こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

アンジェス【4563】について〜株主総会雑感

初投稿2021.、更新日:2022.4.27こんにちは!

この記事は、アンジェス【4563】に関心のある方に向けた個人投資家(株主)としてのコメントを記したものです。

なお、2022年3月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青地です)。

・のらりくらりとした株主総会(質疑応答)

GC注記

★★

【目次】

株主優待の一例】

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1 アンジェスについて

⑴ 会社概要

創薬ベンチャー

大阪大学医学部が母体。 

⑵ 株主となったきっかけ

2020年のコロナ禍において、ワクチンを開発している会社として”応援”の意味を込めて株主になりました。

他には、デンカという会社も同じ理由で株式を購入。

1年後、デンカは1.5倍以上の株価に対して、こちらは塩漬け状態。

当初は含み益がありましたが・・・なかなかバイオ株は難しいですね。

⑶ 2021年12月期の経営分析

収益性

6400万円の売上高で営業損失が156億円です。

収益性の酷さのみならず、営業キャッシュ・フローがマイナスとなっており慢性的な赤字経営が続いていることが問題と考えます。

バイオベンチャーだからという意見もよく耳にします。

しかし、同じバイオベンチャーペプチドリームが黒字経営をしていることを踏まえると、収益性に問題を抱えていると言わざるをえません。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):318%

自己資本比率(30%以上が望ましい):85%

安全性については指標を見る限り問題がありません。

ただし、GC注記(継続企業の前提に関する疑義)がついていることはよく認識しておく必要があると思います。

効率性 

・有形固定資産回転率:0.33

低い数値です。

有形固定資産の内訳の大部分を占めるのが「建物」となっています。

研究関連の建物に投資している金額が、売上高に比べて大きく、効率的な経営には結びついていないと考えます。

⑷ 業績

赤字です。

GC注記(継続企業の前提に関する注記)が会社四季報に記載されています。

招集通知の対処すべき課題において

・自社既存プロジェクトの推進

・開発パイプラインの拡充と事業基盤の拡大

・開発プロジェクトにおける提携先の確保

・資金調達の実施

の4点を挙げそれにより、

「継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。」

と説明されています。

意見が分かれるところではあると思いますが、会社の判断もある意味正しいのかもしれません。

というのも、利益剰余金が146億円を超える赤字にもかかわらず、時価総額が1500憶円あること、そしてコロナワクチンや治療薬の期待があるからです。

先のことは分かりませんが、世界中で変異種が出ていることを踏まえれば、コロナについては、予防するためにインフルエンザ同様に毎年ワクチンを接種することが必要になるかもしれません。

そう考えると、今はファイザーやモデルナなどに比べて出遅れているかもしれませんが、長期的にワクチンの需要があるとするならばそれだけでも大粋な収益になるように考えます。

いずれにしても、バイオ株は難しいです。

しっかりと調べつつも慎重に付き合っていく姿勢が大切だと思います。

2 株主総会

⑴ 2022年3月の株主総会

第23期定時株主総会 2022年3月30日(水) ハービスHALL

ハイブリッド方式の株主総会でした。

配信を視聴しました。

社長から事業の説明がありました。

”のらりくらり”といった印象です。

GC注記についても認めていない旨の説明がありました。

主な質疑応答

Q.事業に関するゴールが見えない。期限をはっきりさせてほしい。

A.創薬事業というのは前例のないものであり先が見えないもの。できる限りスケジュール化に努める。

Q.新薬開発の勇気ある撤退について

A.コラテジェンの開発・収益化にも期間を要しており、次のライセンスアウト→キャッシュ化を目指していく。

Q.コロナワクチンの開発に関して、昨年の株主総会において社長は「初夏に良い話ができる」と説明していたが、その後、何の説明もない。コロナワクチンを開発する気があるのかどうか、本心を明らかにせよ(株主を裏切っているのではないか)!

A.お詫び申し上げる。原因は社内に抗体を測定する検査装置がないこと(海外にはある)。コロナワクチンの開発を断念したわけではない。お叱りをしっかりと受け止めて経営に邁進する。

Q.ワクチン開発において子供専用のワクチン開発を目指すことについて

A.検討する。

Q.業績の大幅な低下の理由について

A.田辺三菱製薬との取引の影響

Q.ワクチン開発に伴う補助金は開発失敗時には返却しないといけないのか?

A.そのようなことはない。

Q.米国やカナダからの補助金につては返却を迫られる恐れはあるのか?

A.可能性はある。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役6名選任の件

・補欠監査役1名選任の件

質疑応答では株主からの厳しい質問に、会場から大きな拍手が湧き上がっていました。

それでも、決議事項については滞りなく承認・可決。

併せて、紹介された新役員に対しても拍手が送られていました。

事業説明会

その後、森下教授による

「遺伝子医療のグローバルリーダーを目指して 遺伝子治療とDNAワクチンの未来」

という講演会や討論が行われました。

⑵ 2021年3月の株主総会

第22期定時株主総会 2021年3月30日(火) ハービスHALL

会場が大阪のため不参加。

⑶ 株主優待

株主優待割引対象商品カタログが送付されてきました。

ハチミツや美容品、健康食品、ドライヤーなどが載っていました。 

5割引などお値打ちなものがたくさんありました。

また、議決権を行使した株主への特別企画として

美顔器やホワイトエッセンスなどを70%引き。

株主優待は無くなったようです。

ちなみに、個人的には株主優待を利用していません。

3 株主としてのコメント

⑴ バフェットの教え

米国の投資家ウオーレン・バフェットは、

「研究開発にお金をかける会社には投資しない」

という方針と聞いたことがあります。

初めてその話を耳にした時

「研究開発をしなけれがイノベーションも期待できないのではないか?」

とちょっと疑問を感じました。

ただし、研究開発にはリスクが伴います。

そしてバフェットはそのリスクを前提としたビジネスモデルを投資対象としなかったということです。

バフェットの指摘の正しさを(全面的ではありませんが)痛感しています。

⑵ 今後の予定

NISA口座で購入しています。

株価は大きく下落したまま。

今の状況では、株価上昇も期待薄です。

ただし、

・自分の投資のどこがまちがっていたのか?

・ペプチドリームとの違いを産んだ違いは何か?

・大学初のベンチャーには玉石混合な理由は?

・コロナ禍の対策の顛末は?

・欧米と日本のバイオ企業の大きな違いは何か?

・応援したいという気持ちはどこまで許容されるのか?

などを考えることは価値のあることと考えます。

戒めとしてホールドです。

4 まとめ

アンジェスについて述べてきました。

国産コロナワクチンの開発を期待し、応援する意味で株主となりました。

けれども、その後の経過を見るに期待は大きく萎んだ状態。

株主総会で”ものらりくらり”という対応を見ると、「ある意味このような状況は当初から予想していたのではないか?」と確信犯の疑いさえ感じられました。

今更ながら、バイオ株投資の難しさと同業であるペプチドリームの経営の優秀さを実感しています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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