こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

ウイルズ【4482】〜株主総会雑感(つまらないバーチャル株主総会)

初投稿2021.4.18、更新2021.11.13、2022.3.24、2022.4.8、2022.11.22、2023.5.

こんにちは!

この記事は、ウイルズ【4482】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2024年3月の株主総会招集通知の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・株主のDX化で企業はコストを80%削減できる

・ビジョンや戦略は良いが、オペレーションレベルでは・・・

★★★

【目次】

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1 ウイルズについて

⑴ 会社概要

ウイルズは株主優待交換サイト「プレミアム優待倶楽部」等を運営している会社です。

売上高は約44億円、総資産は約36億円、時価総額は166億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは8.85と高めです。

ただし、3年前の高値に比べると株価は半分に低迷中

最近、少し株価の上昇する傾向が見られますが、どこまで持続するかハラハラしながら見守っています。

スローガン

『MAXIMIZE CORPORATE VALUE

ミッション

「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」

セグメント

(株主管理プラットフォーム事業)

「プレミアム優待倶楽部」

「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」を組みわわえたサービス

●「IR-Navi」

上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォーム

「ESGソリューション」

統合報告書やアニュアルレポートなどの投資家とのコミュニケーションツールを企  画、制作するサービス

「その他」

決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービス

(広告事業)

「ポイント及び自社媒体Web広告」

「ネットマイル」の運営等

「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」

広告代理連として顧客のWeb広告活動のサポート 

⑵ 株主となったきっかけ

2020年秋に、テンバーガー候補としての紹介記事を読み、調べていくうちに会社の姿勢や将来性に期待するようになり株主となりました。

1000株以上の株主優待に目がくらみ、100株づつ分散投資し、現在は1000株の株主。

年明けに、再度テンバーガー候補との記事が雑誌で掲載されたため、三角持ち合いをうわ抜けて大幅高になりました。

けれども、現在は下落トレンドに入っており、塩っぱい塩漬け状態です。

⑶ 2023年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:47%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):20%

収益性については高いと考えます。

しかも、それぞ2%づつ前期よりも向上している点は評価できます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):158%

自己資本比率(30%以上が望ましい):51%

前期とほぼ変化はありません。

短期的にも中・長期的にも問題はないと考えます。

効率性

・有形固定資産回転率:92.82

前期よりも向上しています。

売上高が上昇した一方で、有形固定資産への顕著な投資がなかったためと推察します。

⑷ 2022年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:45%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):18%

収益性については昨年同様に高いと考えられます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):154%

自己資本比率(30%以上が望ましい):51%

昨年と同様の水準で、安全に関して問題となるレベルではなさそうです。

効率性

・有形固定資産回転率:68.62

昨年に比べて大幅に低下しています。

有形固定資産が大幅に増加してるためです。

本店を虎ノ門に移転させたことによるものと推察します。

⑸ 2021年12月期の経営分析

株主総会招集通知の計算書類から経営分析を試みます。

業績は5期連続増収・増益です。

収益性

・売上高総利益率:43%

売上高営業利益率:15%

高収益なビジネスモデルでしかも優良銘柄と見ることができそうです。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):158%

自己資本比率(30%以上が望ましい):51%

短期的にも中長期的にも盤石とは言えないものの安全性に大きな問題はないと考えて良さそうです。

また、自己資本比率は昨年よりも改善しています。

効率性

・有形固定資産回転率:245.68

売上高に対して不動産への投資は比較的小さく効率的な経営がなされていると考えます。

⑹ 2020年12月期の経営分析

増収増益です。

上方修正も発表されていますが、翌日に暴落。

いわゆる”材料出尽くし”かもしれませんが、それだけウイルズに対する期待の大きさを物語っていると考えます。

■収益性

 売上高営業利益率は16%

 高い成長性を維持しています。

■安全性

 自己資本比率は46%

 強固とは言えないまでも、安全性に問題は無いと考えます。

株主優待でいただいた枕】

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2 株主総会

⑴ 2024年3月の株主総会

第20回定時株主総会 2024年3月25日(月) バーチャル株主総会

参加しました。

主な質疑応答

Q.プライム市場への以降について

A.当然、目標としている。

プライム市場へは経常利益の2期の合計が25億円以上という基準がある。

当社の場合、前期が9億円、今季は10億円強と見込んでいるので、数年後の上場を目指したい。

Q.株主優待の改善について

A.ご指摘のとおり、3000株以上のインセンティブがない。

このため、3000株と10000株の間にステージを設けることがあっても良いと考える。

様々な角度からの検討を踏まえ前向きに考えていく。

Q.プレミアム優待倶楽部の経済件について

A.コンセプトとしては楽天経済圏やドコモ経済件に似ている部分もある。

けれども、現状では会員数が70万人と規模に差があると考える。

会員数が数百万人となれば、様々なマーケティング戦略を取ることができるようになるので、まずは、会員数の増加に尽力していきたい。

決議事項

・剰余金処分の件

賛成多数で承認・可決されました。

株主総会雑感

バーチャル株主総会を視聴した感想を一言で言えば

”つまらない”

に尽きます。

もっと他社のライブ配信をしっかり学んでクオリティを高めてほしいです。

・沈黙が長い

・テロップがない

・画面に変化がない

・スライド画面の文字が謎に小さい

などなど

視聴していて、株主が辛くなります。

バーチャルオンリー株主総会になって3年目。

その間、株価は半分になりました。

株価はPER(評価)✖️EPS(稼ぎ)

で決まります。

EPSが伸びているにも関わらず、株価が半減したのはPER(評価)が低下したため。

その一因として、つまらないバーチャル株主総会があると考えます。

株主総会当日の質問はゼロ

・事前の質問も3つだけ

株主は当社に無関心になりつつあるのではないかと懸念します。

当社よりもはるかに洗練されたライブ配信をしている会社が同時に対面の機会を株主に提供するハイブリッド式が主流になりつつあることの重要性を社長は深く自覚してほしいと思います。

バーチャル株主総会の皆らず、当社が主催する他の企業のIR配信もポイントをつけて視聴者を募集せざるを得ない現実も、ステークホルダーが当社に無関心になりつつあることと符合します。

来年のハイブリッド総会を期待します。

⑵ 個人投資家向けWEB説明会

2022年11月17日(木) 1900〜2030

内容は下記の通り。

・1部:アクセスグループホールディングの説明会

・2部:ウイルグループの説明会

・質疑応答

●ウイルズの説明会の主なポイント

日本株の3割の株主は外国人投資家

東証全体の時価総額は約723兆円

日本の個人金融資産の合計は約2000兆円東証全体の時価総額の3倍分

・過去25年間で日本株は横ばい、米国株は9.4倍と差がついたのは個人投資家の差

・現在、中小小型ファンドは68本でファンドの約7%しかない

→中小企業はファンドに頼っても株価の上昇は困難

・ウイルズの中間決算は増収・増益で上方修正

・株主数が1万人を超える上場企業の6割がバーチャル株主総会を実施

・バーチャル株主総会時においてブロックチェーン技術で改ざん防止の特許取得

・プレミアム優待倶楽部は7社増加し合計78社

株主優待導入企業数はここ数年間減少しているが、リーマンショック時にも減少

・IRーNaviの開発(英語対応により世界にアクセス等)は遅れており来春には完成予定

・今後の注力分野はIRーNaviの双方向性

(現在は企業→機関投資家のみ、今後は機関投資家⇄企業

・企業、機関投資家個人投資家を結ぶことにより企業価値の最大化を目指す!

株主優待で2000株以上の株主は従来の1.2倍のポイントを付与

●雑感

”ビジョン”レベル企業価値の最大化を目指す姿勢に共感:○

戦略レベル:IR-Naviで企業を世界中の機関投資家と結ぶ:○

      :個人投資家に株式を2000株以上有して貰うための優待の拡充:○

オペレーションレベル:IR-Naviの開発の遅れ:×

           :WEB説明会中に司会のマイクオフのミス:×

ウイルズをビジョン、戦略、オペレーションの3つの階層に分けて簡単な分析を試みました。

ビジョンや戦略は良いと思いますし、大いに期待しています。

ただし、オペレーションレベル(現場社員)となると、IR-Navi開発の遅れ等の懸念事項が散見されます。

マネジメント力を強化して、”仕事をやり切る力”を積み上げていかないと、せっかくのよいビジョンや戦略も十分に活かしきれないのではないか?というのが正直な気持ちです。

あと、プレミアム優待倶楽部の商品の内容をオリックスやヒューリックを見習ってもう少し魅力的に改善することを希望します。

⑶  2022年3月の株主総会

第18回定時株主総会 2022年3月30日(水) バーチャルオンリー

議決権行使により保有株式数に応じた株主アクションポイント(有効期限1年間)がいただけるそうです。

なお、1000株保有の自分の場合1500ポイントいただけました。

ライブ視聴しました。

1時間弱の時間でした。

社長が業績等を説明した後に質疑応答がなされました。

主な質疑応答

(事前)

Q.グローバル企業へのアプローチについて

A.簡単なことではない。新型IR-naviは英語対応なので、それを活かして長期的に海外への展開を進める。

Q.株価低迷について

A.私もショックだマクロ的にはマザーズ指数は半分に下落した影響もあると考える。ファンダメンタルについては5期連続の増収増益を続けているがこの状態を保ちたい。テクニカルな取り組みとしては、増配、ポイントの倍増、自社株買いなどの株主還元を昨年は実施していることが。中長期的な成長に期待して欲しい。

Q.中長期計画について

A.売上高年成長率20%、売上高営業利益率20%、プレミアム倶楽部新規加入企業年間20社を目標に掲げている。株主のDX化を強調し、IR-naviのシェアアップを図る。

Q.ふるさと納税サイトへの参入について

A.リーガル面や税制面等で壁があるとともに、上位3社でほぼシェアを独占しているので参入についてはリスクが高い。大手とのコラボ(ウイルズコインの活用等)については検討を続ける。

Q.クリーンな経営を希望する

A.クライアントは350社の上場企業である。期待に沿えるよう高い意識を持って業務に取り組む。

(当日)

Q.集中日の開催は避けてほしい。

A.ごもっとも、事務方と検討をします。

Q.競合企業は?

