こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

ブレインテクノロジー【4075】について

初投稿:2023.11.4

こんにちは!

この記事は、ブレインテクノロジー【4075】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・株主のアツい想い

・オペレーショナルレベルでの社員のやり切る力は?

【目次】 

株主総会の会場】

1 ブレインテクノロジーについて

⑴ 会社概要

異常検知「Impulse」企業内検索エンジン「Neuron Enterprise Serch」の2つのAI実装ソフト事業が中心の企業です。

売上高10億円、総資産18億円、時価総額の39億円事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは2.66倍と、比較的高い評価です。

企業理念 

⚫️ミッション

「企業活動の継続性と生産性の劇的な向上に貢献すること」

セグメント

エンタープライズAIソフトウエア事業」の単一セグメント

少しわかりにくい”業界”のように感じました。

⑵ 株主になったきっかけ

7月の決算企業を検索していて業績が好調と考えて”打診買”により株主となりました。

よって、株価は乱高下の影響はあまり大きくはありません。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:65%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):15%

収益性は高いです。

特に営業利益率は10%を超えている点は評価できます。

ただし、業績そのものは増収減益。

社長の説明によると、トップライン(売上高)が計画未達のため販管費を引いた利益が前期に比べて落ち込んだとのことでした。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):486%

自己資本比率(30%以上が望ましい):86%

財務については短期的にも中・長期的にも問題ありません。

堅実な経営がなされていると思います。

現状は事業規模を考えると財務を重視するのは理解できます。

ただし、数年後に企業規模が大きくなった時には資産効率の観点から見直しが必要になると思います。

そうでない場合はキャッシュリッチゆえM&Aの対象とされかねないと推測します。

効率性 

・有形固定資産回転率:107.14

IT企業らしく、有形固定資産についても効率的な経営がなされていると考えます。

なお、有形固定資産の勘定科目は「工具、器具及び備品」となっており、オフィス等はレンタルなのではないかと推察します。

また、有形固定資産の金額が983万円に対し、無形固定資産の金額が3億円を超えていることからも、投資先についてのメリハリが効いていると感じました。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第15回定時株主総会2023年10月27日(金)AP品川アネックス

数十名程度の株主が集っていました。

席には役員の名簿と裏に注意事項が記載されたペーパーが配られていました。

主な質疑応答

Q.株価下落について

A.トップラインが計画に届かなかったことが原因と考える。

数字を伸ばすことが株価向上につながると考える。

Q.配当政策について

A.数年間は成長投資を重視するため配当することは考えていない。

当面は営業力を強化(採用のみならず外部のリソースを活用)しトップラインを伸ばすことに尽力する。

Q.販管費の内訳について

A.開示ルールにおいて非開示で問題ないためそのようにしている。

細部は有価証券報告書を参考にしてほしい。

Q.有価証券報告書の内容は今ここでできないのか?

A.公平性を期すため、3時に開示となっている。

Q.従業員への報酬は大丈夫なのか?

A.平均で667万円(昨年)である。

離職率も低い。

Q.研究開発費の推移について

21年度まではメジャーバージョンアップが中心で大きかった。

現在はメンテナンス中心の金額となっている。

Q.EPSが低下した理由は?

A.販管費が増加したというよりは、売上高が11億の計画に対して10億円となってしまった計画未達の影響と考える。

決議事項

・取締役5名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 事業説明会

株主総会に引き続き、事業説明会が開催されました。

株主からも建設的な意見が出されていたと感じました。

主なポイント

人工知能の会社として未来工場(研究開発)を通じて製品を提供してきた沿革

・”ニューロ”と”インパルス”が収益の2本柱

・ニューロはアイシン、デンソーサントリーに提供

・インパルスは清水建設ダイワハウス三菱電機に提供

・社員の72%はエンジニアでそのうち62%が修士号・博士号保持者、20%が外国人

・特定企業に依存しない

・クロスセル(顧客に関連商品を追加購入を推奨する営業手法)、アップセル(顧客に上位商品の購入を推奨する営業手法)、新規顧客、既存顧客の順に強化

・成長戦略:機能強化、アライアンス、次の成長ドライバー(センサ、カメラ、ビデオ)

