初投稿:2021.4.16、更新日:2022.4.7、2023.4.1
こんにちは!
この記事は、JIA【7172】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2023年3月期の株主総会の内容を反映し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・保守的だが卓越した金融リテラシーを有する経営陣
・守りから攻めへ
★★★★
【目次】
【株主優待のクオカード5000円 長期株主に付与される】
1 JIAについて
⑴ 会社概要
課税繰延メリットの航空機リース商品(節税)を中心に運用する会社です。
売上高180億円、総資産175億円、時価総額325億円の規模。
PBRは0.7倍と市場からは厳しく評価されています。
経営理念
「金融を通じて社会に貢献する企業であり続ける」
事業内容
金融ソリューション事業とメディア事業の2本柱の会社です。
金融ソリューション事業はさらに
・オペレーティング・リース事業
・環境エネルギー事業
・パーツアウトコンバージョン事業
の3事業に区分されます。
⑵ 株主となったきっかけ
5年以上も前のことなのでよく覚えていません。
おそらく、マネーポストなどのマネー雑誌の推奨銘柄のなかから選択したと思います。
NISA口座で購入し、保有中に1:2の株式分割が行われました。
その時、株価は2倍以上になっていたため半分づつ2回に分けて利確。
コロナ禍で急落中に再度、NISA口座で新規購入。
含み益を保った状態が続いています。
自分にとっては相性の良い株です。
⑶ 2022年12月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:39%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):7%
営業利益率は低いですが、為替差益などの影響により計上利益率は30%を超えており、増収増益となっています。
元々収益性の高い会社なので、今期は本業でしっかり稼ぐことを期待します。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):128%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):27%
短期的にも中・長期的にも懸念が残る数値であり昨年よりも低下しています。
コロナ禍を生き残ったので、基本的には問題ないと考えますがちょっと注意が必要だと思います。
効率性
・有形固定資産回転率:39.23
金融の会社であり、土地・建物の投資額に比べて売り上げが大きく、比較的効率的な経営がなされていると考えます。
ただし、今後は不動産にも進出するとのことでその影響についても注視していきたいと思います。
⑷ 2021年12月期の経営分析
連結計算書類をもとに経営分析を試みます。
なお、業績としては減収減益です。
収益性
・売上高総利益率:61%
・売上高営業利益率:27%
高収益ですが、昨年を含め3期連続収益性は下がり続けています。
ただし、四季報では【底打ち】の見出しも出ています。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):159%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):41%
安全性には多少懸念がある程度です。
なお、自己資本比率は昨年の30%から大幅に向上しており、中・長期的な安全性は向上しています。
コロナ禍の不透明さを考慮した取り組みと考えます。
効率性
有形固定資産回転率 42.1
昨年と同程度の数値であり、不動産等に関しては効率的な経営がなされていると考えます。
数値が下がったのは減価償却が進んだことと推測します。
⑸ 2020年12月期の経営分析
増収減益です。
コロナ禍で航空機が飛ばないにもかかわらず健闘していると思います。
収益性
・売上高営業利益率:40%
高い収益性です。
安全性
・流動比率 164%(200%以上が望ましい)
・当座比率 40%(100%以上が望ましい)
・負債比率 187%(100%以下が望ましい)
・自己資本比率 35%(30%以上が望ましい)
安全性については望ましいレベルを超えていないものの問題と言えるレベルではなさそうです。
効率性
・有形固定資産回転率 47.22
比較的小さな土地・建物を駆使して収益を上げていると言えます。
経営に関しては、安全性がやや低いものの、収益性や効率性の凄さが明らかとなりました。
さすがは、金融のプロが経営する会社です。
【株主総会の案内板】
2 株主総会等
⑴ 2023年3月の株主総会
第17回定時株主総会 2023年3月28日(火) ヤクルト本社ビル
広い会場に30名程度の株主が集っていました。
スーツ姿の方が多いのが印象的。
タブレットの使用を控えるアナウンスがありちょっと保守的に感じました。
社長の挨拶に始まり、動画を交えた報告。
今期の業績については、収益が下期に集中していることから前期は増収減益を予想している旨の説明と続きました。
当社の株主総会には数年ぶりの参加ですが、社長をはじめとする経営陣の方が苦労されたように思われました。
主な質疑応答
【事前】
Q.金利上昇の影響について
また、長期固定金利を増やしているため金利上昇の影響は大きくないと認識。
Q.54億円の為替差益について
A.円安に伴って生じたもので、積極的に獲得したものではない。
今期の想定為替レートは1ドル132円70銭とし、円安に推移することで差益が得られが、為替変動について危機感を持ってその影響をミニマイズに努める。
Q.中期的な経営計画について