A.プレミアム優待倶楽部についてはm、オリジナリティを追求してきたので競合企業はない。但し、QUOカードや百貨店のカタログギフトについては競合すると認識。IR-naviについては米国の企業向けデータベースを提供するアイプレオが類似している。但し、ウイルズの強みは株主と機関投資家とアナリスト(ファンドマネージャー)の3社を一元管理できること。特に、大企業ほどウイルズを利用することの恩恵が大きいと考える(株主数が多いため)。

Q.市場環境と来期以降の成長戦略について

A.FRBの利上げ、ウクライナ情勢、コロナ禍により市場環境は芳しくない。

株主のDX化(株主関連の情報をアナログからデジタルに移行すること)によりコストは80%削減できることの効率化を基本的な戦略とし、具体的な計画立案は今後つめる予定である。

Q.ネットマイルズの方向性について。

A.赤字が続いたがようやく黒字化に至った。ウイルズコインとの流通拡大に期待できる。300万人という会員口座を活性化させる方向性で事業を推進する。

Q.バーチャルでは物足りない。今後はハイブリッドを希望する。

A.コロナ禍とうリスクを避けるために今回はバーチャルオンリーとした。今後、コロナ禍のリスクが小さくなればハイブリッドも検討する。また、株主総会のみならず、会社説明会も含めて事業展開を図る。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

拍手も何もなく、議長の賛成多数という説明で可決されました(事前の議決権行使により9割以上の賛成が得られていました)。

⑷ 2021年3月の株主総会

第17回定時株主総会 2021年3月30日(火) TKP新橋カンファレンスセンタ

当日は、ニューラルポケットの総会に参加したのですが、期待外れだったのでウイルズに行けばよかったと反省しています。

⑸ 株主還元

配当

1株配当実績は下記の通り。

増配基調なのはありがたいことです。

2023年12月期:9.5円

2022年12月期:7.0円

2021年12月期:2.5円

2020年12月期:0円

2019年12月期:10円

2018年12月期:0円

株主優待

6月末に株主優待として、持株の数と長さに応じた株主優待ポイントを頂けます(決算は12月です)。

この株主優待ポイントをWillsCoinに交換することで、プレミアム優待倶楽部を導入している各企業の株主優待ポイントと合算が可能との事。

そして先日、頂けるWillsCoinが増えるとの優待改善の発表がありました。

1000株を1年半以上保有する自分の場合、13200ポイント頂けることになりそうです。

優待に魅力を感じる株主としては朗報です。

また、手持ちのWillsCoinが6000ポイントありましたのでサーモ二重ロックカップペア2セットと交換することにしました。

注文して数日で商品が届きました(早い!)。

早速、使いました。

水割りを飲むときなど、冷たさ(美味しさ)が長持ちするとともにテーブルが濡れることが無く実用的です。

末永く愛用していきたいと思います。

その後、2つ目の優待品としてを頂きました。

自社株買い

2022年3月に6,600株(4,286,100円)の自社株買いが実施されていることがIRニュースでリリースされていました。

個人的には、配当はホールドし続ける株主のため自社株買いは売りたい株主のためと見なしているので、配当重視を希望しています。

【優待で選んだサーモカップ】

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3 株主としてのコメント

⑴  気に入っていること

株主優待重視

元々、株式投資の楽しみとして株主優待を重視していました。

ウイルズは株主優待をビジネスとする会社。

応援する意味でも株主をしています。

併せて、ウイルズからの優待品も楽しんでいます。

デジタル化の最先端

完全バーチャル株主総会の実施など、デジタルを駆使した経営がなされています。

株主であることでウイルズの提供するデジタル化の最先端に触れられることも気に入っていることの一つです。

⑵ バーチャルオンリー株主総会について

バーチャルオンリーの株主総会は初めてでした。

総括するとニーズ志向の株主総会だったと思います。

それはコロナ禍を恐れる会社がその解決策としてバーチャルオンリー株主総会というニーズがあり、それが可能であることの実証という意味です。

その意味では画期的な試みだったと評価します。

けれども印象としてはイマイチ。

その理由は下記の通り

・「報告事項、決議事項」のスライドが長すぎ。社長の説明に合わせたスライドをタイムリーに表示すべき。

・カメラの表示が単調。社長や他の役員が答えれいる様子や自信を持って説明責任を果たしている様子をズームアップで見たかった。

・社長の話が招集通知の読み上げに終始。書いてあることを読み上げるだけでなく、ポイントを強調すべき。そのためにも画面の大半を占有していたスライドの活用を!

・発言に対するテロップを出すべき。JAL株主総会では、会場のスクリーンに株主の発言がリアルタイムでテロップとして流されていた。せっかく全員がモニターを見ることになるのでその良さを生かすべき。

要するに今回はコロナ禍対策としてのニーズに応えるためのバーチャル総会だったと考えます。

これに対してシーズ(提供される技術)志向のバーチャル株主総会を期待します。

これは、画面上にテロップをはじめ様々な文字や図形を表示することにより株主へのアピールや理解力を高めるためのものです。

今後のバーチャル株主総会の可能性の追求を期待します。

⑶  気になること

事業規模

総資産約26億円売上高約34億円時価総額140億円という事業規模です。

従業員数は83名

将来性に期待しつつも、現実としてははまだまだ小さな会社です。

今後も色々な荒波にさらされることの覚悟は持っておくべきだと考えます。

PMI

完全子会社化したネットマイル社との相乗効果はいつ発揮されるのか?

その前にネットマイル社の業績は?

PMI(M&A後の統合プロセス)は予定通りなのか否か?

ウイルズの更なる成長の為にはM&Aは不可欠なので、ネットマイル社のケースから多くの教訓を汲み取って欲しいと思います。

ネットマイル利用雑感
プレミアム優待倶楽部に魅力的な商品がありません。
そこで、試しにネットマイルに交換してみました。
その結果、なおさら魅力的な交換ポイントがないことが分かりました。
そして、数ヶ月経過後、ポイント失効の通知が来た為、やむをえポイントを交換。
そこで感じたことは次の通りです。
・有効期限が短い
・交換によって価値が半分になる
・交換に伴う手数料で引かれた端数は失効ポイントとなる
・1000マイル単位でしか交換できない
・交換まで数週間要するものが多い
・交換に手間暇がかかる
・交換時に個人情報(職業等)を記載しなければならない
・交換時にパスワードを入手しなければならない
・そもそも魅力的なポイントがない
ネットマイルのサービスとは何なのか?
”利用者のお金を減らすもの”
そのように感じました。

⑷ 今後の方針

特定口座で1000株有しています。

10倍株になるのに5年以上はかかるとの判断です。

乱高下は承知の上なので、今回の下落トレンドも想定内。

ただし、IR‐Naviを利用して株主を管理しているオリックスが、リーマンショックの時には株価が10分の1になったのに、コロナショックでは2割程度しか下落しなかったのも、株主対策(海外の機関投資家を少なくし、個人投資家を増やした)ことが挙げられています。

社長さんをはじめ、IRには精通している社員は多数いらっしゃるはず。

IRのプロとしてウイルズもIR-Naviを用いて的確な資本政策を実施し、株主資本コストを抑えるような施策が今後あるかもしれません。

「貯蓄から投資へ」の世界を実現することについて、ウイルズと投資家としての自分は同じ方向を向いています。

ただし、社長の経営手腕に疑問を多く感じる昨今、慎重に対応していきたいと思います。

【使いやすいサーモカップ】

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4 まとめ

ウイルズについて述べてきました。

DXを駆使し「プレミアム優待倶楽部」という希少性の強みを有しています。

けれども、将来性に期待しつつもまだまだ小さな会社です。

塩漬け状態ですが、優待品を楽しみながら引き続き株主を続ける予定です。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ウイルズ #プレミアム優待倶楽部 #IR- Navi #株主優待

  

Casa【7196】について〜株主総会&事業説明会雑感

初投稿:2021.4.23、更新日2022.4.29

こんにちは!

この記事は、Casa【7196】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2022年4月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青地です)。

・不祥事が生じた銘柄の買はアリか?

・ビジョンと戦略とオペレーションについて

★★★

【目次】

株主総会の会場となった住友不動産新宿グランドタワー

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1 Casaについて

⑴ 会社概要

Casaとはラテン語で”住まい”を意味するそうです。

家賃債務保証の会社。

家賃を回収するために、助成金申請や就職或いは養育費などの顧客支援を実施しています。

社長の説明では、M&Aを行なった子会社3社との融和団結を進める意味で”みんなの家”という願いが込められているとのことでした。

⑵ 株主となったきっかけ

不祥事の報道で会社を知りました。

ネットではブラックなイメージが飛び交っています。

でも、いろいろ調べていくうちに、業績は好調、1月決算、高配当、不動産関連、DX等興味が湧いてきたので2021年の1月に株主になりました。

⑶ 2022年1月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:58%

売上高営業利益率:10%

DXに強い会社ということで収益性は悪くありません。

ただし、昨年と収益性がそれほど変化がないのでちょっと物足りない気もします。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):95%

自己資本比率(30%以上が望ましい):54%

数値的には昨年と顕著な差はありません。

ただし、短期的な安全性には懸念がある一方、中・長期的な懸念はそれほどでもないと考えます。

業種的にはその他金融業に区分されるので、数値的には妥当な水準だと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:153

有形固定資産額が674万円しかありません。

ちょっと少ないような気がします。

勘定科目の内訳は金額順で「その他」、「建物及び構築物」、「リース資産」となっています。

有形固定資産についは効率的な経営がなされていると考えます。

⑷ 2021年1月期の業績

増収減益です。

減益の要因は支払い猶予に応じたこと等による債権回収率の低下。

このご時世では、やむを得ないと思います。 

収益性

売上高営業利益率10%

優良株と考えます。

安全性

流動比率103%

自己資本比率51%

財務基盤は盤石とまでは言えないまでも問題のあるレベルではないと思います。

【総会を案内するデジタルサイネージ

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2 株主総会

⑴ 2022年4月の株主総会&事業説明会

第9回定時株主総会 2022年4月27日(水) 住友不動産新宿グランドタワー

20名前後の人が会場に集っていました。

ライブ配信がなされていたように思います。

社長の挨拶に始まり、ビデオによる事業報告、議案の上程に進みました。

主な質疑応答

Q.家主ダイレクトの使い勝手の改善について

A.改善に努める。

Q.物価上昇の影響について

A.正規社員の顧客が多く家賃の滞納等は少ない。

Q.管理会社市場自主管理市場について

A.管理会社市場(52%)においては15%が連帯保証人を必要としており、そのうちの6〜7%を取りに行く。

自主管理市場(48%)の30%を目指す。

Q.役員のIT・テクノロジーの具体的な実績は?

社長はこれまでのCasaのITシステム構築を指揮してた。他の2人の役員については金融機関のIT部門での実績を有する。

Q.会社のITシステムは内製または外注か?

