初投稿:2021.8.20、更新日:2021.12.24、2023.9.12
こんにちは!
この記事は、三菱UFJファイナンシャル・グループ【8306】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2023年6月の株主総会のアーカイブ配信のコメントを追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・ずっと慣れ親しんできた銀行
・「挑戦と変革」への取組
【目次】
1 三菱UFJファイナンシャル・グループについて
⑴ 会社概要
企業理念等 (MUFG Way)
・存在意義
世界が進むチカラになる。
・共有すべき価値観
「信頼・信用」
「プロフェッショナリズムとチームワーク」
「成長と挑戦」
・中期的に目指す姿
世界に選ばれる、信頼のグローバル金融グループ
株主総会での社長からの説明でも、フィンテックの台頭に危機感を抱き、変革していこうとする方向性が強調されていました。
セグメント(営業純益構成比)
・法人・リテール(18%):国内の中小企業・個人
・コーポレートバンキング(17%)国内の大企業
・グローバルCIB(コーポレート&インベストメント・バンキング)(11%):海外大企業
・グローバルコマーシャルバンキング(20%):海外の中小企業・個人
・受託財産(6%):資産運用、資産管理、コンサルティング
・市場(28%):債券・為替・株式のセールス&トレーディング
6つのセグメントがバランスよく成立しているようです。
市場がいちばんの稼ぎ頭だとは初めて知りました。
優秀なトレーダーを多く抱えていると考えます。
⑵ 株主になったきっかけ
少なくとも10年以上前から株主だったように思います。
日本武道館で株主総会が実施されていた時は、お土産を頂けたと記憶しています。
利用者として主にネットバンキングでお世話になっています。
ある意味、空気のように利用出来て当たり前の存在ですが、激変する環境下で「変革と挑戦」に取り組む姿にも注目しています。
⑶ 2023年3月期の経営分析
収益性
・売上高経常利益率:11%
会社はROEの目標について
・23年度:7.5%
・中長期:9〜10%
を経営指標としています。
前期は達成したものの、今期は未達。
売上高計上利益率も同様に低下しています。
けれども、デフレ時代からインフレ時代への変化を追い風に株価は上昇基調。
収益性についても回復を期待しています。
また、減収といっても当期純利益が3期連続で1兆円を超えているのは評価に値すると考えます。
安全性
・自己資本比率(30%以上が望ましい):5%
当社は
・普通株式等Tier1比率9.5〜10%
を目標に掲げており、連結で12.04%を達成しています。
その意味で、安全性については問題ないと考えます。
なお、普通株式Tier1とは最も損失吸収力の高い株式(普通株式、内部留保等)を意味します。
効率性
・有形固定資産回転率:7.51
前々期よりも向上しており、固定資産については比較的効率的な経営がなされていると推察します。
⑷ 2021年3月期の経営分析
収益性
・売上高経常利益率:17%
売上が約6兆円で、純利益が7700億円と非常に収益性が高いことが伺えます。
安全性
当行の財務面では
・ROE(株主資本利益率):7.5%
・普通株式等Tier1比率:9.5~10.0%
を指標としています。
ROEは未達であったようですが、十分な資本水準と健全性を維持しているようです。
ちなみに、自己資本比率は5%程度です。
効率性
・有形固定資産回転率:4.65
丸の内の本社もちょっと古さを感じますが、土地・建物については比較的有効活用が図られているように考えます。
【4年前の株主総会@武道館の様子】
2 株主総会等
⑴ 2023年6月の株主総会
第18期2023年6月29日(水) グランドプリンスホテル新高輪新高輪「飛天」
参加できなかったため、後ほどアーカイブ配信を視聴しました。
当日の質疑応答はカットされていましたが、議事録として参照できました。
ポイントは下記の通り。
・業績は増収・減益
・ただし、当期純利益は2期連続で1兆円越え
・財務目標はROE7.5%
・戦略の3本柱は「企業変革」、「成長戦略」、「構造改革」
・増配4円(2022年度)、増配予想9円(2023年度)
特に、企業変革において単に仕組みを変えるだけでなく、若手社員を中心に組織文化(カルチャー)レベルにおいても変革に挑んでいる点は評価できると感じました。
決議事項
・剰余金処分の件
・取締役15名選任の件
・株主提案(4件)
会社の提案が承認・可決されたようです。
株主総会雑感
社長のプレゼンの下記の最後の言葉が印象的でした。
・現在の世界は分断・格差が進む一方で、SNS等でつながりやすい時代でもある。
・矛盾しているようだが、金融はつながる力の中でも最もチカラのあるものである。
・その強みを活かして、『世界が進むチカラになる』を実現していく。
という趣旨でした。
説得力があるとともに、会社のパーパスを報告事項の中に上手に入れていると感心しました。
また、10年もの国債が0.7%を超えて、当社には追い風が吹いています。
株価も上昇トレンドを継続中です。
気になっているのは、三菱UFJニコスのシステム統合です。
2030年に向けて1000億円を投じるとのこと。
みずほ銀行ほどではないにしても、過去にシステム統合に失敗して減損を計上しています。
今度は大丈夫なのでしょうか?
