こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

ワイズテーブル【2798】について〜株主総会雑感

初投稿:2021.6.17、更新日:2022.5.30

こんにちは!

この記事は、ワイズテーブル【2798】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・企業継続の前提に対する注意疑義とそれに対する対策

・2021年5月の株主総会での会長のいきなお取り計らい

★★★

【目次】

愛宕ヒルズのXEXにて】

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1 ワイズテーブルについて

⑴  会社概要

高級レストラン『ZEX』『サルバトーレクオモ』等を直営・FC展開しています。

ブランド

●ZEX:8店舗

●カジュアルレストラン:直営43店舗、FC30店舗

⑵ 株主になったきっかけ

10年以上前から株主です。

レストランの雰囲気と美味しい料理がお気に入りです。

当時はキャピタルゲインも狙っていましたが、今は優待が魅力なのでホールドしています。

⑶ 2022年2月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:3%

売上高営業利益率:−18%

営業赤字です。

外食産業は原価3割、つまり、売上高総利益率が70%が基本と言われています。

原価にコストがかかりすぎです。

そこからさらに、販管費もかかるので大幅な営業赤字。

助成金のおかげで利益は出ていますが、収益性の改善が課題と考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):107%

自己資本比率(30%以上が望ましい):−2%

債務超過の状態なので財務的には厳しい状況です。

自分の持株の中でも最も安全性の問題のある銘柄となっています。

来年の2月までに解消されなければ上場廃止となるようです。

効率性 

・有形固定資産回転率:7.55

数値としては悪くない値です。

八重洲愛宕の高層ビルの上層階にレストラン(XEX)がありますが、そのことを考えると比較的効率的にお金を使っていると思います。

そして、有形固定資産の内訳は大部分が「建物及び構築物」で約9億円。

「土地」の勘定科目がないことが特徴かもしれません。

また、改修費用でしょうか?「建設借勘定」として13万円も計上されています。

⑷ 2021年2月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:3%

売上高営業利益率:−18%

外食産業の場合、原価3割が基本と言われます。

そのように考えると、売上高総利益率は70%程度とな理ます。

粗利率3%というのは原価が高いことを意味します。

また、営業損失を出していますが、コロナ禍に伴う助成金により経常黒字となっています。

アフターコロナにおいていかにしてお客様に足を運んでいただくかという正念場を迎えることになりそうです。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):107%

自己資本比率(30%以上が望ましい):−3%

自己資本債務超過状態にあり、中・長期的な安全性を示す自己資本比率の数値がマイナスとなっています。

株主総会招集通知に記載されている通り、増資が必要な状況です。

効率性 

・有形固定資産回転率:7.55

10億円を超える有形固定資産を有しており、その中で9億円が「建物及び構築物」となっています。

有形固定資産回転率の数値からは効率的な投資がなさていると考えます。

立地の良い場所に店舗を多く持つことからその強みを活かすことが大切だと思います。

⑷ GC注記

財務的には厳しい状況です。

債務超過(9億7800万円)で上場廃止にかかる猶予期間入り

猶予期間は2021年3月1日から2023年2月28日

継続企業の前提に関する注記に対する対策

①収益構造の改善

・事業環境の変化に応じた売上構造の見直し

・店舗の数値管理強化

仕入れコストの削減

・本社コストの見直し

②資金の確保

 メインバンクとの緊密な関係を維持しながら継続的な支援を得ていくようです。

③資本の増強

 第三者増資ということで会長(約3億円)社長(約1億円)が引き受けていました(資金の調達額約6億円)。

コロナ禍の影響が経営を直撃したことは間違いありませんが、数年前から赤字体質になっていたのも事実。

災い転じて福となすようにこの際、企業の赤字体質改善にまで踏み込んだ改革を期待します

【XEXカード】

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2 株主総会

⑴ 2022年5月の株主総会

第23期定時株主総会 2022年5月26日(木) 六本木ヒルズアカデミー

質疑応答

Q.株を持っていない役員がいることは如何なものか?(毎年の質問のようでした)

A.提言ありがとうございます。社長自身は株式を多く保有している。役員も3年前から業績不振の責任を取って報酬10%カットで頑張っている。

Q.上場の維持について(GC注記、債務超過に対する説明)

A.現在は、9400万円の債務超過状態だが、今期は5億円の予算を見込んでいる。内訳は、助成金2億円と利益3億円。これにより高い確率で債務超過状況を解消できると考える。

Q.女性取締役候補の抱負について

A.女性ということを特に意識したわけではないが、女性が働きやすい職場づくりに寄与できればと考えている。管理部門担当(CFO?)として職務に取り組みます。

会長からの挨拶

現場を回っている。

XEXやサルバトーレクオモのブランド力を実感するとともに、さらにブランド力を磨くことを目指す。

現場にはしっかりとした人材が残っている。

XEXのランチを3500円から5000円に値上げさせていただいているが、商品やサービスを高めているためお客様にも喜んでいただいていると思う。

財務的な仕打ち目標は達成できると考えており、来期はさらに儲かる会社になると予想する。

”よろしく!”

