こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

FPフェアin東京(2022年)雑感

こんにちは!

この記事は、日本FP協会が主催するFPフェアin東京2022に参加した時のことをまとめたものです。

【目次】

1 全般

日本FP協会の会員の方を対象とした講演会等のイベントです。

参加費は5500円と安くはありませんが、FP会員維持に必要な単位がいただけるとあって多くの会員が毎年参加しています。

コロナ前は2日間に及ぶ盛大なイベント(セミナー、懇親会)が東京国際フォーラムで実施されていましたが、現在は規模が大幅に縮小されて東京ビックサイトでの開催となっています。

自分の場合、非金融のキャリアだったこともあり知見を高めるためにFPになった約5年ほど前からこのイベントには毎年参加しています。

2 『コロナ恐慌と世界経済の今後』

基調講演は京都大学の柴山圭太氏でした。

ちなみに副題は

ウクライナ戦争で拡大する危機〜

でした。

⑴ 主な内容

グローバル化の時代ウクライナ戦争等により終了しつつある

・世界はデフレからインフレの世の中に

・米国の景気後退は2023年

・インフレの原因は、需給ギャップ、世界的な供給網の機能不全、人手不足

・コロナ禍→日米欧の中央銀行が2020年に2500兆円の資金を供給→インフレ→利上げ(現在)

中国バブルの崩壊(日本のバブル時、家は年収の19倍、中国では57倍)

・象チャート〜先進国の人の富が中国・インド・メキシコと一部の超富裕層に流出

・世界の分断〜民主主義VS権威主義、地方VS都市部、エリートVS非エリート

⑵ コメント

聞いたことのある話が8割。

聞いたことのなかった話の中で、象チャートを用いた富の移動の話は興味深かったです。

全体として分断の話など不安を煽る内容が多かったように思います。

例えば、米国のウクライナへの対応が中国の台湾侵略を促す誤ったメッセージとなっていると講師は主張します。

本当でしょうか?

そもそも、ウクライナは米国とは同盟関係になく、最初から軍隊を派遣しないと言っているに過ぎません。

これに対して、台湾に対しては「台湾関係法」に基づく防衛の根拠があり、米国海兵隊が秘密裏に巡回しており、大統領も「台湾を守る」と明言しています。

さらに、大統領の態度が甘い、ということで議会を代表してペロシ議長が台湾を訪問。

国際関係についての講師の見解はイマイチ。

不安を煽って商品やサービスを購入させる”金融界のスタンダード”に講演の内容が馴染んだから、基調講演に選ばれたのかと感じました。

3 『FPのための行動経済学

2番目の講演は大阪大学大竹文雄氏。

FPの実務に役立つ内容でした。

⑴ 主な内容

・(ライフサイクル仮説として)良いと分かっていても出来ない投資の原因

・貯蓄目的の変遷〜教育費→病気・まさかへの備え→老後資金

行動経済学を用いて顧客を投資に導くステップ

・先延ばしの原因としての「現在バイアス」(何よりも今を大切に生きる)

「損失回避」〜利得よりも損失を2.5倍大きく感じる(プロスペックと理論)

「確実性効果」〜人は不確実なものには魅力を感じない

ナッジ(注意を聞く、肘で人を軽く押す)の活用

コミットメントの有効性

⑵ コメント

聞き手がFPであることを意識した講演内容であり色々と参考になりました。

「貯蓄から投資へ」の流れが冴えないことは何となく分かっていることでも、行動経済学を用いて分析して対応策に繋げているロジックは納得できるものでした。

また、午後の眠い時間を踏まえ、聞き手に対してYES、NO質問をしていたのは良かったと思います。

そして行動経済学人類史の研究が結びつくと、例えば、「現在バイアス」(今を大切にすること)私たちの特性がどのようにして身についたのかなどが解明されるのではないかと期待してしまいました。

4 『会計情報からビジネスモデルを読み解く』

3番目は慶應義塾大学の村上裕太郎氏からの講演でした。

普段、持株のことについて当ブログで記事をアップしていることもあり、今回の会計の話は、ここ数年の間で受講した中では最も興味深く拝聴しました。

⑴ 主な内容

・会計は難しすぎる(情報量が多い)ので箱を書いて大きな箱に注目(競争優位性)

・会計とは経営の写像複式簿記

・バランスシート(BS)と損益計算書(PL)を読み解けるようになることが大切

総資産回転率はビジネスのスピードを表すもので日本企業の平均は1

・企業のBSはストックがフロー(現金)を生み出すが、家計のBSはストック(持家)がフローを生み出さない違いがある

ソフトバンクの株価の乱高下からコロナの損失と恩恵が垣間見れる

・百貨店の多角化三越伊勢丹やJFRは不動産に注力、丸井はフィンテック会社)

ANAの方が積極投資が裏目に出て赤字が拡大したが、貨物部門を持っているため物流の活性化の恩恵を受けている(JALは貨物部門を売却?)。

オリエンタルランドの損失の小ささは原価に占める変動の割合が大きいため(人件費(変動費)、アトラクションの減価償却費(固定費)、ロイヤルティ(変動費))

任天堂はハードウエアを赤字で販売しソフトウエアで稼ぐ粗利の大きなビジネスモデル

任天堂のソフトのパッケージ販売では利益は6割、ダウンロード販売では100%。

Netflixのコンテンツの賞味期限(償却)は4年。

東宝製作委員会により映画制作のリスクに対応。

Amazon手数料は34%と高額だがAmazonを使わなければ物が売れない

トヨタ関連会社の株式を保有することによって系列を維持、今後はモビリティやまちづくりに活路を模索

ROE利益率、回転率、財務レバレッジの掛け算

・日本企業は利益率が低く、労働生産性の低さが原因(解雇規制もその一因)

選択と集中の見直しが始まった!

・関連多角化による経営により企業がゴーイングコンサーンとして生き残ることが重要

・企業が生き残ることは人材の育成や企業文化の醸成に不可欠

⑵ コメント

時間があっという間でした。

具体的な企業分析についてもっと知りたかったです。

でもJALは貨物部門売却と講師はおっしゃっていましたが、株主通信の内容では航空貨物の機能が存在していたような・・・。

何事も、自分で頑張って調査し、さまざまな角度から分析して結論に導くことが大切ですね。

5 まとめ

FPフェアin東京(2022年)について述べてきました。

知識は行動を伴わなければ意味がないという指摘もあります。

せっかく5500円も出した知識なので、将来行動に結びつけられるようにと、まず、自分なりにまとめてみました。

改めて、マクロ経済の分析、FPとしての業務、企業分析等に役立つ講演だったと思います。

早速、持株についての記事に活かしていく予定です。

お読み意いただき、ありがとうございました。

日本国土開発【1887】〜不動産の付加価値アップ&売却も手がける老舗ゼネコン

投稿日:2022.8.25

こんにちは!