主な質疑応答

Q.上場ゴールにならないように

A.今後、株価が上がらないなら公募価格以上でのMBOして欲しいとの要望だが、期待に添えるよう尽力する。

Q.目標未達について

A.中長期の計画を初めて立てたが、計画の達成度について適時開示するとともに半年に一度はレビューしていく。

Q.社長が株を売却しているとのネット書き込みについて

A.自分自身は売却せず保持し続けている。

Q.M&A(特に営業部門)について

A.可能性は探っている。

また、オーガニックな成長を続けてきた結果、システムインテグレートな人材が育ち足回りが強くなってきた。

Q.インパルスの製造業以外での展開について

A.そもそもがソフト会社向けだったが、製造業からの需要に応じて現在に至っったって。

Q.(モノ対象の)精度99%以上のサービスよりも精度95%(ヒト対象)のサービスの提供について

A.そのようなニーズについても検討していく。

Q.説明にあったAIシステム市場(1兆円)における当社の位置付けについて

A.当社が目指すのはより正確には外観検査市場と認識。

それに近い業界として異常検知市場というものもできつつある。

当該分野でのシェア拡大を目指す。

Q.成長未達の原因について

A.営業が4名(製品担当は1名)であり営業力強化が急務

また、遠因として製造業は異常が見つかりにくくその効果が現れるまで1年単位を要する。

さらに、ニューロの検索を実現するための時間も長期化の傾向。

回転率を上げる努力を続ける。

Q.海外展開について

A.日系企業を中心にタイや欧米でのビジネスを検討しているがそれぞれ課題を抱えている。

ただし、米国での人件費の高騰を受けて効率化の余地という点でビジネスチャンスがあると認識。

⑶ 株主還元    

配当

なし

株主優待

なし                  

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

2時間以上の長時間に及びましたが、株主総会会社説明会は良い勉強になりました。

株主総会では、株主が社長に手厳しい意見をぶつけるのみならず、株主同士が意見をぶつけ合う展開もありました。

けれども、最後には経営陣からも笑いがあり結果オーライだったようにも感じています。

特に、会社説明会では沢山の改善提案がなされました(業界用語をあまり理解できず、一部しか記述できなくてすみません)。

時流に乗っていて、新しい成長企業で、課題が明確で、良い意味で株主からの関心が高い会社として、今後に期待できると感じました。

⑵ 気になったこと

開始早々は、社長のマックブックに貼られた沢山のシール

「なんなんだ!?」

と意識を持って行かれてしまいました。

他の総会では見られない、強烈なインパクトに動揺してしまいました。

あと、株主から従業員の待遇を気に掛ける質問がありました。

これに対して、平均年収は600万円越えで前期に離職した従業員は無い旨の回答がなされました。

気になったのは従業員の仕事ぶり。

「平均年収が600万円を超えていて誰も辞めないのは、居心地が良くてコンフォートゾーンにどっぷりはまっているからではないか?」

とも感じました。

人が成長するためにはコンフォートゾーンを抜けてラーニングゾーンへ足を踏み出すことが不可欠。

業績低迷は、従業員に対する良いきっかけになり得ます。

果たして、社長が業績低迷で株主から厳しい叱責に晒されている現実が従業員にどこまで共有されているのか?

とても気になりました。

業績低迷は社長のみならず社員にも責任があるのは当然。

オペレーションレベル(特に営業)での”やり切る力”の今後の向上に期待します。

余談ですが、離職率についてはゼロが必ずしも良いとは考えていません。

適切な人事評価、組織の活性化、従業員のキャリアアップなどを考えると退職する人が一定数いた方が”健全”と考えるからです。

会社の規模にもよりますが、一桁台の離職率を妥当とする経営者が多かったように思います。

当社の離職率や、社長が離職率を経営指標の一つとして考えているかに注目していきたいと思っています。

【総会会場にて】

4 まとめ

ブレインテクノロジーについて述べてきました。

正直、馴染みの薄い会社でしたが、株主のアツい思いや、会社説明会による成長ストーリーなどを知ることができてよかったです。

まだまだ小さい会社ですが、将来性も感じました。

ただし、飛躍的な成長のためには高学歴な社員や外国人従業員の奮起が不可欠だとも思いました。

そのためにも社長のリーダーシップが大切だと思います。

色々な意味で今後が楽しみな会社なので引き続き注目していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #ブレインテクノロジー #AI

  

カラダノート【4014】について

初投稿:2023.10.31

こんにちは!

この記事は、カラダノート【4014】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・妊娠・子育てアプリの会社

・今後のJMDCとの関係

【目次】 

株主総会の会場】

1 カラダノートについて

⑴ 会社概要

売上高20億円、総資産10億円、時価総額36億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは9.63倍の高い評価です。

企業理念 

理念は下記の通りで、共感できるものです。

『家族の健康を支え笑顔をふやす』

セグメント

主な事業としては下記の通り紹介されています。

少し抽象的な印象を持ちました。

⚫️ファミリーデータプラットフォーム事業

自社メディア等により収集するデータベースを元に、ユーザーのニーズに合った商材を提供しているクライアント又は自社サービスをマッチングする

なお、会社説明会では3本柱として

・家族サポート事業(個人)

・データマーケティング

・大企業とのPoC共同事業(例えば、中部電力

を挙げていました。

⑵ 株主になったきっかけ

決算が7月の企業であり株主優待が気になって株主になりました。

社名から健康管理の会社のイメージがありましたが、妊娠・子育てアプリに強みを持つ会社ということは株主総会にて知りました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:74%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):営業赤字

IT企業らしく粗利率は高いです。

残念ながら営業赤字ですが、社長の話によると今期に黒字化の見通しが立っているとのことで楽しみです。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):263%

