こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

LIXIL【5938】〜株主総会雑感(バーチャルオンリーはイマイチ)

初投稿:2023.8.4

こんにちは!

この記事は、LIXIL【5938】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・『決戦!株主総会

・バーチャルオンリー株主総会

【目次】 

【京都のLIXIL展示場】

                     

1 LIXILについて

⑴ 会社概要

売上高1.4兆円、総資産1.8兆円、時価総額4934億円の事業規模。

PBRは0.76倍と苦戦中。

ただし、配当利回りは5%を超えています。

企業理念 

ハーパスと行動指針は下記の通りです。

これを読んだ社員がそれぞれの思い思いのアイデアを出せそうという点で良いと考えます。

・Purpose(存在意義)

世の中の誰もが願う豊で快適な住まいの実現

・Behavior(3つの行動)

正しいことをする

敬意を持って働く

実験し、学ぶ

セグメント

下記の2つの事業で構成されています。

・ウオーターテクノロジー事業(水回り設備、その他)

・ハウジングテクノロジー事業(金属製建材、木質内装建材類、その他建材類、住宅・サービス関連、その他)

⑵ 株主になったきっかけ

高配当で巨大企業であることから株主となりました。

『決戦!株主総会』のその後についても興味があって会社の今後の展開に注目しています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:31%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):2%

収益性は低いです。

原価が7割を占め、最終的な利益率も1%。

会社は7.5%を目標にしていますが、現状の売上高営業利益率は2%。

低収益性については様々な要因があると思いますが、原価や販管費等についてしっかりと対応することが重要と考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):114%

自己資本比率(30%以上が望ましい):34%

短期的にも中・長期的にも何とか安全性を確保しているというレベルです。

ただし、減益でも配当をしている状況を踏まえると、経営陣は財務的にはそれ程大きな問題を抱えているとは認識していないように推測します。

効率性 

・有形固定資産回転率:3.97

おそらく、平均レベルだと考えます。

本社移転等で有形固定資産についても効率性を追求しているところとだと思いますが、著しい改善は容易ではなさそうです。

【旧本社】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第81回定時株主総会 2023年6月21日

バーチャルオンリー総会を視聴しました。

当初、社長のテンションが高く声が弾んでいました。

議長一任の採決方法についての説明、事業報告のビデオ、対処すべき課題等が続きました。

主な質疑応答

下記の他、当社のHPでも株主総会アーカイブ配信、議事録が公開されています。

【事前】

Q.株価について

A.円安は上昇要因、サプライチェーンの再編やウクライナ問題ではコスト高となって下落要因と考える。

リフォーム需要を取り込み今年後半にかけての業績回復に努める。

Q.減益なのに配当金額が多いのでは?