この記事は、日本国土開発【1887】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・戦後の国土を復興させるために創業、ゼネコン初の再上場

・「健康経営銘柄」に2年連続で選出

【目次】 

株主総会の会場 本社】

                  

1 日本国土開発について

⑴ 会社概要

総資産1547億円、売上高1267億円、時価総額605億円の事業規模です。

PBRは0.68倍と厳しい市場の評価。

企業理念 

我が社はもっと豊かな社会づくりに貢献する

長期ビジョン

建設×マシナリー×ICTというユニークな経営基盤を活用し、グローバル市場における新しい価値の創出により、成長する企業を目指す

セグメント

・土木事業:551億円(売上高)

・建築事業:589億円(売上高)

・関連事業:138億円(売上高)

⑵ 株主になったきっかけ

5月決算期企業で高配当株ということから2021年に株主となりました。

NISA口座で保有中です。

ちょっと含み損を抱えていますが、気長に株価上昇を期待しています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:13%

売上高営業利益率:7%

それほど高い収益性とはいえません。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):252%

自己資本比率(30%以上が望ましい):52%

短期的にも中・長期的にも問題ない水準です。

なお、株主総会にて社長は自己資本比率45%程度が妥当と考えているとのことでした。

効率性 

・有形固定資産回転率:4.32

建設業の平均値が18.7であることを考えると物足りない数値だと考えます。

まだまだ効率化できる余地が多いようです。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第93期定時株主総会 2022年8月25日(木) 本社

受付で会社のロゴ入りのペットボトル水をいただきました。

会場前には会社のマスコット?と商品の模型が展示。

会場内の待ち時間は会社のPRビデオが流れていました。

社長の挨拶により株主総会が開始。

途中、ビデオによる事業業績の紹介があり、その後に社長から対処すべき課題と中期計画、長期ビジョン等の説明がなされました。

主な質疑応答

Q.不動産投資事業(関連事業)の展望について

A.土木事業は環境の変化を受け易いが、関連事業は自らが主体となれる事業である。不動産の付加価値を高めて含み益の資産を作り、それを計画的に売却している。

資産の単なる切り売りではないので、心配はいらない

Q.今季の事業の進捗状況について

A.手堅い目標設定をしていることもあり順調に進捗している。

Q.自己株式の取得の今後の展開について

A.300万株7月に時間外で取引した。

後は来年の4月まで日々購入する予定である。

Q.取締役における建築にもDXも知見を有する人材について

A.社内ではなかなかDXに強い人材がいないことから社外の力を借りてDXを推進する。

Q.仙台ワーケーションの将来性について

A.試験的事業であるが、現状、ワーケーションの受け皿としてはほぼ独占状態。

今後の需要動向によっては規模拡大も考え得るが、収益化の見通しについてはまだ申し上げる段階にない。

Q.自社株買いと配当の割合について

A.配当については配当性向30%でこれまでやってきたが、今後はDOE(株主資本配当立=年間配当額➗自己資本)2〜3%で対応する。

自社株買いについては今後も機動的に実施する。

Q.女性活用についての具体的な指標について

A.建設会社であったことから女性が働き易い環境づくりに取り組んでいる。

女性の比率は全体で3%程度、直近の採用比率は20%となっている。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役6名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

新役員2名の紹介がありました。

拍手はありませんでした。

総会終了時・散会時も拍手はなく、ちょっと寂しかったです。

【総会会場の受付にて】

⑵ 株主還元    

配当

過去の一株あたりの配当金の推移は下記の通りです。

2022年5月期:26円(34%)

2021年5月期:26円(30.4%)

2020年5月期:28円(32.2%)

2019年5月期:32円(30.3%)

2018年5月期:15円(32.8%)

おおむね配当性向30%で推移しています。

配当利回りとしては4〜5%程度で悪くありません。

欲を言えば、もう少し安定させたほうがありがたいです。

株主優待   

なし 

株主総会で頂いた自社ロゴ入りの水】 

             

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入ったこと

真摯な株主が参加する総会

老若男女を問わず株主からの質問は真面目で興味深いものが多かったです。

気持ちの良い総会でした。

コロナ禍ではありましたが、会社の過去を知りつつも将来性(ワーケーション事業を含む)に期待している株主に多く接することができて良かったと思います。

90年を越える伝統を有する企業の強みかもしれません。

積極的な株主還元等

配当利回り4〜5%の高配当を頂いています。

また、ロゴ入りの水を総会会場で配っていたことも好感が持てます。

株主に対する中期、長期の説明も丁寧でわかりやすかったです。

全体的に株主還元には積極的な姿勢があり気に入っています。

⑵ 気になったこと

質問に対する回答

質問に対する説明が、説明資料の関連部分を読み上げていることが多く回答としてはイマイチなものが少なくありませんでした。

担当が紋切り型の説明をしたあと、議長が株主の立場に立って補足するぐらいの配慮があっても良いようい感じました。

そのことが、総会終了時の拍手が無かったことにつながったのかもしれません。

PBRの低さ

業績は好調で高配当株なのに、何故か株価は冴えません。

取締役への女性の登用も今回実現しました。

けれども、PBRは0.6〜0.7倍程度

何故、こんなにも厳しい評価なのでしょうか?