A.プロジェクトマネジメントは自社で、プログラミングは外注としている。

Q.他の保証会社との差別化について

A.保証会社は100社程あるがコモディティ化しており大きな差はない。

ただし、当社は連帯保証人なしで家を借りることを理念としていることや、利益の源泉である大家さんを大切にすることなど、目指すところの違いがある。

そのため、大家さんが必要としている客づけを支援するためのサービス等を提供している。

Q.女性取締役について

A.社員の男女比は2:1であり、管理職の12%は女性である。

将来、適任者が育成された場合は採用する。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役2名選任の件

滞りなく賛成・可決され増田。

続いて新役員が紹介され意気込みを語っていました。

会場からは拍手もありました。

50分程で株主総会は終了。

10分の休憩を挟んで事業説明会となりました。

事業説明会

スライドを用いて会社の事業概要と今後の成長戦略について数名の役員による説明がなされました。

その中で主力商品・サービスとして

・ダイレクトS:大手300社向けサービス

・Casa WEB:小規模30万社向けサービス

・家主ダイレクト:オーナー向け賃貸経営管理サービス

Compass:オーナー向けAI不動産経営シミュレーターサービス

・養育費補償事業:シングルマザー向けサービス

が紹介されていました。

株主との質疑応答で印象に残っているのは以下の3点

●後発の同業他社に抜かれた原因

抜かれたことについては悔しい!現状にあぐらをかいていたと言われても仕方ない。

現場の意識、足の筋肉の違いが出た。体制と環境を整えしっかりと結果を出すよう努める。

●賃貸経営についての一次データの利用(販売)

他社にデータの販売は考えていない。現在はより精度の高い与信管理に活かしている。

近い将来ビックデータの活用により、多種多様な商品・サービスなる可能性を秘めていると認識。

●大家さんの賃貸経営力向上

勉強会や情報・ツールを駆使することで大家さんの賃貸経営能力が向上している。

3年後には管理会社にあまり依存しない強い大家さんが増えると予想している。

最後に

株主総会&事業説明会の約2時間の間、株主から低迷する株価についての質問はありませんでした。

それでも社長からは、株価については気にかけており株主に報いる気持ちは十分ある旨の話がありました。

いろいろ勉強になりました。

終了時には、会場から拍手

その後、会場出口で社長からの見送りがありました。

好感が持てます。

⑵ 2021年4月の株主総会

第8回定時株主総会 2021年4月22日(木) 住友不動産新宿グランドタワー

業績や議案の説明がなされた後、質疑応答になりました。

パワハラ事案”を問題視した株主によって総会が荒れるかとも思われましたが、反対に建設的な意見・質問が多かったように思います。

社長も、真摯な態度で丁寧な説明に努めていたご様子。

有意義な総会だったと思います。

最近の株主はスマートな方が増えたと実感しています。

「来期も赤字なら私は社長の座にとどまりません!」と宣言したものの、2期連続の赤字に陥りつつも社長の座にとどまったライザップの社長

いきなりステーキがいきなりブレーキになりCG注記がついてしまった、ペッパーフードサービスの社長

そして文春砲がさく裂したCasaの社長。

いずれの総会でも株主は荒れ狂うことなく、会社復活のための前向きな意見を披露していたことが印象に残っています。

反対に荒れた総会とは?

昔なら、総会屋さん(?)が言いたい放題だったANAの総会や反日報道を繰り返すフジテレビなどが大いに荒れていたことが思い出されます(同じ反日報道でもTBSやテレ朝は比較的穏やかな批判)。

最近では、元講師が会社を訴えているTACも荒れ放題でした。

話が、それました。

主な質疑応答

Q.連結貸借対照表(バランスシート)の項目で、

・「求償債券」39億円は回収可能な債権

・「貸倒引当金」24億は回収困難な債権

という理解でいいか。

A.そのとおり

Q.社長のCasaで成し遂げたいことは何か?

A.会社を倒産させた際の苦しかった経験を踏まえ、連帯保証人なしで住居を確保することが出来る社会を実現させたい。

Q.貸倒引当金の額は大きいのでは?また、債権回収を推進するための方策は?

A.指摘の通り、保守的に見積もっている部分もある。今後は、入り口のチューニングを検討する。

Q.入口のチューニングとは?

A.事故率は特定の代理店に偏っており、それらの代理店との契約を見直していく。

Q.Casaの不動産DX企業としての他社との違いは?

A.決済と保証の両方を備えていることが強み。

Q.人材確保の状況は?

A.今期はITと営業を中心に30名獲得する予定(1月からすでに5名入社済み)

約1時間15分程で採決を行い滞りなく承認可決。

そして、5分の休憩をはさんで事業説明会へ

事業説明会

多くの方が、総会に引き続き事業説明会に参加。

会社側は、社長の他、IT、顧客管理、営業、経営管理、業務、総務の6名が出席。

Casaのコード番号7196に対して覚えやすい語呂合わせとして

無い苦労(7196)

というエピソードがでる程、和やかな雰囲気でスタート。

会社説明30分、質疑応答30分の約1時間。

ポイントは3つ

・DX不動産推進協会の理事としてテクノロジーを駆使して不動産の透明化を推進

・「管理会社市場の拡大」と「自主管理市場」の開拓

・SDGsとの相性の良さ

社長はビジネスモデルの変革にも言及し、現在の(連帯保証人なしに住居を確保するための)債務保証会社としての目的はほぼ達成しつつあるので、次は不動産の透明性を担保するための情報コンテンツ支援に力を注ぐことを強調していました。

また、役員にして激高し暴言を吐いた経緯については、まず、自分が傲慢だったと陳謝。

その上で、その役員が暴力行為を行ったこととパワハラで社員を何人も潰していたことが許せなかったとこのとです。

なるほどと感じました。

最後は、拍手で終了し、社長と役員の方にエレベーターまで見送っていただきました。

⑶ 株主還元

配当

前期に続いて一株当たり30円の配当。

配当利回りも3%を超えています。

株主優待

7月末の株主に1000円のQUOカードがもらえます。

自社株買い

13万株、1億円を上限とした自己株式取得の枠を設定しています。

株主優待 1000円のQUOカード

3 株主としてのコメント

⑴ 不祥事が報じられた銘柄の買はアリか?

アリだと思います。

理由は2つ。

・株価下落が行き過ぎる場合がある

・不祥事が会社を調べるきっかけとなる

Casaについては予想通り、不祥事による下落から上昇に転じたものの、その後は減益の影響でダラダラ下げています。

売買のタイミングは難しいですね。

また、会社を調べるきっかけについては、まさに今回Casaを調べることで不動産業界の”闇”も含めていろいろ学ぶことが出来ました。

企業の分析の重要性を改めて認識しました。

⑵ ”不動産会社”としての魅力は?

Casaはサービス業に区分されていますが、広い意味では不動産業ととらえていいと思います。

その上で、Casaの強みは

DX にあると考えます。

理由は2つ。

・与信管理で重要となる顧客の支払い状況など”一次データ”が蓄積するビジネスモデルを構築していること。

経済産業省が認定する「DX認定」を不動産及び家賃債務保証業界で初めて選定されたこと。

特にテクノロジーはお金で買うことが出来ますが、顧客に関する与信情報などの一次データは簡単には手に入りません。

そういった強みを生かすことが出来れば、大きな飛躍も夢ではないと考えます。

⑶ ビジョンと戦略とオペレーションについて

”連帯保証人無しで家を借りる”という理念は分かり易いし共感が持てます。

そのために、DXを駆使した商品・サービスを「管理会社市場」と「自主管理市場」ごと提供する戦略も悪くないと思います。

特に、強い大家さんを育てつつ自主管理市場を開拓していく方向性は正しいと考えます。

ただし、オペレーションのレベルとなると、現状にあぐらをかいている姿勢は好ましくありません。

同業他社に抜かれたことに象徴されるように社員全員の奮起が求められています。

事業説明会で役員に株主にプレゼンテーションをする機会を設けたのも、まず、役員から率先垂範してやり慣れないことに積極的にチャレンジする姿勢を示させたかったように思います。

ビジョンや戦略を全社レベルで周知徹底させ、より効率的かつ効果的なオペレーションにつなげられるかどうかに注目して行きたいと思います。

4 まとめ

Casaについて述べてきました。

真摯な態度で臨む他の株主の方の質問を聞いて、不動産DX賃貸債務保証ビジネスについていろいろ得るものが大きかったです。

また、ビジョンと戦略とオペレーションのどれひとつ欠けても企業活動はうまくいかないことを改めて感じました。

不動産業界のDX化の流れとともに会社の成長を見守りたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #Casa #不動産 #家賃債務保証

  

ビーロット【3452】〜株主総会雑感

初投稿:2021.4.22、更新日:2022.4.4 、2022.3.27

こんにちは!

この記事は、ビーロット【3452】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2022年12月期の株主総会の様子などを追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・100年継続する企業を目指すための中期経営計画

・ナインアワーズに親しみ

【目次】

【2022年3月の株主総会会場】

f:id:cogepan20:20220326171219j:plain

1 ビーロットについて

⑴ 会社概要

中古のオフィスビルやマンションなどの収益力を高めて売却する会社です。

売上高199億円、総資産560億円、時価総額124億円の事業規模。

PBRは1.01倍と厳しめです。

四季報によると不動産業ではなく証券・先物となっており、時価総額順位は48社中30位となっています。

なお、類似企業としてはロードスターキャピタル【3482】が挙げられれいます。

Mission

不動産分野・金融分野において社会へ価値を与えるビジネスの創出を行い「社会から求められる企業」として社会に貢献

Core Values

プロフェッショナル

エンジョイ

Vision 

Beat our brain

「一生懸命考える」、「知恵を絞る」

ロゴに込めた想い

 赤:情熱・闘魂

 黄:明るさ・笑み

 青:誠実・フェア精神

 緑:すべての調和・創造性

セグメント

不動産投資開発事業(45%)

不動産の投資再生事業及び投資開発事業(売却益ビジネス)。

不動産コンサルティング事業(32%)

不動産仲介業、賃貸仲介事業および販売受託事業を行なっています(手数料ビジネス)。

不動産マネジメント事業(23%)

