2016年11月期):33円

36期(2017年11月期):47円

37期(2018年11月期):68円

38期(2019年11月期):79円

39期(2020年11月期):82円

40期(2021年11月期):90円

ありがたいことです。

なお、予想配当利回りは4.14%と高配当となっています。

⑶ 自己株式の取得

2020年8月までなど、適時実施しているようで、株価に対しても所要の対策をしているようです。

株価下落の際の安心材料です。 

⑷ 議決権行使の謝礼 

サムティの株主還元として特筆すべきは、議決権行使のみで謝礼としてクオカード(1000円)を送付するサービスです。

3期ぐらい続いており画期的な試みだと思います。

他の会社にも広がるように、この謝礼サービスの継続を強く支持します!

【議決権講師の謝礼として頂いた1000円のQUOカード

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3 株主としてのコメント

⑴  株主優待の利用について

株主優待を使って利用させていただいたホテルは以下の通りです。

センターホテル大阪×2回:2019年2月、2019年12月(現在は優待対象外)

センターホテル東京×2回:2019年10月、2020年1月

エスペリアイン日本橋箱崎×2回:2021年1月、2021年2月

エスペリアホテル京都×2回:2021年12月 

宿泊したのは全てビジネスホテルです。

どのホテルも、きれいでかつ実用的で、もちろん、Wi-Fiも標準装備です。

終日Wi-Fiを使っていましたが、特に、時間帯によるつながりにくさや遅延もなく、比較的太い回線を使っていると思いました。

ユニットバスも清潔でアメニティも過不足ありませんでした。 

また、最近宿泊したエスペリアホテル京都ではツインルームかつ大浴場も堪能できました。

さらに京都の宿泊税まで会社が負担してくれるというサービスの徹底ぶりは嬉しかったです。

 なお、株主本人でなくても、家族であれば使えるそうです。

株主優待~過去に頂いたセンターホテル東京の宿泊券】

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⑵ 保有方針について

当初はNISA口座で保有していましたが、適時、利益を確定ています。

優待や高い配当のみならずキャピタルゲインも得ることができ感謝しています。

現在は、旅行好きなのでホテル宿泊券という株主優待にに魅力を感じていることから特定口座で株式を再購入しています。

基本的には長期保有の方針です。

⑶ 気になる点

京都のホテル

京都のホテル事業に力を注いでいるようです。

けれども、京都全体としては2015年に比べてホテル数が1.8倍になったとの報道もあります。

そこに加えてインバウンド需要の蒸発。

競争の激化が懸念されます。

そのことは、旅行好きの個人としても、

”京都は新しくてサービスの良いホテルが格安”

という肌感覚とも一致します。

収益の展望について気になります。

設立したホテルREITの上場とその後展開についてもウオッチしていきます。

自己資本比率の低さ

経営分析で述べたとおり、自己資本比率は30%と高いとは言えない水準です。

招集通知の対処すべき解題として

「資金調達方法の多様性と財務基盤の強化」

が記載されています。

当然その中には、公募増資が含まれると考えます。

よって、公募増資による資本増強に伴う株式の希薄化、一時的な株価下落もあり得ると考えます。

EPSの低迷

一株あたりの当期純利益(EPS)の推移は以下の通りです。

2018年11月期:283.9円

2019年11月期:247.1円

2020年11月期:261.2円

2021年12月期:242.5円

直近4年間で、稼ぐ力が伸びていません。

また、2020年11月期の予想も芳しくありません。

資産規模拡大による事業展開で収益性がどの程度向上できるのか、期待しています。

大和証券との関係

大手証券会社のグループとしての安心感、安定感はあると思います。

ただし、大和証券からの関与がどのようなものがあるのかが気になっています。

新しいCM

2022年になって、柴犬まるちゃんに変わって、アニメの犬のCMに変わりました。

チキチキマシン猛レース」に登場するケンケン(♫・・プロベラがわりのケンケンの尻尾・・・♫)のようで好感度は下がりました。

個人的には前の柴犬まるちゃんの方が良かったと思います。

株主優待を利用して宿泊したエスペリアホテル京都】

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note.com

4 まとめ

サムティについて述べてきました。

株主思いの良い会社だと思います。

ただし、京都のホテル事業の将来性や「資金調達法法の多様化と財務基盤の強化」(公募増資)など気になるポイントもいくつかあります。

長期保有を基本としつつ、株価が大きく下落した際には注意深く買い増しできるような余裕を持った投資を心がけていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#株式 #投資 #資産運用 #株主優待 #サムティ #ホテル

マネーフォワード【3994】〜株主総会雑感&東洋経済の記事への違和感

初投稿:2021.3.23、更新日:2023.11.14、2024.3.20

こんにちは!

この記事は、マネーフォワード【3994】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2024年2月の株主総会及び雑誌「東洋経済」の記載内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・今期、EBITDA黒字化へ

・株価が安定しないのは投資家が”良い赤字”を理解しないためというのは・・・?

【会社が所在する msb Tamachi 田町ステーションタワー】

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1 マネーフォワードについて

⑴ 会社の概要

四季報では中小企業向け業務ソフトのSaaS、決済等のフィンテックに注力とあります。

個人的には、家計簿アプリ「マネーフォワードME」を長年愛用しておりそのイメージが強いです。 

売上高303億円、総資産882億円、時価総額3320億円の事業規模。

会社の付加価値(ブランド力やのれん)を示すPBRは11.87倍と高い評価を得ています。

●ミッション(追い求め続ける社会への指名)

 お金を前へ。人生をもっと前へ。

●ビジョン(ミッションを達成するために目指すべき未来)

 すべての人の、「お金のプラットフォーム」になる。

●バリュー(社会に約束する行動指針)

 ユーザー・フォーカス

 テクノロジー・ドリブン

 フェアネス

野心的かつ抽象的な印象を持ちました。

セグメント

マネーフォワードビジネスドメイン

法人向けサービスの提供

マネーフォワードホームドメイン

個人向けサービスの提供

マネーフォワードXドメイン

金融機関のお客様向けにサービスを開発

マネーフォワードファイナンスドメイン 

新たなソリューションの開発

⑵  株主となったきっかけ

会社を知るきっかけとなったのは、約5年ほど前から

・家計簿アプリ『マネーフォワードME』

を使うようになってから。

有料会員にもかかわらず、しばらく放置状態にしていましたが、改めてしっかりと使いこなすようになると、それなりに便利

そのこともあって、昨年から株主となりました。

⑶ 2023年11月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:65%

売上高営業利益率(10%以上が優良株):営業赤字

粗利率が高く、「東洋経済」の記事にあるように収益性の高いビジネスモデルは確立されていると思います。

営業赤字なのは、成長投資としての販管費が高いため。

社長も赤字を掘ってまで販管費(広告費や人件費等)を増やしたのは、

”思った以上に市場が大きいことがわかってきたため、成長投資を追加した!”

とのことだったと思います。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):179%

自己資本比率(30%以上が望ましい):39%

短期的にも、中・長期的にもとりあえず懸念があるとは言えない数値です。

ただし、自己資本比率は3年前の47%からは低下しています。

資本の効率化と会社の存続のバランスをとりながらの資本政策が求められています。

効率性

棚卸資産回転率:2530.03

・有形固定資産回転率:26.3

棚卸資産の回転率が極めて高いということは、商品(サービス)の売れ残りがすないと考えます。

この点では効率的な経営がなされています。

一方で有形固定資産については情報通信業界の平均が26であること考えると、”ふつう”な水準と考えられます。

なお、有形固定資産の内訳は金額順に「建物」、「工具、器具及び備品」となっており、「土地」はありませんでした。

株主総会時に控え席にて】

2 株主総会

⑴ 2024年2月の株主総会

バーチャル株主総会でした。

3年ぶりの参加です。

主なポイント

・成長の軌跡:2012年に創業、2017年に上場し時価総額は10倍、ユーザー数は3倍になって約1500万人で、そのうち約52万人が課金者。

・”ユーザー”、”タレント”、”ソサエティ”の3つについてのフォワードを推進中。

・2023年11月期のハイライト:数値目標は全て達成し順調!