一般にPBRは企業の無形資産、ブランド力、のれんに関連します。

そのような意味で、企業イメージのアピールが足りないのではないかと推察します。

もっと、”第2創業”くらいのインパクトがあってもいいような気がします。

実際、過去は東日本大震災の復興需要、現在は太陽光パネル事業、そして今後は関連事業(大型販売用不動産の売却)に注力するということで、収益構造の変革に取り組んでいます。

積極的なIR活動に期待します。

【株主通信】

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4 まとめ

日本国土開発につて述べてきました。

中堅のゼネコンでありながら、変化する時代に巧みに対応しようとする姿勢が伺えました。

業績も好調で高配当、さらには将来への成長ストーリーも明確にされています。

ただし、PBRの低さなど株価はさえず、市場や投資家からの評価は厳しいものがあります。

会社のブランド力の弱さからIR活動を含むアピール不足を指摘しました。

実力・実績はあるのでもう少し投資家の心にささるようなIRを工夫することで、再評価される可能性を感じています。

その日が来るまで、株主を続けたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #日本国土開発 #ゼネコン #ワーケーション

  

ビックカメラSuicaカード雑感〜いつの間にかJRE POINTも貯まってました

初投稿:2022.8.17、更新日:2024.1.3

こんにちは!

この記事は、ビックカメラSuicaカードに関心のある方に向けた、ホルダーとしてのコメントをまとめたものです。

お持ちの方も少なくないと思いますが、これまで見落としていたキャンペーンサービスなどの”気づき”も取り上げています。

なお、5年毎の更新を実施したときのことを追記し記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

【目次】

1 カードの特徴

10年以上も利用しています。

入会案内書をもとに、このカードの特徴を列挙してみました。

●4つのカードが1つになったカード

ビックポイントカード+JREポイントカード+電子マネーSuica)+クレジットカード(viewカード

ビックカメラ・コジマ・ソフマップで現金払いと同等になります。

クレジットカードビックポイントがたまる(一般カードは8%、本カードでは10%)。

●通常のクレジットカード使用ではビックポイント0.5%+JREポイント0.5=1%

ビックカメラ・コジマ・ソフマップSuica払いは10%のビックポイントと利用金額に応じたJREポイント

●ポイント交換、SuicaとビックポイントとJREポイント

●改札機でのオートチャージ

●年会費初年度無料&2年目以降はクレジット利用により無料

2 気に入っていること

⑴ 高級ウイスキーの抽選販売会へのエントリー

ビックカメラの店舗で”山崎”や”響”などサントリーの高級酒の抽選販売会へエントリーする際、クレジットカードであることが必要となる場合があります。

我が家の場合、ビックカメラSuicaカードがあったおかげで、下記の高級ウイスキーを買うことができました!

ちなみに、この”響 ブロッサム・ハーモニー”は、定価は約1万円ですが、買取値はその2〜3倍売値はその5〜6倍と非常に人気の商品。

運良く入手できて満足です!

⑵ 各種キャンペーンへの参加

2022年6月にJREポイントを利用して新幹線代金が半額になるという”新幹線イヤー2022”というキャンペーンを利用しました。

普段、貯まったJREポイントをどうするかなど考えてませんでした。

ポイントを利用して得たいと思うものがなかったからです。

けれども、旅行好きな自分にとっては新幹線が半額で旅行に行けるキャンペーンはとても魅力的でした。

北陸新幹線を利用して、上越妙高へ旅行に行き良き思い出を作ることができました。

⑶ 親切なカード交換

利用して数年経過してところカードの磁気が弱ってきてしまいました。

ビューカードに連絡したところ、直ちに無料で交換していただけるとのことでした。

しかも、Suicaのチャージはそのまま新しいカードに反映されるとのこと!

パスモ付クレジットカードでは自分でやらなければならなかったICカードの移行をカード会社が行ってくれるのは良きサービスと感謝しています。

⑷ カードの更新

5年経過して新しいカードが配達されました。

旧カードはSuicaがチャージされているので、払い戻しが必要となります。

チャージ金額を使い切ったり、カードを返送するなどの返金手続きができるようですが、一番簡単なエキナカATMを利用することにしました。

有楽町のビックカメラの1階に行き手続きを開始。

けれども、画面の案内では「払い戻し」の表示がなくちょっと戸惑いました。

そこで、電話を通じて確認しようとしましたが、正月のためか中々通じません。

仕方なく試行錯誤していると「払い戻し」ではなく「更新」の表示を発見。

ボタンをタッチし、旧カードを挿入し暗証番号を入力することで無事に返金してもらえました(感謝)。

5年後の更新はバッチリです!

なお、オートチャージ等の設定は新カードでも継続されるとのことで助かります。

⑸ JREポイントについて

新カードと共にJRE POINTのご利用案内が送られてきました。

昔は”アトレポイント”など色々あったように記憶していますが(間違えていたらスミマセン)今は、JR東日本グループのJRE POINTに共通化されたとのこと。

さらに、有効期限は利用した日から自動延長で2年後の月末まで有効。

気になったのでマネーフォワードMEで確認したところ、

・36875ポイント:2025年3月31日まで

・17035ポイント:2025年3月31日まで

いつの間にかたくさんのポイントが貯まっていました。

2つあるのは、一つはあビックカメラSuicaでもう一つはJREカード(旧アトレカード)によるもの。

まずはWebを熟読しつつ、2つのカードの1本化やポイントを有効活用した鉄道旅行など、色々と挑戦してみたいと思います。

3 気になっていること

個人的には概ね満足しています。

ただし、丸井のエポスカードと比較すると、ゴールドカードやキャラクターカードなどより顧客満足の高いサービスが存在しているのも事実。

この点、ビックカメラ改善の余地があるように感じています(株主としても気になる点です)。

また、振り返ってみると今まではクレジット払いオンリーだったような気がします。

でも、ビックカメラ店舗での高額でない支払いならSuicaで支払えば、利用額に応じたJREポイントが貯まっていたことに気づきました。

やはり先入観を持たずに定期的にサービスを確認すべきですね。

4 まとめ

ビックカメラSuicaカードについて述べてきました。

クレジットカードを長く使っていると、それなりのサービスで満足しがちです。

ただし、いろいろと調べてみると魅力的なキャンペーンやサービスがあることに気付かされます。

馴染みのクレカも見落としていたサービスがないか?ちょっとチェックしてみてることをオススメします。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

博報堂DY【2433】〜株主総会雑感(続く不祥事とガバナンス)

投稿日:2022.8.15、更新日:2023.7.10

こんにちは!

