初投稿:2021.5.18、更新日:2022.4.13、2023.4.10
こんにちは!
この記事は、サンアスタリスク【4053】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2023年3月の株主総会の内容等を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・ベトナムなどからWebエンジニアの確保
・貸株金利8.75%(SBI証券、2022年4月13日現在)
→3.5%(SBI証券、2022年4月10日)
★★★
【目次】
1 サンアスタリスクについて
⑴ 会社概要
DX関連銘柄です。
企業の新規事業開発をデジタル技術、ビジネス設計の両面で継続支援することとIT人材の育成、紹介の2本柱。
ベトナムなど海外の大学との産学連携による人材育成が特徴です。
売上高107億円、総資産96億円、時価総額408億円の事業規模。
時価総額の高さは市場からの評価が高いことを物語っています。
同時に、貸株金利が高いことから、金利を払ってまでして株を借りて空売りして儲けようとする人が多いくらい株価が割高と判断する投資家も少なくありません。
ちなみに、PBRは5.27倍と昨年の半分となっています。
ビジョン
「誰もが価値創造に夢中になれる世界」
IT企業のオーケストラホールディングスも”創造”を企業理念に上げていますが、サンアスタリスクの方がよりクリエイティブだと感じています。
セグメント
「デジタル・クリエイティブスタジオ事業」
単一です。
●「クリエイティブ&エンジニアリング」
顧客と一緒にデジタルプロダクトを創造
●「タレントプラットフォーム」
デジタルプロダクトの創造に必要な人材を発掘・育成し、顧客の排出
なお、DXには少なくとも下記の2種類あり、
・デジタリゼーション:業務効率化が目的
・デジタライゼーション:価値創造が目的
サンアスタリスクは価値創造が得意とのことでした。
⑵ 株主となったきっかけ
2020年夏に、IPO直後のモメンタムの良さとDX関連銘柄という理由で買いました。
堅調だった株価はその後、長期下落トレンドへ。
特定口座で現物のため、塩漬け状態のまま長期で保有しています。
⑶ 2022年12月期の経営分析
増収・減益でした。
減益の要因は設備投資として約3億円を投じたためと説明されています。
この設備投資が成長投資であることを期待します。
収益性
・売上高総利益率:53%
・売上高営業利益率(10%以上が優良株):8%
粗利率は高いです。
けれども、営業利益率良くはありません。
しかも昨年よりも利益率は落ちています。
販管費(成長投資)の増減によるものと推察されますが、計画的になされているのか疑問です。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):493%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):80%
短期的にも中・長期的にも問題は認められません。
昨年同様です。
反対に集めた資金を有効に活用できていないのではないかと感じてしまいます。
効率性
・有形固定比率回転率:40.23
本社移転等の投資により、昨年よりは効率性は低下しています。
ちなみに有形固定資産の内訳は「建物付属設備」、「工具、器具及び備品」となっています。
⑷ 2021年12月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:51%
・売上高営業利益率:18%
高収益です。
しかも昨年に引き続いているということで持続性もあり、良いビジネスモデルと考えます。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):469%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):78%
昨年より多少数値は落ちていますが安全性に問題は見当たりません。
短期的にも中・長期的にも財務基盤は盤石と言って良さそうです。
効率性
・有形固定資産回転率:78.95
有形固定資産に対して資金の効率的な投資がなされていると思います。
ちなみに有形固定資産の内訳は「建物付属設備」、「工具、器具及び備品」となっており不動産にはあまりコストをかけていないことが特徴と思います。
⑸ 2020年12月期の経営分析
増収増益で好調です。
招集通知の財務諸表をもとに収益性と安全性を分析してみます。
収益性
・売上高総利益率:53%
・売上高営業利益率:17%
高収益なビジネスモデルとなっていることが分かります。
サンアスタリスクの強みの一つはベトナムなどの大学との産学連携によりWebエンジニアを雇用し、低コストでの開発を実現している点が挙げられます。
人材確保という点で差別化が図られており、今のところ良いビジネスモデルであると考えます。
ただし、他国との産学連携の参入障壁がどの程度なのかが良く分からないため、同業他社が海外からの人材確保に本腰を入れた場合どうなるかは未知数です。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):573%
・当座比率(100%以上が望ましい):560%
・負債比率(100%以下が望ましい):24%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):81%
革ジャン社長、外見とは反対に財務は固いです!
