初投稿:2021.8.19、更新日:2021.12.31、2022.7.
こんにちは!
この記事は、ビジョナリーHD【9623】に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。
・止まらない株価の下落と経営責任
・株主優待目当てで株主となりメガネを購入
なお、株主総会の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
【目次】
1 ビジョナリーHDについて
⑴ 会社概要
メガネスーパーを展開する大手眼鏡小売りチェーンの持株会社です。
仕入れ先にはジョンソンエンドジョンソンの名前があります。
総資産170億円、売上高260億円、55億円の事業規模。
PBRは1.56の評価です。
Mission
「アイケア」を極めれば、五感マーケットが見えて来る。
Value
・POSITIVE(ポジティブ)
・SPEED(スピード)
・ZEROBASE(ゼロベース)
・CUSTOMER
・PROFIT
セグメント(売上高構成比)
・小売事業(93.9%)
・卸売事業(3.3%)
・EC事業(2.8%)
・その他事業(0.0%)
⑵ 株主になったきっかけ
4月が決算期であり、株主優待が魅力でしたので購入しました。
株価も手ごろでしたが、現在含み損が増え続けています。
まず、子供のメガネを有体を通じて購入しました。
それはそれで良かったと思います。
ただし、残念ながら優待の改悪もありそれ以上買いたいとは思いません。
⑶ 2022年4月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:61%
・売上高営業利益率 営業赤字
収益性は悪いです。
更に前期よりも悪化しています。
粗利率がそれ程悪くないので、販管費を賄うだけの売上が立っていないことに問題がありそうです。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):132%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):26%
短期的にはともかく、中・長期的には安心できない水準です。
止まらない株価下落も安全性の問題を織り込んでいるのかもしれません。
効率性
・棚卸資産回転率:7.73
前期よりは数値が良くなっています。
ただし、小売業の平均が13.68です。
効率性について業界平均にも遠く及ばない経営です。
⑷ 2021年4月期の経営分析
前期は赤字でしたが、今期は黒字です。
収益性
・売上高営業利益率は1%
雇用調整助成金が通期で約6億円超計上されています。
会社の経営指標KPIとして重視するEBITDAが12億円超(前年同期比46.8%増)と事業報告には記載されています。
ただ、その意味するところは満足のいく収益性ではなく、社長もそのように答えていました。
安全性
・流動比率:141%
・負債比率:252%
・自己資本比率:28%
財務的にはちょっと厳しい数値となってます。
効率性
・棚卸資産回転率:6.74
コロナ禍のため商品の売り上げも芳しくないようです。
特別価格でレンズやフレームを何度でも交換できるメガネのサブスクリプションプラン「メガスク」など、多様かつ画期的なサービス提供に期待します。
2 株主総会等
⑴ 2022年7月の株主総会
第5期定時株主総会 2022年7月28日(木) 東京証券会館
ライフ配信を視聴しました。
主な質疑応答
Q.定款変更(事業の多角化)について
A.今すぐに新規事業に取り掛かるというわけではなく、将来のことを考えての措置。
Q.株価を90%下落させ、株主価値を毀損したことについて
A.約10年間、商品の付加価値向上を目指してきた。
会社を強くするしていきたい。
Q.詐欺被害にあったことについての責任者の報酬減額について
A.詐欺被害となったのはM&Aの未統合が原因で、最初はあり得ない。
報酬の減額は考えていない。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役8名選任の件
・監査等委員である取締役3名選任の件
拍手を持って承認・可決されました。
なお、1時間の予定でしたが質問も2名ということで45分程度で終了しています。
株主総会雑感
企業価値を10分の1に毀損させた社長の経営は適切ではなかったと考えます。
問題は、会社の凋落の原因を特定せず、それを放置していること。
PDCAが回っていません。
経営者に対する目利き力を高めるには良い機会と思っています。
⑵ 2021年7月の株主総会
第4期定時株主総会 2021年7月29日(木) 東京証券会館
ライブ中継されていましたが、会場参加しました。
議決権交付書を受付に提出した際、議案に賛成か否かを記入するように言われました。
はじめての経験です。
「社長の説明を聞いたうえで、賛成か反対かを表明したいのでここでは記入できない」というと、横の男性から「そのままで問題ない」とのフォローがありました。
社長からは事業報告がなされました。
エムスリー株式会社と健康をキーワードとしたユニークなビジネスモデルを構築していくとのこと。
質疑応答
Q.配当政策について
A.社内では時期尚早という意見もあったが、株主に報いる考えを優先した。
Q.b.g.(眼鏡型ウエアラブル端末)についての今後の取り組みは?
A.発売後、数年経過。目に負担がかからない良さを活かしていく。
Q.収益性の低さについての認識は?
A.もちろん満足し営内。現在は将来に対する投資も同時に行っている。それは、過去、目先の利益を負ったために将来そのつけを払わされた経験に基づいている。直近と将来を見据えあ多面的な戦いをしている。ご指導をお願いします。
⑵ 株主還元
配当
1円配当です。
おそらく大株主となったエムスリー社との関係を考慮したものと考えます。
なかなかお目にかかれない価格です。
株主優待
4月末日と10月末日の株主に対して、 割引券が株数と継続保有期間に応じてもらえます。
3 株主としてのコメント
⑴ 株主優待を使って眼鏡を購入
最寄りのメガネスーパーへ行き、優待が使えるかどうか聞いてみました。
優待の活用法について親身になって教えていただきました。
接客も全般に丁寧でしたので、子供の眼鏡を購入することにしました。
1時間以上をかけてしっかりと事前検査。
値段は全部で6万円ほどしましたが、株主優待で2万円ちょっと割引が効きました。
それまでの眼鏡との違いは近くも遠くも見やすくなったこと。
そして疲れにくくなったこと。
この2点だそうです。
眼鏡の値段はピンキリですが、目に与える負担の少なさと価格は比例関係にあるかもしれませんね。
【近所のメガネスーパーで購入した眼鏡】
⑵ エムスリー株式会社との資本業務提携
ビジョナリーHDは、2019年12月13日付をもってエムスリー株式会社と資本業務提携を締結しています。
その際に、株価は一時的に急騰していますが、その後下落トレンド入りしています。
話はそれますが、2020年11月10日に持株でもあるメディカルデータビジョンという会社がSBIと資本業務提携を締結した際も、同じような急騰後下落トレンドとなっています。
医療に関係する会社が異業種の大企業と資本業務提携を締結すると同じようなチャートパターンになるのでしょうか?
4 まとめ
ビジョナリーHDについて述べてきました。
これほど一方的に株価の下落が続き、復活の兆しが見えない株も珍しいです。
株主の指摘の通り社長の経営力、責任感にも原因があると考えますが、それ以外にも根深い問題を抱えているかもしれません。
経営者の真摯な資質の必要性を痛感した株主総会でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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