投稿日:2021.6.5、更新日:2021.11.16、2022.1.14、2022.6.13、2023.5.27、2024.6.4
こんにちは!
この記事は、クリエイト・レストランツ・ホールディングス【3387】に関心のある方に向けた、株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2024年5月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・買い増しについて
なお、更新箇所を青字で示しています。
★★★
【目次】
1 クリエイト・レストランツ・ホールディングスについて
⑴ 会社概要
ショッピングセンター内にレストランやカフェを展開している会社です。
日本全国に249ブランド、899店舗あるとのこと。
売上高1457億円、総資産1308億円、時価総額2366億円の事業規模。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは6.5倍。
前期からは低下しているものの投資家からの期待は高いものと考えます。
主要カテゴリー
●CRカテゴリー
フードコート・フードホールへの出店
●SFPカテゴリー
磯丸水産等有するSFPホールディングス
●専門ブランドカテゴリー
「あずさ珈琲」を展開するKRホールディングス等
●海外カテゴリー
⑵ 株主になったきっかけ
ポストコロナにおいて外食産業の復活を見込んで2021年2月に購入。
以前、子会社のSFPホールディングスの株主でもあったことから親しみを感じます。
SFPホールディングスについては株主優待が使えるお店が比較的限られていました。
その点、当社の株主優待でいろいろなレストランを楽しめることはありがたく感じています。
⑶ 2024年2月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:71%
・売上高営業利益率:5%
粗利率は前期に比べて1%低下していますが、インフレの影響と推察します。
これに対して、営業利益率は逆に1%向上しています。
収益性向上に努めた結果と考えます。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):83%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):30%
昨年同様、短期及び中・長期的にも安全性には懸念が残ります。
ただし、自己資本比率が向上したことは中・長期的には良い傾向と考えます。
対処すべき課題にも財務面の記述がないことから、今後もこのレベルで推移していくのかもしれないと気になっています。
効率性
・有形固定資産回転率:2.57
前期よりも若干向上しています。
「ロケーションビジネス」から「ブランドビジネス」へ転換に伴い、改装費等が著しく向上して回転率が落ちつのでは無いかと推測していましたが、そのようなインパクトはなかったようです。
⑷ 2023年2月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:72%
・売上高営業利益率:4%
粗利率から原価管理は比較的うまくいっていると考えます。
ただし、営業利益率は前期より大幅低下。
株主総会における説明では、時短営業の助成金がなくなったためとのこと。
伝統的にM&Aに伴うPMIのコストで収益性は低い状態が続いています。
収益性についての経営陣の姿勢が、ちょっと気になります。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):88%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):26%
短期及び中・長期的にも安全性には懸念が残ります。
改善していません。
公募増資や借入金で所要の資金を調達していますが、財務的には改善の兆しがみられません。
この点についても、経営陣の姿勢が気になります。
効率性
・有形固定資産回転率:2.05
昨年よりも、ちょっと改善しています。
「ロケーションビジネス」から「ブランドビジネス」へ転換をはかると、株主総会では説明がありました。
有形固定資産の推移についても注目していきたいと思います。
⑸ 2022年2月期の経営分析
業績は黒字回復&復配を実現しています。
収益性
・売上高総利益率:72%
・売上高営業利益率:10%