自己資本比率(30%以上が望ましい):35%

短期的には問題ない水準です。

ただし、中・長期的には会社の規模を考えると少し懸念の残る数値と考えます。

元々固定資産もなく今回減資をしているので、何かあった時の対応が気になります。

効率性 

棚卸資産回転率:79.79

主にサービスを提供している会社なので、棚卸資産回転率は高めです。

情報通信業の平均が約25であることを考えても、効率的な経営がなされていると推測します。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第15回定時株主総会 2023年10月26日(木) 田町グランパークプラザ棟

十人前後の株主が集っていました。

総会そのものは30分程度で終了し、その後、会社説明会がなされました。

主な質疑応答

Q.退任する取締役(12年勤務)について(一言お願いします)

A.社長から、「新たな道を歩みたい」という本人の意向が紹介される(本人からの一言はなし。)

Q.1号議案の減資に伴う繰越利益剰余金の補填について

A.繰越利益剰余金がマイナスのままの会社もあるが、当社は今期、黒字化を予定しており、これに合わせて過去のマイナスを清算することが妥当と判断した。

Q.1号議案に伴う節税と社会的責任のバランスについて

A.納税による社会的責任を果たすことは重要と考える。

資本金1億円というのは大企業レベルであり、当社の事業規模や利益にふさわしいレベルを考えての減資と考える。

Q.新役員の挨拶ともう一人の退任役員のコメントについて

A.承知した(総会後)。

Q.減資や固定資産がないことが資金調達に与える影響について

A.M&A等においては銀行から借入金を得られる状況にある。

(公募増資も含めて)資金調達についてはその都度、最適な方法で実行していく。

決議事項

・資本金の額の減少及び剰余金処分の件

・取締役3名選任の件

・監査等委員である取締役3名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵  会社説明会

株主総会の5分後に約30分程度の会社説明会が実施されました。

主なポイント

・医療費圧縮の流れ:シックケア→ヘルスケア→ウエルネス

・競争力の源泉:妊娠・子育てアプリは95%の利用率、接点から一気通貫の事業

・成長戦略:個人顧客数×LTV(ライフタイムバリュー)×家族コンシェルジュ

主な質疑応答

Q.トップダウンボトムアップの意思決定について

A.トップダウンによる”指示待ち”等の影響につては十分留意して経営していく。

併せて、社員の子供に無償で株式を贈与する新制度である「わが子のように」の実例を紹介しながらオリジナリティの重要性に言及。

Q.事業全体の底上げを図るのか、特定の重点分野に注力するのか(戦略について)

A.子育てのDX化について改善を継続していく。

今後もイオニアに近い形でアプリを出していく。

ただし、これまでを振り返るとアプリにより便利にはなったが、少子化に歯止めがかかったとは言えない。

コンシェルジュによるより深い問題解決、官民共同等に留意し、メディアへのポジティブな情報発信を通じて社会の雰囲気をかえ、ひいては少子化対策に貢献していきたい。

Q.今後の黒字化の推移について

A.ストックビジネスを中心に頑張る。住宅関連事業の業績が大きいと認識。

Q.人員の大量採用に伴うガバナンスや組織文化への影響について

A.採用時や育成時を含めてしっかりと人事評価することで対応していく。

Q.これからの資本業務提携について

A.ビジョンが一致する会社と共同で事業を実施しつつ変化を起こすことが重要と認識。

そのためには、当社のスタンスをSDGsサステナビリティ子育て支援等で発信し続けることが重要。

遊園地などにも着目している。

そのような情報発信の過程で事業化への紹介がなされると思料する。

Q.データビジネスの難しさについて

A.PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)については、ご指摘のとおり個人情報管理などハードルが高く難しい面が多々ある。

ただし、その難しさを乗り越えた先に還元が得られるものと考える。

(JMDCの松島さんからの補足)データの流れにはリアルからデータへとデータからリアルの2つの流れがあり、これらは循環している。

データビジネスの深化に応じて見えないものが見えてくることに意義があると考える。

JMDCの親会社であるオムロンのデバイスとの連携についてはこれからの話ではないか。

当社の社外取締役就任についてはあくまで私個人の判断である。

⑶ 株主還元    

配当

なし

株主優待

下記のお水ボトル1セット無料券

調べてから使ってみたいと思います。 

株主優待

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

少子化に果断に挑む社長の心意気は素晴らしいと感じました。

特に、便利にはなったが少子化に歯止めがかからない現実を直視し、その上で、改善策を考える姿勢には好感が持てました。

さらに、オリジナリティやパイオニア精神からもさらなる成長が期待されます。

また、妊娠・子育てアプリを通じて、生まれる前から”顧客”の情報を入手できるのはある意味、すごいことだと感心しています。

JDMCが関心を寄せるのも納得です。

⑵ 気になっていること

社長のノンバーバル(非言語)コミュニケーションは上手ではありません。

総会中にずっとモニターを覗き込んでおり、株主へのアイコンタクトがほとんど無かったからです。

対処すべき課題に「知名度の向上」が挙げられていますが、まずはステークホルダーとの良好なコミュニケーションから始めないと上手くいかないのではないかと気になりました。

もう一つ気になったのは、JMDC代表取締役会長の方の社外取締役就任と生え抜きの取締の退社です。

当社にとって、一つの転機だと推測されます。

社長の今期黒字化の強気の姿勢の背景に、成長著しいJMDCとの関係があるように思えてなりません。

JMDCとの関係が当社の成長に及ぼす様々な影響をモニターしていきたいと思います。

株主総会の会場の全景】

4 まとめ

カラダノートについて述べてきました。

あまりよく知らないで株主となりましたが、株主総会会社説明会を通じて、少子化対策や成長性といった点で魅力を感じました。

その一方で、役員の入れ替わりによる当社の方向性についてはまだまだ見えない部分を感じています。

今までの良さを活かしつ、当社の今期からの黒字化、さらには持続的成長を期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #カラダノート

 

  

インテージホールディングス【4326】について

初投稿:2023.10.19

こんにちは!