A.基本は配当性向30%。

ご指摘のとおり利益は不甲斐ないが、EBITDAで考えると配当の原資であるキャッシュは稼げている。

EBITDEA比で考えると過去は19%であり、今回も21%であり妥当と判断した。

Q.PBRとROEの改善策について

A.従来からPBRが低い会社であったが、事業ポートフォリオの見直しで1倍を超えることができた。

けれども、ここ2年間は1倍割れが続いている。

原因はサプライチェーン冗長化や在庫の増加等であり、今後は資産の再編等でPBR向上を目指す。

ROEについては、利益の向上(分子の増加)と固定費の削減(分母の減少)に努める。

Q.コンプライアンスについて

A.役員には自覚を持ってもらいコンプライアンスの重要性について働きかけを強化してもらっている。

従業員に対しては、気になることについて声を上げやすい環境づくりを恒常的に進めていく。

Q.ウクライナ問題について

A.難しい問題。

ロシア侵攻の2週間前から予測して準備していたがサポートをするだけの状態。

商売にはならない。

従業員の健康と安全を最優先としていく。

なお、視察したポーランドLIXILにおいては、避難者の受け入れ活動が献身的に実施されていた。

Q.低迷する株価について

A.収益が芳しくなかったことが原因。

ただし、業界全体として同様の傾向である。

今年の後半から景気が回復していくので、固定費を削減しつつ業績向上に尽力する。

Q.利益率が1%と低いことについて

A.米欧中の住宅状況を踏まえ、住宅産業は成長の余地があると認識している。

Q.取締役にTOSTEM等の生え抜き社員がいないことについて

A.(指名委員長から)生え抜きか否かは考えていない。

スキルマトリックスに基づき指名している。

Q.自社株買いについて

A.余剰のキャッシュが生じた段階で実施する。

Q.LIXILの安売りで困っている

A.価格は取引先の小売業が決定している。

当社はメーカーとして魅力ある商品を提供することを今後も続けていく。

Q.業績低迷の責任について

A.申し訳ありません。

重く受け止めています。

差別化のできる商品づくり、利益率の高い分野に経営リソースを振り向ける、固定費を削減するなどにと注力していく。

社外取締役より)ごもっともなご意見。

社外取締役としてふりかえると、計画からズレた際の監督に改善余地があったと思う。

社外取締役の報酬については株価に連動する部分が22%あり、株主と利害を共有している。

Q.業績の見通しについて

新築事業とリフォーム事業の比率については、日本の場合1:2程度だが、欧米では逆になっている。

よって、今後は日本でもリフォーム事業に追い風が吹くと予想している。

これには、政府の補助金の影響もありビジネスチャンスと捉えている。

キヌアミという新しいシャワーなどイノベーティブな商品も提供している。

引き続き、持続的な成長と中・長期的な企業価値向上に向けて頑張る。

Q.企業価値が半分になったので社長は辞任を

A.株価については、社長就任当時1751円、復活時1471円、現在は1911円でであり企業価値は半分にはなっていない。

ただし、最高値の3200円からは大きく下落しているのも事実。

業績改善に向けて尽力する。

また、個人的には辞任する意向はない。

また、社長に関しては、指名委員会の決定によるものである。

Q.支店長のパワハラについての再調査について

A.議案と無関係な個別な問題であり、回答は差し控える。

今後も社員が能力を発揮できる環境を作ることに注力していく。

Q.内装半磁器タイル事業からの撤退について

A.需要の減少を踏まえたものである。

【当日】

Q.人材確保について

A.当社はダーバーシティ&インクルージョンを掲げ、女性、外国人、障害者を含めて働きやすい環境に配慮してきた。

また、若い人でも実力を発揮しやすい職場づくりに努めている。

Q.累進配当の妥当性について

A.当社は累進配当制を採用していない。

配当性向30%以上を目標としている。

Q.今野取締役と西浦取締役の違いについて

今野氏:弁護士として業務を見極める仕事に強く監査等委員会で活躍

西浦氏:判事として人を見極める業務に力量があり報酬&指名委員会で活躍

Q.住宅産業の将来性について

A.対局的には成長産業と認識。

衣類、食事が満たされた人が次に望むものは住まいであり、世界になそのような人々が数多く存在する。

新築についてはそのような需要があると考える。

また、1990年代のドイツで生じた新築からリフォーム(断熱材の拡充など)へのトレンドを見ても日本でも成長する余地は小さくないと思料。

よって、売上高営業利益率7.5%は十分に達成可能と考える。

Q.為替の影響について

A.135円の想定為替レートとしているが現状は141円程度。

ただし今後は日本円が強くなることも十分に予想している。

Q.LBT事業について

A.ビル事業については過去大きな損失を出したこともあったが、契約形態の改善等により利益率の改善に努めていく。

Q.社外取締役の”制限”について

A.社外取締役はそれまでに培った経験が重要なのでベテランになる傾向がある。

ただし、就任時に75歳以下、10年10期まで、6年が基準などの”制限”もある。

また、海外でも社外取締役は高齢である場合が少なくない。

Q.自社株買について

A.基本的には余剰資金で実施する。

時価総額を高めるためることを重視してやっているわけではない。

Q.女性管理職の活躍について

A.現状の女性管理職の比率は16〜17%程度。

2030年は30%を目標としている。

Q.株主優待の復活について

A.以前はリフォームについての株主優待を発行していた時もあった。

けれども、多くの株主が十分享受できていなかった状況を踏まえ、株主還元は配当が最適と考えている。

Q.今年後半の景気回復について

A.プロジェクトの見積もり、顧客からの生産計画の依頼、同業他社の動向等を総合的に判断して景気回復を予想している。

Q.社外取締役から当社の現状について聞きたい

A.(社外取締役より)24年3月期の事業利益400億円は厳しい環境を踏まえると妥当と考える。

現状打開のための打ち手を確認するとともに、必要に応じた打ち手を申し上げていきたいと考える。

Q.インフレの影響について

A.顧客からの注文や同業他社の動向を総合的に考えて、今年後半の回復を見込んでいます。

決議事項

・取締役11名選任の件

集計により承認・可決されました。

株主総会雑感

バーチャルオンリー総会はやはり慣れません。

新興企業では仕方ないにしても、多くの株主を抱えるLIXILほどの巨大企業には馴染まないと感じました。

イマイチ。

理由は下記の通り。

・ネット環境に不慣れな株主を排除するバーチャルオンリー株主総会インクルージョン&ダイバシティという組織文化に矛盾

・どんな人が質問しているのか不明

・質問が株価と業績に集中しておりネットに慣れた人の関心事項?に偏重

株主総会の会場に足を運んでいただき「来て良かった」と思ってもらうことを通じて当社のファンを増やすことの機会損失

・同じく、会場にてキヌアミ等のリクシルの新製品をアピールする機会損失(株主限定イベントでのアピールだけでは迫力不足)

・社員の株主(潜在的な顧客)と交流する機会の喪失

・経営陣からの素晴らしい発言に対して会場から拍手が湧き上がる時のような株主間の共感を感じる場の喪失

・社長も最初は元気でしたが、最後はお疲れ気味

・単調な議事運営(類似した質問の連続)

次回からはハイブリッド方式を希望します。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当の推移は下記の通り。

増配基調は嬉しいです。

2023年3月期:90円

2022年3月期:85円

2021年3月期:75円

2020年3月期:70円

2019年3月期:70円

株主優待

なし 

【お台場のイベント会場】 

            

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

日本では上場企業が多すぎると感じています。

その意味で、5社が統合した当社が大きく飛躍することは日本企業の活性化という意味で期待が持てます。

『決戦!株主総会』でも色々なことを学ぶことができました。

今後の展開に期待します。

 

 

⑵ 気になったこと

当社の社長が下記の点で日本M&Aセンターの社長と似ていると感じました。

・強いリーダーシップで会社を率いていること

・長時間エネルギッシュに話すこと

・声質や喋り方が似ていること

・どちらも将来、業績回復を強くアピールしていること

なお、日本M&Aセンターの場合、不祥事で株価は低迷しいるが一段落したので今後は業績が回復すると熱く語っていましたが、先日の四半期決算で前年同期比で減収減益で株価が暴落しています。

業績回復をアピールするのはいいですが、聞き手の期待値が話しての予想以上に膨らみすぎる場合があります。

そうなると、

実際の業績に接した際に失望する人が出てくるのではないか?

と気になりました。

【旧書店】

4 まとめ

LIXILについて述べてきました。

『決戦!株主総会』のイメージがあって期待したのですが、バーチャルオンリー株主総会では物足りなく感じました。

「今年後半は良くなる」と社長は断言していましたが、1年後、日本M&Aセンターのようなことにならないことを切に願っています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #LIXIL

  

三菱自動車【7211】について

初投稿:2023.8.2

こんにちは!

この記事は、三菱自動車【7211】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・オープンな株主総会

・自動車業界100年に1度の変革

【目次】 

【田町のショールームにて デリ丸のぬいぐるみ】

                   

1 三菱自動車について

⑴ 会社概要

自動車会社で四季報では事実上日産の傘下とあります。

大株主は日産、三菱商事とのこと。

同時に”自動車”業種の時価総額順位では8/8社です。

売上高2.4兆円、総資産2.2兆円、時価総額8651億円の事業規模。

PBRは1.0倍とギリギリの評価です。

企業理念 

下記の通りで、共感できるものと思います。

VISION

モビリティの可能性を追求し、活力ある会社をつくります

・MISSION

1 独創的な商品と優れたサービスにより、お客様に新たな体験を提供します

2 社会の持続可能な進展に貢献します

3 信頼される企業として誠実に活動します

4 アライアンスを活用し、ステークホルダーにより高い価値を提供します

⑵ 株主になったきっかけ

株価が安く、今後の伸び代が大きいことに期待しました。

過去最高業績や復配など、今後の展開が楽しみです。

⑶ 経営分析

経営分析の数値を見ると意外にも、業界トップのトヨタとそれほど遜色はないようです。

むしろ、トヨタの方が決算期にPBR1倍割れだったことを踏まえると健闘しているとさえ思います。

収益性

・売上高総利益率:21%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):8%

会社の2025年度における売上高営業利益率の目標は7%以上です。

そう考えると、円安の追い風が大きかったと考えます。

ちなみに、トヨタ売上高営業利益率は7%でした。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):146%

自己資本比率(30%以上が望ましい):38%

会社の目標については自己資本比率は45%以上とのこと。

そのように考えると、まだまだ安全圏ではなさそうです。

経営危機を経験した会社だからこそ、安全性についての感度は敏感だと思います。

ちなみに、トヨタ自己資本比率は39%です。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.41

ちなみにトヨタの場合2.94であることを考えると、有形固定資産については効率的な経営がなされていると考えます。

ただし、少し三菱自動車のディーラーが少ないような気もします。

【お台場の自動運転車】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第54回定時株主総会 2023年6月22日(木) シェラトン都ホテル東京