この記事は、博報堂DY【2433】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年6月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・続く不祥事、されど株主の質問は皆無

・分かりにくいビジョン、即効性を欠く戦略、中途採用に依存するオペレーション

【目次】 

赤坂BIZタワー

                      

1 博報堂DYについて

⑴ 会社概要

広告会社として電通に続いて国内2位

売上高9900憶円、総資産1兆円、時価総額5619憶円の事業規模です。

PBRは1.46倍。

四季報ではメディア業種に区分され、時価総額順位は4/139社とのこと。

日経業界地図によると広告業界の国内市場規模は6兆円で、約1兆円づつを電通博報堂DYHDが占めているそうです。

博報堂のDNA

●フィロソフィー

・生活者発想

・パートナー主義

●ビジョン

未来を発明する会社へ。

博報堂のVI(ビジュアルアイデンティティ?)

「センタードット」:起点、結節点

広告会社らしい理念ですが、当たり前といえば当たり前のことがかっこよく記されているだけのようにも感じます。

正直、分かりにくい。

これらの博報堂DNAがどの程度社員に浸透しているかがポイントと考えます。

セグメント

博報堂

・大広

読売広告社

博報堂DYマトリックス

アイレップ

2014年に博報堂、大広、読売広告が経営統合されてホールディング会社となったようです。

横串機能強化をしているようですが、総務部門等の重複などまだまだ効率化の余地はありそうです。

⑵ 株主になったきっかけ

アフターコロナで広告業界が復活すると予想。

2022年の春に株主になりました。

信用売り残が若干多いのが特徴。

そのことが、株価の低迷にも通じているように思えます。

⑶ 2023年の経営分析

業績は増収減益です。

収益性

・売上高総利益率:41%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):6%

前期よりも収益性は低下しています。

事業報告では、中期的な成長を見据えた戦略費の投下や活動費の戻りによる費用の増加が挙げられていました。

具体的には人員が666名増加したことがその主な要因と推測します。

ただし、四季報では北米他の海外で赤字が続いているそうです。

ちょっと気になります。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):120%

自己資本比率(30%以上が望ましい):38%

短期的な財務健全性については若干低下、中・長期の安全性はほとんど変化なしと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:16.97

前期よりも低下しています。

情報通信関連投資を中心に約180億円の設備投資をしたことが影響していると推察します。

⑷ 2022年の経営分析

収益性

・売上高総利益率:43%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):8%

粗利がとても高いです。

その割に販管費が多く営業利益は少な目です。

営業利益率低迷の原因は販管費の多さ。

ただし、400名規模の中途採用がなされているとのことで成長のための一時的な投資と評価します。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):149%

自己資本比率(30%以上が望ましい):37%

財務については盤石とは言えませんが、直ちに問題となるれべるではなさそうです。

効率性 

・有形固定資産回転率:24.11

比較的高い数値です。

投資した有形固定資産に着目すれば効率的な経営と言えそうです。

2 株主総会

⑴ 2022年6月の株主総会

第20期定時株主総会 2023年6月29日(木) 東京プリンスホテル

ライブ配信を視聴しました。

19分で終了しました。

事業報告の中で、

東京五輪テスト大会をめぐる独占禁止法違反疑惑

・東京オリパラをめぐる業務の談合事件

が報告されています。

主な質疑応答

なし

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役10名選任の件

監査役2名選任の件

拍手を持って、承認・可決されました。

株主総会雑感

報告内容の薄さと株主からの質問がなかったことに驚きました。

しかも、不祥事が報告されているのに・・・。

そもそも、当社は社員お不祥事で億単位の損失計上が定期的に発生しています。

ある意味、恐るべし!

ガバナンスはどうなっているのでしょうか?

おそらく、会社としては指名委員会等設置会社であり厳正に監督していると答えると思います。

けれども、粉飾決算が行われた東芝もまた指名委員会等設置会社でした。

要は中身の問題

株主のチェック機能も働かない会社であることから、ちょっと距離を置きたいと考えて全株売却しました。

⑵ 2022年6月の株主総会

第19期定時株主総会 2022年6月29日(水) 東京プリンスホテル

参加せず。

決議事項

・剰余金の処分の件

・定款一部変更の件

・取締役10名選任の件

監査役2名選任の件

監査役の報酬額改定の件

全て可決されたとの通知をいただいています。

⑶ 株主還元    

配当

一株当たりの配当の推移は下記の通りです。

2023年3月期:32円

2022年3月期:32円

2021年3月期:30円

2020年3月期:30円

2019年3月期:28円

2018年3月期:26円

増配基調が続いていることは評価できます。

株主優待   

なし 

            

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

中期経営計画の見直し

コロナ禍により経営陣は中期経営計画の見直しが必要と判断。

即実行する柔軟な対応は評価できます。

また、アフターコロナに向けて四季報では、「テレビ広告が底堅くネット広告は堅調」とのこと。

業界全体の回復基調も安心材料です。

人的戦力の拡充

四季報によると【大量採用】ということでエンジニアやデジタルマーケなど400人規模を中途採用とあります(同時にグループ内で早期退職制度も実施)。

併せてM&Aをした会社を中心に地方での事業を強化するとのこと。

大胆な方針展開は、厳しい環境を生き抜くために不可欠と考えます。

ただし、中途採用者の戦力化はそんなに簡単ではありません

期待しつつも紆余曲折の覚悟も必要と考えます。

⑵ 気になっていること

株価の低迷

株価が低迷しています。

業界トップの電通と比べても見劣りします。

特に、当社のトップライン、EPS共に来期以降もコロナ前の水準には及んでいない。

会社はソウルドアウトの完全子会社化、博報堂テクノロジーズの設立でデジタル化への対応に取り組んでいるとしています。

でも、デジタル化促進という戦略だけでは足りないと考える投資家や市場が株価の低迷をもたらしているのではないでしょうか。

業績について即効性を欠く戦略に懸念を抱かざるを得ません。。

広告の会社なのに動画などのPRが少ない

企業理念たる博報堂DNAが分かりずらいだけでなく、ちょっと内向きな組織文化があるように感じます。

例えば、ホームページを見ても、株主総会や決算に関する動画による説明がありません。

広告会社でありながら重要なステークホルダーたる株主(個人投資家は26%以上で少なくない)に対して効果的なPRができていないと考えます。

そのことはビジョンレベルで課題を抱えていることを意味します。

4 まとめ

博報堂DYについて述べてきました。

ビジョンレベルでの博報堂DNAの分かりにくさ戦略レベルで数年間はコロナ前を回復できない将来性の無さオペレーションレベルでの400名の中途採用への依存など、戦略の階層における課題を指摘しました。

”株主通信”では、2024年3月期までを戦略的投資フェーズと称しており成長が滞ることを公言しています。

今期は増収減益でしたが、将来増収に転じる可能性は高いと思われます。

ただし不祥事の多さと、ガバナンスの悪さによる自浄作用のなさ、株主のチェック不在などを考え売却しました。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #博報堂 #DX #横串機能 #談合 #独占禁止法

  

HEROZ【4382】〜老舗AI企業✖️キャッシュリッチ✖️ベンチャー等への投資

初投稿:2022.8.

