初投稿:2023.6.1
こんにちは!
この記事は、バリオセキュア【4494】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・底打ちはいつか?
・戦略からビジョンへ
【目次】
【株主総会会場のカンダスクエア】
1 バリオセキュアについて
⑴ 会社概要
ネットセキュリティサービスの会社です。
東証スタンダードに上場中。
売上高26億円、総資産61億円、時価総額38億円という事業規模。
PBRは0.72倍と厳しい評価。
四季報ではSI・ソフトウエア開発の業種に区分され、177/260社という順位。
【堅調】、【採用】という積極的な見出しが掲載されていますが、株価は右肩下がりの長期トレンドを形成中です。
ミッション
「インターネットを利用するすべての企業が安心で快適にビジネスを遂行できるよう、日本そして世界へ全力でサーブスを提供する。」
セグメント
インターネットセキュリティサービス事業を実施しており、下記の2つに区分されます。
正直、内容の理解が少し難しく感じます。
⚫️マネージドセキュリティサービス
・当社独自の専用機器VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービス
・データのバックアップサービス
⚫️インテグレーションサービス
・中小企業向け統合セキュリティ機器(UTM)であるVCRの販売
・ネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレーションサービス
⑵ 株主になったきっかけ
親会社のHEROZの株主総会において当社が良い会社だから出資している出資と、株主総会で説明がありました。
それが当社を知ったきっかけです。
しばらく様子を見ていて、配当も高いことから株主となりました。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:52%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):12%
収益性は良いと考えます。
親会社のHEROZよりも高い数値となっています。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):264%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):46%
安全性についても、短期的、中・長期的に問題はなさそうです。
堅実な財務状況と考えます。
効率性
・有形固定資産回転率:28.12
有形固定資産の勘定科目は「建物付属設備」、「工具、器具及び備品」、「建設仮勘定」となっています。
合計金額は大きくないため、回転率も標準的な値となっていると考えます。
建設仮勘定があることから建設中のものの存在が推測されますが、額が小さいので大規模な投資というレベルではなさそうです。
【株主総会の案内板】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第8期定時株主総会 2023年5月25日(木) 神田スクエア3 CONFERENCE
20分で総会が終了した後、20分の休憩を経て1時間の事業説明会がありました。
事業説明会では技術動向や営業戦略について勉強になりました。
主な質疑応答
【株主総会】
Q.今後の配当政策について
A.当社の得意としてきた境界型防御については今後の成長は困難と認識。
そのため、大きな成長が見込める分野への投資を優先したい。
よって、現中期経営計画中は無配とする。
Q.HEROZとの資本業務提携の効果について
A.オペレーションの中にHEROZのAIを活かして業務の効率化を実施、他者との差別化が期待できる。
【事業説明会】
Q.無配になって株の持株の売却を考えたが、事業説明を聞いてこれからも当社に期待する
A.ご期待に添えるよう頑張ります。
Q.PBR1倍未満解消について
A.中期経営計画の着実な実施を通じて解消に努める。
Q.エンドユーザーについて
A.従業員1000名未満の会社におけるシェアは1位という調査結果もある。
名前は出せなが大企業においても顧客が存在する。
決議事項
・剰余金処分の件
・取締役8名選任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
なお、取締役八名のうち2名は親会社のHEROZの役員です。
⑵ 株主還元
配当
2023年3月期:40円
今後は中期系計画中は無配
株主優待
なし
自社株買い
なし
【会場でいただいた事業説明会資料】
3 株主としてのコメント
株主総会に参加し、地味で目立たない反面、収益性も高く真面目に経営がなされてきたような印象を持ちました。
さらに、株主総会終了後の事業説明会が開催されており、株主へ積極的な説明責任を果たそうとする姿勢も好感が持てました。
特に、ゼロトラストという考え方・・・壁の中、壁、壁の外を問わず守っていくという概念は勉強になりました。
一方で、高配当だったのがいきなり無配になったのには、びっくりしました。
下落基調だった株価に加速がついてしまいました。
社長は無配とした理由は、
「成長投資のため」
としています。
けれども、親会社のHEROZの意向だと考えます。
そのように考える根拠は、2022年のHEROZの株主総会に参加した際、当社の無配について
「配当すべきだ!」
という株主からの提案に対して否定的な回答をしていたからです。
バリオにとってHEROZの子会社化されたことの意味について考えてしまいました。
ドコモや新生銀行の場合は、それぞれNTTやSBI HDから、より効率的かつスピード感のある経営をするために子会社化のみならず、株式を買い増しされて上場廃止(という流れ)だったと考えます。
完全子会社化は、そうしないと意思決定に時間を要するからです。
けれども、配当政策ひとつとっても、あっさりと親会社の意向が通ってしまうのなら、調整に手間取ることもなく、株式は買い増しする必要もありません。
よって、親会社による買い増しによる株価上昇の可能性は低いと考えます。
そのような状態で、親会社の影響を受続けながらの上場企業としての魅力は何か?
グループ化の成否は、両者のカルチャーや方向性、従業員の受け止め方などさまざまな要因による化学反応に依存すると思います。
子会社化の効果の兆候は1年以内には現れるのではないかと推測しています。
株価の底打ちもそこにかかっていように感じています。
あと、戦略については、境界型防御からゼロトラストへとい説明は説得力がありよかったです。
その一方で、ビジョンについては物足りなさを感じました。
下記の書籍でも明らかなように、比較的小さな会社が大きく成長するためにはビジョンの良さは不可欠。
来年の総会での見直し後のビジョンが語られることを期待します。
【会場でいただいた水】
4 まとめ
バリオセキュアについて述べてきました。
タイミングが悪く高配当の魅力が無くなって株価は下降トレンド。
それでも、株主総会や事業説明会で将来の収益性向上を見据えての成長投資をするとのこと。
株式を長く持つ余裕がある株主にとっては、今後の成長まで待つのもアリと感じました。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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