こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

プレイド【4165】〜株主総会雑感

初投稿:2022.12.21、更新日:2023.12.23

こんにちは!

この記事は、プレイド【4165】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2023年12月の株主総会の内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・1年前倒しの黒字化

・株主重視の姿勢(ハイブリッド総会、会場での資料や水などの配布)

【目次】 

【2023年12月の株主総会の会場】

【2022年12月の株主総会会場】

                     

1 プレイドについて

⑴ 会社概要

Webサイト・アプリの顧客分析プラットフォーム「KARTE」を展開する会社です。

売上高76億円、総資産54億円、時価総額245億円の事業規模。

PBRは9.46倍と高い評価です。

四季報ではSI・ソフトウエア開発業種に区分され、時価総額順位は46/257社と上位に位置します。

【費用先行】、【新規開拓】などの見出しから投資に力を注いでいる様子

買収先の将来のIPOなど将来性に期待が持てます。

企業理念 

●Purpose(私たちの存在意義)

PLAY&AID→プレイド

●Mission(何を実現するのか)

データによって人の価値を最大化する

セグメント

SaaS事業単一セグメント(事業規模を考慮)

⑵ 株主になったきっかけ

9月決算企業で、成長著しいIT企業を探していました。

何かとネットでは話題になることが多い当社。

ツイッターでフォローしているmikiさんという方も同時期に売買されていたようです。

関心が高まってきたので決算前に株主となりました。

⑶ 2023年9月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:72%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):営業赤字

粗利率は前期に引き続き高く、ビジネスモデルは優れていると考えます。

経営赤字なのは成長投資を実施したためで、当初、2025年9月期の黒字化目標を掲げていました。

けれども、1年前倒しで2024年9月期に黒字化を見込んでいます。

今後の収益性向上に期待が持てます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):206%

自己資本比率(30%以上が望ましい):48%

数値からは短期的にも中・長期的にも財務的には問題ないように見えます。

ただし、前期からは数値的には低下しています。

なお、質疑応答においてCFOからはネットの現預金を重視するとともに、自己資本比率が昨年より低下したもののまだまだ大丈夫という回答がありました。

効率性 

・有形固定資産回転率:132.72

前期よりも数値は向上しており、有形固定資産に関しては効率的な経営がなされていると考えます。

⑷ 2022年9月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:75%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):営業赤字

粗利率は高く、ビジネスモデルは優れていると考えます。

それにもかかわらず営業赤字なのは、販管費の多さが原因。

成長企業だからやむを得ない面もありますが、黒字化が待たれます。

なお、2025年9月期の黒字化目標を掲げています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):283%