教訓は活かされているのでしょうか?
引き続き注視して行きたいと思います。
⑵ 2021年6月の株主総会
第16期定時株主総会 2021年6月29日(火) グランドプリンスホテル新高輪
未参加、ライブ配信あり
⑶ 株主還元
配当
一株当たりの配当の推移を示します。
( )は配当性向です。
・2023年3月期:32円
・2022年3月期:28円(34.2%)
・2021年3月期:25円(42.3%)
・2020年3月期:25円(61.0%)
・2019年3月期:22円(32.9%)
・2018年3月期:19円(25.5%)
高配当株としての魅力は今後も維持されると考えます。
株主優待
なし
自社株買い
自社株買いの推移は以下の通りです。
・2022年3月期:1500憶円
・2021年3月期:なし
・2020年3月期:500憶円
・2019年3月期:1500憶円
・2018年3月期:2000億円
機動的な自社株買いを引き続き実施するようです。
3 株主としてのコメント
⑴ ずっと慣れ親しんできた銀行
株主としても利用者としても長い付き合いです。
以前は、廃止されたピーターラビットにちなんだ株主優待のみならず、株主総会での缶に入ったクッキーやあられなどの豪勢なお土産の恩恵にも預かっていました。
懐かしい思い出です。
そして、今でもずっと、お金を移動させるときのネットバンキングは三菱UFJ銀行がメインです。
システム障害もなく安心・安全なサービスを受けられるのが魅力です。
⑵ 「挑戦と変革」への取組
時価総額8兆円、金融業界トップで、6兆円稼いで7,700憶円の利益を上げられる会社であればふつう”安泰”とみなすと思います。
それでも、デジタル技術進展に伴う異業種の金融業への新規参入に対する危機意識は相当高いと感じました。
環境変化に応じたビジネスモデルを作り上げ、さらなる収益力の向上やROEの改善の実現を目指す姿勢は期待できます。
また、競争一辺倒でなく、ロボアドバイザーNo.1のウエルスナビと協力し、「Welth Navi for 三菱UFJ銀行」のサービスを提供するなどの柔軟な対応も好感が持てます。
常に向上を目指す会社の姿勢に対し株主として応援するとともに、見習っていきたいとさえ感じました。
おつきあいいただき、ありがとうございました。
⑶ MUFG通信2021年度中間期(2021年4月1日~2021年9月30日)を読んだコメント
業績
中間期としては純利益はMUFG発足以来の最高益を上げ、通期の業績目標(8,500憶円)に対して92%の進捗理宇となったことから同目標を1兆5,000億円に上方修正とのことです。
テーパリング終了が迫り、金利が上昇することで銀行業としてのMUFGの業績向上は予想していましたが、こんなにも早く好業績を上げるとは意外でした。
嬉しい誤算です。
また、ROEも中期経営計画の財務目標である10%以上を達成している(10.9%)とのことで、こちらも立派です。
配当
好業績を受け配当も増配になりました。
巨大企業が増配ということで安心して株主でいられます。
ちなみに、配当利回りは四季報によると4.41%とのことです。
株価
PER、PBRからみても株価は依然として割安の水準だと思います。
状況に応じて長期保有のために買い増ししようと考えています。
4 まとめ
MUFGについて述べてきました。
金利上昇の追い風、業界トップ、株価の上昇トレンドなど、基本的には株主として安心してホールドできる状況にあると思います。
その一方で、三菱UFJニコスのシステム統合など目が離せない活動もいくつかあります。
さらに、組織文化レベルでの企業変革の試みに期待しつつ、末長く株主を続けたいと思います。
お読み頂き、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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