プロパティマネジメント事業、アセットマネジメント事業及びオペレーションマネジメント事業(賃料収入及び報酬等ビジネス)。

また、招集通知に自社の保有物件や売却物件を掲載している姿勢に好感が持てます。

( )内の数字は粗利実績

⑵ 株主となったきっかけ

年ほど前に、右肩上がりのチャートに魅力を感じて株式を購入しました。

しばらくは株価は堅調でしたが、新型コロナ等により株価は下落。

塩漬け状態に至っています。

右肩上がりのチャートで選んだのなら、チャートの下落サインを見逃さないで売却すべきでした。

投機(株価の変動が源泉)と投資(会社の成長が源泉)の区分が上手くついてないことが反省点です。

⑶ 2022年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:30%

売上高営業利益率(10%以上が優良株):15%

昨年同様に高収益性を維持しています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):293%

自己資本比率(30%以上が望ましい):22%

短期的には問題ないレベルです。

中・長期的には望ましいレベルを下回っていますが、昨年と同数値であり一昨年よりは良い状態であり懸念は少ないと考えます。

効率性

・有形固定資産回転率:19.5

不動産会社であれば高い数値となりますが、業種が証券・先物なので業界平均としては”ふつう以下”の効率性と考えます。

⑷ 2021年12月期の経営分析

業績は減収増益。

不動産の売却のタイミングを見極めているようです。

連結計算書類を踏まえ経営分析を試みます。

収益性

・売上高総利益率:33%

売上高営業利益率:15%

比較的高収益といえると思います。

但し、不動産事業を展開する持株会社のヒューリックと比較すると、それぞれの利益率が35%、26%ということでちょっと物足りなさをも感じます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):249%

自己資本比率(30%以上が望ましい):22%

短期的には問題ないものの、中・長期的には懸念が残ります。

”100年続く企業を目指す”に当たり大きな課題と考えます。

但し、昨年の17%からは自己資本比率は向上しており1年間の取り組みの成果が現れているようです。

ちなみに、ヒューリックの場合は307%、29%であり、若干の差異が見られます。

効率性

・有形固定資産回転率:14.12

業界平均値を考えると効率的な経営と言えるかもしれません。

但し、前期の有形固定資産回転率が24を超えていたことを考えると効率性は落ちているとも言えそうです。

いずれにしても、構造変革の影響が顕著に現れていると考えます。

⑸ 2020年12月期の経営分析

 増収・減益

収益性

売上高営業利益率は6%

サムティが18%ファーストブラザーズが16%であることに比較すると物足りなさを感じます。

安全性

・負債比率は472%(100%以下が望ましい)

自己資本比率は17%(30%以上が望ましい)

 上記の通り、安全性は懸念が残ります。

 100年継続する企業に関するコンセプトも、現在の財務基盤の脆弱性に関係しているかもしれません。

100年継続する企業を目指し、中期経営計画を公表しています。

そして、2023年までに、主要事業の構成比を変える収益構造変革に取り組むとのこと。

それによって安定成長を目指す方向性です。

株主として、しっかりと着目していきたいと考えています。

2 株主総会

⑴ 2023年3月の株主総会

第15回定時株主総会 2023年3月24日(金) 日比谷国際ビル

主な質疑応答

Q.Web版招集通知(計算書類等付)のダウンロードの改善について

A.要望として、承りました。

Q.金利の上昇について

A.金利の上昇分を見込んで良い物件を購入しているので問題ないと考える。

Q.資金調達のリスクについて

A.50行以上の銀行の担当者と直接会って良好な関係を築いている。

併せて、長期で借りているので大丈夫である。

Q.配当性向の数値目標について

A.20%以上を掲げている。

併せて、業績を上げることに注力している。

Q.障害者の雇用率について

A.昨年より1名は雇用している。

さらに積極的に採用を進めていきたい。

Q.配当の展望について

A.20円の維持については明言できない。

ただし、優待を廃止しているのでそれ以上を目指して頑張りたい。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役6名選任の件

⑵ 2022年3月の株主総会

第14回 2022年3月25日(金) 国際新赤坂ビル東館

都合がつかず一度も参加できていません。

残念ながらライブ中継もアーカイブ配信もありません。

ただし、総会参加者に聞いたところ、質問もなく滞りなく終了したとのことでした。

また、2021年12月期の決算説明動画のリンクは下記の通りです。

わかりやすいプレゼンだと思います。

www.net-presentations.com

⑶ 2021年3月の株主総会

第13回 2021年3月26日(金) 国際新赤坂ビル東館

都合がつかず未参加。

・剰余金処分の件

・取締役選任の件

は滞りなく承認されています。

⑷ 株主還元

配当

1株配当実績は次のとおりです。

最近は増配されましたが、業績の影響を受けて増減しています。

・2022年12月期:20円

・2021年12月期:15円

・2020年12月期:15円

・2019年12月期:60円

・2018年12月期:50円

株主優待

廃止

12月末日時点の100株以上の株主は、

1000円の自社オリジナルクオカード

 を頂けます。

【廃止された株主優待のオリジナルQUOカード

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【最新の株主優待としてのQUOカード

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3 株主としてのコメント

⑴ 親しみを感じたこと

ビーロットはカプセルホテルを運営するナインアワーズと業務提携しているとのこと。

水道橋と浜松町で利用したことがあります。

使いやすく気に入っています。

最近ビーロットが関わっているということで親しみを感じています。

【ナインアワーズ水道橋】

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【ナインアワーズ浜松町のラウンジにて】

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⑵ 気になること

クラウドファンディングに乗り出すことが気になっています。

事業報告の中で触れられていなく、唐突に送付されてきた株主優待で知りました。

この分野はあまり詳しくはありませんが、SBIがソーシャルレンディングクラウドファンディングの一種)で行政処分を受けたり、ZUUが苦戦していたりしてあまり良い印象を持っていません。

ビーロットは本業に専念するのではダメなのでしょうか?

気になるクラウドファンディングについて調べていこうと思います。

⑶ 今後の方針

あまり会社のことを調べずに、投機のつもりで購入したものの売り時を逸し塩漬け状態。

それでも、中期経営計画などを見ながら今後に期待しつつ、NISA口座の期間内の株価上昇に期待。

さらに、100年続く企業を目指す取り組みに関わっていたいという気持ちもあります。

私事ですが、不動産会社については三菱地所に代表されるような財閥系の不動産会社から不動産テックを駆使したベンチャーの会社まで保有しています。

そのような他社との比較も含め、ビーロットで得られた経験をレビューしつつ、不動産分野の知見を高めていきたいと考えています。

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4 まとめ

ビーロットについて述べてきました。

NISA口座保有してきましたが、今年中に売却することになりそうです。

残念ながら、損切りになりそうですがそれでもナインアワーズなど馴染みのある施設に関係していたことは思い出深いものがあります。

5年近くの株主であった間に、株主優待の廃止大幅な業績悪化などもあり、ビジネスモデルが良くても”いろいろある”ことを痛感することが多かった気がします。

類似企業のロードスターキャピタルや不動産株を複数保有していますが、ビーロット株主の経験を不動産関連株の投資に活かしたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ビーロット

  

アウトソーシング【2427】〜MBOの寂しさと感謝

初投稿:2021.4.20、更新日:2022.3.18、2022.4.15、2023.4.17、2024.4.28

こんにちは!

この記事は、アウトソーシング【2427】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2024年3月に実施された株主総会状況を追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

MBOの寂しさと感謝

・不適切な会計後の回復

★★★★

【目次】

【最新の株主優待のオリジナルQUOカード

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【過去の株主優待のオリジナルQUOカード

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1 アウトソーシングについて

⑴ 会社概要

工場製造ラインへの人材派遣が主力で、M&A海外展開に特徴があります。

売上高7496億円、総資産4237億円、時価総額2202億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)PBRは2.45倍と比較的高い評価。

四季報では他産業サービス・製品の業種に区分されています。

株主として比較的長い付き合いでしたが、今回のMBOを寂しく感じています。

経営理念

労働格差をなくし、生きがいが持てる職場を創出することで、世界の人々の人生を豊かにする。

セグメント

( )は売上収益構成比です。

〇国内技術系アウトソーシング事業(21.8%)

〇国内製造系アウトソーシング事業(17.5%)

〇国内サービス系アウトソーシング事業(5.1%)

〇海外技術系事業(24.6%)

〇海外製造業系及びサービス系事業(31.0%)

〇その他(0%)

米軍施設向けのビジネス(温度や湿度のシビアな管理が要求される格納庫など)を手掛けているようです。

優良なクライアントを抱えており、かつ、参入障壁も低くないことがアウトソーシングの強みと考えています。

また、SDGsに力を注ぐとともに海外での売り上げの伸びが顕著であり、今後のさらなる成長が楽しみです。

⑵ 株主となったきっかけ

5年以上も前のことですが、確かマネーポストのような雑誌の推奨で購入しました。

NISA口座です。

その間、1対5の株式分割がありましたが、5回ともタイミングよく利益を確定してきました。

売買を繰り返しつつ利益を確定してきましたが、今回のMBOでも買値を大きく上回って売却することができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

⑶ 2023年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:18%

売上高営業利益率:2%

収益性については高くはありません。

しかも、営業利益率が前期に比べて1%低下しています。

ただし、水準的には大きな変動はなく、ビジネスモデルが確立していると推察します。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):101%

自己資本比率(30%以上が望ましい):22%

安全性については懸念が残るレベルが続いています。

しかも、前期よりも数値は低下しています

ただし、このレベルでずっとやってきたことを考えると当社にとってはこれが”ふつう”なのかも知れません。

効率性

棚卸資産回転率:230.01

・有形固定資産回転率:52.59

棚卸資産については前期同様、効率的な経営がなされていると考えます。

また、有形固定資産についても昨年と同様な水準で推移しています。

⑷ 2022年12月期の経営分析

基本的に増収・増益で過去最高益と好調です。

目まぐるしく変化する事業環境にあって、事業ポートフォリオと地域分散に注力したことが功を奏したと株主総会において社長から説明がありました。

収益性

・売上高総利益率:18%

売上高営業利益率:3%

昨年までと同じレベルですが、数値はそれぞれ1%ずつ低下しており収益性の低下が見られます。

これが、誤差の範囲か収益性低下の兆候かについて注視したいと思います。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):109%

自己資本比率(30%以上が望ましい):24%

安全性については懸念が残るレベルが続いています。

社長の判断及び強いリーダーシップがあるのでリスクをとっていると考えます。

ただし、収益性とは反対に数値的には昨年よりも改善されています。

効率性

棚卸資産回転率:259.51

・有形固定資産回転率:59.41

人材派遣による収益が柱なので棚卸資産は少なく、この点では効率的な経営がなされています。

また、有形固定資産についても昨年と同様な水準で、大規模な設備投資等はなされていないようです。

⑸  2021年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:19%

売上高営業利益率:4%

毎年大きな変化はありません。

人材派遣会社として人件費が大きいため売上高営業利益率が低いと考えます。

ただし、利益率4%でも額が大きいので利益はしっかりと確保されているようです。

ある意味、”薄利多売”的なモデルといえるかもしれません。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):79%