・2024年11月期の展望:EBITDA黒字化

・2028年(中長期の展望):売上高1000億円以上

・潜在市場規模はバックオフィスSaaS関連は2.2兆円、それ以外の関連市場を含めると6.5兆円で伸び代は大きい

主な質疑応答

Q.定款一部変更の件について(なぜ、今になって?)

A.電気通信事業をより一層、明確にするため。

Q.HiTTOの吸収合併差損について

A.(CFO)より、単体では差損が生じるた、連結では影響はない。

なお、正確な差損額については2月末に判明する。

Q.女性の社外取締役の岡島さんから菊間さんへの変更について

A.岡島さんの退任は以前からの本人の希望に沿ったもの。

菊間さんについては、さまざまな会社での社外取締役をされていることを考慮した。

Q.個人株主向けの利用料金を優遇する株主優待について

A.現在は、株価を上げることに注力することが株主に最も報いることと認識している。

従って、株主優待については決まったものは何もない。

貴重なご意見、ありがとうございます。

Q.黒字化の見通しについて

A.今期のEBITDAにつてはプラスを予想している。

ただし、当期純利益の黒字化については非開示だが、将来達成できると確信している。

なお、当社はこれまで開示したガイダンスは全て達成してきたので、長期で成長し続けるよう尽力していく。

決議事項

・資本金準備がくの減少及び剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役10名選任の件

・吸収合併契約承認の件

投票の結果、賛成多数で承認・可決されました。

株主総会雑感

市場規模(6.5兆円)を把握し、その中で目標(28年に売上高1000億円)の達成を成長ストーリーとして語る社長は優秀だと感じました。

特に、これまでの開示したことを全て達成してきたことに対しては力強さを感じます。

一方で物足りないこともあります。

2月24日号の東洋経済『もうけの仕組み』で当社のビジネスモデルの良さが取り上げられている一方、株価の乱高下の問題が指摘されています。

その理由が、

”赤字を嫌う投資家がなかなか株を買わないため”

と記事ではされています。

果たして、株価の乱高下はそれだけでしょうか?

”一歩前へ”考えてみると他にも要因がたくさんありそうです。

例えば、当社は株主総会への株主の参加が色々制限されてきましたし、ついにバーチャルオンリーになってしまいました。

そもそも、全社的な課題の中で、ユーザー、タレント、ソサエティについては考慮するものの、シェアホルダー(株主)については何の言及もありません。

株主優待については何も決めていない!”、と堂々と発言する取締役のマインドも株主軽視の証左だと考えます。

”株価を上げることが株主に報いること”

と一方的に発言されていましたが、

”株主は株価の安定も株価の上昇と同じかそれ以上に求めている”

と考えます。

プロスペクト理論によると、

”人は株価が上昇する喜びよりも株価が下落する苦痛の方を強く感じるもの”

はこの世界の共通認識です。

サイバーエージェントSBIホールディングスも配当や優待に力を入れつつ多くの株主との対話の機会を定期的に設けています。

当社の場合、やるべきことが山積しているように感じられます。

株価の乱高下を本気で何とかしようとするならば、経営陣には、行動経済学の基礎を踏まえて丁寧に取り組む姿勢が不可欠でだと思います。

【当社のビジネスモデルを取り上げた「東洋経済」】

⑵ 2021年2月の株主総会

2021年2月26日(金) 田町ステーションタワー 本社会議室

コロナ禍を理由に、参加者を20人に絞ったハイブリッド総会でした。

なぜ、このような形式にしたのか理解に苦しみます。

実は、自分の持株にユーグレナという会社があり、その会社のやり方をパクったような形式だったからです。

ユーグレナについては、長年の業績不振から社長が株主から手厳しい指摘を受けてきたので、コロナを理由に参加者を絞り込むという手を打ったのだろうと推察できます。

けれども、マネフォの場合、株主数を増やすと言っておきながら、株主の総会への出席に制限を設けるという姿勢は矛盾しているように思えました。

会社のバリューの中のフェアネスにも反するように思えます。

主な質疑応答

Q.育休の取得状況は?

A.約30名取得中(うち、男性13名、副社長の滝を含む。)

Q.個人投資家を増やす施策は?

A.IRメール、説明会、分割等

Q.ユーザー兼株主を増やす方法は?

A.SHIP(アプリユーザーの交流会)や説明会の強化

Q.経営上、着目している指標は?

A.売上高成長率 30~40%

  EBITDA 黒字化

決議事項

資本準備金の額の減少及び剰余金の処分の件

・定款一部変更の件

・取締役等の選任の件

で、滞りなく承認・可決されました。

【SHIPでの話題】

3 ユーザー交流会SHIPについて

マネーフォワードではユーザー交流会(SHIP)が定期的に開催されています。
会場が本社の際は、アルコールやおつまみもあり、お金について学びつつ、楽しい時間が過ごせると思います。
自分の場合、コロナ前では、
・オンライン:四季報の使い方や瀧さんのトークショー
・マネフォ本社での対面:資産運用についてのフリートーク、相続についての課題とテレビ東京の取材、近くの居酒屋での飲み会
などが印象に残っています。
コロナ後になってSHIPが復活したことを知り、早速参加。
8月:家計簿、資産運用などのテーマ別の座談会
9月:応募するも抽選で選ばれず
10月:フリートークで沢山の方と話しまくり!
思うに、お金の話は職場や親族の間でも話しづらいもの。
プロの人に相談すると商品やサービスの”提案”が伴いがち。
その点、家計簿アプリ「マネーフォワードME」のユーザーの間だと、いろいろな話をしたり聞いたりしやすいもの。
これまでに沢山の気づきや刺激をいただけました。
比較的、若い人、女性の比率が高いように思います。
興味がある人はマネフォからのメールやアプリのお知らせをチェックしてエントリーしてみてはいかがでしょうか。
【本社にて】

4 まとめ

マネーフォワードについて述べてきました。

家計簿アプリを利用しているとともに、毎月のように開催されるSHIP(ユーザー交流会)お金についてユーザー間で話し合える機会はありがたいと感じています。

ただし、株価は乱高下し続けているので株主になるのはそれなりの覚悟と忍耐が必要だと考えます。

資金効率やリスク管理を踏まえつつ、当社の成長を応援していきたいと思います。

お読み頂き、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#株式 #投資 #資産運用 #株主総会 #マネーフォワード #東洋経済

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三菱HCキャピタル【8593】〜株主総会雑感(株式数が多い会社の株主還元について)

初投稿:2021.3.22、更新日:2022.1.31、2023.8.12

こんにちは!

