初投稿:2021.5.14、更新日:2022.4.12、2023.4.
こんにちは!
この記事は、ラックランド【9612】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2023年3月の株主総会招集通知の内容を追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・年4回の株主優待
・DX投資が花を咲かせる
★★★★
【目次】
【株主総会が開かれた住友不動産新宿グランドタワー】
1 ラックランドについて
⑴ 会社概要
食品、飲食分野の店舗の制作事業(企画、設計及び施工)を行っている会社です。
売上高411億円、総資産305億円、時価総額305億円の事業規模。
四季報では他産業サービス・製品に区分され、時価総額順位は81/272社となっています。
比較会社の中で株主だった会社には丹精社があり、コロナ禍の影響を大きく受けた業界のような印象があります。
ミッション
「商空間づくりを通じ、皆の笑顔をつくりだすこと」
事業内容
①店舗施設の制作事業
②商業施設の制作事業
③食品工受容・物流倉庫の制作事業
④店舗メンテナンス事業
⑤省エネ・CO2削減事業
⑥建築事業
長期計画(第2次10年計画)
「世界で最も期待される企業に成る」
●2016~2018年
「進:利益基盤の構築」
●2019~2021年
「化:時代が求めている企業へ化ける」
●2022~2025
「成:」
2021年は「やって、やって、やりきる3年目」をスローガンに経営に当たるとのことでした。
⑵ 株主となったきっかけ
株主優待目的に2020年末に株主となりました。
特定口座で末永く優待の恩恵に預かれることを希望しています。
株主となってからずっと含み益を享受しています。
⑶ 2022年12月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:13%
・売上高営業利益率:営業赤字
営業赤字は3期連続です。
ただし、四季報では23年12月期については経済活動の正常化による【大幅増益】の見出しが踊っています。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):110%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):33%
前期と変わりません。
安定していと推察します。
効率性
・有形固定資産回転率:8.78
前期と変わらない水準と考えます。
⑷ 2021年12月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:13%
営業赤字です。
ただし、損失額は前期よりも縮小しています。
また、四季報では【黒字復帰】の見出しが最新号で掲載中。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):117%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):36%
少し財務的には厳しい数値がでています。
資金調達の状況として短期借入金として5億円を調達したとありました。
今は我慢の時かもしれません。
効率性
・有形固定資産回転率:8.12
有形固定資産の内訳は「土地」と「建物及び構築物」が大半を占めていました。
建設業界の平均が約5であることを踏まえると、平均的な経営がなされていると考えます。
⑸ 2020年12月期の経営分析
2020年期は赤字でした。
・収益性
売上高総利益率:12%
売上高約370億円のうち売上原価が約320億円要しています。
売上高が2018年をピークに落ちていることが気になります。
2020年期については、公共工事時準ずる大型物件に関する”期ずれ”とコロナ禍に伴う全体的なと設備投資の手控えの影響があったと説明されています。
さらに利益率向上がいまいちな理由としては、労務費の配布率が高まったためとされています。
会社の奮起を期待します!