自己資本比率(30%以上が望ましい):21%

短期的にも中・長期的にも財務基盤が盤石とは言い難い数値です。

ただし、コロナ直後のアウトソーシングが大きな打撃を受けた時期を乗り越えてきたことから、大きな心配はないと考えます。

効率性

・有形固定資産回転率:49.03

数値から、不動産に投じているコストは比較的小さいようです。

資金の使い方が比較的効率的であると思われます。

⑹ 2020年12月期の経営分析

2020年12月期は増収減益でした。

コロナ禍にあって奮闘したと思います。

社長によれば、スピード感ある変化への対応力とベンチャースピリッツのおかげだそうです。

・収益性を見ると

 粗利率が19%(昨年は20%)と高いことに特徴があります。

・安全性

 負債比率が344%(100%以下が望ましい)、自己資本比率が23%(30%以上が望ましい)など、安全性についてな懸念があります。

【会社が所在する丸の内トラストタワー@東京駅常盤橋口方面】

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株主総会会場の入口】

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2 株主総会

⑴ 2024年3月の株主総会

第26期定時株主総会 2024年3月29日(金) JPタワー(KITTE4階)

参加せず。

ただし、参加した人の話では

MBOについては数年前から社内で検討した結果

・再上場については未定

・上場していることのメリットについて疑問を感じていた

ようなことが審議されたようです。

⑵ 2023年3月の株主総会

第26期定時株主総会 2023年3月28日(火) JPタワー(KITTE4階)

ライブ配信を視聴しました。

社長の挨拶、監査報告、ビデオによる事業報告、社長からの対処すべき課題と続きました。

質問は、監査等委員会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行することに伴う、執行役員と取締役の分離についての1件だけでした。

なお、途中で執行役員の方からの決意表明があり、採決終了後に取締役の紹介がなされ、経営陣の顔が見えたことは良かったと評価します。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役12名選任の件

拍手をもって賛成・可決されました。

株主総会雑感〜不適切な会計後の明暗について

アウトソーシングと日本M&Aセンターでは約1年数ヶ月前に不適切な会計を生じています。

これに対して両社ともに原因究明と再発防止を徹底していますが、現状では

・ア:事業は増収増益&過去最高益、株価も右肩上がり

・日:3/四は業績未達、株価は最安値更新

と大きく明暗が分かれれいます。

この違いを生んだ違いは何か?

一つには社長の謙虚さがあるのでは無いかと思います。

今回の株主総会でも増収増益&過去最高益であったにも関わらず、営業減益だったことにあえて言及して、その原因分析と対策をしっかりと話されていました。

芳しくない業績についてはスルーする経営陣が多い中、そのような謙虚で改善点を追求しようとする姿勢は、組織に適度な緊張感をもたらすものと評価します。

その点、日本M&Aの社長の場合、長時間に渡ってエネルギッシュに話をされますが、自社の弱みや改善点への言及はあまり記憶にありません。

何人かの経営者の方から、

「これから地獄が来るぞ!」

という危機意識をもって事業に当たった時の方が、かえって会社は成長するものと聞いたことがあります。

その点、日本M&Aは自社の強みのアピールにバランスが偏りすぎていたのでは無いかと推測しています。

いずれにしても、アウトソーシングについては不適切な会計後、良い方向に向かっていると考えます(本当は、株主としてももっと危機感を持った方が良いのかも知れませんが・・・)。

⑶ 2022年3月の株主総会

第25期定時株主総会 2021年3月25日(木) JPタワー(KITTE4階)

ライブ&リアル参加しました。

参加は初めてです。

会場はスクリーンを3つ用意した横に広いもので、30名程度はいたと思います。

最初に不適切な会計事案についての陳謝で始まりました。

その後、ビデオによる事業方向がなされ(新卒者の採用人数3000人にはびっくりしました)、社長から対処すべき課題について説明がありました。

その内容は、ガバナンスが中心。

今回の事案をきっかけとして、社内のガバナンスの立て直しの徹底を図ろうとする意図が感じられました。

主な質疑応答

Q.ウクライナ情勢について

A.欧州で売上が立って位いるのは、英国、ドイツ、オランダ、アイルランドポーランドの5国。この他に採用の拠点が欧州に16ありウクライナはそのうちの一つ。採用については15カ国で問題なく実施されており、現状においては問題無いと考える。

Q.自動車の製造に与える部品不足について

A.自動車の生産調整は、半導体不足東南アジアの部品不足の2つの要因により生じている。このため、納車まで最長2年というケースも発生している。現状はスケジュール調整で凌いでいるが、時期が来れば挽回生産が始まるものと期待している。

Q.為替の影響について

A.輸入しているものが無いため円安でマイナスになることはない。むしろ上振れを予想している。

Q.決算説明資料の中の金融処理(2018年の企業買収)について

A.企業買収の金融処理について調整をした結果、最初に50%購入し、残りを数%づつ会計処理をしていた。その際、買収企業の業績が飛躍的に向上したため積み増しが発生した。よって、親会社に帰属する利益が下がっているが、実はこれはポジティブなこと。

Q.不適切な会計に係るIRの態度が悪い!

A.今後は、事務的対応を改善・改革していく。

Q.監査役は何故、不適切な会計を見抜けなかったのか?

A.上場準備に伴い独立した経営を考慮した結果、関与が少なくなってしまった。

今回のことを重く受け止め再教育・ルールの徹底に努める。

Q.アナリスト向け説明会の内容にも個人投資家がアクセスできるようにしてほしい。

A.前向きに検討する。日本全国において個人投資家向け説明会を回っていきたい。

→早速、「個人株主様向け決算説明会に関するご案内」がリリースされています。

Q.不適切な会計に関して、ビジョン、理念、行動規範等の意識の部分で見直しはあったのか?

A.経営理念については国内中心のビジネスからグローバル展開となった2020年に見直したばかりであり今回の事案を受けての見直しは実施していない。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役11名選任の件

・監査等委員である取締役4名選任の件

滞りなく承認・可決されました。

株主総会雑感

社長が今回の”不適切な会計”を重く受け止めていたのは確かだと思います。

そして、役員に一人一言ずつ今回の事案に対する発言を促したのも意味のあることだと考えます。

個人的には謝罪のみならす、事案の概要とその原因、さらに再発防止に関わる3点セットであるルール、ツール、教育についてもう少し分かりやすく説明して欲しかったです。

さらに、現実を直視すると、成長企業に不祥事はつきものという認識と、発覚した際には株価はざっくり半分になるという覚悟が投資家には必要なのかもしれません。

ただし、成長企業の不祥事は(事案にもよりますが)攻めだけでなく守りにも強い組織となり得るという救いはあると思いますが・・・。

⑷ 過去の株主総会

第24回定時株主総会 2021年3月25日(木) 

JPタワー ホール&カンファレンス(KITTE)

株主総会にはいったことがありません。

過去に参加した人の話によると

質問ウエルカム

という自信にあふれた茶髪の社長の応対が印象的だったそうです。

社長のリーダーシップが会社をけん引していることが伺えます。

また、ビジネスレポートにSDGsを意識してサステナビリティ方針」が掲げられてましたが、進取の精神も素晴らしいと思います。

⑸ 株主還元

配当

1株配当の実績は下記の通りです。

増収減益なので仕方ないのかも知れませんが、最後の無配は残念でした。

2023年12月期:0円

2022年12月期:25円

2021年12月期:31円

2020年12月期:10円

2019年12月期:24円

2018年12月期:21円

株主優待

直近で株主優待は廃止されました。

株主優待は、1000円のクオカードです(12月末日)。

オリジナルクオカードなのでデザインが楽しみです。

株主総会会場でいただいたお水】

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【過去の株主優待

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3 株主としてのコメント

⑴  気に入っていること

株主として気に入っていることは以下の通りです。

・数年単位で好業績

・オリジナルQUOカードが嬉しい

・社長がエネルギッシュ

・海外の子会社にロシアや中国がないため冷戦になっても大丈夫という安心感

・本社が所在する丸の内トラストタワーは、上層階の五つ星ホテル”シャングリラ”に記念日にステイしたことがある(思い出の場所)

⑵  気になること

不適切な会計と禊(みそぎ)

起きてしまったことは仕方がありません。

再発防止の徹底を望みます。

また、個人的にはアルベルト日本M&AセンターHDアウトソーシング持ち株会社が立て続けに”不適切な会計”という不祥事に見舞われました。

3回の不祥事を俯瞰してみると、乱暴かもしれませんが禊(みそぎ)としては次のようイメージを抱いています。

・株価は直近高値から半額になる

・株価の下落期間は3ヶ月から半年

ただし、”期ずれ”のような社内のコンプライアンス違反のレベルのもの(訴訟や上場維持に至らないレベル)です。

そのように考えるとそろそろ底打ちの時期かもしれません。

【オフィスのある丸の内トラストタワー上層階のシャングリラホテルにて】

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4 まとめ

アウトソーシングについて述べてきました。

業績は好調ですが、2021年11月に”不適切な会計”という不祥事がありました。

同様の時期に日本M&Aセンターも不祥事がありましたが、そちらに比べて当社の株価の回復が早く、今後に期待していました。

それだけに、MBOは残念ですが、相性が良く?売買益や配当・優待に恵まれ感謝の気持ちでいっぱいです(東芝のように、長期的な株主価値という訳の分からぬバズワードでMOB価格が不当に低くなくて良かったです)。

再上場する際は、株を買いたいと思いつつMBO後の当社の飛躍を祈念いたします。

お読み頂き、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #アウトソーシング #指名委員会等設置会社 #MBO

  

ビジョン【9416】〜株主総会雑感(イマイチ)

初投稿2021.4.18、更新日:2022.4.11、2023.4.19

こんにちは!