⑵ 2021年5月の株主総会

第22期定時株主総会 2021年5月27日(木) 六本木ヒルズ

出席した人の話によると会長から

・会社はお金を貯めることをしてこなかった。

・無駄なお金の使い方も多々あった。

・各店舗を回って指導をしていきたい。

・お土産は郵送します。

とのことでした。

債務超過になった原因はもちろん経営者にありますが、過去の株主総会でもほとんど発言をしてこなかった自分を含めた株主側の姿勢も残念に感じられます。

⑶ 2020年株主総会の様子

 2020年7月29日(水) 六本木ヒルズ森タワー59階のアカデミーヒルズ

で行われました。

 社長が自己資本を確保するため、無配となってしまうことを申し訳なさそうに説明されていました。

また、経営に関してご自分の管理が甘かったかもしれないと総括されているのが印象的でした。

元社員で外での勉強を経てワイズテーブルに復帰する後継者が新社長に指名され、本総会は締めくくられました。

お疲れさまでした。

前社長は新社長に対しては、「儲かる会社にしてほしい!」と要望されたとのこと。

新しい社長は、挨拶の中でまず、「社員は宝」とおっしゃっていました。

その上で、コスト管理リスク管理を徹底しコロナ禍をしのぎ、その後はZEX等のブランドの持つ営業力を活かし、売り上げを作る力を伸ばしていきたいとのことでした。

財務的に厳しい状況で、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していますが、それを乗り越えてこうとする意気込みが感じられました。

⑷ 株主還元

配当

なし

株主優待

2月末日と8月末日に100株以上の株主に対して

食事券1,000円×5枚

がいただけます。

また、3年以上継続保有の株主に対しては

「XEX MEMBERS CLUB」

がいただけます。

お土産

今回の総会出席者に配られたピザは久しぶりの豪勢なお土産でした。

株主総会参加者に後日配達されたお土産のピザ2枚】

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3 レストランにて

XEXについては愛宕グリーンヒルズでランチ(天ぷら定食)を頂きました。

お客さんはそれほど多くはありませんでしたが、常連さんらしい方が何人かいらっしゃっていたようでした。

それよりも、メニューの更新がずいぶん滞っていることの方が気になります。

サルバトーレクオモは六本木と豊洲にてランチを楽しみました。

どちらもほぼ満席。

料理も美味しかったです。

店員さんの”不慣れ”な部分もご愛敬。

コロナの終息とともにお店は活気を取り戻すだろうと感じました。 

 

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4 株主としてのコメント

話は飛びますが、同じく継続企業の前提に疑義のついたペッパーフードサービスの総会にも行きましたが、あちらの債務超過は約60億。

ワイズテーブルは1億弱。

比較することに意味はありませんが、ペッパーフードの株価は上昇トレンドを継続しており、自分の持ち株もダブルバーガーになっています。

飲食業界にも追い風が吹いています。

経営危機に陥った会社については、そのお店や料理のファンがどれだけいるかが最終的に会社の存続を左右すると思います。

「いきなりステーキのお肉が一番おいしい!」

という名古屋から出席した株主が印象に残っていますが、

「XEXやサルバトーレクオモでのイタリアン料理が一番おいしい!」

と自分も同じくらい思っています。

期待できる要素を列挙します。

・ファン(常連客)がいる

・コロナ禍終焉

・株価のV字回復

コロワイドからの取締役の参加(食材の共通化によるコスト削減)

はらはらしつつも、末永く株主として応援していきたいと思います。

4 まとめ

ワイズテーブルについて述べてきました。

GC注記解消のため、頑張っていることがよくわかりました。

商品やサービスを値上げする一方で、付加価値をより多く提供することで客離れを防ぎつつ収益を上げる戦略がどうなるか期待しています。

会長の”よろしく!”の一言に頼もしさを感じました。

ワイズテーブルのブランド力が試されています。

お読み頂き、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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