初投稿2021.4.18、更新2021.11.13、2022.3.24、2022.4.8、2022.11.22、2023.5.
こんにちは!
この記事は、ウイルズ【4482】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2024年3月の株主総会招集通知の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・株主のDX化で企業はコストを80%削減できる
・ビジョンや戦略は良いが、オペレーションレベルでは・・・
★★★
【目次】
1 ウイルズについて
⑴ 会社概要
ウイルズは株主優待交換サイト「プレミアム優待倶楽部」等を運営している会社です。
売上高は約44億円、総資産は約36億円、時価総額は166億円の事業規模。
会社の付加価値(のれん、ブランド力)を示すPBRは8.85と高めです。
ただし、3年前の高値に比べると株価は半分に低迷中。
最近、少し株価の上昇する傾向が見られますが、どこまで持続するかハラハラしながら見守っています。
スローガン
『MAXIMIZE CORPORATE VALUE』
ミッション
「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」
セグメント
(株主管理プラットフォーム事業)
●「プレミアム優待倶楽部」
「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」を組みわわえたサービス
●「IR-Navi」
上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォーム
●「ESGソリューション」
統合報告書やアニュアルレポートなどの投資家とのコミュニケーションツールを企 画、制作するサービス
●「その他」
決算説明会の企画及び運営サポートを行うサービス
(広告事業)
●「ポイント及び自社媒体Web広告」
「ネットマイル」の運営等
●「Web広告代理店及びアドバタイジングゲーム」
広告代理連として顧客のWeb広告活動のサポート
⑵ 株主となったきっかけ
2020年秋に、テンバーガー候補としての紹介記事を読み、調べていくうちに会社の姿勢や将来性に期待するようになり株主となりました。
1000株以上の株主優待に目がくらみ、100株づつ分散投資し、現在は1000株の株主。
年明けに、再度テンバーガー候補との記事が雑誌で掲載されたため、三角持ち合いをうわ抜けて大幅高になりました。
けれども、現在は下落トレンドに入っており、塩っぱい塩漬け状態です。
⑶ 2023年12月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:47%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):20%
収益性については高いと考えます。
しかも、それぞ2%づつ前期よりも向上している点は評価できます。
安全性
・流動比率(100%以上が望ましい):158%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):51%
前期とほぼ変化はありません。
短期的にも中・長期的にも問題はないと考えます。
効率性
・有形固定資産回転率:92.82
前期よりも向上しています。
売上高が上昇した一方で、有形固定資産への顕著な投資がなかったためと推察します。
⑷ 2022年12月期の経営分析
収益性
・売上高総利益率:45%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):18%
収益性については昨年同様に高いと考えられます。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):154%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):51%
昨年と同様の水準で、安全に関して問題となるレベルではなさそうです。
効率性
・有形固定資産回転率:68.62
昨年に比べて大幅に低下しています。
有形固定資産が大幅に増加してるためです。
本店を虎ノ門に移転させたことによるものと推察します。
⑸ 2021年12月期の経営分析
株主総会招集通知の計算書類から経営分析を試みます。
業績は5期連続増収・増益です。
収益性
・売上高総利益率:43%
・売上高営業利益率:15%