ライブ配信を視聴しました。

手話が同時配信されている株主総会は初めてでした。

また、編集後の総会の動画を1ヶ月アーカイブ発信するとのこと。

オープンな株主総会だと感じました。

主な質疑応答

【事前】

Q.バッテリーEV戦略について

A.バッテリーEVはインフラの状況や補助金不足等の影響によりバラつきながら進んでいくと認識。

ASEANではハイブリッド車を中心に投入、欧州ではアライアンスを活用しつつ、今後9モデルのEV車を投入していく戦略である。

なお、バッテリーの価格低減については性能とコストのバランスをとりながら進んでいくと思われる。

Q.株主還元について

A.長期安定の配当を基本とする。

同時に、同業他社を参考に自己資本1兆円、自己資本比率45%も目指す。

成長と還元のバランスをとっていく。

【会場】

Q.社名やマークの変更について

A.ご指摘のとおり国内においてあまり良いイメージがないことは承知している。

ただし、ASEANにおいては三菱自動車のブランドが浸透しており、国内においてもコアなファンがいることも事実。

当面は、三菱自動車の名前とマーク(エンブレム)をつけた商品を自信を持って販売できるよう尽力する。

Q.地方自治体との協力について

A.岡崎市とは既に協力関係(太陽光発電を提供する一方で、EV車をご購入頂く)にあり、倉敷市京都市とも関係強化に力を注いでいる。

今後も、廃バッテリーを街路灯に活用することなどを通じていろいろな自治体との関係を深めていきたい。

Q.モータースポーツへの参入について

A.かつてはパリダカール・ラリーやWRCにも参戦した。

直近では、アジアクロスカントリーラリーにてデビューウインを果たした。

ここにはしばらくは参戦していく予定である。

参戦により耐久信頼技術や四輪駆動技術に大きく貢献しているので、今後は状況を踏まえて次のステップを考える。

Q.女性専用のスペースの確保について

A.基本的には女性活用を推進している。

個々の案件については必要に応じて拡大していく。

(女性取締役より)いずれはそのような時期が来ると思うので鋭意準備していきたい。

Q.デジタル人材の確保と社風について

A.当社は既にネクタイ着用の必要はなく、出社も週に2日を原則としている。

これは、IT人材のみならず、社会の変化に合わせたルールの見直しによるもの。

IT人材が入社しても活躍できる環境に配慮していきたい。

Q.三菱電機からのIT人材の支援について

A.考えていない。

Q.株価対策としてのグローバルIRについて

A.シンガポールやロンドンでのIR活動を実施している。

今後も、当社の強みである電動化・四輪駆動技術、デリカミニの足回りの強さ等をアピールしていきたい。

Q.障害者雇用について

A.法定雇用率の2.3%は達成している。

今後2.7%に上がっても対応できるように、岡崎に加え、水島や京都で所用の準備を進めている。

Q.エンジン車の将来について

A.2050年に50%の電動化を目標といているが、この中にはハイブリッド車も含まれており、まだまだエンジン車を作っていく予定である。

Q.防衛装備品である73式トラックの維持(製造中止?)について

A.今後も必要な支援を提供していく。

Q.国外のプラットフォームの国内への投入について

A.そのような可能性はあり得る。

Q.ランサーエボリューション11について

A.セダンやクーペに根強い需要があるのは承知しているが、リソースを考えると0からセダンを製造するのは現実的ではない。

ただし、SUVやトラックへのより大きな需要を踏まえ、夢を持って対応していきたい。

Q.EVバッテリーの普及に係る当社のプロモートについて

A.電力会社や同業他社との協力により尽力していきたい。

Q.自動車業界の不正について

A.他社の事についてのコメントは控えさせていただく。

国土交通省の指導のもと、業界の一員として進めていくことが基本。

その上で、当社自身も再発防止に全力で対応していきたい。

Q.役員の評価について

A.業績目標の達成度や透明性等を踏まえて評価している。

役員として緊張感を持って業務に取り組む。

Q.今期の業績見通しについて

A.業績見通しを立てた時期は、米国のシリコンバレーバンクの破綻や円高基調であったことから“堅め“の見通しとなっている。

モメンタムは変えない。

当社は輸出産業でもあり為替の影響は30億円(恐らく1円の変化と推測します)ある。

CFOとしては自己資本比率、成長、株主還元のバランスに配慮していく。

Q.(車を沢山持っている株主から)接客について

A.ご指摘の接客問題については認識している。

アウトランダーの販売が好評の反面、接客について多くの意見をいただいている。

今までは、セールストークのスキルコンテストを実施してきたが、今後は接客についても取り組み国内販売の重点強化に努める。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役13名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、新役員紹介の際と閉会時にも拍手が送られていました。

⑵ 株主還元    

配当

1株5円の復配です。

株主優待

なし

自社株買い   

なし

【デリカミニ】

              

3 株主としてのコメント

空飛ぶタイヤなど、映画やドラマでも取り上げらるくらいの不祥事が生じた会社であり、正直、あまり良い印象を持っていませんでした。

けれども、株主総会ライブ配信を視聴して、悪いイメージは払拭されました。

しっかりとした誠実な議事運営がなされるとともに、心ある多くの株主の愛に支えられていることを感じました。

不祥事についてはドラマ化されましたが、その後の信頼回復活動についても十分にドラマティックだと思いました。

ショールームの様子】

4 まとめ

三菱自動車について述べてきました。

自動車業界100年に一度の変革期における経営、不祥事からの復活などに興味深いテーマに着目しています。

初めて株主総会ライブ配信を視聴しましたが、経営陣の真摯な態度と株主からの建設的な意見が多く、思った以上に“ふつう”の会社だと感じました。

三菱グループの一員であり、独自技術や海外におけるブランド力を考えると、今後の展開が楽しみです。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #三菱自動車 #EVバッテリー 

  

丸文【7537】〜株主総会雑感

初投稿:2023.7.25

こんにちは!

この記事は、丸文【7537】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・業績好調&高配当

・昭和の時代を感じさせる株主総会

【目次】 

【丸文の本社ビル】

                 

1 丸文について

⑴ 会社概要

エレクトロニクス商社。

売上高2261億円、総資産1759億円、時価総額341億円の事業規模。

PBRは0.67倍と市場からは厳しい評価です。

企業理念 

存在意義や目指す姿は下記の通りです。

悪くはありませんが、B to Bの会社なので”独自の価値”とは何なのか?などちょっとわかりにくく感じました。

⚫️Purpose

テクノロジーでより良い未来の実現に貢献する

⚫️Vision

独自の価値を提供するオンリーワンのエレクトロニクス商社として最も信頼される存在になる

セグメント

下記の3つの事業から成り立っています。

モノとコト、既存事業と新規事業、国内と海外、デバイスと製品などについてバランスの取れたポートフォリオだと思います。

⚫️デバイス事業:半導体、電子部品、ソフトウエア

⚫️システム事業:航空宇宙機器、産業機器、レーザ機器、医療機器

⚫️ソリューション事業:情報通信機器、ソフトウエア、AIロボット、モジュール製品、技術ライセンス等

⑵ 株主になったきっかけ

半導体分野の好業績&配当の良さで2022年にNISA口座で購入しました。

おかげさまで、含み益を維持し続けています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:12%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):5%

技術商社であることを考えると収益性は妥当なのかもしれません。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):142%

自己資本比率(30%以上が望ましい):30%

安全性については、短期的にも中・長期的にも少し懸念されるレベルです。

ただし、伝統ある会社であることからそれなりに財務的な問題をクリアできるノウハウはあるのではないかと推測します。

効率性 

・有形固定資産回転率:70.61

比較的高いと考えます。

勘定科目も「土地」、「建物及び構築物」で大半を占めており、有形固定資産(主に本社ビルと思われる)に対して、売上高が高く効率的な経営がなされていると考えます。

株主総会の看板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第76回定時株主総会 2023年6月28日(水) 本社会議室

