こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

Orchestra Holdings【6533】について〜株主総会雑感

投稿日:2022.4.9

こんにちは!

この記事は、Orchestra Holdings【6533】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・オーケストラという社名に感じた違和感

・ビジョンで掲げる創造とは?

★★★

【目次】 

株主総会会場となった恵比寿ガーデンタワー】

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1 Orchestra Holdingsについて

⑴ 会社概要

企業向けデジタルマーケティングとデジタルトランスフォーメーションの2本柱の会社です。

総資産105億円、売上額166億円、時価総額283億円の会社です。

企業理念 

創造の連鎖ー事業を通じて創造の志士を輩出し続けるー

セグメント

・デジタルトランスフォーメーション事業

クラウドインテグレーション、WEBシステム開発アプリ開発

・デジタルマーケティング事業

運用型広告、SEOコンサルティング、クリエイティブサービス

「運用型広告」とは広告主がターゲットや予算、クリエイティブ(配信内容)を自由に変更し、効果を高めることができるネット広告です。

・その他

プラットフォーム事業、タレントマネジメントシステム、新規事業等

⑵ 株主になったきっかけ

12月決算の好業績企業ということで株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:23%

売上高営業利益率:8%

売上高営業利益率が10%に至らずちょっと物足りないです。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):184%

自己資本比率(30%以上が望ましい):47%

盤石とは言えませんが短期的にも中・長期的にも安全性については問題はなさどうです。

効率性 

棚卸資産回転率:629.25

・有形固定資産回転率:26.86

棚卸資産から商品・サービスが売れており効率的な経営がなされていると考えます。

また、恵比寿ガーデンプレイスタワーに所在しつつも不動産とうのコストについてても効率的になされていると思います。

株主総会の案内板】

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2 株主総会

⑴ 株主総会

第13回定時株主総会 2022年3月29日(火) 恵比寿ガーデンプレイスタワー

綺麗なオフィスで総会会場となった会議室の楽譜の壁が印象的でした。

株主は十数名参加。

役員の方は全員終始マスクを着用していました。

社長の自己紹介から始まり、適時事務局からの説明がありました。

株主総会はは30分ほどで終了。

主な質疑応答

Q.社長が意識している(会社が目指すべき)業界について(運用型広告事業は1.8兆円の市場規模

A.現在はデジタルトランスフォーメーション事業とデジタルインフォメーション事業の2分野で活動しているが、いずれは共通する業界が生まれると考える。その共通分野におけるリーディングカンパニーを目指す。

Q.中期経営計画を発表しないことについて

A.変化が早い業界なので柔軟な対応を可能にするために中期経営計画は作成していない。なお、EBITDAと時価総額に着目して経営を実施している。

Q.IT人材戦略の将来展望について(2030年にはIT人材が45万人不足

A.(タレントマネジメントシステム等)IT人材事業に将来に向けて力を注ぎ続ける。

Q.国際展開について

A.将来の課題として検討している。現在はベトナムで40名が活動中。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役6名専任の件

監査役の報酬額改定の件

滞りなく賛成・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

過去の一株あたりの配当の推移は以下の通りです。

毎年一円づつの増配、四季報の【連続増配】はちょっとエグいと思います。

2018年12月期:5円

2019年12月期:6円

2020年12月期:7円

2021年12月期:8円

株主優待  

なし    

【恵比寿ガーデンタワー1階の様子】

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3 株主としてのコメント

⑴ 株主総会に参加して感じた違和感

本社オフィスを訪れ、オーケストラという社名のイメージへの違和感を3つ感じました。

取締役及び社員の単一性という違和感

オーケストラという社名から経営陣に対して国籍、年齢、性別など色々な人材が揃っているようなイメージがありました。

けれども、経営陣の方は同じようなプロフィール(証券会社2名、広告、コンサル、弁護士)でほぼ同世代(1971年〜1980年生まれ)の方ばかり。

デジタルと名のつく事業を2本も行っているのにIT企業出身の方がいないのはちょっと意外でした。

取締役候補者についてのスキルマトリックスは掲載されていませんでしがが、ちょっと偏りがあるように感じます。

さらに、会場運営にあたるスタッフも30〜40代が中心。

本社を訪れて感じたのは多様性ではなく単一性でした。

ステークホルダーへの姿勢に対する違和感

社長が、株主総会早く終わらせたいような落ち着きのなさを感じました。

株主の質問もクレームのようなものもなく、むしろ建設的な意見もあったのに何をそんなに焦っているのか?

会社というのは顧客、取引先、顧客、株主等様々なステークホルダーとの関係で成り立っています。

社名からステークホルダーと共に”楽団”としてのまとまりや調和を期待していましたが、どちらかといえば”内向き”な姿勢でした。

司会方に総会終了後に事業説明の内容を確認した際も、何か、「責任を取りたくない」的なスイッチが全開だったのが気になりました。

創造の連鎖というビジョンに対する違和感

創造という言葉から発明や考案というイメージが湧きます。

会社が保有する特許、実用新案あるいは意匠などはどれだけあるのでしょうか?

ネット記事によると創造性とは新しい事業を創造することだそうです。

新しい事業とは?

良く分かりません。

今の事業に創造性はあるのか?

デジタルトランスフォーメーションは紙を中心としたアナログデータを電子媒体によるデジタルデータに置き換えるもの

それほど創造性がなくても仕事はできます。

また、デジタルマーケティング事業もインターネット広告が伸びているフィールドである考えると、創造性を発揮して画期的な商品やサービスがなくても業績を伸ばすことができそうです。

そもそも、DXも広告も同業他社が数多く存在しており、オーケストラHDが創造したものではありません。

ビジョンは会社が大きく成長する上で最も重要であると『ビジョナリーカンパニーZERO』では指摘されています。

創造の連鎖がどこまで社員に浸透しているのか気になるところです。

 

⑵ 類似企業

・ファーストブラザーズ

ファーストブラザーズという会社があります。

社名のブラザーズというのは創業当時のメンバーの「結束」を表すものです。

けれども、社名とは反対に実際には社長が発行済み株式の過半数を握っており、メンバーの結束よりも社長一人の意向の方が大きいのが現実です。

名前が会社の特徴とずれていることと共に中期経営計画を出す気がないという点もよく似ています。

・AIクロス

自社が展開する市場の規模、現在位置、将来獲得すべきシェアについての明言を避けているところが似通っていました。

・言質を取られたくないのか(経営の柔軟性確保)?

・あまり業界内のシェアを意識していないのか?

いずれにしても懸念が残ります。

そのように考えると、IT企業のセラクの社長が目指すべき業界のシェアや数値目標をその積算根拠とともにスラスラ説明していたことが、実は簡単そうで実はそれほど簡単ではないことが実感されました。

クックパッド

恵比寿ガーデンプレイスタワーに本社がある会社ということが似ていました。

ただしクックパッドは2021年5月6日に、

「よりいっそう職住接近が必要」

という謎の理由により恵比寿から横浜みなとみらいへ移転しています。

お家騒動以来、経営の迷走が続くクックパドとは恵比寿ガーデンプレイスタワー以外の類似点が生じないことを希望します。

4 まとめ

オーケストラホールディングスについて述べてきました。

株価は定期的に暴落があるものの、業績は好調で成長性にも期待が持てます。

けれども、社内の均一性(多様性の無さ)株主と向き合う姿勢創造性というビジョンについては違和感を感じています。

株価が昨年11月に5310円をつけた後、今年1月には2415円と半額まで下落しています。

自分には違和感しか感じられませんでしたが、市場はそれ以上のネガティブな要因を織り込んでいたのかもしれません。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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