こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

丸井【8252】〜小売×フィンテック×未来投資

初投稿:2022.8.3

こんにちは!

この記事は、丸井【8252】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・小売×フィンテック×未来投資

・共創経営

★★★★

【目次】 

【丸井有楽町店】 

                    

1 丸井について

⑴ 会社概要

総資産9200億円、売上高2093億円、時価総額4970億円の事業規模です。

PBRは1.82倍という評価。

売店は自社での販売から賃貸へ移行とあります。

さらに、自社「エポスカード」による割賦販売、手数料収入が柱と四季報では報じらてています。

MISSION

すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会を共に創る

VISION2050

ビジネスを通じてあらゆる二項対立を乗り越える世界を創る

私たちの方向性(インパクト)

将来世代の未来を共に創る

一人ひとりの「しあわせ」を共に創る

共創のプラットフォームをつくる

いろいろとよく考え、練り上げられた”企業理念”だと考えます。

セグメント

●小売

フィンテック

●未来投資

⑵ 株主になったきっかけ

”百貨店”の銘柄はJフロントリテーリング(大丸、松坂屋)、三越伊勢丹HDを長年保有しています。

JFRは小売と不動産の2本柱、三越伊勢丹は小売に注力しているなか、丸井の小売とフィンテックの経営に関心を持っていました。

そういった好奇心から、今回初めて株主となり株主総会ライブ配信を視聴という流れに至っています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:87%

売上高営業利益率(10%以上が優良株):18%

クレジットカード事業を中心に、高収益なビジネスモデルだと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):244%

自己資本比率(30%以上が望ましい):28%

短期的な安全性は流動比率より問題ないと考えます。

中・長期的な安全性については自己資本比率が低く、ちょっと気になります。

ただし、金融ビジネスを展開していると考えると大きな問題ではないのかもしれません。

効率性 

・有形固定資産回転率:1.24

小売業の平均が5.8回であることを考えると、あまり有形固定資産から見た効率性はあまり良くないようです。

一等地に百貨店を展開しているためと考えます。

ただ、三越伊勢丹HDが0.59Jフロントリテーリングが0.69であることを考えるとむしろ頑張っているようにも思います。

株主総会で頂いた丸井グループの共創経営に関わる書籍】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第86回定時株主総会 2022年6月28日(火) 本社3階

ライブ配信を視聴しました。

映像とナレーションで事業報告等がなされ、社長から今後の方向性についての話がありました。

印象に残っているのは

・小売の利益が20億、フィンテックの利益が412億(フィンテックが大きな柱)

・EPS、ROE、ROICのKPIを用いた定量的な事業報告

・知識創造型のビジネスの追求(効率性より創造性)

・人的資本の再定義とその拡充

・一般社員への株式交付

主な質疑応答

【事前】

Q.後継者の育成について

A.後継者育成のプログラムを実施しており5期目を迎える。

75名の修了者が存在しており、現在タフ・アサイメントに取り組んでいる。

後継者を選任する母集団は着実に大きくなっている。

Q.QRコード決済がクレジット決済に与える影響について

A.QRコード決済のクレジットカードへの紐付けが増えており、その点では追い風と認識している。

また、クレジットカードもタッチ決済により、QRコードスマホアプリで立ち上げるより便利な点もある。

【会場】

Q.丸井の店舗のない東北・北陸に置けるカード会員の入会促進について

A.地方の有力店舗との提携を進める。

併せて、ネットを通じた全国レベルの入会促進にも注力している。

Q.収益が最も上がるビジネスモデルについて

A.小売、フィンテック、未来投資の3つの領域での掛け合わせが重要と考える。

Q.(丸井とトラブルを抱えている株主から)のクレームについて

A.昨年来数度に渡りり対応し、見解の相違が明らかになった。

これ以上の対応はしない。→株主は体調不良で救急車で病院搬送

Q.取締役会実効性評価(第三者評価)について

A.過去7回取締役会の実効性について評価してきたが、今回は初めて外部機関に依頼した。

議論が活発であり、他に類を見ない実効性が確保されているとの評価を得ている。

Q.3兆円を超える”グループ総取扱高”の算定について

A.VISAのデータを用いている。

Q.エポスのプリペイドカードの磁気カード以外の展開について

A.スマホ搭載型のプリペイドカードなどを検討している。

Q.tumiki(つみき)証券の現状について

A.ポイント投資ということで13万人の口座数(ゲームを含めると20万人)。

商品は絞り込んでいるが、直近で一つ増やした。

利益貢献できる段階ではないが、頑張る。

Q.丸井中野店の中庭のしつらえは素晴らしい(感想)

A.ありがとうございます。

決議事項

・剰余金の処分の件

・定款一部変更の件

・取締役6名選任の件

監査役2名選任の件

・補欠監査役1名選任の件

社外取締役の報酬額改定の件

拍手を持って賛成・可決されました。

新任者の紹介があり、拍手で応じられていました。

⑵ 株主還元    

配当

下記の通り増配基調です。

株主総会では長期安定のもと、16期連続の増配予定とのこと。

2022年3月期:52円

2021年3月期:51円

2020年3月期:50円

2019年3月期:49円

株主優待

持株数に応じて、買い物件、Webクーポン、エポスポイントがいただけます。 

自社株買い

資本最適化という名目で500億円の自社株買いの計画が発表されています。

ちなみに、株主還元1000億円の内訳では配当800億円、自社株式取得200億円を配分するそうです。

【丸井有楽町店】 

                

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

経営再建

経営危機に陥った会社を数十年かけて立て直した経営手腕は素晴らしいと思います。

そして、未来志向の経営についても着目しています。

サステナビリティ経営の真髄』も読み応えありました。

投資力を高める上で丸井グループの経営を研究していきたいと思います。

百貨店銘柄

百貨店銘柄は3社になります。

厳しい状況下で、それぞれの収益構造は下記の通り大きく異なっています。

●JFR:百貨店:非百貨店(不動産)=1:1

三越伊勢丹:百貨店>非百貨店

●丸井:百貨店<非百貨店(フィンテック

それぞれ、練り上げた戦略のもと頑張っていると思います。

これら、異なるビジネスモデルの3社がこの先どのような展開を迎えるのか。

応援するつもりで注視していきます。

⑵ 気になっていること

フィンテック一本足打法

セグメントは3つに区分されていますが収益の9割以上はフィンテックによるもの。

クレジットカード事業に何かあったときにはどうなるのか?気になります。

実績のある小売や将来が期待される未来投資で、フィンテックを補うのは現状ではちょっとむずかしいと思います。

収益のバランスについて経営陣はどのような展望を抱いているのか訊いてみたいです。

買い物依存症

クレジットカードは便利な一方で、買い物依存症などの問題に通じることもあると思います。

ESG経営と一部の経済的に破綻するカードホルダーとの関係について何か手を打っているのでしょうか。

もちろん、消費は自己責任ということはよく承知しています。

ただし、(詳細は分かりませんが)会社と訴訟関係にある株主がいたことからも、称賛される経営の一方で、さまざまなリスクが存在することも認識しておく必要がありそうです。

4 まとめ

丸井について述べてきました。

共創経営など調べれば調べるほど、経営について多くのことが学べます。

まだ、エポスカードは利用してませんが、最近気になりだしました。

株主として、消費者として応援するつもりでモニターしていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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