この記事は、インテージホールディングス【4326】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・市場調査分野で国内首位

docomoの子会社へ

【目次】 

株主総会の会場 富士ソフト

                     

1 インテージホールディングスについて

⑴ 会社概要

売上高613億円、総資産443億円、時価総額749億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは2.3倍と比較的高い評価です。

企業理念 

⚫️知る、つなぐ、未来を拓く

抽象的ですがグループとしての方向性は示せていると思います。

セグメント

主な事業の柱は下記の3つです。

⚫️マーケティング支援(消費財・サービス)

⚫️マーケティング支援(ヘルスケア)

⚫️ビジネネスインテリジェンス

⑵ 株主になったきっかけ

マーケティング関連の知人の恩師が当社の元取締役ということで以前から関心を持っていました。

伝統のある会社ということでも安心感がありました。

⑶ 経営分析

増収増益でした。

ただし、営業利益、経常利益ともに減益です。

収益性

・売上高総利益率:35%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):6%

粗利率が高く良いビジネスモデルだと思います。

けれども、営業利益率は低め。

当社の説明では、体制強化のための投資を予定通り実施したため。

長期的な成長にはプラスと判断します。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):224%

自己資本比率(30%以上が望ましい):70%

短期的にも中・長期的にも安全性については問題はないと考えます。

堅実な経営がなされているようです。

効率性 

・有形固定資産回転率:15.64

IT企業にしては少し効率性が低いようにも感じます。

有形固定資産の内訳を見てみると約20億円の「土地」、10億円強の「建物及び構築物」となっています。

伝統のある会社だけに多くの資産を抱えているようです。

2 株主総会

⑴ 株主総会

第51回定時株主総会 2023年9月28日(木) 富士ソフトアキバプラザ

主な質疑応答

完全子会社についての質問がありましたが、そのようなことは無いとの回答でした。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役7名選任の件

・株主提案

会社提案については拍手を持って承認・可決され、株主提案については否決されています。

⑵ 株主還元    

配当

・2023年6月期:42円

・2022年6月期:38円

・2021年6月期:35円

・2000年6月期:30円

・2019年6月期:22円

増配が続いており有難いことです。

株主優待

12月末日の株主に対し、株数に応じたQUOカードがもらえます。   

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

株主還元を意識した経営がなされていることを評価します。

配当性向が50%でしかも増配が続いていることはありがたいことです。

また、2023年10月18日にdocomoによるTOBが終了し、その子会社となりました。

今後は、docomoの持つ9600万人の会員基盤と当社の持つ「データハンドリング」のノウハウによる相乗効果に期待しています。

⑵ 気になっていること

2023年6月期は増収でしたが計画は未達ということで、大口顧客の経営状況に業績が左右されることが明らかになりました。

景気の影響は仕方のないことかもしれません。

けれども、データ分析などによる価値創造によって、なるべく景気の変動の影響の少ないビジネスモデルを今後、構築できるかどうかが気になっています。

また、TOBについてはdocomoが公開買い付けを実施している期間は株高でしたが、その終了後は元の株価水準まで戻っています。

上場維持の場合のTOBについて、株価の推移の一例として覚えていて損はないと感じました。

4 まとめ

インテージホールディングスについて述べてきました。

伝統があり、かつ、市場調査分野で国内首位の会社。

しかも、株主還元を重視した姿勢も評価できます。

ただし、docomoの子会社となったことが当社にどのような影響を与えるのかは注視する必要があると思います(株価はTOBに伴い”行って来い”でしたが・・・)。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #インテージホールディングス

  

JDSC【4418】株主総会雑感(AIを核とした産業協調の強み)

初投稿:2023.9.28

こんにちは!