この記事は、三菱HCキャピタル【8593】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年6月の株主総会の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

【目次】

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1 三菱HCキャピタルについて

⑴  会社概要

オリックスと双璧をなすリース会社です。

2021年4月にに三菱UFJリース日立キャピタルが統合して誕生しました。

24期連続増配中で第3位と位置付けられています。

売上高1.8兆円、総資産10.7兆円、時価総額1.3兆円の事業規模。

付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは0.87倍と厳しい評価です。

PBR1倍割れについては会社も問題意識を持って取り組んでおり今後の展開に期待しています。

四季報では業種はリース・消費者金融に位置付けられていて、時価総額順位は1/18位に位置付けられています。

経営理念

『私たちは、アセットの潜在力を最大限に引き出し

社会価値を創造することで、

持続可能で豊かな未来に貢献します』

ちょっと抽象的な経営理念ですが、アセットがキーワードと考えます。

経営ビジョン

●地球環境に配慮し、独自性と進取性のある事業を展開することで、社会的課題を解決します。

●世界各地の多様なステークホルダーとの価値競争を通じて、持続可能な成長を目指します。

●デジタル技術とデータの活用によりビジネスモデルを進化させ、企業価値の向上を測ります。

●社員一人ひとりが働きがいと誇りを持ち、自由闊達で魅力ある企業文化を醸成します。

●法令等を遵守し、健全な企業経営を実勢んすることで、社会で信頼される企業を目指します。

・・・欠落のない網羅的なビジョンだと考えます。

特に、社会的課題の解決持続可能な成長企業価値の向上の3点が柱と思います。

⑵  株主となったきっかけ

NISA枠に収まる株価で、配当の高さに魅力を感じたのが株式を購入した理由です。

そして、いきなりの臨時株主総会でしたが、総会を通じていい会社とつながりが出来て良かったと感じています。

株価上下しながらも長期では右肩上がり。

業務内容が複雑多岐にわたるので、いろいろ調べながらその良さを追求してみたいと考えています。

⑶  2023年3月期の経営分析

基本的には過去最高益を更新し、一株あたり2円の増配を実施しており業績は好調と考えます。

ただし、額は向上しているものの、率は下記の通り、ほとんど変化していないこについて興味深く感じています。

収益性

・売上高総利益率:19%

売上高営業利益率:7%

例年と同様の収益性です。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):178%

自己資本比率(30%以上が望ましい):14%

前期までと比較しても大きな変化は無いと思います。

効率性

・有形固定資産回転率:0.52

有形固定資産回転率も恒常的に低いです。

これは、3.6兆円の有形固定資産の中で「賃貸資産」3.4兆円と大半を占めており、大屋さんとしての事業が回転率に関わっていると推察します。

⑷  2021年3月期の経営分析

2021年3月期のデータをもとに分析しています。

収益性

・売上高総利益率:17%

売上高営業利益率:7%

意外と低数値でした。

原価や販管費が多く収益性は高いとは言い難いです。

参考までにオリックスの場合は

・売上高総利益率:41%

売上高営業利益率:28%

です。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):200%

自己資本比率(30%以上が望ましい):14%

安全性については金融機関ということもあり資金効率の面から自己資本比率は低めになると考えます。

ただし、同じくオリックスの比較で考えるとオリックスの安全性のレベルには至ってはいないとは言えそうです。

流動比率(200%以上が望ましい):334%

自己資本比率(30%以上が望ましい):26%

効率性

・有形固定資産回転率:0.39

特筆すべきは、有形固定資産回転率の低さです。

大手不動産会社やJ-REIT並みに有形固定資産に多額の投資をしていることが明らかです。

内訳は分かりませんが、航空機やエンジン関連のリース業をしていることが関係しているのかもしれません。

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 2 株主総会

⑴ 2023年3月期の株主総会

第52期定時株主総会2023年6月27日(火)ホテルニューオータニ ザ・メイン

ライブ配信を視聴しました。

主なポイントは下記の通りです。

・業績:好調で増配

・トピックス:ロジスティックに注力、水素燃料航空機の初飛行

・10年後のありたい姿に向けてホップ、ステップ、ジャンプ

・2025中計(統合後初の中計):成長性、資本収益性、財務健全性→企業価値最大化

・2026年3月期:純利益1600億円、ROA1.5%、ROE10%

・配当性向40%以上

主な質疑応答

事前の質問は最初ではなく、途中に紹介されるという順番でした。

おそらく、会場からの質問を多くしたかったのだと推察します。

ただし、今回は2時間ぐらいの間に建設的な多種多様な意見や質問が多かったようです。

心ある株主により、非常に有意義な審議がなされていたと思います。

【会場】

Q.燃料電池航空機(改修機)のメーカーについて

A.ボンバルディア社である。

なお、プロペラエンジンを燃料電池に変換する米国のベンチャーキャピタルに当社は出資をしている。

Q.金利や為替が中計に与える影響について

A.金利についてはドルとポンドが重要であり現在は高止まりしているが来年が金利は下がると予想。

金利の上昇ペースも緩やかになってきているので、当社の業績に与える影響はニュートラになると考える。

為替については円安は収益増の効果を生む。

想定為替レートは1ドル130円、1ユーロ150円としている。

為替感応度は1ドルの円安で6.6億円の増益、1ポンドの円安で1.4億円の増益である。

なお、地政学リスクにつても注視しており、ロシアのウクライナ侵攻の影響は当社にはほとんどない。

Q.中計における30%の利益増について

A.短期的な成長ドラーバーは「海外」、「航空機」、「ロジスティック」、「カスタマーソリューション」の4つ。

中・長期的には、「環境・エネルギー」、「不動産」、「モビリティ」の3つ。

Q.同業他社との差別化について

A.3点あると認識

・国内外のバックグランドが多彩なプロ人材

日立グループMUFG三菱商事とのネットワーク(顧客基盤)

・資産が分散していること(高収益ビジネスと安定収益ビジネス)

分散の例として、コロナ禍で航空機ビジネスが振るわなかった時に、海上コンテナビジネスがそれを補ったことが挙げられる。

Q.金利5%のドル建て社債を発行するメリットについて

A.金融会社にとって資金調達は生命線であり当社は国内のみならず海外でもビジネスを展開している。

ドルのビジネスにはドルが最適であり、同業他社も含めて高い金利のドルでも十分にビジネスは成立している。

また、当社はALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント:資産と負債を一元的に総合管理する手法)を適正に実施しており、経済合理性とビジネスリスクの回避からドル社債を発行している。

Q.海外事業における金利上昇と不動産ビジネスについて

A.ALMを通じて適正に対応しており問題はない。

特に、不要なリスクを取らないことと、リスクのモニタリングをしっかりとしている。

リスクシナリオアプローチにイオてはリーマンショック級の状況になっても、コミットメントラインによる資金調達等で半年は耐えられるよう準備している。

不動産については、欧州ではビジネスはない。

米国においてはオフィス需要の減少は日本以上であり影響はあるが、反対に賃貸住宅事業等は好調である。

ちなみに、米国不動産の収益に占める割合は1%程度であるので当社にとって重大な事態にはならないと考える。

【事前】

Q.PBR1%未満対応について

A.これまで資本収益性や資本コストを意識した経営をしてきたが、これに財務健全性と成長性を考慮したバランスシートの最適化を目指して対応していく。

このため

ROEは10%以上

・非財務目標重視

・成長性を加速

・「適切なエンゲージメント」を通じた株主資本コストの低減

を目指して努力していく。

なお、株主に対する「適切なエンゲージメント」とは、例えば国内のリース事業は縮小しているが、当社は海外の成長が著しいことを株主に説明して、理解を深めていただくことを意味する。

Q.自社株買いについて

A.ROEの「短期的な分母対策」としての自社株買いは考えていない(やろうと思えばできる)

DX、SX等の推進による高収益ビジネスによる持続的な成長を目指し、特にROAを重視してやっていく。

これはノンバンクという性格上、格付けや自己資本が大切であることに起因するもので、時間はかかっても財務目標、非財務目標、配当中心の株主還元で対応していきたい。

Q.リース会計基準の変更の見通しについて

A.影響は限定的なものに留まると考える。

理由は、オペレーティングリースのオフバランス効果がなくなるデメリットの反面、メリットもあること、そして、すでに海外においてはオンバランス化を経験済みであるからである。

リース事業が今後も続くよう努める。

Q.社外取締役の人数と役割について

A.様々なバックボーンを持つ人材が揃っており、15名中6名と規模も適切。

多面的な角度から建設的な意見をいただいている。

なお、当社の社外取締役の場合、年数回会議に出るだけではなく米国のシアトルやサンフランシスコの現地経営陣と面談をしたりして積極的な活動をしている。

Q.外国籍の取締役について

A.当社のスキルマトリックスにおいては国際ビジネスの項目があり、海外勤務の経験豊富な人材がこれに該当している。

例えば、社長が海外勤務20年の経験を有する他、たの現役員でも多彩な国際経験を持つ。

今後も、縛りなく、その時々において必要な人材を確保するよう判断していく。

Q.株主総会招集通知の資料は簡便なものでも良いのでは?

