こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

博報堂DY【2433】について

投稿日:2022.8.

こんにちは!

この記事は、博報堂DY【2433】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

広告業界2位

・分かりにくいビジョン、即効性を欠く戦略、中途採用に依存するオペレーション

【目次】 

赤坂BIZタワー

                      

1 博報堂DYについて

⑴ 会社概要

広告会社として電通に続いて国内2位

総資産1兆円、売上高8500憶円、時価総額5262憶円の事業規模です。

PBRは1.41倍。

四季報ではメディア業種に区分され、時価総額順位は7/132社とのこと。

日経業界地図によると広告業界の国内市場規模は6兆円で、約1兆円づつを電通博報堂DYHDが占めているそうです。

博報堂のDNA

●フィロソフィー

・生活者発想

・パートナー主義

●ビジョン

未来を発明する会社へ。

博報堂のVI(ビジュアルアイデンティティ?)

「センタードット」:起点、結節点

広告会社らしい理念ですが、当たり前といえば当たり前のことがかっこよく記されているだけのようにも感じます。

正直、分かりにくい。

これらの博報堂DNAがどの程度社員に浸透しているかがポイントと考えます。

セグメント

博報堂

・大広

読売広告社

博報堂DYマトリックス

アイレップ

2014年に博報堂、大広、読売広告が経営統合されてホールディング会社となったようです。

横串機能強化をしているようですが、総務部門等の重複などまだまだ効率化の余地はありそうです。

⑵ 株主になったきっかけ

アフターコロナで広告業界が復活すると予想。

2022年の春に株主になりました。

信用売り残が若干多いのが特徴。

そのことが、株価の低迷にも通じているように思えます。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:43%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):8%

粗利がとても高いです。

その割に販管費が多く営業利益は少な目です。

営業利益率低迷の原因は販管費の多さ。

ただし、400名規模の中途採用がなされているとのことで成長のための一時的な投資と評価します。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):149%

自己資本比率(30%以上が望ましい):37%

財務については盤石とは言えませんが、直ちに問題となるれべるではなさそうです。

効率性 

・有形固定資産回転率:24.11

比較的高い数値です。

投資した有形固定資産に着目すれば効率的な経営と言えそうです。

2 株主総会

⑴ 株主総会

第19期定時株主総会 2022年6月29日(水) 東京プリンスホテル

参加せず。

決議事項

・剰余金の処分の件

・定款一部変更の件

・取締役10名選任の件

監査役2名選任の件

監査役の報酬額改定の件

全て可決されたとの通知をいただいています。

⑵ 株主還元    

配当

一株当たりの配当の推移は下記の通りです。

2022年3月期:32円

2021年3月期:30円

2020年3月期:30円

2019年3月期:28円

2018年3月期:26円

増配基調が続いていることは評価できます。

株主優待   

なし 

            

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

中期経営計画の見直し

コロナ禍により経営陣は中期経営計画の見直しが必要と判断。

即実行する柔軟な対応は評価できます。

また、アフターコロナに向けて四季報では、「テレビ広告が底堅くネット広告は堅調」とのこと。

業界全体の回復基調も安心材料です。

人的戦力の拡充

四季報によると【大量採用】ということでエンジニアやデジタルマーケなど400人規模を中途採用とあります(同時にグループ内で早期退職制度も実施)。

併せてM&Aをした会社を中心に地方での事業を強化するとのこと。

大胆な方針展開は、厳しい環境を生き抜くために不可欠と考えます。

ただし、中途採用者の戦力化はそんなに簡単ではありません

期待しつつも紆余曲折の覚悟も必要と考えます。

⑵ 気になっていること

株価の低迷

株価が低迷しています。

業界トップの電通と比べても見劣りします。

特に、当社のトップライン、EPS共に来期以降もコロナ前の水準には及んでいない。

会社はソウルドアウトの完全子会社化、博報堂テクノロジーズの設立でデジタル化への対応に取り組んでいるとしています。

でも、デジタル化促進という戦略だけでは足りないと考える投資家や市場が株価の低迷をもたらしているのではないでしょうか。

業績について即効性を欠く戦略に懸念を抱かざるを得ません。。

広告の会社なのに動画などのPRが少ない

企業理念たる博報堂DNAが分かりずらいだけでなく、ちょっと内向きな組織文化があるように感じます。

例えば、ホームページを見ても、株主総会や決算に関する動画による説明がありません。

広告会社でありながら重要なステークホルダーたる株主(個人投資家は26%以上で少なくない)に対して効果的なPRができていないと考えます。

そのことはビジョンレベルで課題を抱えていることを意味します。

4 まとめ

博報堂DYについて述べてきました。

ビジョンレベルでの博報堂DNAの分かりにくさ戦略レベルで数年間はコロナ前を回復できない将来性の無さオペレーションレベルでの400名の中途採用への依存など、戦略の階層における課題を指摘しました。

”株主通信”では、2024年3月期までを戦略的投資フェーズと称しており成長が滞ることを公言しています。

投資した成果が3年目以降に本当に結実するかどうか、ちょっと不安になりつつ株主を続けています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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