この記事は、JDSC【4418】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・東大と関係が深いAI会社

・PKSHAとはにて非なる会社

【目次】 

株主総会の会場 ソラシティ】

                       

1 JDSCについて

⑴ 会社概要

売上高19億円、総資産42億円、時価総額181億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは5.07倍と高評価です。

業種はSI ・ソフトウエア開発で時価総額順位は110/256社とのこと。

四季報ではブレインパッドPKSHAが比較会社となっています。

企業理念 

HPには私達が提供できる価値として

「利益に直結したAI活用サービス」

が掲げられています。

事業内容

下記の3つが事業内容です。

⚫️機械学習を活用したアルゴリズムモジュールの開発とライセンス提供事業

⚫️ITシステムの開発と運用事業

⚫️データサイエンスに関するコモン・コンサルティング事業

⑵ 株主になったきっかけ

6月決算企業を探していました。

東京大学との繋がりの深いAI企業ということで追い風を受けて成長するかもしれないと思い株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:51%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):4%

IT企業らしく粗利率が高い割には営業利益率は高くありません。

会社の説明によると人材確保・育成のために投資をしているとのこと。

成長投資についは一過性のものか計画的に今後も継続されているかどうかが気になるところです。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):601%

自己資本比率(30%以上が望ましい):86%

短期的にも中・長期的にも財務的には問題ありません。

会社の規模を考えて安全計数を高めに経営することは理解できます。

ただし、少し資本効率を高めても良いように思えます。

M&Aも積極的とのことなので、その点での成長を期待します。

効率性 

・有形固定資産回転率:31.02

全業種の平均が47.3(2021年)であることを考えると、更なる効率化の余地があると考えます。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第5期定時株主総会 2023年9月26日(火) お茶の水ソラシティ

受付でペットボトルに入った水をいただきました。

席にはプレゼン資料が配布。

集まった株主は比較的ベテランで30名を超えていました。

11時からの総会開始。

社長CFOから業績の説明と当社のコンセプトが配布資料に沿ってなされました。

事業の例として

・フレイル事業

・”船のかかりつけ医”的な事業

・メールカスタマーセンター事業

などの事例が紹介されていました。

ビジネスの構造は同じで業界が異なるので効率性とリスク分散が同時に達成しうる良いビジネスモデルだと感じました。

主な質疑応答

Q.リーン(社員30名)であるMCC社の買収について

A.損益分岐点、利益率、リスク共に低い会社である。

買収には攻めの部分があるが、グループ全体としてのシナジー効果があると考える。

Q.1号議案(減資)とM&Aの財源について

A.ご指摘のとおり節税による株主メリットもある。

M&Aの財源については借入金を考えている。

ただし、過剰にならないよう気をつけ、適正な資本構成に努める。

Q.大きく増減する社員数の推移について

A.ストックオプションの行使により大量の離職者が発生した。

離職者の中には起業を試みる者、フリーランスとして当社を支援する者などがいるが、当社のJoint R&Dという仕組みについては個別のコンテンツが重要であり、ノウハウが流出するリスクは少ないと考える。

それよりも、新規採用者の教育・育成により当社ビジネスの本質が損なわれないように留意することが重要。

Q.継続顧客60%の意味について

A.妥当と考える。

新規顧客40%によって各種分野における顧客分散がなされることで、リスク管理に資すると考える(1社に依存しすぎると何かあった場合は大変なことになる)。

Q.海外の人材の活用について

A.これまでに何人かのトライアルを実施してきたが、顧客とのコミュニケーションの問題から能力が十分に発揮されなかった。

海外人材の活用については引き続き検討する。

決議事項

・資本金の額の減少の件

・取締役5名選任の件

・取締役に対する株式報酬付与のための報酬決定の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、散会前に前役員から”ひとこ挨拶”があったのが印象的でした。

経営陣と株主の良好な構築に寄与していたと思います。

株主総会雑感

総会に参加するまでは、数多く存在する流行のAI企業としか思っていませんでした。

ただし、コンソーシアスムという結合する理論のビジネスモデルや株主との関係を大切にしようとする姿勢は評価されるものだと感じました。

将来が楽しみな会社と出会えて良かったと思っています。

⑵ 株主還元    

配当

なし

株主優待

なし 

自社株買い

2022年11月にM&Aを目的とした自社株買いが実施されています。

【会場 カンファレンスセンターへの入り口】

                 

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入ったこと

社長から社名のJDSCのCの頭文字であるコンソーシアスムというコンセプトの説明に関心を持ちました。

この指とまれということで、自社の能力だけではできないことを”産業協調”で実現するというのは素晴らしい発想だと思います。

当社の競争力の源泉となる可能性があり将来性に期待が持てます。

⑵ 気になったこと

気になったことを簡潔に列挙します。

・大量の離職や採用により組織文化やガバナンスはしっかりと醸成できるのか?

株主総会の時間が短かった(10時スタートを希望)

・コンソーシアムの良さがHPでは見つけられなかった。

・そもそも当社のHPは分かりにくい。

・役員のスーツの着こなしや身だしなみ、足で机の布を蹴る仕草

など。

今後、会社が成長することでステークホルダーとのコミュニケーションがますます重要になると思います。

その際、ノンバーバルコミュニケーション(非言語によるコミュニケーション)である、見た目(姿勢、服装、仕草、話し方等)で評価を落とさなければ・・・と気になりました。

⑶  PKSHAとの比較

以前、PKSHAの株主だったことがあります。

確か、起業時の役員がどんどん離職していき最後は一人になって、

「意思決定が早くなるからいいんだ!」

と社長が豪語していたと記憶しています。

そして株主総会の時には、信者のような若手株主によるヨイショの発言と、ベテランによる苦言が交錯し、カオスのような状態でした。

今考えると、PKSHAは基本的に社長の好みによる【排除の論理】が特徴だったと思います。

そして当社の株主総会

最初はPKSHAと同じだったらどうしようと懸念していました。

というのも、

・東大関

・AI企業

・上場後まもない

株主総会でミネラルウォーターの提供

株主総会でのプレゼン資料の配布

など共通点が多かったからです。

でもそれは杞憂だったと思います。

JDSCのJOINT R&Dがしっかりと社内カルチャーとして根付いているという前提に立てば、【結合の理論】が特徴となるからです。

PKSHAとは対極に位置するものです。

ということで、株主総会も有意義な審議ができていました。

参加して良かったです!