自己資本比率(30%以上が望ましい):62%

数値からは短期的にも中・長期的にも財務的には問題ないように見えます。

ただし、利益剰余金が33億円以上のマイナスであることからこれまであまり利益を出すことができなかったようです。

効率性 

・有形固定資産回転率:107.73

一般にIT企業の有形固定資産は高めです。

当社の場合、そのことを割り引いても有形固定資産に関しては、極めて効率的な経営がなされているようです。

バランスシートを見てみると有形固定資産の内訳は「建物」「工具、器具及び備品」となっていますが、減価償却が効いているために金額が少なくなっています。

ちなみに、本社オフィスは銀座シックスのようですが、経費は思ったほど大きくはなさそうです。

【2023年の株主総会

【2022年の株主総会 ビル内の店舗・トイレ混雑状況を知らせる掲示板】

2 株主総会

⑴ 2022年12月の株主総会

第12期定時株主総会 2023年12月21日(木)YUITO 室町日本橋野村ビル

会場では資料やお水等をいただきました(机付き)。

ハイブリッド方式でしたが、数十人の株主が集っていたと思います。

社長からのプレゼンの主なポイントは下記の通り。

・順調に事業は拡大

・黒字化は1年前倒しで2024年9月期の予定

・つくるフェーズから届けるフェーズへ

・守り(効率化)ではなく可能性を引き出すことで長期に差がつく

・データの統合の流れはWebサイト→スマホアプリ→SNS

・プロクショナルサービスとコンサルティングサービスの2本柱

主な質疑応答

【事前】

Q.株価低迷について

A.2022年9月に大きな契約解消が発生して下方修正したことが大きな要因。

その後、解約防止のためのカスタマーサポートに注力している。

その結果、解約防止に歯止めをかけるとともに、クロスセルやアップセルにもつながる手応えを得ている。

Q.海外売り上げについて

A.Google cloudマーケットプレイスにおいて「KARTE」を提供している。

Google cloudプレミアパートナーとしては国内初である。

ただし、当面は国内が主眼となる。

Q.「KARTE」解約の理由について

A.「KARTE」は汎用性、柔軟性が高い反面、使いこなすのが難しい面があり解約に至るケースが多かった。

社内リソースをどこに割くかという問題もあったが、プロダクトの開発に手応えを得ることができたので、利用継続に注力するようにしている。

【会場】

Q.AI活用について

A.スケジュール感については、ここでは話せないが進捗は適時開示して行く。

どこまでやるかということについては、「解釈」や「届け方」に着目している。

AIの役割については、聞いたことに答えるのみではなく、話しかけられなくても必要なアウトプットの提供も大切だと考える。

また、AIへのオリジナリティのある学習教材を提供して行くことについても留意している。

Q.財務の健全化について

指標としてはネットの現預金を重視しており、現状でも24億円あるので大丈夫と考える。

また、自己資本比率についても減損のため低下したとはいえ、まだまだ高い水準にある。

Q.プロフェッショナルサービスの今後について

「KARTE」とは異なるものが必要になると認識しており、スピード感を持ってサービスを提供するためにはチーム力強化がポイントとなる。

パートナーシップを大切にしつつ、トータルで価値提供をワンストップで提供することが重要と考える。

【当日のネット】

Q.海外展開について

A.まずは国内重視、海外展開についてはさらなる成長オプションと捉えている。

Q.減損の理由について

A.子会社であるエモーションテック関連としてプロダクトを刷新に伴って損失が発生した。

これまで、戦うための先行投資を継続してきて、プレイド単体でも好業績を維持している。

2024年9月期の黒字化も見えてきている。

収益性を大切にして行く。

Q.KARTEと社名を変更することについて

A.現時点では、KARTEはプロダクトの一つと認識。

2017年頃に社内でも議論したが、事業ドメインブランディングを踏まえ、大きくやりたいことを重視した結果、プレイドの社名となっている。

Q.投資用有価証券のマイナスについて

A.5400万円のマイナスについては、スタートアップ企業等の3社に関するもの。

積極的な投資による評価損のため安心してみている。

決議事項

・取締役6名選任の件

監査役3名選任の件

拍手とネット投票を持って承認・可決されました。

株主総会雑感

FIXER【5129】と似ているように感じました。

それは、

F:マイクロソフトから認められた高い技術力を持つ若いIT企業

プ:Googleから認められた高い技術力を持つ若いIT企業

であるとともに、

株価が低迷していることへの株主の不満」

という共通点があるからです。

これらの共通点から若いIT企業の成長や株価について何らかのパターンがあるように感じられました。

少し研究してみたいと思います。

あと、今回の株主総会で気になったことはある取締役のメガネ。

途中からメガネを頭にかけっぱなしにしていたからです。

・いつメガネを顔に掛け直すのか?

・ずっと頭にかけっぱなしなのか?

・お辞儀をした時にメガネが落ちないのか?

などが気になって、せっかくの良い話が頭に入ってきませんでした。

人前に立つ人はノンバーバルコミュニケーションについても注意を払ったほうが良いと思いました。

【2023年の株主総会でいただいた資料等一式】

⑵ 2022年12月の株主総会

第11期定時株主総会 2022年12月20日(火)