こんにちは!

この記事は、HEROZ【4382】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・キャッシュリッチな老舗AI企業

・投資の目利き力について

【目次】 

株主総会会場】

                     

1 HEROZについて

⑴ 会社概要

「将棋ウォーズ」が有名な老舗AI企業。

総資産66億円、売上高14億円、時価総額142億円の事業規模です。

PBRは2.21倍と流行りのAI企業にしては堅実な数値(割安)です。

コンセプト

「驚きを心に」をコンセプトに、世界を驚かすサービスを創出することを目指して創業されたとのことです。

セグメント

AI事業単一セグメントです。

⑵ 株主になったきっかけ

4月決算銘柄であり、AI企業でもあることから以前から注目していました。

株価も比較的安定していたので打診買いして株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:38%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):2%

粗利率はAI企業らしく良い数値ですが、営業利益率は低いです。

低収益の原因は販管費の多さにありますが、それが成長のための投資なのかコストコトロールが十分でないのかはよくわかりません。

ただし、ここ数年間、トップラインやEPSが横ばいであり成長企業でありながらあまり成長していないことが問題と考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):2043%

自己資本比率(30%以上が望ましい):97%

安全性に問題がないというか、集まったお金を溜め込みすぎているというか・・・。

ここまで高い数値の会社はおそらく初めてだと思います。

社長のそのことをよく自覚されているご様子で、今後の事業展開のための資金が豊富にあることを笑顔で認めていらっしゃいました。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.7

トップラインが低迷していますが、オフィスビル等のコストもコントロールされているようで、有形固定資産回転率は悪くはありません。

2 株主総会

⑴ 株主総会

第14期定時株主総会 2022年7月28日(木) 田町グランパークブラザ

初めて訪れる株主総会会場でした。

田町グランパークプラザというのは表がスーパーマーケットで、会議場は裏口からでした。

とても暑い日でしたので、受付でお水を頂いたのはありがたかったです。

壇上の皆さんはクールビズでしたが緊張感が伝わってきました。

主な質疑応答

Q.バリオセキュアの関連会社化について

A.資本業務提携の一環であり、バリオセキュア社の有するデータと当社のAIエンジンによりアップセル(より高額な商品への乗り換え)等が期待できる。

財務的にも数千万円の効果が見込める。

Q.株価低迷について

A.心苦しく思う。今季の事業計画の達成やIR活動を通じて時価総額の向上を目指す。

PDCAを適切に回すことが重要と認識。

Q.ライブ配信を検討してほしい。

A.検討する。

Q.時代の変化に対応するための多角化について

A.人気があるAI将棋(B to C)を中心に、市場予測(B to B)やエンタメの分野にも力を注ぐ。

Q.キャッシュリッチな会社であることについて

A.積極的な投資を検討して行く。

Q.建物管理システムについて

A.竹中工務店と共にオフィス環境関連のデータを収集しつつAIに何ができるかを検討している。

将来は、エネルギーが効率化されたオフィス環境の実現を目指す。

Q.宣伝広告について

A.ネット広告に注力し、検索上位になるように広告を実施している。

オンライン大会の実施将棋ユーチューバーの活用にも取り組んでいる。

Q.配当について

A.まだまだスタートアップ企業なので株価を上げることで株主還元をしたい。

将来的には事業の成熟度等を考慮して配当も検討していく。

Q.大株主上位2名が28%ずつ株式を保有していることのリスクについて

A.プライム市場の上場している状況下、株式を買い増して重要事項の拒否権を確保することのリスクは低いと認識している。

監査役の話を踏まえ、取締役会での十分な議論を通じてスピード感を持った適切な意思決定に努める。

Q.人材確保について

A.新卒、中途を問わず採用に注力している。

応募者を増やすため、人材紹介エージェントの活用、社員からの紹介などを実施している。

また、古くからのAI企業であり、かつ、いろいろな投資が可能なスタートアップ企業というブランディングを大切にしていきたい。

決議事項

・取締役3名選任の件

・会計監査人選任の件

拍手を持って賛成、可決されました。

また、「活発な議論、ありがとうございました」という社長の締めくくりの言葉が印象的でした。

最後に、退任取締役の挨拶があり、拍手を贈られていました。

⑵ 株主還元    

配当

なし

株主優待

なし

【総会で頂いた水】

              

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

キャッシュリッチ

キャッシュリッチということで会社の安全性に懸念がないことは安心できます。

さらに、M&A新規事業展開などの可能性も期待されます。

ただし、キャッシュリッチとなったのは今まで会社に集まったお金を投じてこなかったということでもあります。

四季報ではB to Bビジネスが不得手とありますが、そもそも腰を据えてこの分野で事業展開してこなかった結果とも考えられるのでは?

だとすれば、積極的な法人向けAIでどのような事業展開を考えているのか?とても興味があります。

投資の目利き力

バリオセキュアという会社を関連会社化しました。

AIとデータの融合による相乗効果と、配当性向が高い子会社からのキャッシュインが期待されます。

さらに、完全自動運転車の会社への出資を行っています。

数合わせのM&Aではなく、業績の向上に資するものと考えます。

このような投資の目利き力は経営陣の方が元NECの社員であったということで、システムインテグレーターとしての立場から、優れた技術を持つベンチャー企業との付き合いの経験が豊富だったからではないかと推察します。

