初投稿:2021.12.10、更新日:2022.12.1
こんにちは!
この記事は、NPC【6255】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2022年11月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・トップラインの乱高下について
・成長戦略&重要顧客(ファーストソーラ社等)への期待
【目次】
【株主総会の会場となったアートホテル日暮里ラングウッド】
1 NPCについて
⑴ 会社概要
太陽電池業界で、太陽電池製造装置メーカーとして世界的な存在です。
また、植物工場ビジネスなど新規事業にも積極的に取り組んでいます。
売上高約43億円、総資産122億円、時価総額127億円の事業規模。
PBRは1.74倍とちょっと苦戦気味です。
企業方針
ホームページを見ると
「我々は、ものづくりを通して、自然と社会と人間に必要とされる企業を目指します。」
とあります。
セグメント
セグメントは装置関連事業と環境関連事業の2つです。
●装置関連事業
・太陽光製造装置
・FA装置
●環境関連事業
・太陽光発電所の検査サービス
・太陽光パネルの解体装置
・植物工場ビジネス
⑵ 株主になったきっかけ
8月決算企業で、環境関連の強みを意識して特定口座で購入しました。
けれども、株価は低迷を続けています。
⑶ 2022年8月期の経営分析
今期も減収減益です。
収益性
●売上高総利益率:35%
●売上高営業利益率:14%
規模は大きくはありませんが、収益性は比較的高いと考えます。
昨年とほぼ同レベルです。
製品保証引当金の取り崩しにより利益率が高くなったと報告がなされていました。
安全性
●流動比率(200%以上が望ましい):170%
●自己資本比率(30%以上が望ましい):58%
数値的には短期的にも中・長期的にもあまり懸念しなくても良いレベルです。
ただし、昨年に比べれ大きく悪化していることには注意が必要と考えます。
効率性
●有形固定資産回転率:1.28
経営の効率性については昨年同様、芳しくありません。
ちなみに、有形固定資産の内訳は「建物及び構築物」、「土地」、「機械及び装置」、「その他」となっています。
⑷ 2021年8月期の経営分析
2021年8月期は減収減益です。
原因の一部に顧客都合によるスケジュール変更が挙げられていました。
売上高が52億円の会社なので、一部の契約の”期ずれ”が全体に及ぼす影響が大きいと考えます。
収益性
・売上高総利益率:32%
・売上高営業利益率:13%
収益性は高いことが分かります。
”招集通知”においても原価低減により利益率が向上したとあり、企業努力の現れです。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):351%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):83%
短期的にも、中・長期的にも安全性は高いと言えます。
財務的に盤石と考えます。
効率性
・有効固定資産回転率:1.42
土地や建物の価格に比べて売り上げは少な目で、資金の効率性は高いとは言えません。
工場スペースのレンタルが苦戦しているのでしょうか?
経営の中で効率性に関しては課題が大きいと考えます。
【ホテルの案内板】
2 株主総会等
⑴ 2022年11月の株主総会
第30期定時株主総会 2022年11月29日(火) アートホテル日暮里
飛翔の間という立派なホテルの一室で総会が実施されました。
30名前後の株主が集っていたと思います。
社長から今期の事業報告と中期経営計画及び目標数値等についての説明がありました。
主な質疑応答
Q.鶏糞による肥料化ビジネスについて
A.3年ほど継続しており、メタンガスの抽出等まだ途上段階であるが、肥料を輸入に頼る日本にとってもビジネスを継続する意義があると考える。
Q.植物工場ビジネスの減損処理について
A.以前に実施した際はランニングコストの点で継続できなかった。
今回は他社の協力を得ながら実施している。
販売については厳しい状況もあるが、成功していると認識。
B to Bの当社にとって、知名度アップを狙ったものであり、継続的な改善に努める。
Q.売上高について(過去約70億、今回40億、今後90億の予定)
A.今回の減収は、重要顧客であるファーストソーラ社からの新規案件がなかったことが原因でである。
来期以降の、中期経営計画の売上高数値目標についてはファーストソーラ社の米国やインドでの事業がすでに進捗していることを踏まえたものである。
なお、今回のような急な減収にならないようにさらに大口の顧客を得るべく国内、欧州、豪州を視野に営業活動を強化していく。
決議事項
●剰余金処分の件
●定款一部変更の件
●取締役5名選任の件
●監査役2名選任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
株主総会雑感
理由については、ファースト・ソーラ社の745億円の太陽光パネル関連ビジネスへの投資や、顧客の中にテスラがあったためなどと報じらてています。
業績のみならず、株価も最重要顧客が大きく左右することがNPCの特徴かもしれません。
改めて、持株会社が誰を相手にビジネスをしているのかについて把握することの重要性を認識しました。
⑵ 2021年11月の株主総会
競合により参加できず。
⑶ 株主還元
配当
一株配当実績は下記のとおりです。
・2022年8月期:2.0円
・2021年8月期:2.5円
・2020年8月期:3.5円
・2019年8月期:3.5円
・2018年8月期:2.0円
2018年から配当があり増配傾向でしたが、2期連続の減配です。
減収減益なのでやむを得ないと思います。
株主優待
なし
自己株式の取得
2021年10月に45万株の自己株式の取得を実施しています。
【東京ゲートブリッジと太陽】
3 株主としてのコメント
⑴ 株価低迷の直接的原因
減収減益なので株価低迷は仕方ないと思います。
また、株価はPER(株価収益率(評価))×EPS(一株当たりの利益(実力))で決まります。
NPCのEPSの推移は
2018年8月期:18.62円
2019年8月期:30.87円
2020年8月期:34.10円
2021年8月期:18.76円
となっています。
会社の評価が一定とするならば、稼ぐ力であるEPSが落ちているので株価が低迷するのは必然と考えられます。
⑵ 株価低迷の間接的原因
顧客都合によるスケジュールの変更はどの企業にも起こりうることです。
問題はその影響が全体に与える影響の大きさだと考えます。
契約が多く売り上げが大きければ、”期ずれ”の影響の局限に有利になります。
現在のNPCの時価総額は140憶程度、総資産は約88憶円です。
その意味で、
・売上高が50億程度で時価総額や総資産に比べて小さい
・従業員が150名程度でかつ人員増強が図られていない
という点を考えると成長戦略が分かりずらいことが株価低迷の背景にあると考えます。
世界のESG投資が35兆ドルという規模であることや太陽光パネルの世界的な企業であることを考えるならば、M&Aや資本業務提携等で成長を加速していくことも有効だと考えます。
今後の経営陣の知恵を絞り練りに練った成長戦略のIRに期待します。
【ホテル内の様子】
4 まとめ
NPCについて述べてきました。
環境関連銘柄として有望であり、会社も自社株買いやワンストップの強みを活かした本業や新規事業等に注力しているにもかかわらず株価は低迷しています。
事業規模が小さく業績のブレが大きいことを指摘したうえで、今後の成長ストーリーを分かりやすく投資家や市場に周知することの必要性に言及しました。
併せて、新たな顧客を開拓することの重要性についても社長からの説明がありました。
株主として末永く会社の成長をモニターしていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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