お隣がヒューリックの本社ビルで、株主総会で足を運んだことを思い出しました。

丸文ビルの入口のエレベーターの両脇にスーツ姿の方が立っていて、丁寧なエスコートを受けました。

丁寧な対応で嬉しかった反面、ちょっとドキドキしました。

会場内では十数目の株主が集っていたように思います。

社長が議長をすることにして拍手がありました。

事業については増収増益で3事業とも好調とのこと。

対処すべき課題についても、原稿を読みながらも、力強い説明がなされました。

主な質疑応答

Q.PBR1倍割れについて

A.まずは、中期経営計画を着実に実施していく。

併せて、IR活動等にも注力していく。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役5名選任の件

・監査等委員である取締役4名選任の件

・取締役に対する譲渡制限付株式の付与のための報酬決定の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、新役員の紹介と散会時に会場から拍手が湧き上がっていました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

・2023年3月期:80円

・2022年3月期:30円

・2021年3月期:16円

・2020年3月期:30円

増配貴重ですが、年によるばらつきも小さくないように感じました。

NTTデータのように業績のブレが大きい会社においては、過去5年間の業績の平均を加味して配当を安定化させるような企業もあります。

当社も配当に関しては改善の余地が少なくないと感じました。

株主優待

なし

【本社の入口】

                

3 株主としてのコメント

個人の株主について

当社の所有者別の株式保有率では、個人・その他が41%となっています。

この中で、大株主(上位10名)に3名の個人株主が掲載されていて合わせて11%程度を占めます。

よって、それ以外の個人は30%もいるはずです。

けれども会場に足を運ばれる方は十数名程度。

しかも質問も少なかったです。

ちょっと勿体無く感じました。

これだけ多くの株主に支えていただいているので、その方達の意見を反映することで、より令和の時代に即した経営が実現できるように感じました。

今後の展開に期待します。

販売先

四季報の販売先には任天堂ソニー東芝村田製作所といった錚々たる大企業が掲載されていました。

そのような大企業との取引があることもアピールしていくことが、会社の知名度向上に役立つのではないかと感じました。

4 まとめ

丸文について述べてきました。

伝統があり優良顧客を持つエレクトロニクス商社であり高配当であることも魅力です。

その一方で、個人投資家の多さを活かし切っていないようにも感じました。

本社に足を運んで、いろいろな意味で昭和の会社を感じました(PBR1倍割れも問題です)。

ポテンシャルは高いので、経営者の決断次第では大きく令和の時代の良さを取り込めるのではないかと思います。

今後の展開に期待してます。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #丸文 #エレクトロニクス商社

  

東芝【6502】〜株主総会雑感(残念)

初投稿:2023.7.17

こんにちは!

この記事は、東芝【6502】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・経営再建の成否を分けるもの

・アクティビストの功罪

【目次】 

東芝本社と建設が進むツインタワー】

                    

1 東芝について

⑴ 会社概要

売上高3.3兆円、総資産3.5兆円、時価総額1.9兆円の事業規模。

PBRは1.56倍と高くはありませんが、トヨタの1倍未満などに比べればそれなりの評価がなされていると考えます。

四季報では総合電機と位置付けられ時価総額順位は4/5との位置付け。

不正会計や米国原発事業の巨額損失で経営危機にさらされています。

企業理念 

人と、地球と、明日のために

CMでお馴染みの企業理念です。

でも、よくよく考えればちょっと抽象的すぎる理念のようにも思えます。

東芝の存在意義や価値観も同様に抽象的です。

よって、もう少し具体的なことが戦略やオペレーションレベルで明確になっていないと、理念だけが一人歩きしてしまう懸念があるようにも感じました。

例えば、価値観として

誠実であり続ける

と謳われていますが、粉飾決算を行ったことを考え合わせるとこの企業理念は役員や社員の心に響いていなかったと言わざるを得ません。

企業理念の役割について考えさせられました。

セグメント

セグメントは下記の7つとなっています。

バランスが取れた事業ポートフォリオと考えます。

( )の数値は売上高構成比です。

・エネルギーシステムソリューション(16)

・インフィラシステムソリューション(18)

・ビルソリューション(17)

・リテール&プリンティングソリューション(13)

・デバイス&ストレージソリューション(24)

・デジタルソリューション(6)

・その他(6)

⑵ 株主になったきっかけ

経営再建を期待して1年前に購入しました。

けれども、株価は低迷。

さらに今回のTOB価格4620円は買値を下回っています。

⑶ 経営分析

増収・減益となっています。

収益性

・売上高総利益率:26%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):3%

収益性は高いとは言えません。

けれども、三菱重工業IHIのような重厚長大な製造業と比べてもそれほど悪いわけではありません。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):151%

自己資本比率(30%以上が望ましい):38%

短期的にも中・長期的にも安全性が問題があるレベルではないと考えます。

ただし、経営は迷走中です。

効率性 

・有形固定資産回転率:3.39

これも、同業他社と同レベルと考えます。

ラゾーナ川崎

2 株主総会

⑴ 株主総会

第184期定時株主総会 2023年6月29日(木)ベルサール高田馬場

ライブ配信を視聴しました。

各事業の概要のビデオが長々と上映されていたのが印象的でした。

2時間半ぐらいの時間で質問もたくさんありましたが、建設的な質問は3つほどで少し寂しく感じました。

主な質疑応答

【事前】

Q.社外取締役が多いことについて

A.(指名委員会の議長から)監督を強化するため。

Q.公開買付価格が安すぎることについて

A.将来性を考えると妥当と考える。

Q.社員の雇用について

A.リストラは前提としていない。

Q.何故、無配なのか?

A.総合的に判断した。

Q.キオクシア株式の還元について

A.公開買付価格に反映済み。

Q.風力発電について

A.陸上では福島、秋田、銚子等順調に推移している。

洋上については2026年から開始する。

Q.フィルム型ぺロブスカイト太陽電池について

A.2025年の実用化を目指す。

Q.過去の経営者に対する責任追及について

A.西田氏、佐々木氏、村国氏、久保氏に対して任務懈怠で裁判中(高裁)。

Q.国や東電への賠償請求について

A.法的請求をする根拠が存在しない。

Q.社員の解雇撤回について

A.所用の手当を支給しつつ、職場復帰を支援中。

【会場】

Q.役員の20億円という報酬の高さについて

A.同業他社を参考に決めた。

Q.(パワハラで退職した30年間当社に勤務した元社員から)職場環境の改善について

A.申し訳ない。

内部通報制度を通じて改善に努める。

Q.創業者(藤岡さん)が嘆いているのでは?