前期に比べ粗利率が1%向上するとともに、営業黒字、しかも比較的高収益を達成しています。
コロナ禍を乗り越えて業績回復中と考えられます。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):90%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):23%
短期及び中・長期的にも安全性には懸念が残ります。
けれども前期に比べれば改善傾向が続いているところは少し安心できます。
ちなみに、2021年11月に公募増資により162億円を調達し、財務体質の改善を図っています。
効率性
・有形固定資産回転率:1.27
低い数値となっており、土地・建物等の資産に比べると売上額が低く資金の効率的経営がイマイチと言えると思います。
また、前期と比較しても数値の変更は大きくありません。
このことは過去1年間、あまり土地・建物の新規取得が活発ではなかったことw意味します。
レストラン業というのはある意味、”立地家業”
その意味で、コロナ禍は不動産を取得する絶好の機会だったはず。
ちょっと残念な気がします。
ただし、あのドトール日レスHDも同様の傾向が見られることから割安な物件は意外と少なかったのかもしれません。
⑹ 2021年2月期の経営分析
赤字です。
招集通知に記載の連結計算書類をもとに簡単な分析をしてみます。
収益性
売上高総利益率は71%
飲食店は一般に原価3割が基本とのことなので、妥当な粗利率と考えます。
ちなみに
これは同業他社であるコロワイドの場合、
・売上高総利益率は57%
東京都を訴えたグローバルダイニングの場合、
・売上高総利益率は10%
おなじ飲食業でも大きく粗利率は異なります。
このように比較するとクリエイト・レストランツ・ホールディングスは適正な経営がなされていると考えられます。
けれども、ここから販管費を差し引くと赤字となります。
会社も、コスト削減に努めたのだと思います。
招集通知の従業員の状況(2021.2.28現在)
グループ従業員数 4,144名 331名減
当社従業員数 93名 40名減
販管費の中の人件費を削減するために大規模なリストラを断行したと考えられます。
そしてそのリストラも社長の交代に関係しているのかもしれません。
安全性
流動比率(200%以上が好ましい):71%
当座比率:66%
負債比率(100%以下が好ましい):596%
自己資本比率:14%
財務基盤は厳しいものがあります。
GC注記がついたワイズテーブルとあまり変わらない財務状況です。
「劣後ローン」によって債務超過を免れ継続企業の前提に関する不確実性を回避したと考えます。
効率性
まちまちです。
棚卸資産回転率が113回転:小売業平均を上回る
有形固定資産回転率が1回:小売業平均を下回る
棚卸資産回転率の高さから商品やサービスが売れていることが伺える一方で有形固定資産回転率が低いことから、店舗等に高いお金が投じられていると推測されます。
社長が直近でM&Aに力を注いだという発言も関連するかもしれません。
【第26期】
【第24期】
2 株主総会等
⑴ 2023年5月の株主総会
第27期定時株主総会 2023年5月26日(金) 品川グランドセントラルタワー
受付にてペットボトルのお水をいただきました。
100人ほどの多くの株主が集っていました。
社長から増収増益の事業報告と
・「ロケーションビジネス」から「ブランドビジネス」
・「守り」から「攻め」
・新中期経営計画は「ホップ」、「ステップ」、「ジャンプ」の中の「ジャンプ」
・コントラクト事業の強化(JA全農との業務提携による「みのりみのる」の運営受託)
などの戦略等についての説明がありました。
主な質疑応答
最初に4000名からのアンケートとして
・株主優待は今後も継続する
・接客態度については改善を心がける
・海外展開も着実に実施
との説明がありました。
Q.インバウンド対応について
A.タブレット端末の活用などで外国人の受け入れにも注力している。
また、対応チームが旅行代理店と協力してインバウンド需要を取り込んでいる。
Q.工場における異物混入のリスクについて
A.FSMS(フード・サービス・マネジメント・システム)22000の規格に沿った対応を実施している。
Q.今後のM&Aの方針について
『日常』、『定番』、『地域密着』が要件であり、国内にもまだまだチャンスは残っている。
併せて、海外(米国やシンガポール)にも攻めていく。
Q.スキルマトリックスを踏まえたDX、HXのエキスパートは?