【会場でいただいたお水】

4 まとめ

JDSCについて述べてきました。

追い風の期待されるAI企業であることに加え、ビジネスモデルも良いものであると考えます。

ただし、まだ事業規模も小さく株主総会も5回目の会社なので、人員の増減他、いろいろなことがこの先も発生すると推察します。

それらの課題も含め、自社の強みを活かしながら成長を続けることを今後も注視していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

    

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #JDSC  #AI 

  

三井住友フィナンシャルグループ【8316】〜株主総会雑感

初投稿:2023.9.

こんにちは!

この記事は、三井住友フィナンシャルグループ【8316】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・業績は好調で配当も魅力

株主総会の議事運営には・・・

【目次】 

三井住友銀行本店ビル】

                      

1 三井住友フィナンシャルグループについて

⑴ 会社概要

売上高6.1兆円、総資産17兆円、時価総額9.8兆円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは0.74倍です。

市場からの評価は低レベルですが、金利上昇の流れを受けて上昇に転じているようです。

企業理念 

下記の通りです(会社のHPから抜粋)。

少し冗長な表現のようにも感じますが、しっかりとした経営理念と思います。

その点、新中期経営計画で語られた、fulfilled grouth(幸せな成長)というコンセプトはシンプルかつインパクトがあって良いと思います。

セグメント

下記の3つに事業区分がなされています。

・銀行業

・リース業

・その他事業者

⑵ 株主になったきっかけ

日銀政策(金利上昇)を踏まえて銀行業に注目していました。

すでにMUFGの株主を長くしていましたが、もう一社ということで当社の株式をNISA口座で2022年に購入し、含み益を維持し続けています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高経常益率:19%

数値から収益性は高いと考えます。

さらに、三井住友信トラストホールディングスが16%、MUFGが11%に比べても高収益なビジネスを展開していると推察されます。

安全性

自己資本比率(30%以上が望ましい):36%

銀行業は借りたお金をそのまま貸すだけなので一般に自己資本比率は低めです。

資本効率が悪いと思われるくらい安全性については高い数値が出ています。

ちなみに、三井住友トラストホールディングスが4%、MUFGが5%です。

効率性 

・有形固定資産回転率:87.64

こちらも、有形固定資産については効率的な経営がなされていると考えます。

ここでも同様に、三井トラストホールディングスが8.17、MUFGが7.51であることと比較することで一桁高い効率性となっていることが分かります。

2 株主総会

⑴ 株主総会

第21期定時株主総会 2023年6月29日(木) 三井住友銀行本店ビル

ライブ配信を視聴しました。

主なポイントは下記の通り。

・前中期経営計画の目標は達成

・不祥事等の課題も浮き彫りに

パラダイムシフトの時代において戦略は変えずに戦術は見直していく

・前中期において50円の増配

・財務目標として、当期純利益は25年度末に9000億円、28年度末に1兆円を目指す

・配当性向40%、累進配当制

など。

また、気候変動リスクを定款に入れることについての株主からの補足説明とそれに反対する会社の説明がありました。

会社の反対理由のポイントは下記の通り。

・定款に個別具体的な事項を入れることは馴染まない。

・気候変動対策が変更された際に対応するには株主総会が必要であり機動的な対応ができない。

・シナリオと整合しているかどうかというのは主観的であり適切ではない。

主な質疑応答

【事前】

Q.気候変動への取り組みについて

A.脱炭素等しっかりと取り組んでいる。

Q.投・融資における人権配慮について

A.コンプライアンスに基づきしっかりと配慮している。

Q.日銀の金融政策の影響(金利上昇)について

A.当社の業績にとって金利上昇はプラスであるが、景気への影響(景気を冷やす効果)の面も含め注視し、適時、適切な対応をとる。

Q.欧米の金融機関の破綻の影響について

A.当社に重大な影響はなかった。

Q.ロシアのウクライナ侵略の影響について

A.減損があったが軽微な影響にとどまっている。

Q.配当について

A.累進的配当を実施しており、増配を目指していく。

なお、期末配当については株主の方の関心も高いことから株主総会で決めるようにしている。

Q.PBR1倍割れ対策について

A.事業をしっかりすることでPBRを向上させて行きたい。

Q.社外取締役の当社の株の保有について

A.当社の株の有無に関わらずしっかりと職務を果たしている。

Q.女性役員の登用について

A.多様な人材を取り入れており、女性の登用についても積極的に実施している。

Q.SMBC日興証券コンプライアンス強化について

A.所要の組織を新設し、それらが機能するよう当社としてもサポートしている。

Q.労務管理について

A.適切に実施している。

Q.SMBCにおける本人確認について。

A.適切に実施している。

【会場】

Q.バイオマス発電に対するプロジェクトファイナンスの禁止について

A.バイオマス発電融資については経産省のロードマップに従って融資を実施している。

トランジション技術、国際的なコンセンサス等を踏まえると一律禁止するのは不適切と考える。

Q.株式分割について

A.貴重なご意見ありがとうございます。

適切に対応して行きます。

Q.気候変動への対応は重視していないのか?