高収益なビジネスモデルでしかも優良銘柄と見ることができそうです。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):158%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):51%
短期的にも中長期的にも盤石とは言えないものの安全性に大きな問題はないと考えて良さそうです。
また、自己資本比率は昨年よりも改善しています。
効率性
・有形固定資産回転率:245.68
売上高に対して不動産への投資は比較的小さく効率的な経営がなされていると考えます。
⑹ 2020年12月期の経営分析
増収増益です。
上方修正も発表されていますが、翌日に暴落。
いわゆる”材料出尽くし”かもしれませんが、それだけウイルズに対する期待の大きさを物語っていると考えます。
■収益性
売上高営業利益率は16%
高い成長性を維持しています。
■安全性
自己資本比率は46%
強固とは言えないまでも、安全性に問題は無いと考えます。
【株主優待でいただいた枕】
2 株主総会等
⑴ 2024年3月の株主総会
第20回定時株主総会 2024年3月25日(月) バーチャル株主総会
参加しました。
主な質疑応答
Q.プライム市場への以降について
A.当然、目標としている。
プライム市場へは経常利益の2期の合計が25億円以上という基準がある。
当社の場合、前期が9億円、今季は10億円強と見込んでいるので、数年後の上場を目指したい。
Q.株主優待の改善について
A.ご指摘のとおり、3000株以上のインセンティブがない。
このため、3000株と10000株の間にステージを設けることがあっても良いと考える。
様々な角度からの検討を踏まえ前向きに考えていく。
Q.プレミアム優待倶楽部の経済件について
A.コンセプトとしては楽天経済圏やドコモ経済件に似ている部分もある。
けれども、現状では会員数が70万人と規模に差があると考える。
会員数が数百万人となれば、様々なマーケティング戦略を取ることができるようになるので、まずは、会員数の増加に尽力していきたい。
決議事項
・剰余金処分の件
賛成多数で承認・可決されました。
株主総会雑感
バーチャル株主総会を視聴した感想を一言で言えば
”つまらない”
に尽きます。
もっと他社のライブ配信をしっかり学んでクオリティを高めてほしいです。
・沈黙が長い
・テロップがない
・画面に変化がない
・スライド画面の文字が謎に小さい
などなど
視聴していて、株主が辛くなります。
バーチャルオンリー株主総会になって3年目。
その間、株価は半分になりました。
株価はPER(評価)✖️EPS(稼ぎ)
で決まります。
EPSが伸びているにも関わらず、株価が半減したのはPER(評価)が低下したため。
その一因として、つまらないバーチャル株主総会があると考えます。
・株主総会当日の質問はゼロ
・事前の質問も3つだけ
株主は当社に無関心になりつつあるのではないかと懸念します。
当社よりもはるかに洗練されたライブ配信をしている会社が同時に対面の機会を株主に提供するハイブリッド式が主流になりつつあることの重要性を社長は深く自覚してほしいと思います。
バーチャル株主総会の皆らず、当社が主催する他の企業のIR配信もポイントをつけて視聴者を募集せざるを得ない現実も、ステークホルダーが当社に無関心になりつつあることと符合します。
来年のハイブリッド総会を期待します。
⑵ 個人投資家向けWEB説明会
2022年11月17日(木) 1900〜2030
内容は下記の通り。
・1部:アクセスグループホールディングの説明会
・2部:ウイルグループの説明会
・質疑応答
●ウイルズの説明会の主なポイント
・日本株の3割の株主は外国人投資家
・日本の個人金融資産の合計は約2000兆円で東証全体の時価総額の3倍分
・過去25年間で日本株は横ばい、米国株は9.4倍と差がついたのは個人投資家の差
・現在、中小小型ファンドは68本でファンドの約7%しかない
→中小企業はファンドに頼っても株価の上昇は困難
・ウイルズの中間決算は増収・増益で上方修正
・株主数が1万人を超える上場企業の6割がバーチャル株主総会を実施
・バーチャル株主総会時においてブロックチェーン技術で改ざん防止の特許取得
・プレミアム優待倶楽部は7社増加し合計78社
・株主優待導入企業数はここ数年間減少しているが、リーマンショック時にも減少
・IRーNaviの開発(英語対応により世界にアクセス等)は遅れており来春には完成予定
・今後の注力分野はIRーNaviの双方向性
・企業、機関投資家、個人投資家を結ぶことにより企業価値の最大化を目指す!