A.当社では役割をしっかりと果たす態勢を心掛けている。
DXは島村取締役、HXは馬場執行役員である。
Q.インフレ対応について
A.現在は、実質賃金がマイナスなどのインフレ時代と認識している。
その中で、付加価値をつけて頑張るハイブランド化には疑問を持つ。
20〜30年間の外食企業を経営してその参入しやすさ故、過当競争の危険さを認識している。
よって、必ずしもパイ(量)を増やすのみではなく、持続的な成長を目指している。
変化する顧客のニーズに対応することが大切でありその結果がマージンとして得られている。
小さく投資をして大きく成長させることを目指す。
Q.中国への再展開について
A.過去の事業展開の知見は持っているがうまくいかないことも数多くあった。
人口が多いことは魅力だが行政の問題などビジネス環境に問題があると考える。
Q.退店の傾向について
A.退店の理由については、契約完了、不採算などがある。
定期借地権でのビジネスゆえ契約完了による部分はやむを得ない。
北米は不採算により退店している。
また、サンジェルマンの場合、完成品を持ち込む店舗と自社でパンを焼く店舗(美味しい匂いゆえ売上が好調)があるが、完成品を持ち込む店舗の退店が多かった。
けれども、は退店には歯止めがかかりつつあり、今後は増加に転じると見込んでいる。
Q.株主優待のデジタル化のメリットについて
A.デジタル化においてはアプリを考えている。
株主にとっては1円単位で利用できるメリットがある。
また、店舗においては決済処理の迅速化というメリットも期待できる。
ベンダーとともに良きアプリを作成中である。
Q.株主優待の源泉(コスト)について
A.12億円の株主優待を2回実施し、24億円のうち10億円を販管費の中の株主優待引当金として処理している・・・。
当社は200以上のブランドを有しており、プロモーションができにくいので、優待がブランドを知ってもらう上で有益なものと認識している。
Q.グループ内の再編を今頃実施しているのは何故か?
A.事業の共通化やシナジーを活かすための組織再編は実施してきた。
今回の再編は、2つの組織を一つにする必要性から行うもの。
具体的には、近傍に位置していて繁忙期が異なる2つの組織の中で人材の流動化を図るためには一つの組織とすることが必要だったからである。
Q.CRM(顧客管理システム)やマーケティングインフォメーションの有効性について
A.マーケティングインフォメーションについてはかごの屋において実施している。
重点ポイントを絞って実施していきたい。
Q.優待が使える店舗について
A.今後はアプリで優待が使える店舗を検索できるようにしていく。
Q.店舗での無料Wi-Fi環境等について
A.無料Wi-Fiの普及率は現在70%であり、100%を目さしたい。
ご指摘のモバイルオーダーについての案内も積極的に掲示していきたい。
Q.金利の上昇について
A.0.25ポイントの金利上昇により2000〜3000万円の影響がでる。
一方で、金利上昇により円高になれば反対に利益に貢献する(金利と為替は相反関係)と認識。
借入金についえは、固定と変動を柔軟に組み合わせて対応していく。
またM&Aについてはこれまで同様積極的に展開する。
Q.食材会社であるCMD(購買企画事業)の今後の展開について
A.CMDは3年前のコロナ禍において、米、油、粉の商談を1カ所でやることによりコストダウンを図ることで設立した。
また、当社の多様な業態を考えると他社のように食品加工工場を作ることはポリシーが異なるゆえ可能性は低い。
Q.社長の就任から今日までの総括について
A.サバイバルな状態でコスト圧縮を続け、コロナ前の水準に回復することができた。
クリレスらしさとは、文字通りレストランを創造することであり、これまでなかったワクワク感がミッションとしてあるものと認識している。
原点に立ち戻って、日比谷ミッドタウンのフードコートやGOTTAのような店舗を展開していきたい。
決議事項
・取締役(監査等委員である取締役を除く。)5名選任の件
・監査等委員である取締役4名選任の件
拍手を持って承認・可決されました。
なお、終了後に新役員の紹介がされています。
株主総会雑感
株主からの質問も多くその大半が建設的なものであり、かつ、経営陣からの回答も真摯で丁寧なものだったと思います。
気持ちの良い総会でした。
コロナ禍からの回復に伴い業績も株価も堅調なことが背景にあると考えます。
現社長から今日に至るまでの苦労話もありましたが、多くの従業員のリストラと共に自らも退任した前社長のことが思い出されました。
”責任”を果たすために”権限”があるというシンプルかつ冷徹な原則が果たされたことが当社の今日の回復につながっているように感じています。
この流れをより確かで揺るぎないものにしていかれることを希望します。
⑵ 2023年5月の株主総会
第26期定時株主総会 2023年5月26日(金) 品川グランドセントラルタワー
2年ぶりに参加。
新しい会場に100名を超えるであろう株主が参集していました。
受付で水とフルバージョンの株主総会招集通知をいただきました。
ビデオによる業績紹介と社長からの今後の成長戦略についての説明が続き質疑応答へ。
主な質疑応答
Q.コアブランド25について
A.200を超えるブランドから、店舗数の多さや成長期待を踏まえて選出した。
具体的にはしゃぶ菜、デザート王国、磯丸水産、かごの屋、つけめんTETSUなどがある。
Q.株式分割以降悪い会社になったのでは?