この記事は、ビジョン【9416】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年3月の株主総会ライブ配信を視聴した時のことなどを追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・増収増益でV字回復

・それでも配当しない理由の考察

★★★

株主総会が開催された新宿NSビルからの眺望】

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1 ビジョンについて

⑴ 会社概要

Wi-FiルーターレンタルとWebマーケティングの2本柱の事業を展開しています。

情報・通信という業種分類ですが、旅行関連銘柄とも認識しています。

売上高254億円、総資産179億円、時価総額817億円の事業規模。

PBRは6.6倍の高評価です。

・経営理念

「世の中の情報通信産業革命に貢献します。」

・セグメント

●「グローバルWi-Fi事業」

世界各国の通信キャリア等から現地の方が利用しているローカルネットワーク(データ通信サービス)を仕入れ、各地域へ渡航される方へモバイルWi-Fiルーター等をレンタルし、収益を得るサービス。

●「情報通信サービス事業」

スタートアップ、ベンチャー企業、及びその他一般企業向けに、各種通信サービスの加入取次、移動体通信機器の販売、OA機器販売、ホームページ制作等のサービス。

⑵ 株主となったきっかけ

数年前のマネー雑誌の推奨で購入しました。

期待通り、株価は堅調でしたがコロナ禍が主力のグローバルWi-Fi事業を直撃。

現在は塩漬け状態ですが、徐々に回復を続けています。

自己資本比率77.3%という財務基盤の強さのおかげだと思います。

⑶ 2022年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:48%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):9%

昨年同様、収益性は比較的高いと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):264%

自己資本比率(30%以上が望ましい):67%

安全性は高いです。

逆に集めたお金を有効に投資していないのではないかと懸念しています。

効率性

・有形固定資産回転率:11.66

昨年より効率性が向上しています。

売上が増えたから効率的になったのかと思いましたが、有形固定資産の金額が41億から21億へ減額となっています。

グランピング事業に乗り出すということで、土地・建物などの有形固定資産が増えるかと思っていましたが、逆に減っていることは意外でした(分析ができていなくスミマセン)。

⑷ 2021年12月の経営分析

コロナ禍の赤字から黒字回復です。

収益性

・売上高総利益率:50%

売上高営業利益率:6%

売上原価が小さく粗利率50%は高収益の素晴らしいビジネスモデルと考えます。

それに比べて営業利益率は少なめですが、社長からは投資の時期だからとコメントでした。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):277%

自己資本比率(30%以上が望ましい):68%

短期的にも中・長期的にも財務面は問題なさそうです。

昨年に比べるとやや低下しているかもしれませんが、安全性の高い経営がなされていると考えます。

効率性

・有形固定資産回転率:4.33

意外と低い数値となっています。

バランスシートでは建物及び構築物が有形固定資産の大半を占めていました。

世界中に拠点(事務所、看板、フェンス等)を有していることが関係していると推測します。

Wi-Fiルーター利用時のキャンペーンで頂いたバック】

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2 株主総会

⑴ 2023年3月の株主総会

第22回定時株主総会 2023年3月30日(木) 新宿NSビル

ライブ配信を視聴しました。

主な質疑応答

【事前】

Q.配当について

A.当面、成長投資を重視する。

Q.グローバルWi-Fi事業について

A.過去最高益だった2019年の業績を上回るよう頑張る。

【会場】

なし

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役6名選任の件

監査役4名選任の件

・取締役及び監査役の報酬限度額の改定の件

拍手を持って、賛成・可決されました。

株主総会雑感(イマイチ)

ライブ配信を視聴し、少し拍子抜けしました。

理由は下記の通り

・総会が30分未満と短い

・出席した株主からの質問がなく寂しい

・総会の時間が昨年までの午後開催から午前開催になり会場参加が困難

・グランピングの宿泊料を調べたら大人二人で1泊約7万円で自分とは無関係(株主優待も焼石に水)

・業績は好調なのに株価の戻りは緩い

・新社長の挨拶は気合が入っているのは分かるが具体的な中身は不明

・無配の継続

特に、無配については成長投資を理由に挙げてましたが、それは本当の理由ではないと思います。

もし、成長を最優先する姿勢なら流動比率自己資本比率が低下しているはずですが、高止まりしたままだからです。

つまり、

会社の存続>成長投資>>株主還元

が現状だと認識しています。

上場から22年も経過し、黒字なのにしないということは

配当する気がない

と判断するのが妥当。

背景には、社長が持ち株比率23.52%で筆頭株主であることがあると推測します。

配当することで自分の口座に多額のキャッシュがもたらされますが、その20%が税金にもっていかれます。

そう考えると、20%分の税金の分は他の好きなことに使いたいと思ったとしても不思議ではありません。

業績好調なのに無配の会社にM&Aキャピタルパートナーズがありますが、こちらも筆頭株主が社長で、総会の中で「配当しても仕方がない・・・」のような趣旨の発言がありました。

よって、社長が現金を必要としない限り配当を期待しても無駄と考えます。

成長性を言い訳に、株主利益を犠牲にして会社の存続を優先している一面が透けて見えます。

その意味で、

ビジョンはイマイチ

⑵ 2022年3月の株主総会

第21回定時株主総会 2022年3月30日(水) 新宿NSビル 1300〜

午後の開催でした。

ハイブリッド方式でネット中継も実施されていました。

会場参加しました。

社長の挨拶に始まりビデオによる事業報告、そして対処すべき課題について再び社長から説明がありました。

主な質疑応答

Q.新電力事業について

A.当社が実施しているのは新電力取次事業であり、2017年から紹介による手数料ビジネスを展開している。新電力は価格高騰による安定性の低い面があることを認識しつつ安定性の高い事業を続けていく。

Q.新電力事業に対するビジョンの強みは

A.顧客にとって当社は通信や電力のフロント企業でありインフラとして必要なものを任されている立ち位置にある。その”面が取れる”ことを活かせることが強みと認識しつつリスク管理を徹底していく。

Q.グランピング事業のスピード感について

A.全国の温泉地や観光地を精査している。難易度は高いが差別化やグループ企業とのシナジー効果を狙いながら事業を推進する。

Q.今後のGO-TOについて

A.旅行については徐々に戻ると予想。

Q.売上高営業利益率6%は低くないか

A.現在は投資をする時期と考えている。他者との差別化出来るビジネスモデルを構築しつつリターンについてはじっくりと上げていく。

決議事項

・定款一部変更の件

滞りなく賛成・可決されました。

⑶ 2021年3月の株主総会

第20回定時株主総会 2021年3月26日(金) 新宿NSビル

特に質問はなかったようです。

今年の秋には旅行需要の回復を見込んでいるとのことでした。

過去に自分が参加した時には、自分と同世代の”若い”経営陣だという印象を持ちました。

⑷ 株主還元

配当

なし

株主優待

権利確定月は12月末日・6月末日

「グローバルWi-Fi「国内用Wi-Fiレンタル」及び「当社運営のグランピング施設&温泉旅館」で利用可能な優待券(1枚3000円)

【100株以上】 

2枚

【200株以上】

3枚

自分は100株の株主なので年間では12,000円相当の「グローバルWi-Fi」の利用券を頂いています。

頂いた優待券は、旅行で利用。

ヨーロッパ約1週間でミニマムのデータ利用料契約をした際、利用券2枚(6000円分)で概ね基本料を賄うことが出来ました。

コロナ禍で海外渡航が出来なかった時は国内旅行。

沖縄3泊旅行中に”ZOOMを用いた授業”がレンタカーで移動中でも受講できたので助かりました。

また、四季報によるとグランピング・宿泊施設については

第一弾:霧島

第二弾:山中湖

株主優待

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新宿NSビルからの眺望】

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3 株主としてのコメント

⑴ V字回復について

旅行会社にも関わらずコロナ禍でいち早くV字回復を達成した社長の経営手腕は素晴らしいと考えます。

グローバルWi-Fi事業と情報通信サービス事業とのバランスの取り方、Wi-Fi事業を旅行だけでなくテレワークに転用するなどの戦略が収益向上に貢献したようです。

けれどもこのような好業績は社長の采配の良さだけで達成されるものではありません。

良いイデアを指示することとそれを迅速かつ確実に実行することは別物です。

一人一人の社員の戦術レベルの頑張りがあったからこそのV字回復と考えます。

その意味で、社名はビジョンですが、『戦略の階層』でいうところの「ビジョン」のみならず、「戦略」「戦術」も含めてクオリティの高い会社だと思います。

⑵ 今後の方針

旅行需要が消滅した過酷な時期を生き延びつつあることを踏まえると安全性は悪くありません。

さらに、第3の事業を立ち上げるとの積極姿勢も評価できます。

特に、ハワイのオンライン旅行の企画は一時的な回線不良も含めて興味深かったです。

個人的にも旅行好きなので「グローバルWi-Fi株主優待」は魅力です。

ただし、NISA口座ゆえ売却せざるを得ません。

再び買い戻すかどうかは微妙です。

【NSスカイコンファレンスにて】

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4 まとめ

ビジョンについて述べてきました。

株価は塩漬け状態ですが、幸いコロナ収束と共に買値付近まで戻ってきています。

ただし、NISA口座を利用しているのでそろそろ売します。

その後は、配当するようになったら他の投資家の皆さんと共に買い戻そおうと思います。

今も定期的に当社からメールを頂いており、経営陣の方のマラソン挑戦の話とか楽しく伺っていますので、配当の情報もメールを通じて知ることができると思います(ちなみに筆者はサブ4ランナー(フルマラソンを4時間未満で完走します))。

お読み頂き、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ビジョン #旅行 #Wi-Fi #グランピング

  

Chatwork【4448】〜株主総会雑感

初投稿:2021.4.17、更新日:2022.3.16、2022.3.30、2023.5.12

こんにちは!

この記事は、Chatwork【4448に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、株主総会ライブ配信を視聴した感想を追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

IPO当選からのつきあい

・経営者のビジョンの大切さ

【目次】

株主総会の会場となった芝パークビルB館】

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1 Chatworkについて

⑴ 会社概要

クラウド型ビジネスチャットツールを開発・販売している会社です。

ミッション

「働くをもっと楽しく、創造的に」

事業

事業は2つ

・Chatwork事業

・セキュリティー事業

社長の説明の中でビジネスコミュニケーションは

手紙→電話→FAX→メール→チャット

というトレンドの話には共感を覚えました。

⑵ 株主となったきっかけ

大和証券IPOで当選しました。

公募価格は一株当たり1600円。

喜んだのはそこまで。

上場後は公募割れ。

株主としては苦難の道を歩み続けていました。

コロナ禍でリモートワークが進む中で一時期、1600円を超える株価になりやれやれ売りの絶好の機会となりました。

けれども、欲をかいているうちに売り損ね。

結局、いまも塩漬け状態のままでいます。

⑶ 2022年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:69%

売上高営業利益率:営業赤字

粗利率については高いですが、シェア確保を優先した”成長投資”を継続しているので営業赤字となっています。

ただし、これからは利益についても期待が持てそうなので早期の黒字化を期待します。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):226%

自己資本比率(30%以上が望ましい):53%

安全性については、基準をクリアしていますが昨年より数値が悪化していることが若干気になります。

あと、繰越利益剰余金がマイナスであることも注意を要します。

効率性

・有形固定資産回転率:154.9

人員の拡大が続いているにも関わらず、有形固定資産回転率が上昇しているのは評価できます。

売上高に比べて、オフィス等のコストが少なく効率的な経営がなされていると考えます。

⑷ 2021年12月期の経営分析

2021年12月期の株主総会招集通知の連結計算書類から経営分析を試みます。

収益性

・売上高総利益率:71%

売上高営業利益率:−20%

売上原価が低い点ではIT企業らしく、高収益なビジネスモデルとみなせます。

ただし、販管費(人件費、広告宣伝費)が大きく営業赤字となっています。

赤字についてはストレージ会社の子会社化のためとありましたが、営業赤字が一次的なもので済むか否かは大きな問題だと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):296%