A.今回は株主の混乱を避ける趣旨で、従来に近い内容を郵送した。

次回以降は、今回の件や他社の状況を踏まえて適切に判断する。

【会場】

Q.当社の保有株式がゼロの取締役と生え抜き取締役について

A.当社の内容を深く知る立場において、購入するタイミングを逸してしまった。

ただし、会社に対するコミットメントは強く持っていることをご理解頂きたい。

また、現取締役の中では日立キャピタルの社員が生え抜きとして1名存在している。

ビジネスパートナーのMUFG三菱商事は重要なビジネスパートナーであり、人的支援や交流の重要性を認識しつつも、社員のモチベーションを考慮する必要性も認識している。

なお、執行役員の中ではプロパーが半分以上存在し、かつ、3割は中途採用組である。

Q.社外取締役が当社の株式を持つにあたって何か取り決めはあるのか?

A.ない。

併せて、インサイダー取引に抵触するようなこともないことを申し添える。

Q.日立製作所の株式の売却と社名変更について

A.株主のご意向もあり売却についてはコメントを差し控える。

社名の変更については考えていない。

両者のアイデンティや価値観の共有を象徴するものとして大切にし続ける。

Q.人材育成の具体策について

A.人材ポートフォリオを構築している。

層別の研修を実施しており、中堅クラスにはマネジメントに適した研修を用意している。

併せて、女性活躍のための研修にも力を注いでいる。

Q.(怪しいものではないMUFGと旧日立キャピタルの株主より)社長の説明も理解しているが、自社株買いについて考えてほしい

A.14億の株式に対して株主数が少ない、株主に対するアピールが足りない、総還元性向方式等についてのご指摘、ありがとうございます。

配当重視の姿勢で頑張るが、自社株買いを否定しているわけではないことをご理解いただきたい。

Q.海外事業の欧米以外の展開の可能性について

A.欧米中心は不変であるが、ASEANにも注目している。

他の地域でも進出の計画はないが、良い候補地が見つかれば展開していくつもりである。

Q.PBR1倍割れ解消のスケジュール感について

A.中継の中でPBR1倍割れ解消を謳っているが、3年かけて実現するという意味ではない。

と言っても期限を決めて対応しているわけでもない。

ROE等の向上と非財務資本の活用等を通じてできるだけ早く解消していきたい。

決議事項

・取締役8名選任の件

・監査等委員である者を除く取締役等に対する業績連動型株式報酬制度に基づく報酬等の額及び内容決定の件

拍手を持って承認・可決されました。

株主総会雑感

株式の数が多い会社の株主還元について考えさせられました。

というのも、日本郵船が当社と真逆な対応をとっているからです。

日本郵船は、商船三井と比べると株式数が1.5倍も多いので、多額の配当をしても一人当たりに行き渡る配当金が少ないことを問題とし、2000億円の自社株買いを実施しています(株価も絶好調です)。

これに対して、当社は自社株買いはせず、時間はかかっても収益を上げることで株主に報いるということでした。

そして、当社も株価は長期上昇トレンドを継続中です。

株主還元の方法は会社によっていろいろあることを実感しました。

ちなみに、当社の株式数と予想配当利回りは14億株(4.82%)、業界1位のオリックスは12億株(3.93%)となっており、当社の方が頑張っていると感じています。

⑵  臨時株主総会

2021年2月26日(金) ホテルニューオータニ ザ・メイン

三菱UFJリース日立キャピタルとの合併契約承認の件を含め8議案が上程されました。

合併により、総資産額でみた場合10兆円となり、業界内の地位が4位から、3位の三井住友ファイナンス&リースを抜いて2位に向上。

1位のオリックスの13兆円に迫る規模です。

広い会場で、数十人の株主が参加。

ソーシャルディスタンスを確保するなど、コロナ対策もしっかりとされていました。

パワーポイントの配布資料を用いて、合併の理由と期待される効果などについて社長が分かりやすく説明されました。

質疑応答

Q.日立キャピタル株主優待はどうなるのか?

A.申し訳ない株主優待はなくなる。今後は配当により株主還元に力を注ぐ(海外投資家の意向を含む)。

Q.定款の変更が既存の損害保険に与える影響は?

A.既存事業への悪影響は回避する方針。

Q.合併によるデメリットは?コストはどうみつもっているのか?

A.(コストの見積額を説明の上)リスク管理の徹底を図る。

Q.オリックスとのビジネスの差別化は?

A.オリックスは水族館経営とうハイリスク・ハイリターン経営、弊社は得意な分野でのスケールメリットを追求していく!

決議事項は拍手をもって承認され、滞りなく総会は終了しました。

新しい称号は

三菱HCキャピタル株式会社

となるそうです。

⑶  株主還元等

配当

過去の配当の推移は以下の通りです。

毎年増配をしているのはすごいことであり、かつ、ありがたい銘柄です。

・2023年3月期:33円

・2022年3月期:28円

・2021年3月期:25.5円

・2020年3月期:25.0円

・2019年3月期:23.5円

・2018年3月期:18.0円

・2017年3月期:13.0円

・2016年3月期:12.3円

・2015年3月期:9.5円

・2014年3月期:8.0円

株主優待

なし

株主総会の会場となったホテルニューオータニ

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3 株主としてのコメント

⑴  今後の方針

NISA口座で保有しているため、5年以内に売却せざるを得ません。

特定口座で買い増しも考えています。

何故か、家族が自分の気づかない間に、株主になっていたことを最近知りました。

日銀もETF買いは日経平均ではなくTOPIXに変更。

グロース株からバリュー株に注目が集まる昨今、長期で保有する方針です。

⑵  株主通信を読んで

株主通信を読んで2つの記事に関心を持ちました。

経営統合/PMI(経営統合プロセス)

以下の3つの側面からシナジー効果を最大化する取り組みが示されていました。

経営資源シナジー

●営業シナジー

●投資シナジー

二つの巨大会社が一つになってそのシナジー効果をいかに出していくか興味深いところです。

少なくとも、みずほ銀行のような統合失敗は避けられそうだと考えます。

注力領域

下記の5つの注力領域が示されていました。

●社会資本/ライフ

●環境・エネルギー

●販売金融

●モビリティ

●グローバルアセット

良いことだと思います。

不動産会社で少数精鋭で頑張っているヒューリックも、重点地域(銀座、浅草、渋谷、新宿)を決めて収益を上げています。

経営資源の有効活用として期待しています。

4 まとめ

三菱HCキャピタルについて述べてきました。

24期連続増配は当社の強みだと思います。

それに加えて心ある株主からの建設的な意見も会社にとっては大きな力になると考えます。

業界1位のオリックスとの比較自社株買いの件での日本郵船との比較などに注目しながら末長く株主を続けていきます。

お読み頂き、ありがとうございました。

 

なお、PBRについては下記の図書を参考にしています。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#株式 #投資 #資産運用 #株主総会 #三菱HCキャピタル #配当 

 

ファーストブラザーズ【3454】について〜高配当でも低PBR

初投稿:2021.3.18、更新日:2022.3.1

こんにちは!