A.頑張って良い会社を目指します。
Q.特徴的な企業文化とは?
A.グループ連邦経営をしている。
20を超える専業会社がコーポレート性の統合をしつつ、エッジは削らないことが特徴。
コストコントロールに長けた会社や夜に強い店などそれぞれの良さを活かしている。
Q.増収減益について
A.増収はサンジェルマンの売上が加わったため。
減益は現存は1億程度で、昨年いただいていた営業時間短縮協力金100億円が剥落したため。
Q.人財確保を重点としながら採用コストを圧縮することについて
A.効率化を図るという意味である。
具体的には、人が集まらない時期に無駄なコストを掛けて一時的に人を集めるようなことをなくしていくことなどが挙げられる。
Q.DX推進について
本社と店舗の2本建で実施している。
本社では、口座を設けることで社内の所要の情報にアクセスできるような仕組みを構築。
店舗では、モバイルオーダー、セルフレジ、会員に向けてお得な情報を提供する顧客管理を適時、実施している。
Q.人事担当の役員の辞任について
A.本人の都合により辞任に至っており、後任者が後を引き継いでいる。
Q.グループ横断の人事異動について
A.グループ連邦の良さを活かし、各社の課題解決に資するよう柔軟に実施している。
Q.居酒屋のM&Aの絶好の機会では?
A.良い条件がそろえば「日常、定番、地域密着」を踏まえて、実施する。
Q.店舗の評価について
A.所要の体制のもと、商品の質・サービス、原価費や人件費といった損益管理を実施している。
併せて、インスペクションシートも活用している。
Q.東京ミッドタウン日比谷の地下は株主優待が全部使えるがそうでない店もある。なぜか?
A.東京ミッドタウン日比谷の場合は、三井不動産から一括経営を任されたため、ワンフロア全部のお店で株主優待が利用できる。
その他の店舗では個別に精査して出店している。
Q.新年度の業績見通しについて
A.春休みとリベンジ消費以上の勢いをがあった。
保守的に見積りつつコスト削減を徹底しつつ頑張っていきたい。
Q.財務バランスとM&Aについて
A.当社の筋肉質なコスト体質を活かすことにより、買収した会社は2〜3年で利益を出すようになっている。
同時に、様々な会社を通じて目から鱗のようなアイデアが生ずることも少なくない。
よって、財務バランスを考慮しつつ積極的に実施していきたい。
Q.異物混入等に対する危機管理について
A.信頼できる仕入れ業者の採用、調理の段階等で複数チェックしてリスク管理につ止めている。
それでも、事案が生じた際いは真摯に、心を込めて対応させていただく。
なお、危機においてはスピードが大切と認識。
ファクトファインディングを優先し、バッドニュース・イズ・ファーストを社員には周知させている。
Q.海外戦略について
A.海外(米国、シンガポール、香港等)に50店舗展開している。
今後は、現場のニーズを踏まえつつ、米国を中心に注力していく予定である。
Q.食品ロス(環境問題)と消費期限について
A.食品には日付けシールを添付してチェックの徹底を図っている。
なお、SDGsでは5つの目標を立ててサステナビリティに努めている。
具体的には、パンがあまりそうな時にアプリを用いて”助けてください”とメッセージを出すこともある。
Q.シニアの活用について
A.70歳まで再雇用が可能である。
Q.外国籍の方について
A.外国籍の方で本社に勤務している人は存在する。
お祈りする施設は設けてはいないが、ケースバイケースで対応する。
Q.出戻り社員について
A.存在するし、実際当社から呼びかけたりしている。
Q.サンジェルマン(創業50年、北海道サンジェルマン30年)のJTからのM&Aについて
A.グループインしたことを契機としてベーカリー事業の強化を図りたい。
Q.SFPのように当社と子会社の両方の株主優待が使える会社は他にあるのか?