「短期的な株価の変動は気にしない。」との発言の背景には強固な財務基盤の裏付けがあるからだと推察します。
2 株主総会等
⑴ 2023年3月の株主総会
第10回定時株主総会 2023年3月30日(木) ベルサール神田
ハイブリッド開催でした。
ただし、事前申込制。
主な質疑応答
【事前】
Q.ムースの状況について
A.活躍しているアーティストのことを深く知りたい人に情報を提供するもの。
アーティストが四人で見込み通りの展開であるが、収益を増やすためには、アーティスト数を増やすことが必要と認識している。
Q.シンガポールのインターネットプラットフォームの状況について
A.着々と準備しているが、申し上げる事項はまだありません。
Q.北米マーケットの開拓について
A.エンターテイメントの領域で準備をしてきた。
今後10年間はチャレンジ期間と考える。
【会場】
Q.オンラインによる決算説明会について
A.楽しかったので今後も続けるつもりである。
Q.今後の株主総会の実施形態について
A.バーチャルオンリーを含めて検討中である。
決議事項
・取締役5名選任の件
・監査等委員ある取締役3名選任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
⑵ 2022年3月の株主総会
第9回定時株主総会 2022年3月30日(水) 両国スタジオ
ハイブリッド型の株主総会でした。
移動中にスマホを利用して参加しました。
株主総会
取締役の方々がラフな服装をしていたのが印象的でした。
社長がスライドを用いて事業説明が実施されました。
決議事項として
・定款一部変更の件
・取締役5名選任の件
が滞りなく承認・可決されました。
オンライン株主懇談会
下記の項目についてリラックスした雰囲気の中、懇談会が実施されてました。
DX・事業体制
人材・チーム
コミュニティ
環境
印象に残ったのは
・経営陣が和気藹々と意見交換している様子
・コーポレートガバナンスについての苦労話
・さまざまな国籍の人が協力しあっていること
・即戦力のみならず新人(価値創造人材)の採用、人材の最適配置への注力
などです。
非常にクリエイティブな会社であることはよく分かりました。
⑶ 2021年3月の株主総会
第8回定時株主総会 2021年3月30日(火) 両国スタジオ
他の会社と競合したため不参加。
ただし、バーチャル株主総会は実施されていました。
自分はついうっかり事前申し込みを失念していたため参加できませんでしたが、次回からはオンラインでもいいので参加したいと思います。
【株主総会招集通知に同封されていたメッセージカード 光とタッチポイント】
3 株主としてのコメント
⑴ 貸株金利の高さ
SBI証券で貸株を利用しています。
自分の持株の中で、一番貸株金利が高いのがこのサンアスタリスクです。
貸株金利は8.5%です。
ちなみに、次に高いのがペッパーフードサービスの8.0%。
いきなりブレーキと言われGC注記(継続企業の前提に疑義がある)付のペッパーフードサービス以上の高金利。
貸株金利が高いということは、高い金利を払ってまでして株を借りて空売りしたい人が沢山いることを表しています。
ヤフーファイナンスで信用残を見てみると、確かに膨大な売り残が積みあがっています。
なぜ、多くの投資家はサンアスタリスクの株が下がり続けると考えているのでしょうか?
まさか、上場直後のサンアスタリスクは倒産してしまうのでしょうか?
それとも、隠された重大な問題でもあるのでしょうか?
多くの人が空売りをしているのは、社長が短期の株価を気にしないと発言していることを信じて安心していることが理由と考えています。
社長が株価を気にしないなら空売り勢は高い金利を払ってでも安心して空売りを続けることが出来ます。
でも、社長が短期の株価を気にしないというのは本当のことでしょうか?