自己資本比率(30%以上が望ましい):66%

短期的にも中・長期的にも安全性には問題は認められません。

効率性

・有形固定資産回転率:74.26

サービス業界のみならず、全業種を考えても高い数値と考えられます。

オフィス等にはあまり資金を投じてはいないようです。

【総会会場の案内板】

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2 株主総会の様子

⑴ 2023年3月の株主総会

第19期定時株主総会 2023年3月29日(水) 芝パークビル

ハイブリッド開催でしたので、ライブ配信を視聴しました。

社長からの説明に加え

”シゴトがはずむ”

といったブランドムービーは会社を理解を深めるのに役立ったと思います。

また、発表した中期経営計画を踏まえた事業報告やCAGR(年平均成長率)40%という数値目標を明確にしての経営は投資家にとっては好ましいものと考えます。

さらに、今回の株主総会監査等委員会設置会社へ移行するということなので、より一層のガバナンスの強化も期待されます。

主な質疑応答

Q.人員の拡充について

A.エンジニアについては引き続き拡充する。

ビジネスサイド(営業関連)については体制が整いつつあるので、全体としては拡大ペースは緩やかになる。

ちなにに、ビジネスには

SLG(セールスレッドグロース):セールスが成長を牽引する。

・PLG(プロダクトレッドグロース):製品が成長を牽引する。

の2種類があるが、当社のビジネスモデルはPLGである。

Q.今後の黒字化のイメジについて

A.これまでは、赤字を掘ってまでシェア拡大を優先dいてきた。

LTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)を踏まえると、Jカーブを描くように利益が出ると予想している。

そして、現状、利益化を目指すフェーズ入りしたと認識している。

Q.チャットGPTの活用について

A.チャットGPTとは、質問に対して人間のように回答してくれるものである。

ただし、時々、嘘をつくことが問題であり、(ITについての)ハイリテラシーの人によってさまざまな可能性が検討されている。

ただし、当社の顧客である中小企業の方がこれをそのまま利用するのはリスクがある。

よって、当社としても研究開発を実施している段階だが、担当者の業務支援としての役割が期待される。

まとめると、短期的には慎重であるが、長期的にはBSaaS等での活用を模索しているということになる。

決議事項

・定款一部変更の件(監査等委員会設置会社へ)

・取締役4名選任の件

・監査等委員である取締役3名選任の件

・補欠の監査等委員である取締役1名選任の件

・取締役の報酬額決定の件

・監査等委員である取締役の報酬決定の件

・取締役に対する譲渡制限付き株式報酬制度に係る報酬決定の件

・監査等委員である取締役に対する譲渡制限付株式報酬制度に係る報酬決定の件

拍手を持って賛成・可決されました。

なお、新役員3名の自己紹介がなされました。

株主総会雑感

IPO以来の付き合いのある会社です。

社長の説明は丁寧で分かりやすく好感が持てました。

ただし、業績は増収減益(赤字)なので、株価が冴えません。

それでも、中期経営計画を着実に実行していることや、これから利益を追求するフェーズになるということで将来に対する期待が持てます。

一方で、過去の株主総会に比べると、これまでで最も会場参加の株主や質問も少なかったことは気にかりました。

そのような期待と不安が入り混じった状態ですが、買い増しも含めてよりいっそう注目していきたいと思います。

⑵ 2022年3月の株主総会

第18期定時株主総会 2022年3月25日(金) 芝パークビル

途中から参加しました。

総会は終了し、事業説明会が実施されていました。

事業説明会の全体概要

参加した株主は十数人でしたが、質問は積極的でした。

数年前と比べると、今回はご高齢の株主が上機嫌で質問し、大いに納得されていたご様子。

社長が熱心に世界観を含め事業について大いに語っていたのが印象的でした。

株価は公募価格の4分の1以下にまで落ち込みましたが、下記の『ビジョナリーカンパニーZERO』に照らして考えると将来に対する期待が膨らみます。

事業説明会のポイント

説明会で感心したポイントを列挙します。

・”Chatworkと組んだところが勝つ”という世界観。

ネットワーク効果(みんなが使うから価値がある)を重視。

・2024年に中小企業のビジネスチャットNo.1を目指す。

・Chatworkはビジネススーパーアプリを目指す。

・シェア16%確保を目指す。

・利益剰余金がマイナスであるがそれ程問題視していない。

・M&Aの要件は顧客との関わりがあること。

・顧客支援はITに限らずアウトソーシング等の可能性も狙っている。

・時代の流れはメールからチャットへ

・2年前は爆発的な問合せに対応できず大きなビジネスチャンスを活かせなかった。

・今はZOOM等の利用により大きなビジネスチャンスが来ていると認識

・いいものであれば売れるというわけではない。

【総会会場への案内板】

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⑶ 2021年3月の株主総会

第16回定時株主総会 2021年3月26日(金) 芝パークビル

オンライン視聴。

特にコメントなし。

総会後の経営戦略の説明については残念ながら放送されませんでした。

社長は”守り”に回っているのでしょうか?

⑷ 2020年の株主総会

一年前の総会です。

質疑応答における株主からの意見はおおきく2つに割れていたと記憶。

・上場後、株価が公募価格を上回ることのないことへの批判

・熱心なユーザーからの建設的な提言

上場後初めての株主総会でしたが、役員の前に名札が無かったのが気になりました。

株価低迷の責任回避か?とも思われました。

けれども、株主に指摘されてから各役員が自己紹介を開始。

その都度、会社に好意的な株主からの拍手が上がっていたことを覚えています。

社長がエンジニアでもあることから、質疑応答では比較的論理的な説明をされていたという印象を持ちました。

また、もともとお兄さんが社長だった会社ですが、ビジネスチャットの成功により山本正喜氏が権力を掌握。

ニューラルポケット(4056)においても任期途中の役員の退任が合ったりしていますが、社内(兄弟間)の競争の激しさを垣間見た気がしました。

⑸ 株主還元

配当

無配です。

株主優待

100株以上の株主に対してパーソナルプラン無償提供券がもらえるようです。

 

 【株主総会の会場となった「AP浜松町」】

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3 株主としてのコメント

⑴ 何故、好業績にもかかわらず2020年秋以降株価は暴落を続けるのか?

業績は絶好調なのに株価がストップ安を付けるなどしながら下落トレンドを継続しています。

ネットで見かける理由は次の通り

・成長率の鈍化を嫌気

マザーズ市場が2020年10月をピークに軟調

・コロナ禍の落ち着きに伴うテレワークブームの終焉

それぞれなるほどと思うところもあります。

けれども、自分のなかで一番腹落ちする理由は

歴史は繰り返す

ということです。

歴史とは?

高すぎるバリュエーション(企業価値評価)が適正評価に戻るもの

です。

そもそも、一般に困難と言われるIPOで当選したこと。

そして、公募割れが長く続いたこと。

この2点は、会社に対するバリュエーションが高すぎたことを物語っています。

株主総会で社長がこの点について問われたときには、

「公募価格を決めたのは主幹事である大和証券であり、自分のあずかり知るところではない。」

と明言していました。

世界のマーケットにはない日本のIPOの特異性が関係しているようです。

そして、今回もコロナ禍銘柄としての高すぎるバリュエーションが決算をトリガーとして適正評価に向かっているととらえると、IPO公募割れ”と”好決算ストップ安”という点と点が線で結ばれるように思われます。

社長としても、自身の資産管理会社であるECstudioホールディングスが株式の過半数を握っているのでどんなに株価が下がろうと自分の地位は安泰。

Chatworkと大和証券がヨロシクやっている一方で、新たな株主は苦戦を強いられているという構図が透けて見えます。

⑵ テンバーガー候補なのか?

10バーガー候補銘柄の5つの条件を当てはめてみると

①チャートが右肩下がり:△底這い

②上場5年以内:〇1年半

筆頭株主と社長が同一のオーナー企業:〇過半数を法人が所有

④増収平均20%の「成長株」:〇20%以上→❌

時価総額300億円未満の「中小小型株」:×581憶

チャートと時価総額以外はほぼ当てはまっていると思われます。

株価はEPS(利益)×PER(評価)で算出されます。

この中でチャットワークは、高すぎるバリュエーションが繰り返される”習性”があるように見受けられます。

そうなると、事業が成長して利益が伸びても、いびつな評価に振り回せれることがこの先も予想されます。

公募価格1,600円

10倍とするなら16,000円

テンバーガーは難しいのではないか?

上場時から株主を続けている一個人としての見立てです。

一般にテンバーガーを達成するには長い年月がかかります。

長期投資が必要です。

⑶ テンバーガーの一例

私事ですが、2006年に日本M&Aセンター(2127)のIPOが当選しましたが、持っていれば株価は60倍となっていました。

残念ながら、1週間程で株価が2倍となったところで手仕舞いいましたが、惜しいことをしたという思いもあります。

その日本M&Aセンターも株価が上昇し始めたのは2012年からで約8年間かかって60倍です。

公募価格が約100万円でしたから、そのままホールドしておけば6000万円を超えていました・・・。

そのような経験をもとにChatworkを改めて見直してみると、この銘柄はどちらかというと定期的に価格が吊り上がっては暴落するという習性があるように思われます。

それは、投資というより投機に向いているかもしれません。

⑷ 気になること

会社四季報(2022年新春号)を読んで

チャットワークの見出しとしては、【先行投資】、【調達】の見出しがあり、クラウドストレージを買収し、人件費広告宣伝費の増加による営業赤字が続くと記されていました。

その時の株価は1330円でした。

そこから3ヶ月も経たないうちに株価は385円という安値をつけています。

米国金利上昇、コロナ禍、ウクライナ情勢の三十苦があるものの、急落していることは事実です。

株価の大幅下落に通じるような投資家(株主)にとって最重要な内容を読み取ることは四季報では難しいのではないかと気になりました。

利益剰余金のマイナス

チャットワークは総資産31億円ですが、利益剰余金は13億円をこえるマイナスです。

これは、会社創業以来の儲けが積み上がっておらず利益が稼げないビジネスがずっと続いてきたことを意味しています。

上場直後もマイナスであったことから、利益の出ないことが常態化していることが気になります。

ビジョナリーカンパニー

『ビジョナリーカンパニーZERO』という書店でよく見かけるベストセラー本を読んでいます。

この本は、スタートアップ企業が偉大で永続的な大企業に進化する歩みを研究したものです。

この中で強調されているのは、リーダーのビジョンの大切さ

そう考えると、Chatworkの将来は、社長のビジネスチャットに賭ける信念にかかっていると思います。

【総会会場でいただいた水】

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4 まとめ

チャットワークについて述べてきました。

IPO当選者で株主が何人残っているかわかりませんが、この年数ヶ月の間、あまりいい思いはしていません(一次的に公募価格を上回りましたが)。

赤字決算やマイナスの利益剰余金など問題山積な一方、ビジネスチャットの可能性はそれらの問題を補い得るだけの大きなものがあると考えます。

チャットワークがビジョナリー・カンパニーになれるかどうか引き続き注視していきます。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #Chatwork #チャット #大和証券 #CAGR

  

JIA(ジャパン・インベストメント・アドバイザー)【7172】〜守りから攻めへ

初投稿:2021.4.16、更新日:2022.4.7、2023.4.1

こんにちは!