A.これまでボーイング737の墜落などのアクシデントやコロナ禍で先が見えない経営環境が続いてきたため経営計画の開示は控えてきた。
今後は開示する予定なのでもうしばらくお待ちください(東証には提出済み)。
Q.環境エネルギー事業の将来性について
A.メガソーラ25件の内14件を商品化することで収益向上を実現した。
今後は残りの11件の商品化に加え、中古・セカンダリー関連ビジネス、蓄電池、ユーカリ(スギ、檜の伐採までの40〜50年の時間に比べて、5〜10年程度で伐採)、羊による太陽光発電エリアの除草(自社のみならず他社も実施)など、ユニークなものも含めて事業展開を図っていく。
Q.(オペレーティング・リース事業の)同業他社であるFPGに差がつけられたことについて
A.他社のことについては、コメントを差し控える。
当社はメガバンク出身者が多くリスク管理が効いていることが特徴。
よって、儲かるかもしれないが、マーケットのボラティリティが大きいコンテナリースなどは控えてきた。
今後は、コンテナリース、船舶、航空機等のオペレーティングリースに注力していく。
なお、今後は良い社員が入社して条件が整ったことから不動産事業についても展開を考えている。
Q.株価の低迷、経営の基礎、リソースの活用等について(叱咤激励)
A.今後はビジョンや中期経営計画を積極的に周知していく。
なお、日本初の優れた技術を持つ会社に投資しており、披露していく予定である。
いずれにしても投資家に
「成長する!」
と思われるように頑張る。
決議事項
・剰余金処分の件
賛成多数で可決されました。
⑵ 2022年3月の株主総会
第16回定時株主総会 2022年3月29日(火) ヤクルト本社ビル
対面のみで、参加できず。
参加した者の話による質疑応答の概要は下記のとおりです。
主な質疑応答のポイント
・為替の影響は1円の円安で2億5千万円の利益
・エアバス社との共同出資社の今期の利益については期待している(数値は答えられない)。
・金利が上がることによる資金の調達コストについて対策を講じる。
などだそうです。
⑶ 2021年3月の株主総会
第15回定時株主総会 2021年3月26日(金) 新霞が関ビル
不参加
3年前の12回の株主総会@建築会館に参加したことがあります。
その際は、株主と社長の間の積極的な質疑応答がなされていたと記憶しています。
専門用語が飛び交っていたためほとんど理解はできませんでしたが、経営者のみならず当時参加された株主の方も業界や会社のことを深く理解されている様子でした。
経営陣や株主に接し、この会社に投資したことが間違っていなかったようだと感じました。
【ニッショーホール前にて】
⑷ 株主還元
配当
一株あたりの配当の経緯は以下の通りです。
2016年12月期:10円
2018年12月期:12円
2019年12月期:15円
2020年12月期:22円
2021年12月期:32円
2022年12月期:32円
配当をするようになってから増配が続いています。
特にコロナ禍の中、32円の配当については会社が頑張ったものと感謝しています。
株主優待
QUOカードと証券新聞という魅力的な2つの株主優待に満足しています。
【100株以上】
クオカード
1年未満:500円
1年以上:1,000円
2年以上:3,000円
3年以上:5,000円
日本証券新聞デジタル版購読券
1年未満・・・・・・・3カ月
1年以上2年未満・・・6か月
2年以上・・・・・・・6か月
他に、【2000株以上】の場合があります。
QUOカードについては継続保有2年→3年で5,000円など厳しくなっています。
日本証券新聞デジタル版は興味深い記事が満載です。
4月7日は、あの井村さんと霞ヶ関キャピタルの社長の対談があり興味深く読ませていただきました。
もっと早く購読しておけばよかったと後悔しています。
【日本証券新聞デジタル版購読券】
3 株主としてのコメント
⑴ 今後の方針
現在NISA口座で保有していますが、特定口座での買い増しを考えています。
理由は下記の通りです。
・長期株主優待であるクオカードに目がくらんだこと。
・5年以上の付き合いがあり、相性が良い。
・コロナ禍を生き残ったためこれから攻めの経営により高成長を取り戻すことへの期待
因果関係は良くつかめませんが、財務省や(元駐米大使)外務省の大物OBが取締役でいることのゴーイングコンサーン(企業の継続性)への計り知れない影響のようなものがあるように思えます。
⑵ 気になる点
ウクライナ情勢
3月9日のニュースリリースによるとロシアやウクライナとの航空機リースなどの取引はないとのことです。
元駐米大使が取締役となっており、地政学的なリスクに対する管理が適切になされていると考えます。
新規事業
会社の更なる成長の為には、オペレーティング・リース以外の事業を育成する必要があります。
M&Aアドバイザリー事業、プライベート・エクイティ投資事業、不動産事業などを次期成長戦略事業として重点的に取り組むとしていますが、容易なことではないと思います。
具体的な計画とその進捗について注視していきたいと思います。
【QUOカード 上から5,000円、3,000年、1,000年】
4 まとめ
JIAについて述べてきました。
株主総会では会社を深く理解する投資家からの厳しい指摘が相次ぎました。
それは当社に対する期待の表れと捉えました。
社長が認める中期経営計画非開示などのリスク管理重視の姿勢から、情報を開示しつつ積極的に稼ぎにいく姿勢にどのように転換していくのかをモニターしていきたいと思います。
お読み頂き、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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