A.社員が誇りに思えるようなニュースを出せるよう努める。

Q.自衛隊向け装備品の今後について

A.防衛関連の仕事は長くしてきており、特にレーダーや誘導弾に実績がある。

今後も貢献すると共にアピールできるものは積極的にしていく。

Q.(解雇された元社員から)良い人事制度を作ってほしい。

解雇は有効であると裁判を通じ明らかになっている。

Q.非公開化で会社が良くなるとは思えない。

A.非公開かで会社を良くするよう努める。

Q.”不確かさ”と”誤差”の違いを認識しデータの正しさを把握してほしい。

A.承知した。

Q.川崎駅前の東芝館を見て感動した。頑張ってほしい。

A.貴重なご意見ありがとうございました。

Q.ビジネスライクのジャッジによる非公開化は問題では?

A.貴重なご意見、ありがとうございました。

Q.20億円の報酬についてどう感じているか?

A.同業他社を参考に決めた。

米国に比べると半分程度の報酬で安い。

Q.(解雇が無効とされた株主から)もっと手当を払ってほしい。

A.休職中であることから、賃金ではなく休業補償をお支払いしている。

Q.中部電力との関係について

A.国が推進しているGXを踏まえ、サポートを継続していく。

Q.非公開化を選択した基準は何か?

A.金額のみでなく、長期的な企業価値向上が重要と考えた。

併せて、国防等との関連から実行可能性を考慮している。

Q.スキルマトリックス財務会計に強い役員に変重しているのでは?

A.資本(リソース)配分に重点を置いたため。

Q.原子力安全条約関連で5兆円がもらえるのでは?

A.貴重なご意見、ありがとうございました。

Q.不適切な会計と粉飾決算の違いについて

A.言い回しはともかく、米国会計基準に合わない事ということで認識している。

Q.TOBに応じない株主はどうなるのか?

A.TOB成立後は、株式売払い請求、又は株式併合という手続きがなされる。

Q.経産省の影響を理由に外された車谷さんが経営していた方が良かったのでは?

A.経産省からの影響はなかったと考える。

Q.東芝の現在の状況を考えると同業他社の普通の状態と同じに考える役員報酬には無理があるのでは?

A.役員報酬は適切であると考える。

Q.再上場について

A.経営再建には時間がかかるが再上場の可能性はある。

決議事項

挙手を持って採決がなされましたが、会場の株主映像が配信されませんでした。

恣意的かつ不適切なライブ配信だと思います。

おそらく大多数の株主は手をあげなかったのだろうと思います。

それでも、事前に大株主からの同意を得ていたということで承認・可決されました。

これでは、ステークホルダーのベクトルはバラバラだと言わざるを得ません。

ただし、散会に際して会場から拍手がありました。

何に対する拍手だったのか、ちょっとだけ気になりました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

・2023年3月期:220円

・2022年3月期:220円

・2021年3月期:80円

・2020年3月期:20円

・2019年3月期:30円

・2018年3月期:0円

2015年の粉飾決算の影響で、2018年まで無配でしたが、2019年に復配。

コロナショックで経営が苦しい中であっても著しい増配がされてきました。

これは、アクティビストの要求によるものではないかと推察します。

株主優待

なし 

東芝の本社方面】

                

3 株主としてのコメント

何が経営再建の成否を分けるのか?

経営再建は様々な会社でなされますが、うまくいく場合とそうでない場ありがあります。

その違いを生む違いは何なのでしょうか?

例えば、うまくいった例としてはJALソニーが挙げられます。

JALは2010年に倒産しましたが、稲盛会長のもと経営再建がなされ、2年後には再上場を果たしています。

上場廃止に至った会社が再上場する確率は10%未満と言われていますので、その意味でもJALの経営再建は大成功だったと言えると思います。

ソニーについても『ソニー再建』を通じて、選択と集中を徹底することで赤字体質から見事に経営再建がなされている様子が伺えます。

東芝に関しても、昭和40年の経営危機において土光会長が辣腕を発揮することで翌昭和41年に再建を果たした実績を持っています。

それらに比べると、今回の経営再建については、将来のビジョンが見えない、長期間かかることが予想されるなど、あまり明るい材料が見つかりません。

それは、今回は経営再建する人物の”顔が見えない”ということが大きく関係していると考えます。

取締役の渡辺氏、島田氏・・・?

ちなみに渡辺氏はGCA上場廃止にしており当社の株主だった自分にとっては応援していただけにその経営手腕に疑問を持っています。

島田氏も議事進行を拝見する限り、株主の心を掴むような力量があるかどうかは疑問です(例えば、オリックスの社長の株主総会での答弁はちょっと抜きん出ています)。

経営再建は多くのステークホルダーのベクトルを合わせる必要があり、その意味でも経営再建の中心人物の顔が見えることは必須の要件です。

今回の経営再建の先が見えないのは、多くの方が

信頼して任せよう!

と思われるような経営者の不在によるものと懸念しています。

アクティビストの功罪

個人的には、アクティビストに対してネガティブなイメージはそれほど強くありません。

むしろ、自分も微力ながら会社が良くなって欲しいと、株主総会で質問したりしています。

けれども、今回はアクティビストの意見が強すぎて経営が迷走してしまったと考えざるを得ません。

改めて、企業経営においてルールを守りつつ緊張感を持って守りを固めることの大切さを痛感しています。

4 まとめ

東芝について、述べてきました。

多くの株主のコメント同様、今回の上場廃止残念でなりません。

経営危機は多くの会社に訪れますが、その再建の成否を左右するのは、中核となって粉骨砕身する”顔の見える”経営者だと思いました。

量子コンピュータの分野など世界最先端の技術を有し、防衛装備品等も生産する重要な会社なので、その復活を願って止みません。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #東芝 #TOB上場廃止

  

インフロニア・ホールディングス【5076】〜株主総会雑感(古さと新しさ)

初投稿:2023.7.2

こんにちは!

この記事は、インフロニア・ホールディングス【5076】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・古さと新しさ

・全社員への株式報酬制度

【目次】 

株主総会の会場 ザ・キャピトルホテル東急

                    

1 インフロニア・ホールディングスについて

⑴ 会社概要

前田建設工業、前田道路、前田製作所が合併して誕生した会社。

売上高7096億、総資産9265億円、時価総額3724億円の事業規模。

PBRは0.97倍ということで、もう一息!

業種は建設・土木で時価総額順位は6/122社と上位。

フィロソフィーは下記の通りです。

”既成概念に挑み”というフレーズが印象に残る良い表現だと思います。

ビジョン

⚫️どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界

ミッション

⚫️インフラストラクチャービジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで、世界中に最適なサービスを提供する。

バリュー

⚫️社会・地域の安全安心とサステナビリティ

セグメント

下記の6部門から構成されています。

⚫️建築事業

⚫️土木事業

⚫️舗装事業

⚫️機械事業

⚫️インフラ運営事業

⚫️その他

⑵ 株主になったきっかけ

日本証券新聞セミナーで会社のことを知りました。

その後、しばらく注目していましたが良さそうな会社なのでNISA口座で2022年末に株式を購入しました。

⑶ 経営分析

業績は増収増益です。

収益性

・売上高総利益率:14%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):6%

数値だけ見ると収益性は高いとは言えません。

けれども新しい会社でもあるので、今後の合併効果に期待します。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):159%

自己資本比率(30%以上が望ましい):39%

安全性については、短期的にも中・長期的にも問題ないと思います。

それどころか、会社は政策保有株を売却して更なる資本効率を高めたいとのこと。

自己資本比率についての適正値をどう考えているのか気になりました。

効率性 

・有形固定資産回転率:4.54

インフラの会社にしては有形固定に関しては効率的な経営がなされていると思います。

【ホテルの外観】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第2回定時株主総会 2023年6月20日(火) ザ・キャピトルホテル東急

ライブ配信を視聴しました。

議長の

おはようございます!