A.ない
決議事項
・取締役5名選任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
総会終了後、新役員の紹介。
散会に際しては、拍手が上がっていました。
株主総会雑感
優待目当てに買い増しを考えつつ、総会に参加しました。
結論としては、買い増しは見送ることにしました。
理由は3つ。
・財務が悪いだけでなく、それに本気で取り組む姿勢が現経営陣に感じられなかった(会社に万が一のことがあれば優待の話では済まない)。
・DX対応の遅れによる機会損失(DXによる効率化には、コスト削減(分母を小さくする)と売上を伸ばす(分子を大きくする)ことがありますが、スマホアプリによる顧客のライフタイムバリューの最大化など大きく他社に遅れをとっているのが現状。)
・ロケーションビジネスからブランドビジネスという成長ストーリーに説得力がない(インフレの現在、「日常、定番、地元密着」だけではより付加価値の高いブランドにはつながらないのではないかと考えます。)
また、公募増資、借入金、協力金で株主、銀行、国の金でビジネスをしていますが、既存事業を通じてオーガニックに成長するとともに、フリーキャッシュフローをもっと増やして財務の健全化と成長投資を両立させられる会社になって欲しいと株主として感じました。
⑶ 2022年5月の株主総会
第25期定時株主総会 2022年5月27日(金) TOC五反田
当日は雨でした。
都合がつかず不参加でした。
参加した人の話だと、会社の発展を願う株主からの建設的な提言や質問が多かったとのことでした。
⑷ 2021年5月の株主総会
第24期定時株主総会 2021年5月27日(木) TOC五反田
「おはようございます。」
という社長のあいさつで始まりました。
続いて、大きな赤字となったことと、無配にする旨についてのお詫びがありました。
主な質疑応答
Q.来場した株主に対する配慮が足りない(質問限定など)。アンケートによる顧客の意向調査も不足。
A.真摯に受け止め対応していく。
Q.減資の理由は?
A.減資により中小企業となることで法人税対策等有利になるため。法人税は2億円。
Q.社長退任の理由は?
A.創業から二十数年間ずっと社長をやってきた。当初は三菱商事の後ろ盾があったが、その後完全独立しM&Aで多きなった。さらなる発展のために、次世代のリーダーシップを考えバトンタッチした。老害を回避し、安定した経営が継承されることが大切。上場企業として社長交代はもっと早く行っておくべきであった。
Q.役員に女性がいないのはいかがなものか?
A.新入社員の6~7割は女性であり、役員候補者もいる。
Q.優待ありがとう!M&Aはこれからも続けるのか?
A.ご縁がありともに成長できる会社がある限り継続する。
Q.同業他社(コロワイド)との違いは?
A.”グループ連邦経営”ということで各会社を尊重していることが最大の違い。敵対的買収は当社では考えられない。
Q.食材の供給について共通化は?
A.独立性の強いSFPホールディングスなどを除き、共通できる会社は共通化している。
Q.劣後ローン150億円の使い道は?
A.買収資金、短期ローン返済、DX関連
Q.横浜シャルの照明が暗い
A.適時改善していく。
Q.赤字に対する役員の責任の取り方?
A.一律報酬カット。また、従業員の賞与も削減。
Q.一株当たりの利益がここ数年落ちており、会社の稼ぐ力が落ちている原因は?