⑵ 気になっていること

プレゼン力

AIの会社で専門用語が多いのは仕方ないにしても、もう少し分かりやすく話をされたら、投資家の評判は上がるような気がします。

その点でちょっと、勿体無いように感じました。

IRも積極的適時出されているようですが、経営陣が熱意を持って語りかける動画(決算説明など)など、試してみるべきことは少なくないと思います。

株主総会でも事業報告を省略し、5分で質疑応答の時間となったのはちょっと説明不足に感じました。

会場の2面の巨大スクリーンも使用されなかったです。

もう少し、ステークホルダーに対する説明に力を注ぐことを希望します。

従業員数

使用人の状況で人数が61名となっています。

少ないです。

技術力と資金力があってもマンパワーが足りなければビジネスに制約が生じかねません。

ただし、前期との比較では6名増ということで1年間で10%も増員されたことは良い流れだと思います。

人材の質・量の拡充についてもモニターしていきたいと思います。

【グランパーク周辺】

4 まとめ

HEROZについて述べてきました。

社名はキャッチーですが、技術力、資金力、目利き力に優れた良い会社だと思います。

まだまだ事業規模は小さいですし業績も低迷中法人営業などの課題は山積していますが、巨大なポテンシャルをどう活かすかで大きな成長の可能性もあると思ってます。

今後の事業展開から目が離せません。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #HEROZ #将棋ウォーズ

  

丸井【8252】〜小売×フィンテック×未来投資

初投稿:2022.8.3

こんにちは!

この記事は、丸井【8252】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・小売×フィンテック×未来投資

・共創経営

★★★★

【目次】 

【丸井有楽町店】 

                    

1 丸井について

⑴ 会社概要

総資産9200億円、売上高2093億円、時価総額4970億円の事業規模です。

PBRは1.82倍という評価。

売店は自社での販売から賃貸へ移行とあります。

さらに、自社「エポスカード」による割賦販売、手数料収入が柱と四季報では報じらてています。

MISSION

すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創る

VISION2050

ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る

私たちの方向性(インパクト)

将来世代の未来を共に創る

一人ひとりの「しあわせ」を共に創る

共創のプラットフォームをつくる

いろいろとよく考え、練り上げられた”企業理念”だと考えます。

セグメント

●小売

フィンテック

●未来投資

⑵ 株主になったきっかけ

”百貨店”の銘柄はJフロントリテーリング(大丸、松坂屋)、三越伊勢丹HDを長年保有しています。

JFRは小売と不動産の2本柱、三越伊勢丹は小売に注力しているなか、丸井の小売とフィンテックの経営に関心を持っていました。

そういった好奇心から、今回初めて株主となり株主総会ライブ配信を視聴という流れに至っています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:87%

売上高営業利益率(10%以上が優良株):18%

クレジットカード事業を中心に、高収益なビジネスモデルだと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):244%

自己資本比率(30%以上が望ましい):28%

短期的な安全性は流動比率より問題ないと考えます。

中・長期的な安全性については自己資本比率が低く、ちょっと気になります。

ただし、金融ビジネスを展開していると考えると大きな問題ではないのかもしれません。

効率性 

・有形固定資産回転率:1.24

小売業の平均が5.8回であることを考えると、あまり有形固定資産から見た効率性はあまり良くないようです。

一等地に百貨店を展開しているためと考えます。

ただ、三越伊勢丹HDが0.59Jフロントリテーリングが0.69であることを考えるとむしろ頑張っているようにも思います。

株主総会で頂いた丸井グループの共創経営に関わる書籍】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第86回定時株主総会 2022年6月28日(火) 本社3階

ライブ配信を視聴しました。

映像とナレーションで事業報告等がなされ、社長から今後の方向性についての話がありました。

印象に残っているのは

・小売の利益が20億、フィンテックの利益が412億(フィンテックが大きな柱)

・EPS、ROE、ROICのKPIを用いた定量的な事業報告

・知識創造型のビジネスの追求(効率性より創造性)

・人的資本の再定義とその拡充

・一般社員への株式交付

主な質疑応答

【事前】

Q.後継者の育成について

A.後継者育成のプログラムを実施しており5期目を迎える。

75名の修了者が存在しており、現在タフ・アサイメントに取り組んでいる。

後継者を選任する母集団は着実に大きくなっている。

Q.QRコード決済がクレジット決済に与える影響について

A.QRコード決済のクレジットカードへの紐付けが増えており、その点では追い風と認識している。

また、クレジットカードもタッチ決済により、QRコードスマホアプリで立ち上げるより便利な点もある。

【会場】

Q.丸井の店舗のない東北・北陸に置けるカード会員の入会促進について

A.地方の有力店舗との提携を進める。

併せて、ネットを通じた全国レベルの入会促進にも注力している。

Q.収益が最も上がるビジネスモデルについて

A.小売、フィンテック、未来投資の3つの領域での掛け合わせが重要と考える。

Q.(丸井とトラブルを抱えている株主から)のクレームについて

A.昨年来数度に渡りり対応し、見解の相違が明らかになった。

これ以上の対応はしない。→株主は体調不良で救急車で病院搬送

Q.取締役会実効性評価(第三者評価)について

A.過去7回取締役会の実効性について評価してきたが、今回は初めて外部機関に依頼した。

議論が活発であり、他に類を見ない実効性が確保されているとの評価を得ている。

Q.3兆円を超える”グループ総取扱高”の算定について

A.VISAのデータを用いている。

Q.エポスのプリペイドカードの磁気カード以外の展開について

A.スマホ搭載型のプリペイドカードなどを検討している。

Q.tumiki(つみき)証券の現状について

A.ポイント投資ということで13万人の口座数(ゲームを含めると20万人)。

商品は絞り込んでいるが、直近で一つ増やした。

利益貢献できる段階ではないが、頑張る。

Q.丸井中野店の中庭のしつらえは素晴らしい(感想)

A.ありがとうございます。

決議事項

・剰余金の処分の件

・定款一部変更の件

・取締役6名選任の件

監査役2名選任の件

・補欠監査役1名選任の件

社外取締役の報酬額改定の件

拍手を持って賛成・可決されました。

新任者の紹介があり、拍手で応じられていました。

⑵ 株主還元    

配当

下記の通り増配基調です。

株主総会では長期安定のもと、16期連続の増配予定とのこと。

2022年3月期:52円

2021年3月期:51円

2020年3月期:50円

2019年3月期:49円

株主優待

持株数に応じて、買い物件、Webクーポン、エポスポイントがいただけます。 

自社株買い

資本最適化という名目で500億円の自社株買いの計画が発表されています。

ちなみに、株主還元1000億円の内訳では配当800億円、自社株式取得200億円を配分するそうです。

【丸井有楽町店】 

                