この記事は、ファーストブラザーズ【3454】に関心のある方に向けた株主のコメントをまとめたものです。

なお、2022年1月に実施された株主総会等の内容を追記し、記事を更新しています(更新箇所は青字です)。

・不動産業ではなく証券・先物業(四季報

・無形資産を通じた企業価値向上の必要性

【目次】

株主総会会場 JPタワー・KITTE】

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1 ファーストブラザーズについて

⑴ 会社概要

丸の内に本社をを持つ証券・先物の会社です。

企業理念は資産運用ビジネスの分野において、「最高のプロフェッショナルであり続ける」です。

行動規範は、「クライアントファースト」、「パフォーマンスファースト」、「コンプライアンスファースト」とのこと。

この3つの行動規範はどこまで実践できているか・・・。

セグメント

2つのセグメント別の業績は次の通り

投資銀行業務

新規にアセットマネジメント業務を受託したことによるフィー増加による増収増益。

投資運用業

不動産の売却期間が長期化したことによる減収減益

⑵  株主となったきっかけ

マネー雑誌の紹介で関心を持ち、11月決算と高配当、優待に惹かれて株主となりました(その後の優待改変で対象外となってしまいましたが・・。)。

⑶ 経営分析

2020年11月期:減収減益

2021年11月期:増収増益

収益性

については、売上高営業利益率をみると

・売上高総利益率:25%

売上高営業利益率:16%

ちなみに、売上高営業利益率は前期よりも1%低下しています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):1196%

自己資本比率(30%以上が望ましい):25%

流動比率から短期の安全性については問題は見出せません。

けれども、自己資本比率については前期の56%から大幅に悪化しているとともに、中・長期的な安全の基準と言われる30%を下回っています。

効率性

棚卸資産回転率(数値が大きいほど効率的):0.28

前期が0.39だったことと比較すると、こちらも効率が落ちています。

よって、収益性、安全性、効率性において前期よりも今期の方が冴えなく、かつ、平均的な数値を下回っていると考えます。

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2 株主総会

⑴  2022年2月の株主総会

第18回定時株主総会 2022年2月25日(金) JPタワー・KITTE

社長の「おはようございます」の第一声で始まりました。

ビデオによる事業報告があり、不動産投資案件に対する目利きを活かした資産運用ビジネスをアピールしていました。

また、対処すべき課題にも触れられていましたがこちらは株主総会招集通知と同じ内容でした。

質疑応答

一人1問ということで二人から2件の質問がありました。

Q.PBRが0.5程度であり投資家の評価が低い。エーザイはPBR向上作を発表しているが、取締役候補者の中でPBRを上げることとを通じて企業価値向上するアイデアを持つ人はいるのか?

A.今は収益向上に注力しており、PBR向上については今後検討していく。

Q.成長性が落ちているのではないか?

A.そのようなことはない。賃貸収益と物件売却を長期的にバランスよく成長性に結びつけていく予定である。

決議事項

取締役6名選任の件

監査役3名選任の件

補欠監査役1名選任の件

資本金の減少の件

拍手を持って承認されました。

なお、新任取締役の挨拶があり閉会。

その際株主からの拍手がありました。

⑵  2021年2月の株主総会

第17回定時株主総会 2021年2月25日(木) JPタワー・KITTE 4階
活気が感じられない株主総会でした。

参加者も少人数。

質問は1件

調達した資金をどのような不動産に投資をしているのか具体的に教えてほしいというものでした。

これに対する回答は、会社はオフィスビルに4割、商業施設に4割、ホテルに2割投資しており、物件は主に郊外の駅前が中心のこじんまりとした物件とのことでした。

このような基本的な質問を、社長自身ではなく、担当者に応えさせるという姿勢が低迷する会社の現状を象徴しているように感じました。

そして、取締役選任の件に関する議案は粛々と可決されました。

また、総会全体を通じて拍手が少なかったです。

⑶ 株主還元

株主優待

株主1年目

クオカード(1000円)が届きました。 

 高級感ある厚紙にオリジナルのクオカードは、同じクオカードでも差別化を図っており、評価できます。広告効果も狙っているのかもしれません。

株主2年目

長期株主優待制度によって200株を1年以上保有すことにより、オリジナルクオカードが4000円を頂きました。

来年以降

株主優待を変更し、プレミアム優待倶楽部となってしまったため、500株以上でないと優待は頂けなくなりました。

現在の持株は200株。

残念ながら、現在の業績を考えると残り300株を買い足す気にはなれません。

【以前の長期株主優待制度で頂いたクオカード2,000円×2枚】

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配当

一株あたりの配当の推移は下記の通りです。

2018年11月期:18円

2019年11月期:21円

2020年11月期:24円

2021年11月期:27円

業績低迷期も含め、連続増配というのはありがたいことです。

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3 株主としてのコメント

⑴  気になったこと

社内外の評価の低さ

PBR(株価純資産倍率)=時価総額÷純資産

で計算されます。

PBRが低いということは時価総額が低いということで投資家からあまり買われていない、つまり、市場の評価が低いことを物語っています。

また、対処すべき課題の中に、

「優秀な人材の確保と社内育成、流出の防止について」

という項目があります。

このことは、社員からの評価も低いということを意味しています。

ではなぜ、社員からも市場からもファーストブラザーズは評価が低いのでしょうか?

結局は大株主である社長に魅力を感じない人が多いことに尽きると考えます。

よく、組織が活性化しそこで働くする人が生きがいを持って仕事する要件として3Cが大切だと言われます。

3Cとは

コンピテンス:能力

コミュニティ:組織

キャラクター:人柄

の3つであり、どれ一つ欠けてもうまくいきません。

能力が高い社員が集まり、組織が整備されていても、そこで働く人の人柄・評判などが芳しくなければ物事はうまく回りません。

もう少し、社長は明るく振る舞い投資家には希望を社員には生きがいを感じさせる配慮があっても良いと思います。

人材流出防止について

人材流出の防止は大切だと思います。

ただし、離職率がゼロになればいいというものではありません。

離職率ゼロというのは正しい人事評価がなされていないということですし、組織の活性化の点からも良いことではありません。

そのように考えると、単に「人材流出防止」を課題として上げるだけでは不十分です。

組織に必要な人材は残し、そうでない人には別な道を歩んでもらうことを考えた妥当な離職率という数値(範囲)が見えてくるはずです。

そのようなことも考えての人材流出防止策を考えているのかどうか、気になりました。

⑵  今後の方針

過去に読んだ雑誌の中ではこのファーストブラザーズが大化けする銘柄として紹介されていたこともあります。

けれども、数年間株主でいてそのようなことの実現可能性は低いと感じています。

もちろん、株主となったタイミングにもよると思います。

ただし、業績不振の根源は、社長が発行済み株の過半数を握っていることの安心感にあるのなら、長期的な時間軸において大きな成長を期待するのは難しいと考えます。

社長の活気の無さはそこに起因しているように思えてなりません。

そう考えると、過去、減収減益にもかかわらず増配したことや株主優待制度の改悪も理解できます。

社名はブラザーズとなっていて金融と不動産のプロフェッショナル集団を名乗っていますが、実際は社長が株式の過半数を握る”オーナー経営”の会社です。

ある意味、社名が会社の本質の隠れ蓑のようになっているようにも思えます。

もちろん、オーナー経営の会社でも立派な会社はたくさんあります。

権八やラボエムなどを展開するグローバルダイニングの社長も会社の株式の過半数を握っていますが、コロナ禍における経営には共感することが多々あります。

投資をする際、経営者の人となりを見ることの大切さを痛感しています。

株主総会会場となったJPタワー・KITTEからの眺望】

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4 まとめ

ファーストブラザーズについて述べてきました。

企業価値は有形の資産と無形の資産の2面があり、PBRを通じて、のれん、企業のブランド力、成長ストーリー、戦略力、社員のモチベーションなどの無形資産の重要性に焦点を当て、社内外の評価の低さを指摘しました。

不動産業のように思いがちですが証券・先物業の会社であり、ファーストブラザーズという社名で経営陣の強固な団結を謳っている一方で社長一人が株式の過半数を握っていたりと不思議の一面もある会社。

高配当優待の魅力もありますが、不思議なところを見つけることに楽しみを見出す方には興味深い会社だと考えます。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#株式 #投資 #株主優待 #株主総会 #ファーストブラザーズ

スターマイカ【2975】〜長期投資家に支えらた会社

初投稿:2021.3.15、更新日:2022.2.25、2023.2.22、2024.3.5

こんにちは!