A.重視しており、当社マテリアリティの1項目めに入っている。

Q.当社グループから社宅として借りたい通知が来たがその後音沙汰がない

A.個別具体的な事案については別途調整させていただく。

Q.マンションの管理組合費である2.2億円が引き出せなくて困っている。

A.当社は本人確認、権限確認を重視している。

前理事長と新理事長の同意が必要という社内規定に基づいた処置である。

個別具体的なことについては担当者と細部調整させる。

Q.石炭火力発電所の新規融資はしないのか?

A.プロジェクトファイナンスおよびコーポレートファイナンス共に禁止している。

Q.SMBC日興証券へ郵送した健康保険証の書類の写しについて

A.個別案件については別途調整させていただく。

なお、SMBC日興証券は当社グループの重要な子会社と認識。

Q.石油・ガスセクターの融資禁止について

A.一律禁止は適切ではない。

ネットゼロについてはさまざまな道があり、技術革新やエネルギー事業を踏まえて適切に実施することが妥当と考える。

Q.SMBC日興証券の不祥事に対する説明が紙二枚では辛いのではないか?

A.重く受け止めており、所用の対策を今後も講じていく。

Q.Plan for Fulfilled Growthというのは道は一つという意味か?

A.様々な道を一つの計画にまとめたという意味である。

Q.自宅のパソコンから会社にメールを送ったことに対する家宅捜査は人権侵害では?

A .当社は人権を重視し法令等を踏まえて適切に対応している。

Q.東南アジア投資の状況について

A.インドネシア、インド、フィリピン、ベトナムに投資をしている。

2〜3年ではなく10〜15年単位での成長を見込んでいるが、現在のところよくやっていると認識している。

Q.バイオマス発電について

A.すでに回答した通りだが、国際的なコンセンサスができていない状況で、一部の意見だけに基づいて判断するのは妥当ではない。

Q.大阪IRのファイナンスの赤字について

A.個別のプロジェクトファイナンスについては状況を注視し総合的に判断している。

Q.取締役の選任について

A.出身母体に関係なく、本人の適性で判断している。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役15名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、最後に新役員の紹介がありました。

株主総会雑感

議長による議事運営がちょっと雑だったように思います。

質問者は受付番号を明言し一人1問とするように言っていたのに、番号を言わない人が複数名いたり、一人で3問も質問している人もいたからです。

毅然とした対応ができていませんでした。

他の株主総会では、株主の方の公平な観点から質問を一つに絞るようなは働きかけが議長からあるのが普通ですが、今回はそのような対応は皆無。

そもそも、質問についても議長が一方的に簡単かつ抽象的に答えており、担当者からの回答は1件もありませんでした。

ステークホルダーとの意見交換が上手ではありませんでしたし、見ていてあまり気持ちの良いものではないです。

毅然とした態度は相手からの信頼を得る基本です。

もっとも、株主からの質問も気候変動のことと、個人的な問題についてのことが大半で、会社の企業価値を高める趣旨の質問は残念ながら少なかったです。

そのあたりの株主総会の議事運営については今後、大きく見直していただくことを希望します。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

累進配当制ということで株主にとってはありがたいことです。

・2023年3月期:240円

・2022年3月期:210円

・2021年3月期:190円

・2020年3月期:190円

・2019年3月期:190円

株主優待

なし

自社株買い 

適時実施

三井住友銀行本店東館】

                

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

金利上昇という追い風が吹いています。

そして、比較的高配当(配当利回り3.38%)かつ累進的配当、さらにPBR1倍割れ解消という取り組みもなされています。

その意味で、インカムゲインキャピタルゲインの両方が期待できます。

日本を代表するメガバンクでもあり、安心してホールドできそうです。

⑵ 気になっていること

配当支払日については気になりました。

株主からの説明で株主の関心が高いことを踏まえ株主総会の審議を経て6月の29日以降に支払うという説明がありました。

でも、当社が説明しているように、株主は総会での審議を本当に望んでいるのでしょうか?