この記事は、JIA【7172に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年3月期の株主総会の内容を反映し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・保守的だが卓越した金融リテラシーを有する経営陣

・守りから攻めへ

★★★★

【目次】

株主総会の会場 ニッショーホール

 【株主優待のクオカード5000円 長期株主に付与される】

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1 JIAについて

⑴ 会社概要

課税繰延メリットの航空機リース商品(節税)を中心に運用する会社です。

売上高180億円、総資産175億円、時価総額325億円の規模

PBRは0.7倍と市場からは厳しく評価されています。

経営理念

「金融を通じて社会に貢献する企業であり続ける」

事業内容

金融ソリューション事業とメディア事業の2本柱の会社です。

金融ソリューション事業はさらに

・オペレーティング・リース事業

・環境エネルギー事業

・パーツアウトコンバージョン事業

の3事業に区分されます。  

⑵ 株主となったきっかけ

5年以上も前のことなのでよく覚えていません。

おそらく、マネーポストなどのマネー雑誌の推奨銘柄のなかから選択したと思います。

NISA口座で購入し、保有中に1:2の株式分割が行われました。

その時、株価は2倍以上になっていたため半分づつ2回に分けて利確。

コロナ禍で急落中に再度、NISA口座で新規購入

含み益を保った状態が続いています。

自分にとっては相性の良い株です。

⑶ 2022年12月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:39%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):7%

営業利益率は低いですが、為替差益などの影響により計上利益率は30%を超えており、増収増益となっています。

元々収益性の高い会社なので、今期は本業でしっかり稼ぐことを期待します。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):128%

自己資本比率(30%以上が望ましい):27%

短期的にも中・長期的にも懸念が残る数値であり昨年よりも低下しています。

コロナ禍を生き残ったので、基本的には問題ないと考えますがちょっと注意が必要だと思います。

効率性

・有形固定資産回転率:39.23

金融の会社であり、土地・建物の投資額に比べて売り上げが大きく、比較的効率的な経営がなされていると考えます。

ただし、今後は不動産にも進出するとのことでその影響についても注視していきたいと思います。

⑷ 2021年12月期の経営分析

連結計算書類をもとに経営分析を試みます。

なお、業績としては減収減益です。

収益性

・売上高総利益率:61%

売上高営業利益率:27%

高収益ですが、昨年を含め3期連続収益性は下がり続けています。

ただし、四季報では【底打ち】の見出しも出ています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):159%

自己資本比率(30%以上が望ましい):41%

安全性には多少懸念がある程度です。

なお、自己資本比率は昨年の30%から大幅に向上しており、中・長期的な安全性は向上しています。

コロナ禍の不透明さを考慮した取り組みと考えます。

効率性

有形固定資産回転率 42.1

昨年と同程度の数値であり、不動産等に関しては効率的な経営がなされていると考えます。

数値が下がったのは減価償却が進んだことと推測します。

⑸ 2020年12月期の経営分析

増収減益です。

コロナ禍で航空機が飛ばないにもかかわらず健闘していると思います。

収益性

売上高営業利益率:40%

高い収益性です。

安全性

流動比率 164%(200%以上が望ましい)

当座比率 40%(100%以上が望ましい)

・負債比率 187%(100%以下が望ましい)

自己資本比率 35%(30%以上が望ましい)

安全性については望ましいレベルを超えていないものの問題と言えるレベルではなさそうです。

効率性

・有形固定資産回転率 47.22

比較的小さな土地・建物を駆使して収益を上げていると言えます。

経営に関しては、安全性がやや低いものの、収益性や効率性の凄さが明らかとなりました。

さすがは、金融のプロが経営する会社です。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 2023年3月の株主総会

第17回定時株主総会 2023年3月28日(火) ヤクルト本社ビル

広い会場に30名程度の株主が集っていました。

スーツ姿の方が多いのが印象的。

タブレットの使用を控えるアナウンスがありちょっと保守的に感じました。

社長の挨拶に始まり、動画を交えた報告。

今期の業績については、収益が下期に集中していることから前期は増収減益を予想している旨の説明と続きました。

当社の株主総会には数年ぶりの参加ですが、社長をはじめとする経営陣の方が苦労されたように思われました。

主な質疑応答

【事前】

Q.金利上昇の影響について

A.金利については立替金利となっており顧客負担となる。

また、長期固定金利を増やしているため金利上昇の影響は大きくないと認識。

Q.54億円の為替差益について

A.円安に伴って生じたもので、積極的に獲得したものではない。

今期の想定為替レートは1ドル132円70銭とし、円安に推移することで差益が得られが、為替変動について危機感を持ってその影響をミニマイズに努める。

Q.中期的な経営計画について

A.これまでボーイング737の墜落などのアクシデントやコロナ禍で先が見えない経営環境が続いてきたため経営計画の開示は控えてきた。

今後は開示する予定なのでもうしばらくお待ちください(東証には提出済み)。

Q.環境エネルギー事業の将来性について

A.メガソーラ25件の内14件を商品化することで収益向上を実現した。

今後は残りの11件の商品化に加え、中古・セカンダリー関連ビジネス、蓄電池、ユーカリ(スギ、檜の伐採までの40〜50年の時間に比べて、5〜10年程度で伐採)、羊による太陽光発電エリアの除草(自社のみならず他社も実施)など、ユニークなものも含めて事業展開を図っていく。

Q.(オペレーティング・リース事業の)同業他社であるFPGに差がつけられたことについて

A.他社のことについては、コメントを差し控える。

当社はメガバンク出身者が多くリスク管理が効いていることが特徴。

よって、儲かるかもしれないが、マーケットのボラティリティが大きいコンテナリースなどは控えてきた。

今後は、コンテナリース、船舶、航空機等のオペレーティングリースに注力していく。

なお、今後は良い社員が入社して条件が整ったことから不動産事業についても展開を考えている。

Q.株価の低迷、経営の基礎、リソースの活用等について(叱咤激励)

A.今後はビジョンや中期経営計画を積極的に周知していく。

なお、日本初の優れた技術を持つ会社に投資しており、披露していく予定である。

いずれにしても投資家に

「成長する!」

と思われるように頑張る。

決議事項

・剰余金処分の件

賛成多数で可決されました。

⑵ 2022年3月の株主総会

第16回定時株主総会 2022年3月29日(火) ヤクルト本社ビル

対面のみで、参加できず。

参加した者の話による質疑応答の概要は下記のとおりです。

主な質疑応答のポイント

・為替の影響は1円の円安で2億5千万円の利益

エアバス社との共同出資社の今期の利益については期待している(数値は答えられない)。

金利が上がることによる資金の調達コストについて対策を講じる。

などだそうです。

⑶ 2021年3月の株主総会

第15回定時株主総会 2021年3月26日(金) 新霞が関ビル

不参加

3年前の12回の株主総会@建築会館に参加したことがあります。

その際は、株主と社長の間の積極的な質疑応答がなされていたと記憶しています。

専門用語が飛び交っていたためほとんど理解はできませんでしたが、経営者のみならず当時参加された株主の方も業界や会社のことを深く理解されている様子でした。

経営陣や株主に接し、この会社に投資したことが間違っていなかったようだと感じました。

ニッショーホール前にて】

⑷ 株主還元

配当

一株あたりの配当の経緯は以下の通りです。

2016年12月期:10円

2018年12月期:12円

2019年12月期:15円

2020年12月期:22円

2021年12月期:32円

2022年12月期:32円

配当をするようになってから増配が続いています。

特にコロナ禍の中、32円の配当については会社が頑張ったものと感謝しています。

株主優待

QUOカードと証券新聞という魅力的な2つの株主優待に満足しています。

【100株以上】

クオカード

1年未満:500円

1年以上:1,000円

2年以上:3,000円

年以上:5,000円

日本証券新聞デジタル版購読券

1年未満・・・・・・・3カ月

1年以上2年未満・・・6か月

2年以上・・・・・・・6か月

他に、【2000株以上】の場合があります。

QUOカードについては継続保有2年→3年で5,000円など厳しくなっています。

日本証券新聞デジタル版は興味深い記事が満載です。

4月7日は、あの井村さん霞ヶ関キャピタルの社長の対談があり興味深く読ませていただきました。

もっと早く購読しておけばよかったと後悔しています。

日本証券新聞デジタル版購読券】

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3 株主としてのコメント

⑴ 今後の方針

現在NISA口座で保有していますが、特定口座での買い増しを考えています。

理由は下記の通りです。

・長期株主優待であるクオカードに目がくらんだこと。

・5年以上の付き合いがあり、相性が良い。

・コロナ禍を生き残ったためこれから攻めの経営により高成長を取り戻すことへの期待

因果関係は良くつかめませんが、財務省や(元駐米大使)外務省の大物OBが取締役でいることのゴーイングコンサーン(企業の継続性)への計り知れない影響のようなものがあるように思えます。

⑵  気になる点

ウクライナ情勢

3月9日のニュースリリースによるとロシアやウクライナとの航空機リースなどの取引はないとのことです。

元駐米大使が取締役となっており、地政学的なリスクに対する管理が適切になされていると考えます。

新規事業

会社の更なる成長の為には、オペレーティング・リース以外の事業を育成する必要があります。

M&Aアドバイザリー事業、プライベート・エクイティ投資事業、不動産事業などを次期成長戦略事業として重点的に取り組むとしていますが、容易なことではないと思います。

具体的な計画とその進捗について注視していきたいと思います。

QUOカード  上から5,000円、3,000年、1,000年】

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4 まとめ

JIAについて述べてきました。

株主総会では会社を深く理解する投資家からの厳しい指摘が相次ぎました。

それは当社に対する期待の表れと捉えました。

社長が認める中期経営計画非開示などのリスク管理重視の姿勢から、情報を開示しつつ積極的に稼ぎにいく姿勢にどのように転換していくのかをモニターしていきたいと思います。

お読み頂き、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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