この記事は、スターマイカ【2975】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・リノベーション業界ナンバーワン

・長期投資家に支えられた会社

なお、2024年2月の株主総会に参加したこと等を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

【目次】

株主総会の会場となったホテルオークラ

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1 スターマイカについて

⑴  会社概要

不動産会社でありリノベーションマンションのリーディングカンパニーです。

売上高488億円、総資産949億円、時価総額178億円の事業規模。

会社の無形資産(のれん、ブランド力)を示すPBRは0.76倍であり昨年よりも低下しています。

企業理念

「”作る”から”活かす”社会を実現します」

セグメント

3つの事業を展開しています。

リノベーション事業

リノベーション事業は、多数の賃貸中の分譲中古マンションを取得し、ポートフォーリオとして賃貸運用しながら、退去したから物件を1室ずつ順次リノベーションして居住物件として販売する事業。

安定的な賃料収入が得られる特徴があります。

インベストメント事業

インベストメント事業は、分譲中古マンション以外の収益不動産について、賃貸又は販売目的で投資運用を行う事業。

市況の変化を受けて、前連結会計年度までに全保有物件の売却を完了していたそうです。

アドバイザリー事業

アドバイザリー事業は、不動産の売買仲介、賃貸管理等の「フィー(手数料)ビジネス」を行う事業。

⑵   株主となったきっかけ

株主となったのは5年以上前です。

テレビ東京の番組を通じて、リノベーション事業ユニークなビジネスモデルに将来性を感じたのが購入したきっかけ。

NISA口座で購入し、価格は買値の倍以上になり分割

このため、一株を売り利益を確定。

残りの一株を恩株としてそのまま特定口座へ移管して保有し続けています。

【第25回株主総会の案内板】

⑶ 2023年11月期の経営分析

当期は増収減益と元気がありませんでした。

収益性

・売上高総利益率:17%

売上高営業利益率:10%

前期よりも収益性はそれぞれ3%程度低下しています。

株価はそのことを素直に反映していると考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):412%

自己資本比率(30%以上が望ましい):30%

短期的には問題ありません。

中・長期的には前期よりも向上して30%を達成している点は評価できると思います。

効率性

・有形固定資産回転率:995

昨年より向上し、極めて高い数値となっています。

ただし、有形固定資産、棚卸資産、売上債権については概ね昨年と同じ水準を保っています。

⑷ 2022年11月期の経営分析

当期については増収・増益となっています。

収益性

・売上高総利益率:20%

売上高営業利益率:13%

前期よりも収益性は高まっています。

一般的に営業利益率が10%を超えると優良株と言われますが、そのレベルに至っています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):719%

自己資本比率(30%以上が望ましい):24%

短期的には問題ありませんが、中・長期的には懸念される数値となっています。

なお、財務ひいては安全性については昨年と同レベルと見なすことができます。

効率性

・有形固定資産回転率:784.7

昨年よりは低下しているものの、高い数値となっています。

有形固定資産については約6,100万円程度しかないためです。

この点については効率的な経営がなされていると考えられます。

⑸ 2021年11月期の経営分析

今期は減収増益

前期は増収減益

収益性

・売上高総利益率:15%

売上高営業利益率:8%

不動産会社としては頑張っていると思います。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):745%

自己資本比率(30%以上が望ましい):25%

短期的には安全性は問題ありません。

ただし、中・長期的には懸念があります。

資本増強のための資金調達の話も招集通知に掲載されていました。

効率性

・有形固定資産回転率:907.77

ちょっと桁違いに良い数値が出ています。

不動産会社なのに有形固定資産が小さいためですが、ビジネスモデルと関係があるように考えます。

ちなみに、流動資産に占める販売表不動産の金額が極めて大きいです。

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2 株主総会

⑴ 2023年2月の株主総会

第26回定時株主総会 2024年2月22日(木) ホテルオークラ

会場が程よく埋まるくらい(数十人)の株主が集っていました。

報告事項の省略が続き、総会開始後7分後から質疑応答が始まっています。

主な質疑応答

Q.IRの活性化が必要ではないか?

A.全般的にIRを見直しており、開示の量は増やした。

IRの拡充についてはリソースを考えつつ検討する。

Q.中期経営計画の動画について

A.コストもかかるので検討していきたい。

Q.PBR1倍割れ対策について(WAC2%はいかがなものか)

A.株価については満足していない。

自己株式の取得等で対応する。

資金調達については、エクイティが6%、デットが1%と考えている。

Q.中期経営計画に数値がないことについて

A.数値ありきという姿勢はとっていない。

Q.IRの現状について

A.機関投資家からの多い質問は?

・含み益の活用法

・PBR1倍割れ対策

・株価が冴えないが問題があるのか?

など。

機関からの”買い”は入っている。

Q.契約期間の短縮について

A.現状は145日(約5ヶ月)だが1〜2ヶ月は短縮可能。

Q.株価が冴えないことについて(機関からの売り)

A.当社株を保有していた海外の機関のファンドマネージャーの交代に伴う大量の売りがあった。

Q.マーケットからスポイルされていることについて

A.株価が冴えないのに凡庸な数値目標しか出していないことについての指摘は承った。

ただし、バブルに踊って退場した会社のようにならないような慎重さも必要。

Q.当社の強みについて

A.リノベーション事業そのものでは大きな差別化は期待できない。

当社の強みはコスト競争力

リノベーションする会社にアウトソースすることはあり得る。

Q.中計で意味するところは成熟(成長を諦めた)ということか?

A.安定的な成長を目指している。

Q.新規事業がないことについて

A.既存事業とかけ離れたことはしない。

Q.勤続年数が長くなることに伴う高齢化の懸念について

A.当社は土日が休みの不動産会社という点が社員から評価されており、そのことが勤続年数の長さに繋がっていると考える。

Q.外国人プレーヤーの影響について

A.埼玉県川口市のように中国人が強いエリアはあるが影響は限定的。

Q.「販売単価の上昇を意識した経営戦略を実行」した結果、増収減益となったことについて

A.価格が上がりやすい物件を仕入れることに注力したという意味である。

会社は

成長→安定→成長

というサイクルを繰り返す者と認識。

当社はリーマンショック時でも黒字を出すとともに、これまでサバイバルしてきたことを見てほしい。

Q.自社株買いについて

A.流動性が低下することは懸念材料

Q.経営説明会をこの場で開催しては?

A.会場の時間の都合で困難。

Q.冴えない株価にも関わらず10年単位の長期株主が多いことは、期待されていることだと思う。自信を持って経営に当たってほしい!