東京ポートシティ竹芝オフィスタワー 8階ポートスタジオ

ハイブリッド総会でした。

東京ポートシティ竹芝は2020年開業の超高層ビルソフトバンクが本社を置いています。

ここでの株主総会は初めてで、新しく綺麗なインテリジェンスビルに思わず舞い上がってしまいました。

・店舗・トイレの混雑状況をリアルタイムで示すディスプレイ

・廊下の壁に映し出されるプロジェクションマッピング

インテリジェンスビルというのでしょうか、歩きながらテンションアップです。

総会会場でロゴ入りのお水と資料やチョコが入った封筒を頂きました。

オシャレな会場内では10名前後の株主の方がいらしゃっていました。

年齢層は比較的若かったように思います。

総会が始まり社長による丁寧な事業報告や決議事項の説明がなされました。

時代の最先端のIT企業らしく、専門用語や新しい概念が多く理解するのはちょっと大変

でも、役員の方は丁寧に対応されていたと思います。

主な質疑応答

【事前】

Q.配当金について

A.未定である。

当面は成長投資を重視する。

Q.認知向上策について

A.マーケティングにおいて短期よりも中・長期を重視する。

特に、市場の変化に対応することに心掛ける。

【会場】

Q.2025年9月期の黒字化と今後の販管費の推移について

A.今期は人件費のみならず事業費の増加により営業赤字となった。

長期的には営業利益率25%を目指す?。

そのため、人件費については一人当たりの生産性の向上によりその比率を抑える。

Q.他社との比較における当社の強みについて

A.お客様である企業(ECサイト、金融機関、不動産業、人事関連等)に対して顧客情報をリアルタイムに提供することができる。

オンラインによるシステム的な強みを持つとともにアプリケーションをプラスして提供することができる。

Q.役所関係のニーズの取り込みについて

A.行政についてのアプローチも重視している。

具体的には奈良市(の「デジタル市役所構想」の取組)の支援をしている。

Q.競合他社の参入について

A.良いドメインであるために、競合が激化している。

外資系であればセールスフォースなどが挙げられる。

守りも大切であるが、参入者が増えることによる市場としての伸びも期待している。

Q.海外進出について

A.ビジネスは良き商品やサービスをつくることに加えて届けることが重要である。

海外に対して価値をデリバリーすることは難しい面が多々ある。

これに対して、国内市場はポテンシャルが高いとともに、海外からの参入に対してはセキュリティ等の考慮が求められるなどの点があり重視している。

Q.成長のためのM&Aについて

A.これまでのM&A

・2012年のエモーションテック(顧客満足度等の調査・分析会社)

・2022年のアジト(インターネット広告会社)

を実施している。

事業展開については

・オーガニックグロース:データ分析という中核事業

M&Aグロース:事業のど真ん中ではない周辺事業

と切り分けて実施している。

【ネット】

Q.IT導入補助金等について

A.当社は大企業からの売上が中心であるが、補助金については幅広いビジネスに活かす予定である。

決議事項

株主総会雑感

社長はじめ役員の多くの方が「KARTE」のロゴ入り丸首シャツを着用していたのが印象的でした。

ロゴ入りお土産を頂いたのも嬉しかったです。

難しい事業内容を分かりやすく説明しようとプレゼン資料を配布する配慮も好感が持てました。

ただし、一部の社員が総会終了直後に談笑しながら6階のコンビニへ直行するのはちょっと早すぎるように感じました。

⑶ 株主還元    

配当

なし

株主優待

なし 

自社株買い

なし

株主総会のお土産

「KARTE」のロゴ入りペットボトル水やチロルチョコ他のロゴ入りノベルティをいただきました。

感謝です。

【2022年の株主総会 KARTEのロゴ入りウオーター】

【2022年の株主総会「KARTE」ロゴ入りステッカー&チロルチョコ

              

3 株主としてのコメント

⑴ 関心したこと

株主総会に来場できない株主にはライブ配信

株主総会に来場した株主にはお土産

という会社の配慮は良かったと思います。

そして、それに応えるように、来場した株主からの会社の成長に資する建設的な質問が多かったように感じました。

そういった、コミュニケーションの良い総会は参加していて気持ちの良いものです。

最近は、SanSanのようにバーチャルオンリー株主総会の会社も増えつつあり、ちょっと寂しさを感じていました。

今回の株主総会、来て良かったです。

⑵ 気になったこと

役員から、将来営業利益率25%を目標にすると説明され、ちょっとびっくりしました。

マネーフォワードのように営業赤字が続いているIT会社が多い中で、そんなに簡単に高収益を確保できるのでしょうか?

「事業計画及び長期成長可能性に関する説明資料」に詳しく書かれているとのことだったので早速、帰宅して確認。

確かに長期財務モデルの中で「営業利益率20ー25%」と記述されています。

けれども、「投資成果の享受により、利益率の向上を目指す」

としか説明がありません。

イマイチ。

25%の利益率を享受するためには、絶え間ない投資が必要なのでは?

では、営業利益率25%というのはそんなに難しい数値目標なのでしょうか?

保有する会社の中で営業利益率25%以上の会社でプレイドと似た会社を調べてみると、メディカルデータビジョンという会社が目につきました。

以下、比較します。

●売上高総利益率

メ:82%

プ:75%

売上高営業利益率

メ:28%

プ:営業赤字→将来は25%を目指す。

●会社の特徴

メ:医療データ活用のパイオニア

プ:データによって人の価値を最大化するミッション

●主力商品

メ:カルテコ

プ:KARTE

メディカルデータビジョンとの比較からは粗利率の高さやデータを扱う事業内容、主力商品の名前の類似性?など意外と共通点もあり、25%はいけるかもしれないと感じました。

ただし、こんな高収益のメディカルデータビジョンですが株価が大きく低迷しています。

特に、筆頭株主がSBIになってから。

そもそも、SBIそのものが株価低迷が続いており、北尾会長も頭を抱えているのが現状。

プレイドについては、経営の独立性を担保しつつ収益率の向上を株価の上昇につなげることを期待しています。

【2022年の株主総会会場からの眺望】

4 まとめ

プレイドについて述べてきました。

データを扱う最先端のSaaS企業なので事業内容の理解は大変ですが、ハイブリッド総会やお土産などで株主を大切にする姿勢には好感を持ちました。

また、1年前倒しにした24年9月期の黒字化も期待しています。

今後、いろいろあると思いますが、引き続き注目していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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