A.M&Aのコストによる。PMI(Post Merger Integration)の影響。
Q.退任する岡本社長から一言頂きたい。
A.運に恵まれた幸せな二十数年間、社長として勤務でき感謝の気持ちでいっぱい。
今までできなかったことにもビジネス以外のことにも挑戦し、人生のバランスを取り戻したい。
Q.川井新社長から一言お願いします。
A.地元に密着した互恵の関係を大切にしていきたい。
【株主総会でいただいたミネラルウオーター】
⑸ 株主還元
配当
1株配当実績は下記の通りです。
・2024年2月期:7円
・2023年2月期:6円
・2022年2月期:4.5円
・2021年2月期:無配
・2020年2月期:6円
・2019年2月期:12円
・2018年2月期:10円
株主優待
2月末日・8月末日
100株以上 2000円分のお食事券
など、株数に応じたお食事券がもらえます。
上記に加え
1年以上継続保有
400株以上:2000円分のお食事券
優待を使えるお店はたくさんあるのですが、249ブランドもある使えるお店の一覧表がないとついつい先送りしがちです。
以前は磯丸水産が気に入っていましたが、コロナ禍で最寄り店が撤退。
これからは、家に近いお店から順番に使っていこうと思います。
【2021年11月までと2022年5月までの株主優待券】
3 株主としてのコメント
⑴ 2021年5月の株主総会の感想
2021年5月の株主総会で退任した岡本社長、お疲れさまでした。
株主からの最後の質問が手厳しかったので、心ある株主から岡本社長への退任のあいさつで総会を締めくくろとする配慮がありました。
株主からも社員からも信頼されていたのだと思います。
質疑応答においてもそのお人柄の良さが伺えました。
57歳
人生まだまだこれからです。
今後のさらなるご活躍を祈念致します。
⑵ 外食業界の中の位置付け
外食業界は統合が進むチェーン系列と個人店の2極化していると言われています。
世界一のミシュラン星獲得数から分かるように、それこそ命をかけて頑張っている個人店の頑張りはこの先も続くものと考えます。
一方で、チェーン系列については、マクドナルドやスターバックスのような世界的なレベルには至ってはいません。
業界1位のゼンショーHDや2位のコロワイドはM&Aで巨大化しましたが、まだまだ成長の余地はあると思います。
その意味で、同様にM&Aで事業を拡大し続けたクリエイトレストランツHDもM&Aによる成長が期待されます。
⑶ M&Aについて
ただし、M&Aについて気になること2つあります。
一つはTOBに反対する姿勢。
クリエイトは経営陣が統合に反対する会社とはうまくいかないと考えているようです。
でも、それは本当でしょうか?
コロワイドの株主総会では大戸屋の買収は成功だったと説明されています。
経営陣は買収に反対だったが、従業員はそれほど反対していたわけでなく、むしろ吸収合併後にコロワイドの組織文化に触れて生産性が高まったとのことです。
他にも、NTTがNTTドコモの社長を更迭して完全子会社化したり、SBIがTOBにより新生銀行の経営陣を刷新したことなどが報じられています。
株主としてはTOBも悪くないと考え、注視しています。
⑷ PMI問題
気になることの2つ目はPMI(吸収合併後の統合プロセス)問題です。
まずは、会社のEPS(一株当たりの純利益)の推移をご覧ください。
17年2月期:17.4円
18年2月期:13.3円
19年2月期:7.0円
20年2月期:6.9円
21年2月期:▲74.3円
見事な右肩下がりです。
毎年、稼ぐ力が減ってきているのが明らかです。
会社の説明ではEPSの低下はPMIのコストによるものだとのことでした。
一般に、PMIは経営統合・業務統合・意識統合から成り立っていると言われます。
この中でどこがコスト高を招いているのかはわかりません。
ただし、一般的きM&Aの成否はPMIによって大きく左右されます。
もちろん自社でそれなりにPMIのノウハウは持っていると思います。
けれども、EPSの低下がこれだけ顕著であるという現実を直視すれば、専門家のアドバイスを受けるなりして対策を取るべきだと考えます。
当社がM&Aで成長を続けていく中で、TOBと共にPMIにも着目して行きたいと思います。
⑸ 点から面の株主優待政策
クリレスの株主優待の特徴は多くのお店で使えることです。
ただし、そのことはあちこちのお店に足を運ばなければならないということでもあります。
けれども最近では、例えば東京ミッドタウン日比谷の地下1階のレストラン街では全てのお店でクリレスの株主優待が使えるようなエリアが増えてきています。
このような点から面で株主優待が使えるお店の拡充を期待します。
【株主優待を利用した東京ミッドタウン日比谷地下1階のジャン・フランソワ】
4 まとめ
クリエイトレストランツHDについて述べてきました。
コロワイドとの比較すると同じM&Aで成長した外食産業の大企業ですが、組織文化は正反対。
・コロワイドは優勝劣敗のもと、強力なリーダーシップの集団
・クリエイトはグループ連邦のもと、緩やかな絆の集団
両社共にコロナ禍後、V字回復を成し遂げています。
当社の「ジャンプ」 に相当する新中計も期待されます。
引き続き、株主を続けていこうと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
#投資 #株式 #株主総会 #クリエイト・レストランツ・ホールディングス #SFPホールディングス