A.ありがとうございます。

決議事項

・取締役1名選任の件

監査役会設置会社である取締役1名選任の件

拍手をもって承認・可決されました。

なお、2号議案で選出された女性取締役は、社長とはコンサル時代からの知人であり、”お飾りでない女性取締役”と紹介していた社長の言葉が印象的でした。

多分、お疲れ気味の社長を精神面で支えることが期待できる方だと感じました。

株主総会雑感

2月は3社の株主総会に足を運びました。

それぞれのざっくりとした印象は下記の通り。

・トーセイ:株価は元気、社長も元気(口が上手い)

エスプール:株価は低迷、社長は元気(社員や株主にも信者が多数)

・スターマイカ:株価は低迷、社長もお疲れ

今回の株主総会の1時間半の間で、社長が説明したのは最初の7分間のみ。

あとは、株主からの質問対する回答タイムがずっと続きました。

相変わらず丁寧に回答していたものの、明らかに疲労困憊のご様子。

最後の株主からの、

”自信を持って経営に取り組んでください。”

が全てを物語っていました。

冴えない株価に”モンク(建設的な提言を含む)”を言いながらも、長期間株を持ち続ける株主の愛に支えられた会社だと感じました。

自分もその中の一人として株主を続けたいと思います。

株主総会会場の1階ロビーにて】

⑵ 2023年2月の株主総会

第25回定時株主総会 2023年2月22日(水) ホテルオークラ

昨年同様、ホテルオークラのお水を頂きました。

社長から中古マンション市場全般についての説明がありました。

具体的には新築マンショの供給不足による中古マンション市場が拡大とのことでした。

さらに、次回から株主総会招集通知等の資料を書面で交付請求する方法についても言及がありました。

社長の説明はいつも丁寧で好感が持てます。

主な質疑応答

Q.株主総会ライブ配信について

A.コスト等の問題もあるが、検討していきたい。

Q.広告宣伝戦略について

A.今までは小さな会社小さなリノベ市場であったが、会社や市場の成長につれて広告の必要性を認識している。

ただし、TVのCMまでは考えていない。

Q.PL(損益計算書)のデリバティブ収益について

A.金利のヘッジ手段として実施している。

金利についてては(ヘッジ可能なものは)7〜8年の固定を中心として一部は変動としている。

ヘッジを通じて儲けることは考えていない。

Q.中古マンションの購入価格帯について

A.従来からの顧客層である3000万円台のマンションに加え、新築マンションの価格高騰に連れてそれ以上の価格帯帯のマンショのも売れている。

ただし、買うことも難しくなってきている。

Q.ホテル事業への進出について

A.様々な新規事業について検討しているが、社員数が200名であることを踏まえ、好調なリノベ事業に注力していきたい。

なお、中古マンションの価格が天井に近い可能性があるので慎重に事業を実施していく。

Q.EVチャージについて

A.駐車場の管理でありリノベとは直接関係ないが、働きかけはしていきたい。

Q.金利上昇について

A.現状は長期固定金利が上昇しているが変動金利も今後は上昇すると見込んでいる。

また、金利上昇局面における駆け込み需要で上半期の売れ行きは好調である。

ただし、下期については売れ行きが下がるの懸念もある。

Q.一棟買いについて

A.現需要のリノベ事業に注力していきたい。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役1名選任の件

・監査等委員である取締役3名選任の件

・補欠の監査等委員である取締役1名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

最後に新役員(女性)の紹介があり散会となっています。

⑶  2021年2月24日(木)オークラプレステージタワー7階 メイプル

場所は昨年の上層階から下層階へ変更になりましたが、相変わらずのプレステージタワーでテンション上がります!

会場入り口でホテルオークラのお水をありがたくいただきました。

そして、会場内は30名程度の方がいらっしゃいました。

質疑応答

Q.株主総会の配信について

A.積極的に検討する。

Q.障害者雇用について

A.バリアフリー商品への意見を反映させる等、知見の活用を図っている。

Q.HPのつくりが上手な新しい会社との競争について

A.ユニークなビジネスモデル、21年間のビジネスの知見などの強みを活かす。

Q.中古マンションの事故物件などを含めたコンプライアンスについて

A.コンプライアンスについては十分気をつけて行く。

なお、これまで赤字になったこともなく、厳しいノルマを課してブラック化せざるを得ない状況になったこともない。

Q.アフターコロナの競争戦略について

A.3000個以上の取扱実績(ボリューム)によるスケールオブエコノミーを活かす。

Q.株価が低いのはIRの努力不足では?

A.IRについては過去に外国人に対して実施して効果があったことが確認されている。

個人のみならず、コロナ収束と共に外国人に対する積極的なIR活動を展開していきたい。

Q.過去10年の会社の成長について

A.東日本大震災の頃から今日の「踊り場戦略」までについて社長から説明

Q.ツクルバとの業務提携について

A.ネットを通じた顧客獲得という点での業務提携。

今後も、ネットとリアルのバランスをとりながら、業務提携を相手を精査しつつ業務提携を積極的に継続していく。

Q.リノベーション物件の売買の意思決定について

A.社長によるトップダウンの意思決定の”読み”が外れること自分自身良く自覚している。

このため、社外取締役(大学教授、官公庁出身者)、現場の営業や財務担当と毎日のようにディスカションして戦略的な意思決定に努めている。

Q.マンションリノベーション事業の規模について

A.リノベーションマンションの市場規模は、全国で約6万個(首都圏で4万個)であり、会社が扱うのは1200〜1500個である。

よって、まだ数パーセントでありこれからの成長余地は膨大と認識(まだまだ、個人間の取引が多い)。

決議事項

取締役選任の件

4回目の拍手を持って承認

なお、株主総会終了時の拍手はありませんでした。

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⑷ 2021年2月の株主総会

2021年2月24日(金) オークラ プレステージタワー41階 エトワール

新しいホテルにテンション上がりました。

素晴らしい会場でした。

総会の進め方も丁寧。 

例えば、株主の承諾を得るための拍手の機会が3回ありました。

これは、出席者とのコミュニケーションを大切にする姿勢ととらえました。

質疑応答

主なものは下記の通り。

Q.新株予約権の行使状況は?

A.行使せず。

Q. 今期の利益率が前期と比べて低下した理由は?

A.コロナ禍の不動産市況を踏まえ保有不動産の換金化を急ぐため値引きして売却したため。

Q.ビジネスモデルは維持されるのか?

A.そのとおり。ビジネスモデルの優位性は変化していない。チューニングをしつつ規模の利益を追求していく。

Q.不動テックについての取り組みは?

A.今後、力を注ぎたい。

Q. 販売価格帯に変化はあるのか?

A.3000~4000万円のボリュームゾーンを中心としつつ、5000~6000万円の良い物件にも対象を増やしていく。

けれども億ションは不況に弱いため手を出さない。

決議事項

・取締役選任の件 3件

でした。

4回目の拍手をもって滞りなく承認されました。

総会終了後、会場のブラインドが開けられて素晴らしい眺望が現れました。

⑸  株主還元

配当

一株配当実績は下記のとおり。

当期は減配です。

配当を出してからずっと増配基調だっただけに残念です。

2023年11月期:20円

2022年11月期:39円

2021年11月期:33円

2020年11月期:32円

2019年11月期:16円

2018年11月期:0円

株主優待

なし(廃止)

株主総会の会場からの眺望】

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3 株主としてのコメント

⑴  株式の保有方針

引き続き、長期で持ち続けたいと考えています。

理由は2つ。

世界の主要な中央銀行が通貨を大量供給しているので、モノの価格は上がります。

その際、モノには債券、株式、不動産、金、暗号資産等があり、不動産会社の株は、不動産と株式の両方の恩恵を得られると考えるのが理由の一つ目。

ただしモノの価格の上昇にはタイムラグがあります。

よって、会社が末永く存続していかなければならいません。

その意味で、慎重な経営をしつつ株主に対する説明責任を丁寧に果たそうとする社長の真摯な態度信頼感を感じたことが2つ目の理由です。

ちなみに、株主優待を廃止し配当による株主還元に力を注ぐとのこと。

会社の決断を理解するとともに、これまで毎年クオカードを頂いたことに感謝します。

⑵ 気になったこと

資金調達

株主総会招集通知の「対処すべき課題」の中で財務基盤の強化が挙げられていました。

その中で「多様な調達手法の模索を行う必要があると考えております。」との気になる記述を発見。

自己資本比率が小さいので公募増資などもあるかもしれません。

短期的な株価の乱高下は覚悟したいと思います。

DXへの取り組み

DXに取り組む方向性は良いと思います。

そのためのツクルバとの業務提携と認識しています。

ただし、せっかくリノベマンション事業についての多くの一次データを自社で活かせないのはもったいない気がします。

将来的には、ITに強い社員の育成・役員の選任、あるいはIT企業のM&Aも視野に入れてみても良いのではないかと気になりました。

【廃止された株主優待

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4 まとめ

スターマイカについて述べてきました。

リノベマンション業界のリーディングカンパニー、ユニークなビジネスモデル、株主総会における社長の丁寧な対応、そしてSDGsの追い風など心強い点が多くあります。

そして株チューバーにあまり取り上げられていないことも安心です。

このまま静かな環境下で株主を続けていきたいと願っています。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#株式 #投資 #資産運用 #株主総会 #スターマイカ #リノベーション

確定申告雑感

初投稿:2021.3.13、更新日:2023.3.20

こんにちは!

