初投稿:2023.1.29
こんにちは!
この記事は、セルソース【4880】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・創業以来6期連続増収増益
・セルソースグロースレート(経営指標)50%以上の高成長&高収益
・好業績ゆえに機関投資家の売り仕掛けは必然かも
【目次】
【株主総会会場のソラスタ渋谷】
1 セルソースについて
⑴ 会社概要
2014年11月の「再生医療安全確保法」施行に伴い、2015年11月に創業した若い会社。
総資産約46億円、売上高約43億円、時価総額約686億円の事業規模です。
PBRは18.34倍と投資家からは高い評価。
ただし、バリュエーションの高さは”何かあれば株価下落”の恐れがあることを意味します。
会社四季報ではヘルスケア製品・サービスの業種に区分されており、時価総額順位は28/133社と位置付けられています。
企業理念
●ミッション
全ての人生に、再生医療を。
セグメント
再生医療関連事業の単一セグメントです。
内訳は
・加工受託サービス・コンサルティングサービス
・医療機器販売
・化粧品販売その他
⑵ 株主になったきっかけ
10月決算企業の中で成長著しい会社ということで注目していました。
セルフケア製品・サービス分野の会社は保有していなかったため、ポートフォリオ拡充のために2022年9月頃に株主となりました。
ただし、グロース株が厳しいマクロ環境と短気筋の売り掛けを意識し、端数株単位で複数に分けて株式を購入しています(平均単価が下がります)。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:72%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):37%
高収益です。
しかもビジネスモデルを確立している(社長のコメント)とのことなので、この高収益性は中・長期で持続可能と推測しています。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):501%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):82%
短気的にも中・長期的にも安全性に問題は見当たりません。
さらに、有利子負債はありません。
キャッシュリッチさは資金効率の点で不利なようにも思えます。
けれども、医療分野の研究開発での投資が不可欠なビジネスという点ではリスク管理を徹底させる意味で資金力の余裕は”ある程度”必要なのかもしれません。
効率性
・有形固定資産回転率:25.71
有形固定資産について、資金の効率的な経営ができていると考えます。
勘定科目の内訳は、「工具、器具及び備品」が1.42億、「建物」が0.41億円。
必要最小限の投資がなされているようです。
【株主総会の案内板】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第7回定時株主総会 2023年1月27日(金)渋谷ソラスタ
ライブ中継がされていましたが、会場へ足を運びました。
20名程度の株主が参集していたと思います。
社長から事業内容の説明、増収増益の報告、議案の上程がされました。
主な質疑応答
株主からの質問数に制限はありませんでした。
社長の回答も誠意があり、かつ、説得力のあるものだったと思います。
【会場】
Q.会場に足を運んでいない役員について(優秀な方達からも話を伺いたかった)
A.次回以降は、出席できるようにする。
Q.研究開発のリスクについて
A.費用のコントロールを徹底し、リターンを成長に反映させたい。
Q.エクソソームの医療分野での可能性について
A.厚労省でも議論されており、創薬を含め大きな可能性を秘めていると認識している。
Q.決算発表後の株価について
A.現状、株価は低迷していると認識している。
ただし、短期的な株価動向を重視するのはミスリードにつながる。
あくまでも、業績向上と長期ビジョンに基づいた長期的展望を開示することに注力したい。
Q.高収益性(粗利率70%以上、売上高営業利益率30%以上)の維持について
A.粗利率の高さは固定費を薄める努力の結果であり、よほど大きな外部環境の変化がない限りキープすることが可能と認識している。
また、
セルソースグロースレート=売上高成長率+EBITDAマージン
・グロースレート≧50%
・売上高成長率≧20%
・EBITDAマージン≧20%
の独自経営指標により高水準の成長性と収益性を目指す。
*EBITDA=営業利益+減価償却費
EBITDAマージン=EBITDA➗売上高
Q.再生医療分野の事業規模について
A.「再生医療安全確保法」が施行された2014年11月以降に市場が立ち上がった。
治療分野だけでも9000億円以上あるが、全体としてのポテンシャルはもっと大きいと認識している。
当社は、エビデンスの多さやネットワークの強みといった先行者利益を活かし、リーディングカンパニーとして事業展開を続けていく。
Q.4号議案、5号議案における報酬は現金のみか?
A.現金のみである。
(株主と経営陣の利害の共通化のための)譲渡制限付き株式等については今後、検討する。
【ネット】
Q.マネーゲームのようなことはしないという社長の発言と上場の意味について
A.マネーゲームのようなことはしないというのは、株価対策として意味のないIRを乱発しないという意味である。
上場には感謝しており、会社の成長に必要な一手だったと認識。
株価に興味がないわけではない。
本質的な経営を重視し、広く成長戦略を示しつつ株価に反映していく。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役4名選任の件
・監査等委員である取締役3名選任の件
・取締役(監査等委員である取締役を除く。)の報酬限度額設定の件
・監査等委員である取締役の報酬限度額設定の件
拍手を持って賛成・可決されました。
なお、総会終了後にビデオ参加の役員を含め選任された方の紹介があり、株主から拍手が送られていました。
⑵ 株主還元
配当
なし
株主優待
なし
自社株買い
なし
【ソラスタ渋谷1階のタリーズ】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
取締役等について
1982年生まれの若い社長と、各分野の重鎮(?)によるバランスの取れた経営態勢が確立されていると感じました(どうやってこのような人材を集めたのだろう?)。
そして、ホームページではアドバイザーとして権威のある先生方が紹介されています。
さらに、会場に足を運んだ株主の多くがセルソースをよく理解し、長期目線で応援されていると感じました(自分は勉強不足ですが・・・)。
よって、各ステークホルダーの関係は悪くないと感じています。
経営指標であるセルソースグロースレートについて
社長が言及していたセルソースグロースレートというのはとても興味深いと思いました。
成長企業の中には、成長性オンリーで収益性を伴わない会社や、相乗効果が見込めなM&Aで成長性を維持している会社など、沢山見てきました。
今更ですが、成長性と収益性の両方を経営指標にしている会社の良さを実感しています。
これからも周りから色々言われると思いますが、社長には経営指標(セルソースグロースレート)を重視したブレない本質的な経営を期待したいと思います。
⑵ 気になっていること
短期筋の動向
グロース企業には必ず機関投資家の売り仕掛けが入ります。
セルソースも然り。
しかも、社長の「マネーゲームのようなことはしない。」という言葉に象徴されるように短期的な株価の下落は会社としてはやむを得ないという認識と推察しています。
”短期”で結果を求める株主にとっては”短気”になりやすい銘柄かもしれません。
ちなみに、機関投資家の売り時掛けについては下記の書籍等の資産運用会社の特徴を参考にしています(少しエンタメが入っています)。
4 まとめ
セルソースについて述べてきました。
再生医療というポテンシャルの高い市場でのリーディングカンパニー。
技術力に加え経営力の素晴らしさを株主総会で感じました。
ただし、グロース企業ゆえの株価の乱高下は避けて通れないと認識しています。
単位未満株での分散投資や、定期的な利確をしながら長期で付き合っていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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