という挨拶に対して会場から

おはようございます!!!!!

という元気なリアクションがありました。

合併後に成し遂げたこと(指名委員会等設置会社によるガバナンス強化、資本政策、シナジー効果

今後注力すること(資本政策、M&A、人的投資)

などについて説明がありました。

主な質疑応答

Q.会社の持株会について

A.当社は、社員のモチベーションとロイヤルティの向上を通じて企業価値を高めることを主旨として、全従業員への株式報酬制度を開始した。

その際、拠出金として4750万円の拠出している。

なお、持株会への加入率は60%である。

Q.当社は地味な会社なので、株価は徐々に上がっていけば良い。

A.応援として受け止める。

Q.事業の選択と集中について

A.選択については、合併前の3社が既に実施済みである。

よって、現在は選択するほど多くのことは実施していない。

集中については川上や川下の事業について、3社が個別または集中することで対応している。

決議事項

・取締役9名選任の件

「賛成」という元気な声を伴った、拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

・2023年3月期:50円

・2022年3月期:40円

株主優待

なし

自社株買い 

直近で、100億円の自社株買いを実施。

23年までに400億円の自社株買いを実施する予定。                 

【ロビーにて】

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

3つの会社が一つになり既成概念に挑戦する姿勢は注目です。

特に、全従業員への株式報酬制度の行方が気になります。

個人的には、多くの会社が取り入れても良いのではないかと考えています。

インフラのみならず、人事等についてもイオニアであって欲しいと思います。

⑵ 気になっていること

まだ、新しい会社のためか株主総会での質問が少なかったように思います。

社長もちょっと議事運営の際に緊張気味に見えました。

せっかく指名委員会等設置会社となったので、指名委員会、監査委員会、報酬委員会等からの報告があれば、ガバナンスの良さがアピールできたと思います。

次回の総会に期待します。

【ホテルの朝食会場にて】

4 まとめ

インフロニアホールディングスについて述べてきました。

ちょっと緊張感気味の株主総会だったと思います。

でも、IRセミナーの時にはもっと色々アピールしていたので次回の株主総会では自信を持った議事運営がなされると期待しています。

株主として応援したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産運用 #株主総会 #インフロニア 

  

ソフトバンク【9434】〜株主総会雑感(素晴らしい議事運営など)

初投稿:2023.6.24

こんにちは!

この記事は、ソフトバンク【9434】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・素晴らしい議事運営

・AI、AI、AI・・・

ソフトバンクのビジネスにおけるテンプレートのリスク

【目次】 

ソフトバンクの所在地である東京ポートシティ竹芝】

                      

1 ソフトバンクについて

⑴ 会社概要

ソフトバンクやワイモバイルを展開する通信会社です。

売上高5.9兆円、総資産14.6兆円、時価総額7.3兆円の事業規模。

PBRは3.24倍です。

ちなみに、NTTのPBRが1.64倍なので市場の評価は高いと言えそうです。

LINE、ヤフー、ZOZO、ペイペイ、アスクルなどを抱えています。

企業理念 

情報革命で人々を幸せに

ビジョン

「世界で最も必要とされる会社」を目指して

成長戦略

Beyond Carrier」

セグメント

・コンシューマー

・法人

・流通

・ヤフー・LINE

・金融

・その他

企業理念等は分かりやすく共感を持てるものです。

また、セグメントからは通信のみならず非通信にも注力していることが分かります。

⑵ 株主になったきっかけ

配当が良いことから2022年にNISA口座で購入しました。

購入後、含み益を抱えています。

なお、スマホは当社の利用はありませんが、LINE、ヤフー、PayPayは利用しています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:46%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):18%

収益性は高いです。

特に、営業利益率はNTTの14%よりも高い数値を出しています。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):78%

自己資本比率(30%以上が望ましい):25%

短期的にも中・長期的にも安全性については懸念される水準です。

NTTも良くないですがそれ以上に悪い数値です。

成長投資と親会社のソフトバンクのため高い配当を維持したことが財務に影響していると推察します。

そのように考えると、定款を変更して新たに転債型種類株式を通じた資金調達を実施せざるを得ない状況も理解できます。

効率性 

・有形固定資産回転率:3.53

NTTの2倍程度の回転率であることを踏まえると悪くはないと考えます。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第37回定時株主総会 2023年6月20日(火) 東京国際フォーラム

多くの株主が会場に集っていました。

議事運営は上手でした。

中期経営計画や成長戦略のプレゼンも上手だったと思います(その通りになるかどうかは別ですが)。

特に質問は、

・事前:12問

・インターネット:21問

・会場:5問

・合計38問

と、数多くしかも多様な論点から審議が尽くされていました。

なお、内容としては終始、AI、AI、AI・・・で、一貫していました。

また、当社のホームページでも動画で株主総会の様子が一般公開されていますが、会場からの株主の質問がカットされていることから、どんな質問があったかについては下記をご参照下さい。

主な質疑応答

【事前】

Q.Byond Carrierの進捗について

A.社長に就任した2年間で着実に進展している。

前期もコンシューマー部門以外で大きな収益を上げている。

法人についても好調である。

Q.増配について

A.約6000億円のフリーキャッシュフローの中から4000億円を配当に投じている。

増配(又は高配当の維持)はフリーキャッシュフローの増加にに依存する。

Q.社債型種類株式とは?

日本で初めて発行するものであり、株式の希薄化に配慮しつつ(既存株主に配慮しつつ)新たな資金調達を可能にするものである。

Q.チャットGPTの活用について

A.日本一生成AIを活用する会社を目指して取り組んでいる。

現在は、コールセンター等の一部業務で活用中。

Q.Zホールディングスの成長について

Zホールディングス(ヤフーとLINE)は当社の宝物であり、なくてはならないパートナー。

秋に両社のIDの共通化などの編成を通じて、より良きサービスの提供に努める。

Q.中小企業のデジタル化について

A.担当本部を設置し、アスクルの500万の顧客基盤を活かして注力している。

Q.スマートビルディングのビジネスチャンスについて

A.従来、ビルは竣工した時が最も価値が高かったが、スマートビルによって蓄積した様々なデータを活用することでビルの利便性(トイレや売店の混雑状況など)、ひいてはビルのかつを高めることができる。

そしてその活動をビルのみではなく、エリアに広げる活動も長崎スタジアム等で実施している。

Q.Pay Payの上場について

A.目指しているが、現時点では未定。

Q.顧客獲得の優遇策よりも既存客の優遇策を重視すべきでは?