この記事は、毎年実施している確定申告についての気づきをまとめたものです。

なお、2023年3月に確定申告した時のことを追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

【目次】

【京橋税務署に相談へ】

1 はじめに

確定申告をした方がいい人がいます。

それは、年末調整が無かった人です。

払い過ぎた税金を還付金として取り戻すことが出来ます。

今回は、定年退職した自分の確定申告(e-Taxについての話です。

確定申告については以下の流れで実施しました。

 

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2 資料収集

旧職場から頂いたものは、

・『給与所得の源泉徴収票

・『退職所得の源泉徴収票・特別徴収票』

の2つです。

ここで、納めた社会保険や税金の額は分かります。

次に収集したのは各種の控除証明書

・『小規模企業共済掛金払込証明書』→iDeCoを利用した掛金です。

・『任意継続掛金額』→退職とともに任意継続した健康保険の納付金です。

・『生命保険料控除証明書』→生命保険と個人年金保険の2種類の保険料です。

ふるさと納税については、一覧を用意していました。

自治体名、寄付年月日、寄付金額

の3つが分かれば、申告できます。

最後に、先物(くりっく株365)や株式投資をしていましたので、そちらについても

・『年間損益計算書

・『特定口座年間取引報告書』

・『上場株式配当等の支払通知書』

を収集しました。

証券会社によって郵送してくれるところがありますが、そうでないところは電子証明書を通じて印刷しています。

3 資料整理

上記の収集した資料はA4ファイルに整理して見える化しました。

また、株式等については、課税対象を意識して

先物の譲渡損益、株式の譲渡損益、配当益、(投資信託ETF)分配金ごと整理してエクセルで管理しました。

ちなみに、配当金や分配金については米国株もありますので、結構、1年分整理することで得られる気づきも少なくありませんでした。

また、NISA口座については、課税対象外ということであらためてその恩恵を実感しました。

さらに、ここで整理した資料は、ライフプランにおけるキャッシュフローに反映することを考えています。

そうすることで、1年ごとの株式や配当等による収入(損失)をレビューし、資産運用の利回り向上に役立つと考えます。

4 web申告

いよいよ申告です。

申告には会場に行く方法とネットで行うやり方があります。

コロナ禍でありかつ、毎年ネットで申告していたため今回も迷わずネットで実施。

ネットの場合、パソコンのみならずスマホでもできるようです。

スマホにも興味がありましたが、やり慣れたパソコンを選びました。

そして、ネット上で本人確認する方法としては、

マイナンバーカード方式

・ID・パスワード方式

の2種類があります。

コロナ給付金を頂く際にマイナンバーで使えるようにしましたが、それ以前は税務署に赴いて発行して頂いたID(利用者識別番号)パスワード(暗証番号)がパソコンに記憶されていましたのでそちらを利用しました。

また、過去に申告した際のデータを利用することが出来ますので、『確定申告』というフォルダを作って、株式売買に関するエクセルデータや電子証明書とともに保存しておくと後で役に立ちます。

5 分からないときには

やってもて、分からないことも当然出てきます。

その際は、YouTubeを見たり、書籍や雑誌を参考にしました。

また、旧職場の給与担当に電話して、

「○○金について源泉徴収されていないけど、どうして?」

などと聞いたりもしました。

調べられるだけ調べても、腹落ちしない部分がどうしても残ります。

・何か抜けているものはないか?

・選択を誤っていないだろうか?

などです。

株式については総合課税方式申告分離課税方式の両方の算出結果を出してみて、申告分離課税方式の方が還付金が多いことを確認。

住宅財形の解約返戻金を一時金として申告すると還付金が大幅に減ることを知りました。

けれどの、ふるさと納税については損益分岐点が理論上も現実にもあるように考えていたのですが、一桁誤って入力した際に、還付金が上昇したことから、

「自分が思っていた金額よりも損益分岐点が以外にも高かったのかもしれない」

など、いろいろと考えさせられました。

6 青色申告

今回はそれまでと違って、FPとしての青色申告という初めての体験が加わりました。

限りなく収入はゼロに近いのですが、経費を自分なりに考えて計上し、損益計算書貸借対照表について計算し提出しました。

簿記を勉強した知識が役に立ちました。

65万円の控除枠や経費はほとんど影響しませんでしたが、一応、税務署の方に聞かれた場合の説明(論理構築)はそれなりに悩みながら準備しています。

けれども、それ以前に個人事業主としてもっと収益を上げるように努力することが先決ですね。

7 確定申告を通じて学んだこと

確定申告を通じていろいろと良い経験をさせてもらいました。

列挙すると

・税金に対する理解

e-Taxアプリの習熟

・還付金の入手

・度胸づけ

職場で年末調整してもらっていた時では気づかなかった税金に関するいろいろなことを学ぶことが出来ました。

そして、改めて給与所得者の社会保険を含む納税額の多さに驚いています(自分の場合25%程度)。

一方、e-Taxのアプリは良くできていて、株式の譲渡損益を総合課税と申告分離課税のどちらが有利かが簡単に判断できます。

便利です。

そして、アプリに習熟することで、確定申告についての”しきい値”を多少なりとも下げることが出来たと思います。

また、還付金が意外と多いことに驚きました。

その原因は給与所得から源泉を受ける際に、基礎控除配偶者控除など全くされていなかったからです。

ある意味、恐ろしいことです。

いろいろ調べたり試しても分からないことが若干残りました。

それでも、時間は有限です。

最後は腹をくくって、クリック。

スッキリしました。

以上が、自分の確定申告の大まかな流れです。

寿退社される方など、確定申告することをお勧めします。

【京橋税務署内の電話相談のコーナー】

8 2023年3月の確定申告の気づき

今回の確定申告は必須でした。

というのも、前職場から一時金が支給されていたからです(源泉徴収なし)。

その際、担当者からは

「納税のため、1割(10%)ぐらいのお金は残しておいて下さい。」

と言われていましたが、実際に確定申告した際は2%以下ですみました。

積算式は下記の通りです(一時金の金額は多めに盛っています)。

・所得金額(一時金):約1000万円
・課税所得金額:(約1000万円−500000)/2=475万円
・控除:基礎控除配偶者控除社会保険料控除、生命保険控、iDeCo控除、ふるさと納税など合計:200万円
・控除後:275万円
所得税率:10%で27万5千円 
・控除額:97500円
→約18万円
ここでのポイントは控除が多かったので職員の見積ほどは納税せずに済んだ。
特に、iDeCoで80万円以上控除されたのは大きかったです。
これがあるとないとでは8万円も違います。
なお、上記の計算式は京橋税務署にて電話相談して教えていただいたものです。
気づきとしては、
・何が控除可能かを平素から把握しておく
・税務署の相談は(当たり外れがあるかもしれないが)役に立つ
の2つです。
まだまだ、甘い、浅い確定申告ですが継続的に改善を実施し、税金との上手な付き合い、そして金融リテラシー等の向上に努めていきたいと思います。
 

お読みいただき、ありがとうございました。