こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

商船三井【9104】〜株主総会雑感(今後のM&Aの成否は?)

初投稿:2024.9.18

こんにちは!

この記事は、商船三井【9104】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・高配当銘柄の成長戦略

・今後のM&Aの成否は?

【目次】 

【本社ビル】

                     

1 商船三井について

⑴ 会社概要

四季報では、「国内海運2位の総合輸送企業」とあります。

売上高1.6兆円、総資産4.1兆円、時価総額1.7兆円の事業規模。

PBRは0.69倍と低評価。

ただし、株主総会での質疑応答から経営陣はあまりこの点について危機感を持っているようではありませんでした。

あくまで、計画を達成していくことで成長を続けていく姿勢のようです。

企業理念 

⚫️グループの企業理念

あおい海から人々の毎日を支え、豊な未来をひらきます

分かりやすい理念だと思います。

ただし、この理念を通じて社員から創造性豊かなアイデアがどれだけ創出されるかについてはちょっと気になっています。

セグメント

下記の4事業に大別されます。

不動産事業が含まれるウェルビーイング事業が、非船舶という点で特徴的だと思います。

⚫️ドライバルク事業

⚫️エネルギー事業

⚫️製品輸送事業

⚫️ウェルビーイングライフ事業

⑵ 株主になったきっかけ

日本郵船株主総会

商船三井に負けるな!”

という株主が散見されて気になっていました。

チャートを見ながら買い時と思ったタイミングで、約2年前に株主になりました。

おかげさまでそれ以来、含み益をキープしています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:15%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):6%

収益性は高くありません。

しかも、粗利率も営業利益率ともに日本郵船に負けています。

今後の長期ビジョンを踏まえ、成長性がどのようになるか見守りたいと思います。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):414%

自己資本比率(30%以上が望ましい):58%

短期的及び中・長期的な安全性について懸念はありません。

むしろ、手持ちの豊富なキャッシュをどのように活用するかが課題と考えます。

その意味で、M&Aに注力する方向性は正しいと思います。

効率性 

・有形固定資産回転率:0.98

有形固定資産回転率は高くはありません。

これは、例えば前期と比べて「船舶」の金額が1200億円以上増えていることからも明らかなように、有形固定資産の増額によるものです。

このような成長投資が長期的に実を結ぶことを期待したいと思います。

【総会会場の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

2023年度定時株主総会2024年6月25日(火) 虎ノ門ヒルズフォーラム

少し遅れて会場に参加しました。

ライブ配信も実施されていたようです。

多くの株主が集っていましたが、予備の会議室まで満席になることはなかったようです。

主なポイント

⚫️「BLUE ACTION 2035」を踏まえたKPIは順調に達成中

⚫️配当については下限が150円、配当性向30%以上で来期は180円を予定

⚫️キャッシュフロー計画に基づき、M&Aに注力

⚫️事業ポートフォリオの変革により安定、非開運事業の推進

主な質疑応答

真摯な質問について丁寧な回答がなされている印象を持ちました。

主な項目は下記のとおりです。

台湾有事、円高による利益圧縮、低PBR、従業員の賃上げ、アンモニア輸送、港湾(米国、オランダ)の株式譲渡、EBITDA、コンテナ線の運賃交渉と船舶需給の見通し、女性活用、MITSUI OCEAN FUJI、従業員の男女比、外国人従業員の配置・教育、スエズ運河太陽光発電を活用した電気推進船の可能性

などについて質疑応答がなされています。

当社のHPでも動画が確認できますので、細部はそちらをご参照ください。

決議事項

⚫️剰余金処分の件

⚫️取締役9名選任の件

⚫️補欠監査役1名選任の件

拍手を持って・承認・可決されました。

なお、役員の紹介も丁寧に実施されています。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記のとおりです(Yahooファイナンスより)。

配当利回り5%を超える高配当株として認識。

なお、株式分割の影響は反映されていないと思います。

・2024年3月期:220円

・2023年3月期:560円

・2022年3月期:1200円

・2021年3月期:150円

・2020年3月期:65円

株主優待

保有期間と株数に応じて、

・「にっぽん丸」クルーズ優待券

・フェリーサービス共通クーポン券

・自社オリジナルカタログ

が頂けます。

自社株買い 

高配当株ですが、自社株買いに対しても積極的な姿勢を示しているようです。

短期的に考えると自社株買いをする金額も配当して欲しいような気がしますが、長期的には株数が減ることの恩恵もあると考えます。

日本郵船との比較を踏まえ、それらのバランスが大切に注目していきたいと思います。

株主総会で頂いた資料】

  

【総会会場にて】 

              

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

初めて株主総会に参加しました。

これまでの高配当に加え、高成長の点でも期待できそうだと感じています。

さらに、総会会場で議案についての賛否の集計票の記入は求められたのは初めてのこと。

その意味で、オリジナリティが感じられた点も良かったです。

ざっくりした感じですが、ライバルの日本郵船よりも会場での展示や資料配布に注力しているようにも感じました。

⑵ 気になっていること(株主総会雑感)

質疑応答については株主から積極的かつ建設的な意見が多かったと思います。

さらに回答する経営陣も、まず担当役員が答えそれを議長が補足するスタイルを採用しており、上手く機能していたと考えます。

それでも、ちょっと物足りない感じもありました。

何故なら、会社の今後の成長を左右するM&Aについての審議が少なかったからです。

一般に、M&Aの半分は失敗するとも言われています。

そのような現実を踏まえると、M&Aによる事業拡大が全て順調に行くとも限りません。

その辺りのことについて少し気になりました。

ちなみに、M&Aで業績を伸ばしている企業に東京海上HDがありますが、そこでは

M&Aの3原則

・グループ内での成長が期待できない企業の売却のルール化

などが株主に対して説明されており、リスク管理がしっかりしていると考えます。

M&Aで成長を続けてきた東京海上HDとこれからM&Aで成長していこうとする当社を比較しつつ、理想的なM&Aについて深掘りしていきたいと思っています。

【総会会場にて】

4 まとめ

商船三井について述べてきました。

海運業の将来性に期待を抱き当社の株主になり含み益のまま推移しています。

ただし、将来性を左右するM&Aについてはどこまで上手に実施し得るのかは正直、未知数だと感じています。

その辺りを東京海上 HDのようなM&Aで成長した会社と比較しつつ、できれば長期で株主を続けていきたいと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

【総会会場にて】

    

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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