A.長期契約の顧客についてはスーパーペイペイクーポン提供等のサーブスを提供しており、さらなる拡充に努める。

Q.補欠監査人を選出する理由

A.当社の株主の数が多くなってきたため、監査人に欠員が出た時に総会を開いて多くの株主のお手間を取らせないため。

Q.Pay Payカード以外のクレカの決済停止について

A.8月に実施する予定であるが、延長を含め今後、正式発表する(後日、延期が発表された)。

Q.女性取締役2名は少ないのでは?

A.多様性向上に努める。

【ネット】

Q.ソフトバンクグループとの親子上場について

A.AI時代を迎え、親会社から多くの世界最先端の情報を得ることができる。

そのことは成長のチャンスととらえられる。

メリットを強く感じている。

同時に、少数株主に係る利害相反にも注意していかなければならない。

Q.5G基地局の整備状況について

A.4月の時点で全国の92%をカバーしている。

そのおかげで当社の5Gの品質は最も安定している。

今後も整備を継続し、99%を目指したい。

Q.電気代の値上げの影響について

A.当社の電気代についてはコロナ前は約500億円であったが、現在は約700億円である。

2026年からは風力発電等の安価な電気を調達できる見込みであり、コスト削減に努める。

Q.借入金の平均金利について

A.平均金利は1%であり、負債の固定・長期化を継続する。

Q.株価について

A.社長自身株主であり、株価を上げていきたいと考えている。

そのためには継続的な利益の成長が必要であり、2030年までの計画や中計を着実に進めることで、やがて株価がついてくると考える。

Q.ソフトバンクショップとYモバイルショップの今後について

A.店頭にて100万回の教室を開催し、デジタルデバイドの解消に努めた。

お客様とリアルに接する機会は大切にしつつ、お客様のライフスタイルに寄り添ったサービスを展開していく。

Q.低い自己資本比率について

A.自己資本は2.2兆円の厚みがあり、まずはご安心ください。

業績向上を通じて、改善に努めていく。

Q.株価対策について

A.事業計画を着実に達成していくことが大切と思料している。

その上で、利益が2倍、3倍となった時のことも検討し所要の対策を講じていく。

Q.ワイモバイルとLINEMOの合併について

A.具体的には考えていない。

それぞれの顧客基盤や良さを活かすことが当面は大切。

対面とオンラインのサービスが変わらない時代がくるようなら統合もあり得る。

Q.総還元性向85%は維持できるのか?

A.総還元成功については維持することは考えていないが、一株86円の配当額については維持したいと考えている。

現状は成長の好機であり、成長と還元の両輪を意識した健全な経営を踏まえつつ、チャンスを活かしていきたい。

Q.健康経営について

A.推進部や健康マップを作るなどしていろいろな角度から取り組んでいる。

Q.金融部門の黒字化について

A.現在は制約があって発表できないが、なるべく早く発表できるよう頑張る。

Q.孫さんから一言をお願いします!

A.お役上場についてはお互いにポジティブな相乗効果が見込めることが大切。

SBGの中でソフトバンクは15%、残りの85%は海外の企業集団(約500社)であり、10〜40%の株を保有する筆頭株主となっている。

株式を保有する理由はお金集めというパッシブなものではなく、情報革命を目指したものであり、経営に絡んでシナジー効果が上がるように努めている。

自分自身チャットGPTのヘビーユーザーであり、世界の流れを日本に持ち込むことができると考えている。

これまで、投資に失敗したことも沢山あったが、おかげざまで現在は、多忙でエキサイティングな日々を送っている。

Q.デジタルスキルの高いプロフェッショナルな取締役について

A.ご指摘のとおりであり、その方向で進めている。

現在執行役員には高い知見を有するものが多いが、取締役についても増やす方向である。

さらに、IT総括部門も立ち上げて体制強化にを図っている。

Q.介護におけるAIの活用について

A.現在はベッドの上のセンサや介護士のスケジュール管理などのサポートで活用している。

Q.AIモバイルシステムは日本中どこでも機能するのか?

A.都会と地方では差異がある。

都会の場合は基地局が密接しているので相互のカバーが容易だが、地方の場合は基地局間の距離が10kmを超えることもありサービス内容に影響が及ぶ恐れがある。

Q.ソフトバンク自らの発電について

A.考えている。

これまでの再生可能エネルギー(風力等)に取り組んだ知見を活かしていく。

自社では発電能力はないが、2026年からは安価な電力を確保する見込みである。

Q.独自の生成AIについて

A.可能性はある。

現在は多少遅れをとっている面もあるが、巻き返していきたい。

特にZホールディングスの中にはこの分野に強いものが数多く存在する。

生成AIを一番上手に使いこなす会社を目指す。

Q.6GとAIの関係について

A.無線インフラについては衛生、バルーン、ドローンなどからのビームの指向が必要になるが、大変複雑なのでAIを活用することが不可欠となっている。

6Gについては他社も頑張っているが当社も頑張る。

Q.同業他社との差別化について

A.携帯電話(コンシューマー事業)については、基地局の設備投資を先行的に実施してきた走りたことと、顧客の接点を大切にしてきた。

法人についても顧客の様々なニーズ(効率化?、新規事業?、販売促進?など)に応じられるサービスが特徴である。

【会場】

Q.生成AIの間違えの多さについて

A.生成AIについては

・トレーディング:2021年9月時点の知識を学ぶベースとしての機能

・インファレンス:ベースを活用して推論する機能

の2つがある。

この中で、インファレンスによる推論が深い知恵をもたらすものであり、日々の進化をしっかりと注視することが大切と認識。

なお、新しい知識が必要なら検索が適している。

Q.AI関連の設備投資について

A.AIには3つの設備投資があるが、当社は全て実施している。

なお、規模は約100億円程度である。

Q.コングロマリットディスカウント対策について

A.様々な分析をして、あらゆる可能性を検討している。

シナジー効果を出すことが大切と認識している。

Q.AI関連の人材育成について(よく聞き取れず?)

A.10年単位で育成している。

これまで4年ぐらい準備してきており、2026年に対応できるようリソースを温存している。

Q.株価についての本音について

A.1500円近辺は満足していない。

なんとか、違うレイヤーに行きたいと毎日株価と睨めっこしている。

株価が飛躍できに向上できるよう本気で頑張る!