・株主優待で2000株以上の株主は従来の1.2倍のポイントを付与
●雑感
・”ビジョン”レベル:企業価値の最大化を目指す姿勢に共感:○
・戦略レベル:IR-Naviで企業を世界中の機関投資家と結ぶ:○
:個人投資家に株式を2000株以上有して貰うための優待の拡充:○
・オペレーションレベル:IR-Naviの開発の遅れ:×
:WEB説明会中に司会のマイクオフのミス:×
ウイルズをビジョン、戦略、オペレーションの3つの階層に分けて簡単な分析を試みました。
ビジョンや戦略は良いと思いますし、大いに期待しています。
ただし、オペレーションレベル(現場社員)となると、IR-Navi開発の遅れ等の懸念事項が散見されます。
マネジメント力を強化して、”仕事をやり切る力”を積み上げていかないと、せっかくのよいビジョンや戦略も十分に活かしきれないのではないか?というのが正直な気持ちです。
あと、プレミアム優待倶楽部の商品の内容をオリックスやヒューリックを見習ってもう少し魅力的に改善することを希望します。
⑶ 2022年3月の株主総会
第18回定時株主総会 2022年3月30日(水) バーチャルオンリー
議決権行使により保有株式数に応じた株主アクションポイント(有効期限1年間)がいただけるそうです。
なお、1000株保有の自分の場合1500ポイントいただけました。
ライブ視聴しました。
1時間弱の時間でした。
社長が業績等を説明した後に質疑応答がなされました。
主な質疑応答
(事前)
Q.グローバル企業へのアプローチについて
A.簡単なことではない。新型IR-naviは英語対応なので、それを活かして長期的に海外への展開を進める。
Q.株価低迷について
A.私もショックだ。マクロ的にはマザーズ指数は半分に下落した影響もあると考える。ファンダメンタルについては5期連続の増収増益を続けているがこの状態を保ちたい。テクニカルな取り組みとしては、増配、ポイントの倍増、自社株買いなどの株主還元を昨年は実施していることが。中長期的な成長に期待して欲しい。
Q.中長期計画について
A.売上高年成長率20%、売上高営業利益率20%、プレミアム倶楽部新規加入企業年間20社を目標に掲げている。株主のDX化を強調し、IR-naviのシェアアップを図る。
Q.ふるさと納税サイトへの参入について
A.リーガル面や税制面等で壁があるとともに、上位3社でほぼシェアを独占しているので参入についてはリスクが高い。大手とのコラボ(ウイルズコインの活用等)については検討を続ける。
Q.クリーンな経営を希望する
A.クライアントは350社の上場企業である。期待に沿えるよう高い意識を持って業務に取り組む。
(当日)
Q.集中日の開催は避けてほしい。
A.ごもっとも、事務方と検討をします。
Q.競合企業は?
A.プレミアム優待倶楽部についてはm、オリジナリティを追求してきたので競合企業はない。但し、QUOカードや百貨店のカタログギフトについては競合すると認識。IR-naviについては米国の企業向けデータベースを提供するアイプレオが類似している。但し、ウイルズの強みは株主と機関投資家とアナリスト(ファンドマネージャー)の3社を一元管理できること。特に、大企業ほどウイルズを利用することの恩恵が大きいと考える(株主数が多いため)。
Q.市場環境と来期以降の成長戦略について
A.FRBの利上げ、ウクライナ情勢、コロナ禍により市場環境は芳しくない。
株主のDX化(株主関連の情報をアナログからデジタルに移行すること)によりコストは80%削減できることの効率化を基本的な戦略とし、具体的な計画立案は今後つめる予定である。
Q.ネットマイルズの方向性について。
A.赤字が続いたがようやく黒字化に至った。ウイルズコインとの流通拡大に期待できる。300万人という会員口座を活性化させる方向性で事業を推進する。
Q.バーチャルでは物足りない。今後はハイブリッドを希望する。
A.コロナ禍とうリスクを避けるために今回はバーチャルオンリーとした。今後、コロナ禍のリスクが小さくなればハイブリッドも検討する。また、株主総会のみならず、会社説明会も含めて事業展開を図る。
決議事項
・剰余金処分の件
・定款一部変更の件
拍手も何もなく、議長の賛成多数という説明で可決されました(事前の議決権行使により9割以上の賛成が得られていました)。
⑷ 2021年3月の株主総会
第17回定時株主総会 2021年3月30日(火) TKP新橋カンファレンスセンタ
当日は、ニューラルポケットの総会に参加したのですが、期待外れだったのでウイルズに行けばよかったと反省しています。
⑸ 株主還元
配当
1株配当実績は下記の通り。
増配基調なのはありがたいことです。
2023年12月期:9.5円
2022年12月期:7.0円
2021年12月期:2.5円
2020年12月期:0円
2019年12月期:10円
2018年12月期:0円
株主優待
6月末に株主優待として、持株の数と長さに応じた株主優待ポイントを頂けます(決算は12月です)。
この株主優待ポイントをWillsCoinに交換することで、プレミアム優待倶楽部を導入している各企業の株主優待ポイントと合算が可能との事。