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

経営再建

経営危機に陥った会社を数十年かけて立て直した経営手腕は素晴らしいと思います。

そして、未来志向の経営についても着目しています。

サステナビリティ経営の真髄』も読み応えありました。

投資力を高める上で丸井グループの経営を研究していきたいと思います。

百貨店銘柄

百貨店銘柄は3社になります。

厳しい状況下で、それぞれの収益構造は下記の通り大きく異なっています。

●JFR:百貨店:非百貨店(不動産)=1:1

三越伊勢丹:百貨店>非百貨店

●丸井:百貨店<非百貨店(フィンテック

それぞれ、練り上げた戦略のもと頑張っていると思います。

これら、異なるビジネスモデルの3社がこの先どのような展開を迎えるのか。

応援するつもりで注視していきます。

⑵ 気になっていること

フィンテック一本足打法

セグメントは3つに区分されていますが収益の9割以上はフィンテックによるもの。

クレジットカード事業に何かあったときにはどうなるのか?気になります。

実績のある小売や将来が期待される未来投資で、フィンテックを補うのは現状ではちょっとむずかしいと思います。

収益のバランスについて経営陣はどのような展望を抱いているのか訊いてみたいです。

買い物依存症

クレジットカードは便利な一方で、買い物依存症などの問題に通じることもあると思います。

ESG経営と一部の経済的に破綻するカードホルダーとの関係について何か手を打っているのでしょうか。

もちろん、消費は自己責任ということはよく承知しています。

ただし、(詳細は分かりませんが)会社と訴訟関係にある株主がいたことからも、称賛される経営の一方で、さまざまなリスクが存在することも認識しておく必要がありそうです。

4 まとめ

丸井について述べてきました。

共創経営など調べれば調べるほど、経営について多くのことが学べます。

まだ、エポスカードは利用してませんが、最近気になりだしました。

株主として、消費者として応援するつもりでモニターしていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #丸井 #エポスカード #フィンテック

  

三菱重工業【7011】〜防衛費2倍で株価は上昇トレンド

初投稿:2022.7.26、更新日:2023.9.2

こんにちは!

この記事は、三菱重工業【7011】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年6月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・脱炭素や防衛関連としての期待

・防衛費2ばいで株価は上昇トレンド

★★★★★

【目次】 

三菱重工業の本社が入居する丸の内二重橋ビル】

                      

1 三菱重工業について

⑴ 会社概要

日本の製造業のリーディングカンパニー。

四季報では総合重機と紹介され、産業機械部門の時価総額で135社中3位と報じられています。

売上高4.2兆円、総資産5.4兆円、時価総額2.8兆円の事業規模。

無形資産(ブランド力、のれん)を示すPBRは1.51倍の市場評価と比較的高評価。

社是

一、顧客第一の信念に徹し、社業を通じて社会の進歩に貢献する

一、誠実を旨とし、和を重んじて公私の別を明らかにする

一、世界的視野に立ち、経営の革新と技術の開発に努める

伝統が感じられつつ今の時代にも沿った社是と考えます。

セグメント

下記の4つのセグメントから構成されています。

( )の数値は売上収益構成比です。

エナジー(41%)

●プラント・インフラ(16%)

●物流・冷熱・ドライブシステム(28%)

●航空・防衛・宇宙(14%)

⑵ 株主になったきっかけ

ロシアのウクライナ侵攻や防衛予算増額等の報道に接し、応援する意味で2022年の春に株主となりました。

嬉しいことに、2023年9月時点で株価は年初来高値を更新中です。

⑶ 2023年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:18%

・売上高事業利益率:5%

高収益とは言えませんが、前期に比べてそれぞれ1%ずつ向上しています。

現在「収益力回復・強化」に取組んでいる成果が着実に現れていると考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):116%

自己資本比率(30%以上が望ましい):33%

前期に比べて多少数値は改善しています。

安全性について懸念はないと考えます。

なお、株主総会招集通知の中で政策保有株式を

・2025年度末までに15%未満

・2030年度末までに10%未満

にするとの説明がありました。

自己資本等にどのような影響があるか見極めていきたいと思います。

効率性 

・有形固定資産回転率:5.00

前期よりもわずかですが向上しています。

比較的、有形固定資産については効率的な投資がなされていると考えます。

⑷ 2022年3月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:17%

売上高営業利益率:4%

あまり高い収益性とはいえなさそうです。

それでも株価は右肩上がり。

現在「収益力回復・強化」に取組んでいるとのことなので、収益性向上による株価への効果が期待されます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):113%

自己資本比率(30%以上が望ましい):32%

数値としては盤石な財務基盤とは言えなさそうです。

ただし、巨大企業であり、同業のIHI自己資本比率が22%であること、増配もできていることなどを考え合わせると安全性に直ちに問題が生じることはないと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:4.89

製造業の平均が3.22であることを考えると高い数値となっています。

比較的、有形固定資産については効率的な投資がなされていると考えます。

なお、単体での有形固定資産の内訳としては金額順で「建物」、「土地」、「機械及び装置」となっています。

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

第98回 定時株主総会 東京會舘「ローズ」 2023年6月29日(木)

アーカイブ配信を視聴しました。

残念ながら会場での質疑応答についてはカットされていました。

ポイントは下記の通り。

・業績は増収増益。

・「収益」、「成長」、「財務健全性」、「株主還元」に注力。

・「2021事業計画」はほぼ予定通り進捗。

・CO2については「減らす」、「回収する」、「出さない」をに着目。

・新たな事業機会として原子力(革新軽水炉)と防衛を重視。

主な質疑応答

【事前】

Q.スペースジェットの開発中止について

A.開発完了までに5年かかり毎年1000億円の経費が見積もられた。

(それまでに投じた1兆円を含め、)事業性が見込めなくなったため開発中止に至った。

原因として

・認証プロセスについての経験・知見の不足

開発プロセスについての経験・知見の不足

・サプライや対応への経験不足

が挙げられる。

今後は、得られた経験・知見をボーイング社との協業次世代戦闘機の開発に活かしたい。

Q.役員の資質について

A.多様性を重んじ、スキルマトリックスを通して役員選任に活かしている。

【会場】

視聴できず。

決議事項

・剰余金処分の件

・監査等委員でない取締役7名選任の件

・監査等委員である取締役4名選任の件

・補欠の監査等委員である取締役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、新役員の紹介がなされていました。

株主総会雑感

スペースジェット開発中止の説明は分かりやすく株主向けだと思いました。

本当はもっと奥深いところに原因があるのでしょうがそこは抽象的な表現に留めていたと思います。

例えば、

・「型式証明取得に対する知経験不足」と説明していましたが、もっと経験不足なホンダがホンダジェットで型式照明取得に成功できたのは何故か?