決議事項

拍手を持って承認・可決されました。

なお、新任者の紹介と退任社の挨拶がありました。

終了時には会場から拍手が湧き上がった、2時間10分の総会でした。

⑵ 株主還元    

配当

・2023年3月期:86円

・2022年3月期:86円

・2021年3月期:86円

・2020年3月期:85円

株主優待

なし

自社株買い  

発行済株式総数の1.19%、1000億円を上限として実施が計画されています。 

【国際フォーラム内にて】

               

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入ったこと

議事運営上手で、前向きな質問が多く勉強になった。

会場からの質問が4問で売りきりでしたが、その前の質疑応答で様々な点について審議されていたので、物足りなさは少なかったと思います。

⑵ 気になっていること

ソフトバンクのビジネスのテンプレートは

無料配布→シェア獲得→囲い込み→値上げ

だと思います。

ADSLルーターを無料配布してきた時から一貫していると思います。

ただし、このテンプレートは日本では通用しますが、海外が絡むと思い通りには行かなくなるのではないかと気にしています。

その例が、PayPayの決済カードを自社カードにすることの延長です。

テンプレートで言えば囲い込みに失敗ということに相当します。

思えば、PayPay搭乗時にQRコードの利便性が強調されたましたが、すぐさまVISAタッチのサービスが開始されたことも海外勢の反撃がありました。

それらを踏まえると、今回も海外のVISAやマスターカードなど、海外のクレジットカード会社を敵にしたことが一元化に影響したのではないかと推察します。

話はちょっとずれますが、孫社長もWeWorkへの投資は人生最大の汚点とのこと。

グローバルな戦いというのは甘いものではないようです。

【国際フォーラムにて】

4 まとめ

ソフトバンクについて述べてきました。

高配当が続いている安定性が魅力ですが、財務や海外からのリスクなどを考えると、必ずしも安定性が約束されたものではないと思います。

それでも、AIを軸としてデジタル革命に邁進する姿は頼もしくもあり、注目に値します。

利益を2倍、3倍にして株価向上に努めており会社を株主としては暖かく見守りたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産運用 #ソフトバンク #AI #AX #PayPay 

  

バリオセキュア【4494】〜株主総会雑感

初投稿:2023.6.1

こんにちは!

この記事は、バリオセキュア【4494】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・底打ちはいつか?

・戦略からビジョンへ

【目次】 

株主総会会場のカンダスクエア】

                      

1 バリオセキュアについて

⑴ 会社概要

ネットセキュリティサービスの会社です。

東証スタンダードに上場中。

売上高26億円、総資産61億円、時価総額38億円という事業規模。

PBRは0.72倍と厳しい評価。

四季報ではSI・ソフトウエア開発の業種に区分され、177/260社という順位。

【堅調】、【採用】という積極的な見出しが掲載されていますが、株価は右肩下がりの長期トレンドを形成中です。

ミッション

「インターネットを利用するすべての企業が安心で快適にビジネスを遂行できるよう、日本そして世界へ全力でサービスを提供する。」

セグメント

インターネットセキュリティサービス事業を実施しており、下記の2つに区分されます。

正直、内容の理解が少し難しく感じます。

⚫️マネージドセキュリティサービス

・当社独自の専用機器VSRを利用した統合型インターネットセキュリティサービス

・データのバックアップサービス

⚫️インテグレーションサービス

・中小企業向け統合セキュリティ機器(UTM)であるVCRの販売

・ネットワーク機器の調達や構築を行うネットワークインテグレーションサービス

⑵ 株主になったきっかけ

親会社のHEROZ株主総会において当社が良い会社だから出資している出資と、株主総会で説明がありました。

それが当社を知ったきっかけです。

しばらく様子を見ていて、配当も高いことから株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:52%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):12%

収益性は良いと考えます。

親会社のHEROZよりも高い数値となっています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):264%

自己資本比率(30%以上が望ましい):46%

安全性についても、短期的、中・長期的に問題はなさそうです。

堅実な財務状況と考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:28.12

有形固定資産の勘定科目は「建物付属設備」、「工具、器具及び備品」、「建設仮勘定」となっています。

合計金額は大きくないため、回転率も標準的な値となっていると考えます。

建設仮勘定があることから建設中のものの存在が推測されますが、額が小さいので大規模な投資というレベルではなさそうです。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第8期定時株主総会 2023年5月25日(木) 神田スクエア3 CONFERENCE

20分で総会が終了した後、20分の休憩を経て1時間の事業説明会がありました。

事業説明会では技術動向や営業戦略について勉強になりました。

主な質疑応答

株主総会

Q.今後の配当政策について

A.当社の得意としてきた境界型防御については今後の成長は困難と認識。

そのため、大きな成長が見込める分野への投資を優先したい。

よって、現中期経営計画中は無配とする。

Q.HEROZとの資本業務提携の効果について

A.オペレーションの中にHEROZのAIを活かして業務の効率化を実施、他者との差別化が期待できる。

【事業説明会】

Q.無配になって株の持株の売却を考えたが、事業説明を聞いてこれからも当社に期待する

A.ご期待に添えるよう頑張ります。

Q.PBR1倍未満解消について

A.中期経営計画の着実な実施を通じて解消に努める。

Q.エンドユーザーについて

A.従業員1000名未満の会社におけるシェアは1位という調査結果もある。

名前は出せなが大企業においても顧客が存在する。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役8名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

なお、取締役八名のうち2名は親会社のHEROZの役員です。

⑵ 株主還元    

配当

2023年3月期:40円

今後は中期系計画中は無配

株主優待

なし

自社株買い    

なし  

【会場でいただいた事業説明会資料】

  

3 株主としてのコメント

株主総会に参加し、地味で目立たない反面、収益性も高く真面目に経営がなされてきたような印象を持ちました。

さらに、株主総会終了後の事業説明会が開催されており、株主へ積極的な説明責任を果たそうとする姿勢も好感が持てました。

特に、ゼロトラストという考え方・・・壁の中、壁、壁の外を問わず守っていくという概念は勉強になりました。

一方で、高配当だったのがいきなり無配になったのには、びっくりしました。

下落基調だった株価に加速がついてしまいました。

社長は無配とした理由は、

「成長投資のため」

としています。

けれども、親会社のHEROZの意向だと考えます。

そのように考える根拠は、2022年のHEROZの株主総会に参加した際、当社の無配について

「配当すべきだ!」

という株主からの提案に対して否定的な回答をしていたからです。

バリオにとってHEROZの子会社化されたことの意味について考えてしまいました。

ドコモや新生銀行の場合は、それぞれNTTやSBI HDから、より効率的かつスピード感のある経営をするために子会社化のみならず、株式を買い増しされて上場廃止(という流れ)だったと考えます。

完全子会社化は、そうしないと意思決定に時間を要するからです。

けれども、配当政策ひとつとっても、あっさりと親会社の意向が通ってしまうのなら、調整に手間取ることもなく、株式は買い増しする必要もありません。

よって、親会社による買い増しによる株価上昇の可能性は低いと考えます。

そのような状態で、親会社の影響を受続けながらの上場企業としての魅力は何か?

グループ化の成否は、両者のカルチャーや方向性、従業員の受け止め方などさまざまな要因による化学反応に依存すると思います。

子会社化の効果の兆候は1年以内には現れるのではないかと推測しています。

株価の底打ちもそこにかかっていように感じています。

あと、戦略については、境界型防御からゼロトラストへとい説明は説得力がありよかったです。

その一方で、ビジョンについては物足りなさを感じました。

下記の書籍でも明らかなように、比較的小さな会社が大きく成長するためにはビジョンの良さは不可欠。

来年の総会での見直し後のビジョンが語られることを期待します。

【会場でいただいた水】

4 まとめ

バリオセキュアについて述べてきました。

タイミングが悪く高配当の魅力が無くなって株価は下降トレンド。

それでも、株主総会や事業説明会で将来の収益性向上を見据えての成長投資をするとのこと。

株式を長く持つ余裕がある株主にとっては、今後の成長まで待つのもアリと感じました。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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