こんにちは!
この記事は、イー・ギャランティ(8771)に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。
・信用リスク受託サービスとは
・株主と経営陣のコミュニケーション
【目次】
【株主総会の会場となったエクセルホテル東急】
1 イー・ギャランティについて
⑴ 会社概要
「信用リスク受託のイー・ギャランティ」とネット上では紹介されています。
企業の売掛債権保障で急成長する会社です。
■強み
・高額なリスク引き受け
・低い料率設定
・柔軟な商品設計
■セグメント
・事業法人向け保証サービス(97.5%)
売掛債権を主とした売買契約や請負契約等、事業会社間に生じる商取引上の債券未回収リスクを受託するサービス
・金融法人向け保証サービス(2.5%)
金融機関等の保有する各種再建における信用リスクを受託するサービス
⑵ 株主になったきっかけ
数年前にマネー雑誌の推奨を読んでNISA口座で購入。
数年放置状態でしたが、改めて調べてみると良い会社であることが理解できてきました。
⑶ 経営分析
■収益性
・売上高総利益率:75%
・売上高営業利益率:43%
高収益なビジネスモデルです。
■安全性
・流動比率:324%
・負債比率:31%
・自己資本比率:76%
財務も盤石です。
■効率性
・売上債権回転率:109.95
債券回収までの期間が短く、資金の効率性が極めて高いと言えます。
さすが、売掛債権を保証する会社です。
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第21回定時株主総会 2021年6月28日(月) 渋谷エクセルホテル東急
40代ですが貫禄のある社長のあいさつで始まりました。
19期連続の増収増益達成等の事業報告がありました。
■対処すべき課題
リスクを回避したい企業からの信用リスクを受託し、信用リスクを引き受けて利益を得たい金融機関等に対して流動化(リスク移転)によって投資機会を提供するマーケットメイク機能の強化が必要。
このため具体的に以下8つの課題に取り組むとのことです。
①信用リスク受託規模拡大のための既存提携先との関係強化及び販売網拡充
②企業の信用情報データベースを活用した事業展開に関する取組み強化
③金融法人及びフィンテクを活用した金融さび酢を提供する企業に向けた保証サービスの強化
④契約更改率の維持向上
⑤審査情報データベースの拡充による審査力強化
⑥流動化手法の多様化
⑦リスク受託プロセスの高度化
⑧信用リスク受託規模を見据えたWebの活用による各種契約事務の省力化及びバックオフィス業務のスリム化
■主な質疑応答
Q.フィンテック企業の台頭によりデータ取得の先行性が失われるのではないか?
A.当社は年間、2500~3000社の審査を2%のコストで実施。他社は6%を超える高いリスクを中心にビジネスを展開しており顧客対象が異なる。
Q.流動負債の前受け金が巨額なのは?
A.1年分の保証料を先に頂くため。
Q.ユニークなビジネスモデルだが差別化は?
A.商社系で生き残ったのは(伊藤忠系)当社のみ。
Q.業界の規模とその中での目指すシェアについて教えてほしい。
A.売掛債権については約200兆円の規模でありそれに対して10%程度の保障の需要(20兆円)があると考える。その中で7割程度のシェア確保(10~15兆円)を目指す。
Q.会社四季報には同業他社としてラクーンHDが掲げられているが?
A.ラクーンHDさんとはビジネスモデルが異なるため同業とは考えていない。むしろ銀行系が同業。
Q.株主の情報格差を解消するために株主総会のライブ中継を検討しては?
A.検討する。
Q.ITに力を注ぐということだが取締役レベルを含め人材の確保は如何に?
A.取締レベルについてはスキルマップを含めて検討する。子会社でシステム開発を実施してきた実績、大株主にNTTデータがいることなどの強みを生かす。
Q.配当性向を挙げるよりは成長投資に力をそいだ方がいいのでは?
A.実質無借金経営であることを踏まえ、総合的に検討する。
Q.中期経営計画を出すのはいつか?
A.検討中であるが、売り上げは上下しても利益は確保できるよう努める。
Q.営業を増やすに際しての具体的人数は?
A.60名を90名にする。
■決議事項
・剰余金処分の件
・取締役選任の件
・取締役の報酬等の額改定の件
については滞りなく承認されました。
⑵ 株主還元
■配当
一株当たり22円
配当性向は48.8%
■株主優待
3月末の100株以上の株主に対してクオカード1500円分
写真の通りです。
3 株主としてのコメント
総会を終了後、非常に有意義な時間を過ごせたと感じました。
それは、社長の丁寧な説明や回答を通じて会社のことや金融のことを広く深く知ることが出来たからです。
同時に、金融や数字に強い株主の方が多く的確な質問をされている姿にも大いに感化されました。
このイー・ギャランティのように、株主と経営陣の間の丁寧なコミュニケーションが行われる総会がより多く増えることを望みます。
また、会社は今後IT分野にも力を入れるとのこと。
一般的には、業者に丸投げした新規導入システムは9割がたうまくいかないと言われています。
技術サイドに運用上のニーズを正しく伝えることが肝要。
株主との上手なコミュニケーションと同様、ITシステム導入側に対しても上手なコミュニケーションを通じて実用なシステムを導入し、飛躍的な発展をされることを祈念しています。
おつきあいいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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