・「MU-300以降、30年ぶりの米国でのビジネス」と言及していましたが、次期支援戦闘機F-2の開発で官民を通じた米国との交渉をしてきたのではなかったのか?

・F-2の開発メンバーをスペースジェットに投入して開発に失敗しているのに、スペースジェットの開発経験を次世代戦闘機(日・英・伊の共同開発)に本当に活かせるのか?

など色々な疑問が浮かび上がってきます。

もちろん、当社もそのようなことについては深掘りしてちゃんと総括していると思いますが、総会での説明はちょっと淡白だったように感じました。

ただし、そのような開発中止を、成長分野へのリソースの集中投資と市場は好意的に受け止めており、そのことが株価の上昇トレンドに現れていると思います。

防衛費は2倍になります。

我が国の安全保障におけるリーディングカンパニーとしての役割も含め、今後の事業展開に期待します。

⑵ 2022年6月の株主総会

第97回定時株主総会 2022年6月29日(水) 東京會舘

ライブ配信を視聴しました。

社長が議長を務め、事業報告から対処すべき課題までビデオで紹介されていました。

カーボンニュートラルを実現するための

・供給側からの脱炭素のアプローチ

・需要側からの省エネのアプローチ

という説明が印象に残っています。

主な質疑応答

【事前】

Q.三菱スペースジェットの現状について

A.2020年10月から飛行試験を中断しているが、リージョナルジェット市場の回復、サプライヤーの状況を勘案して再会のチャンスを狙っている。

それまでの間、ボンバルディア社から買収したリージョナルジェット事業を通じて実績を積み重ねていく。

Q.取締役の構成について

A.女性もデジタルも強い人材が揃っている。

個々の役員ではなく全体を通じて多様性を発揮していく。

【会場】

Q.定款変更について

A.株主総会資料については電子データが基本となっても、手続きをすれば紙で入手することは可能。

Q.ウクライナ情勢の影響について

A.従業員とその家族の安全を第一として対応する。

Q.1000億円の研究開発について

A.H3等研究開発は競争力強化のために積極的に実施する。

担当部門のみならず、横断的な取り組みをしておりリソースは十分にある。

Q.徴用工訴訟問題について

A.日韓請求権協定により完全かつ最終的に解決済み(会場から拍手)

Q.定款変更についての修正動議

A.承知した。

Q.三菱重工業に対する激励

A.頑張る(会場から拍手)

Q.半導体を何とかしてほしい。

A.産業基盤を作るということを通じて貢献したい。

Q.品質について

A.トップメッセージを通じて重要性を再周知している。

定期的な監査・モニタリング体制を構築するとともにネットワークを密にすることによる品質の維持に努める。

Q.H3の開発について

A.現状はポンプで見つかった課題に取り組んでいる。

その上で、計画的な試験機の打ち上げを目指す。

Q.無人機について

A.防衛と民間の2つの需要に対応している。

航空機のみならず、省人化のニーズに応えるさまざまな製品づくりに取り組んでいる。

Q.風力発電について

A.陸上風力発電からは2015年までに撤退した。

洋上風力発電デンマーク企業との合弁会社と協力しながら各種事業を継続している。

Q.波動を用いた再生可能エネルギー発電について

A.再生可能エネルギーについては基礎的技術の開発に取組んでいる。

その一環として、小さな発電装置というものに対してあらゆる可能性を念頭に対応している。

Q.みなとみらい技術館の人数制限について

A.コロナ禍の収束を踏まえて対応する。

なお、Webの活用も実施している。

Q.三菱重工業ゆりかもめのような遅い交通システムしか作れないのか!?

A.制約条件のもとで安全性を第一と考えた結果の交通システムである。

Q.ミッション・ネット・ゼロの達成の見込みは

A.2040年を目途に固い決意で臨んでいる。

水素還元製鉄の研究開発もそれに貢献できる可能性があると考える。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・監査等委員でない取締役7名選任の件

・監査等委員である取締役1名選任の件

拍手を持って原案通り賛成・可決されました(修正動議は否決)。

⑶ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

・2023年3月期:130円

・2022年3月期:100円

・2021年3月期:75円

・2020年3月期:150円

・2019年3月期:130円

・2018年3月期:66円

・2017年3月期:12円

2018年から増配基調となり、一旦はコロナ禍で減配しますが再び増配。

連結配当性向は30%としているので今後も期待されます。

株主優待  

なし 

自社株買い

実施せず

【丸の内二重橋ビル】

                

3 株主としてのコメント

⑴ 自社株買い無しについて

株価が上昇トレンドを継続しています。

しかも、自社株買い無しでここまで株価を上げるというのは投資家の期待の大きさを物語っています。

反対に考えると自社株買いに積極的なのに株価が冴えない会社というのは、もう少し根本的に経営を見直したほうがいいいと思います。

会計マジックを駆使しなくても株価を上げ得ることをMHIの株価が教えてくれました。

⑵ サイレントマジョリティ

株主総会で、徴用工問題に対する株主の質問に対して、会社が「解決済み」と言明したことに対して、会場からの拍手がライブ中継でも伝わってきました。

サイレントマジョリティというか、心ある多くの株主が会場に集っている様子が目に浮かびました。

また、修正動議についても同じようなことがたの総会で実施されていましたが、会場の多くの株主によって否決されています。

三菱重工業はこのような多くの株主の愛に支持されていることに矜持を持って頑張ってほしいと思います。

ちなみに株主構成では、外国人と個人投資家がそれぞれ3割という割合になっているようです。

ゆりかもめ台場駅

4 まとめ

三菱重工業について述べてきました。

脱炭素日本の安全保障に極めて重要な役割を果たしている会社です。

自社株買い無しにも関わらず株価が上昇基調なのは、心ある多くの株主サイレントマジョリティ)と市場の期待の高さを物語っていると考えます。

広い視野と長期的な展望を持ちつつ株主として応援していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産運用 #三菱重工業 #ゆりかもめ #リージョナルジェット #スペースジェット #革新軽水炉