・安全性
流動比率:124%
当座比率:94%
負債比率:167%
自己資本比率:37%
悪いというほどではありませんが、ちょっと懸念が残ります。
【株主優待カタログ】
2 株主総会等
⑴ 2023年3月の株主総会
第53回定時株主総会 2023年3月30日(木) 住友不動産新宿グランドタワー
都合が付かず不参加でした。
ただし、株主総会の招集通知の社長挨拶の中で、業績未達について役員報酬の減額を通じて経営責任を明確にするとともに、「結果を出すこと」についての使命感について言及されていることは評価できます。
そのような、真摯な態度は好感が持てるとともに情報開示&状況判断という点で株主に安心感を与えるように感じました。
⑵ 2022年3月の株主総会
第52回定時株主総会 2022年3月30日(水) 住友不動産新宿グランドタワー
十数人の株主が参集していました。
社長の元気な挨拶で開始。
監査報告が終わった時点で、前列の株主から拍手があったのにはびっくりしました。
業績については赤字でした。
けれども積極的な投資をしたことに対して
”これから花が咲く”
との社長からの言葉は頼もしかったです。
質疑応答
Q.DX20億円投資について
A.社長自身がウエアラブルコンピュータについて研究していた実績があり、社長の主導のもとアイパッドやアイフォンを駆使して
・図面のチェックをAIで行う
・社内の作業の孤立化
・集まった情報のデータベース化
・本部と現場ナレッジの共通化
・社員のスキルアップ
・4倍の稼働率
などの効果をあげることができる。
決議事項
・定款一部変更の件
・剰余金処分の件
・取締役選任の件
・監査等委員である取締役選任の件
意外だったのは、議案を一つづつ採決していくスタイルだったこと。
株主の質問を議案に紐づけるには良い方法かもしれませんが、慣れないと質問のタイミングや進捗に戸惑うかもしれません。
もう一つ意外だったのは、株主が全員退場するまで社長以下役員全員が起立して不動の姿勢でいたこと。
「早く会場を後にしなければ」
という心理にはなりましたが、総会終了の余韻に浸っていたい気持ちも少し感じました。
⑶ 2021年3月の株主総会
第51回定時株主総会 2021年3月30日(火) 住友不動産新宿グランドタワー
1970年に創業したということも有り、今回が51回目の株主総会。
長い伝統を感じます。
総会に参加した人に聞くと、株主からの質問はなく淡々と実施されたとのことです。
⑷ 株主還元
配当
一株当たり25円
2016年からずっと25円配当しています。
株主優待
・東北地方の名産品詰め合わせが(12月末日、6月末日) 3000円相当
・ECサイト「ご当地こわけ」にて使用できるクーポン券 2500円相当
東北地方名産品詰め合わせにつきましては、上記の写真のような9つのカタログ品から選択するようになっています。
今回は、お酒を選びました。
ちなみに、同様の株主優待には、オリックス(8591)のふるさと優待とヒューリック(3003)のグルメカタログギフトがありますが、全てお酒を選んでいます。
12月分を申し込んでおり、5月上旬から6月末日にかけての到着を楽しみにしています。
株主優待については下記の記事もご覧下さい。
【株主総会の案内板】
3 株主としてのコメント
⑴ 株主還元と株価の関係について
3期連続の赤字にも関わらず、株価は大幅な下落を免れています。
テンバーガー候補の成長株には考えられない株価推移ですね!
同じような株価推移はディズニーリゾートを運営するやオリエンタルランドや外食産業のコロワイドにも見られます。
徹底した株主還元(ラックランドの場合、年4回の株主優待&25円配当の継続)、或いは株主からの愛(強い支持)が業績の低下を補完している例と考えます。
株主還元と株価については当社から様々な気づきが得られると思います。
⑵ 今後の方針
優待目当てなので末永くホールド予定です。
コロナ禍にもかかわらず、使用人の数が91名も増加しています。
長期的に期待が持てます。
なお、日経平均株価は令和3年度入りしてから軟調に推移していますが、ラックランドの株価は比較的落ち着いています。
自分のように優待を楽しみにしている個人投資家が多いことも理由の一つと考えます。
年4回の株主優待については手間もコストもかかりますが、話題作りと株主資本コストを考え併せると良い施策のように感じます。
全体としては株主優待制度を廃止する企業が多い中、今後の維持・拡充に期待します。
【岩手県旅行中に偶然見つけたラックランドの盛岡営業所】
4 まとめ
ラックランドについて述べてきました。
この銘柄から、株主還元の徹底が株価を支えるということを教えられました。
また、株主総会での社長の説明や答弁する姿を拝見し、ビジョン、知見、指導力等について”社長らしさ”を感じました。
株主優待や配当に加えて、社長の経営手腕も楽しみながら株主を続けていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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