自分は以下の3点から信じて良いと思っています。
・盤石な財務基盤(株価が下がっても当面の経営には支障がない)
・社長の持株比率が低い(7.92%で4位)
・公の場でも革ジャンで登場するくらい自己主張が強い(ある意味嘘が少ない)
ちなみに持株比率については、大株主1位の平井氏と3位の藤本氏が創業者のようです。
現在の社長である小林氏については、ベトナムでの活躍が会社躍動の原動力として評価されたと報じられています。
また、空売りが積みあがっていることは、逆に考えれば、踏み上げ相場による急騰も余地も高いということ。
SBI証券で貸株によって、高い金利を頂きつつ将来の大化けを夢見るのも悪くない話かもしれません(現実は、それほど甘くはないと思いますが・・・。)。
⑵ 今後の方針
現物をホールドしつつ、場合によっては買い増しも考えています。
理由はこれまで述べた通り
・DX関連銘柄
・ベトナムなどとの産学連携による優秀な人材を活かすビジネスモデルを評価
・貸株金利の高さ
・2017年12月に代表取締役の交代を経験しておりトップ交代に対する耐性がある
などです。
⑶ 気になること
顧客
現状は、スタートアップやベンチャーが顧客の中心です。
収益の安定化を図るためには、顧客層をもっと増やして比較的大きな会社とのビジネスも増やすべきかと思っています。
DXはすべての会社が必要としている技術トレンドなので、マーケティングにも力を注いで頂きたいと思います。
ただし、2022年4月12日の報道では、
ソニーネットワークコミュニケーションズと共に、シンガポールにNFT事業会社を設立すると報じられていました。
大企業と組むことで会社の信頼性がより高まり、顧客層の拡充が期待されます。
※NFT:非代替性トークン(Non-Fujible Token)の略称。ブロックチェーン上に記録される一意で代替え不可能なデータ単位。画像・動画とうのデジタルファイルを関連づけて所有権の公的な証明をすることができる(株主総会招集通知より抜粋)。
株主構成
個人投資家の持ち株比率が高く、4位にようやく農林中央金庫が登場します。
大株主4人が喧嘩でもしたら目も当てられない状況になりかねません。
大株主3位の小林一成さんは何故、経営陣に加わっていないのでしょうか?
(note では海外企業チャンネルを通じて元気に情報発信されているご様子)
すみません、人事のことは良く分かりません。
ただ、もう少し、取引先等の企業にも保有してもらった方が安定感が増すと思います。
その意味で、比較的大きな企業と取引先兼大株主になってもらえるような、資本業務提携があれば、アルベルト(3906)がトヨタや東京海上日動火災などとの業務提携によりテンバーガーになったことの再現がなされるように思います。
⑷ チャラさについて
若い社長の”革ジャン”に象徴されるように、株主としてはこれまで見た目のチャラさをずっと感じていました。
ただし、最近は事業活動についてもチャラさを感じることが増えています。
例えば、
・連結損益計算書において、しれっと計上された5千万円以上の投資有価証券評価損
・対処すべき課題の注尺の多さ(用語の説明は単なる行数稼ぎ?)
・デジタルの会社なのに株主にはメッセージカード(紙媒体)
例えば、
「ベトナムの子会社でAIの研究開発に取り組んでいきます。」
と対処すべき課題に記述されていますが、それだけでは株主にとっては有益な投資判断にはつながりません。
専門用語の問題ではなく、中身とそれを伝えたいという情熱の問題だと考えます。
事業活動においてはもう少し真剣さを望みます。
【最新の株主総会招集通知に同封されたメッセージカード】
4 まとめ
サンアスタリスクについて述べてきました。
貸株金利と時価総額がこの1年で約半分になりましたが、チャラさは反対に見た目のみならず事業活動にも散見される変遷だったと思います。
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業績好調は好調でも株価は低迷、時価総額は大き反面貸株金利が高いなど、投資家にとってもさまざまな面を有しておりそこがこの会社に投資をする魅力だと実感しています。
長期塩漬け状態ですが、財務基盤の良さを踏まえ、貸株金利を頂きながら”踏み上げ大相場”を夢見て長く付き合っていこうと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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