そして先日、頂けるWillsCoinが増えるとの優待改善の発表がありました。
1000株を1年半以上保有する自分の場合、13200ポイント頂けることになりそうです。
優待に魅力を感じる株主としては朗報です。
また、手持ちのWillsCoinが6000ポイントありましたのでサーモ二重ロックカップペア2セットと交換することにしました。
注文して数日で商品が届きました(早い!)。
早速、使いました。
水割りを飲むときなど、冷たさ(美味しさ)が長持ちするとともにテーブルが濡れることが無く実用的です。
末永く愛用していきたいと思います。
その後、2つ目の優待品として枕を頂きました。
自社株買い
2022年3月に6,600株(4,286,100円)の自社株買いが実施されていることがIRニュースでリリースされていました。
個人的には、配当はホールドし続ける株主のため、自社株買いは売りたい株主のためと見なしているので、配当重視を希望しています。
【優待で選んだサーモカップ】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
株主優待重視
ウイルズは株主優待をビジネスとする会社。
応援する意味でも株主をしています。
併せて、ウイルズからの優待品も楽しんでいます。
デジタル化の最先端
完全バーチャル株主総会の実施など、デジタルを駆使した経営がなされています。
株主であることでウイルズの提供するデジタル化の最先端に触れられることも気に入っていることの一つです。
⑵ バーチャルオンリー株主総会について
バーチャルオンリーの株主総会は初めてでした。
総括するとニーズ志向の株主総会だったと思います。
それはコロナ禍を恐れる会社がその解決策としてバーチャルオンリー株主総会というニーズがあり、それが可能であることの実証という意味です。
その意味では画期的な試みだったと評価します。
けれども印象としてはイマイチ。
その理由は下記の通り
・「報告事項、決議事項」のスライドが長すぎ。社長の説明に合わせたスライドをタイムリーに表示すべき。
・カメラの表示が単調。社長や他の役員が答えれいる様子や自信を持って説明責任を果たしている様子をズームアップで見たかった。
・社長の話が招集通知の読み上げに終始。書いてあることを読み上げるだけでなく、ポイントを強調すべき。そのためにも画面の大半を占有していたスライドの活用を!
・発言に対するテロップを出すべき。JALの株主総会では、会場のスクリーンに株主の発言がリアルタイムでテロップとして流されていた。せっかく全員がモニターを見ることになるのでその良さを生かすべき。
要するに今回はコロナ禍対策としてのニーズに応えるためのバーチャル総会だったと考えます。
これに対してシーズ(提供される技術)志向のバーチャル株主総会を期待します。
これは、画面上にテロップをはじめ様々な文字や図形を表示することにより株主へのアピールや理解力を高めるためのものです。
今後のバーチャル株主総会の可能性の追求を期待します。
⑶ 気になること
事業規模
総資産約26億円で売上高約34億円の時価総額140億円という事業規模です。
従業員数は83名。
将来性に期待しつつも、現実としてははまだまだ小さな会社です。
今後も色々な荒波にさらされることの覚悟は持っておくべきだと考えます。
PMI
完全子会社化したネットマイル社との相乗効果はいつ発揮されるのか?
その前にネットマイル社の業績は?
PMI(M&A後の統合プロセス)は予定通りなのか否か?
ウイルズの更なる成長の為にはM&Aは不可欠なので、ネットマイル社のケースから多くの教訓を汲み取って欲しいと思います。
ネットマイル利用雑感
⑷ 今後の方針
特定口座で1000株有しています。
10倍株になるのに5年以上はかかるとの判断です。
乱高下は承知の上なので、今回の下落トレンドも想定内。
ただし、IR‐Naviを利用して株主を管理しているオリックスが、リーマンショックの時には株価が10分の1になったのに、コロナショックでは2割程度しか下落しなかったのも、株主対策(海外の機関投資家を少なくし、個人投資家を増やした)ことが挙げられています。
社長さんをはじめ、IRには精通している社員は多数いらっしゃるはず。
IRのプロとしてウイルズもIR-Naviを用いて的確な資本政策を実施し、株主資本コストを抑えるような施策が今後あるかもしれません。
「貯蓄から投資へ」の世界を実現することについて、ウイルズと投資家としての自分は同じ方向を向いています。
ただし、社長の経営手腕に疑問を多く感じる昨今、慎重に対応していきたいと思います。
【使いやすいサーモカップ】
4 まとめ
ウイルズについて述べてきました。
DXを駆使し「プレミアム優待倶楽部」という希少性の強みを有しています。
けれども、将来性に期待しつつもまだまだ小さな会社です。
塩漬け状態ですが、優待品を楽しみながら引き続き株主を続ける予定です。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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