実は、同じ3月決算のトヨタは5月26日に期末配当が支払われていました。

配当金の支払いが早いことも株主重視と言えると思います。

株主総会で剰余金処分の件を審議してから配当をもらうことを重視する株主と、反対に審議なしで1ヶ月早くもらうことを重視する株主の割合について、気になりました。

4 まとめ

三井住友ファイナンシャルグループについて述べてきました。

インカムゲインキャピタルゲインの両方に期待を持っています。

ただし、株主総会での議事運営要領についてはもう

「少しなんとかならないのか?」

と気になりました。

金融業は信頼が第一。

ステークホルダーからの信頼を深めつつ、着実に結果を残す経営を期待します。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

    

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #三井住友フィナンシャルグループ #SMBC

  

メディカルネット【3645】〜ビジョンがしっかりした成長企業

初投稿:2023.9.3 

こんにちは!

この記事は、メディカルネット【3645】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・歯科を対象としたワンストップサービスの提供

・成長性と投資のタイミングについて

【目次】 

株主総会の会場にて】

                       

1 メディカルネットについて

⑴ 会社概要

売上高45億円、総資産34億円、時価総額38億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは1.68倍です。

グロース銘柄のIT企業としては、ちょっと物足りなく感じます。

四季報によると業種はメディアとなっていて、比較企業はぐるなびクックパッドが挙げられていました。

時価総額順位は104/139と下位に位置づいています。

企業理念 

下記の3つによって構成されています。

一般に、良きビジョンは曖昧さが管理されていて、社員の価値創造性を刺激するものと言われています。

当社の場合、「革新的なサービス」というのがキーワードになって、さまざまなアイデアが社員から上がり得るように感じました。

なお、ミッションステートメントブックもさらっっと閲覧しましたが、経営者の考えが個別具体的に捕捉されており、非常に良いと思いました。

⚫️ミッション(社会的存在意義)

インターネットを活用し 健康と生活の質を向上させることにより笑顔を増やします。

⚫️ビジョン(目指す姿)

生活者・事業者に革新的なサービスを提供し続け、歯科医療プラットフォームビジネスにおいて国内トップ企業となります。

⚫️バリュー(組織的価値観)

変化なくして進歩なし あくなき挑戦である

セグメント

大きく3つの柱から構成されています。

⚫️メディア・プラットフォーム事業

⚫️医療機関経営支援事業

⚫️医療 Bto B事業

⑵ 株主になったきっかけ

日本証券新聞のIR活動を通じて当社のことを知りました。

歯医者さんといえば虫歯治療としか思っていませんでした。

プレゼンで今後の歯科は健康全般、ひいては健康寿命の増進につながる可能性があると伺いびっくり。

そのような健康の重要性について共感するとともに、5月決算銘柄ということで株主となりました。

⑶ 経営分析

業績は増収・減益。

これはほぼ計画通りであり、しかも来期も続く見通し。

そのようなことを織り込んだのか、株価も軟調です。

収益性

・売上高総利益率:40%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):8%

粗利率は高いです。

原価が低い、メディア・プラットフォーム事業が稼いでいるおかげだと考えます。

それに比べて営業利益率は高くはありません。

販管費(コスト)が高いためです。

決算説明会の動画では、成長投資を継続しているので利益率は計画通りとのこと。

ちなみに、事業投資(ブランド力強化)と人材投資(中途、新規採用)に今後も注力し続ける計画のようです。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):171%

自己資本比率(30%以上が望ましい):56%

安全性については短期的にも、中・長期的にもあまり心配しなくても良さそうです。

効率性 

・有形固定資産回転率:40.39

比較的高い数値であり効率的な経営がなされていると考えます。

インターネット活用により有形固定資産への投資は最小限となっていると推察します。

2 株主総会

⑴ 2023年6月の株主総会

第22回定時株主総会 2023年8月30日(水) トスラブ山王健保会館

11時から始まり昼頃の終了しました。

株主からの質問はサーバーセキュリティについてですが、所要の対策を講じていることとなどの回答がありました。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役1名選任の件

監査役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通り。

少し乱高下しているように思います。

・2023年5月期:2.5円

・2022年5月期:4円

・2021年5月期:8円

・2000年5月期:1.5円

・2019年5月期:2円

株主優待

100株以上を1年以上保有の株主に対してQUOカードがいただけるようです。

株主総会会場の入り口にて】

               

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

個人的にも歯の重要性は重く受け止めています。

健康寿命を伸ばすために毎日フロスをかかさずにしているほどです。

ニッチ(?)な業界のリーディングカンパニー的な位置付けで、成長著しい会社というのも将来性が感じられます。

さらに、M&Aを積極的に実施していこうとする姿勢も評価ポイントが高いです。

⑵ 気になっていること

気になったのは、投資を強化するタイミング。

下記の決算説明資料では、トップラインが24年度は50億なのに対して25年度は100億円と倍増(急増)しています。

それならば、資金効率を考えると

「23年度の今から買うより、1年後ぐらいから投資を強化したほうが合理的なのではないか?」

と思ってしまいました。

まさに、「取らぬ狸の皮算用」!!

業績も株価も目が離せませんね。

【決算説明資料より 24年度から25年度のトップラインの伸びが著しい!】

4 まとめ

メディカルネットについて述べてきました。

IR説明会を通じて会社を知り、株主となって成長性の高さは実感しています。

ただし、やはり売上高も時価総額も100億未満であり、かつ、大株主も個人名が列挙されているということで株価はちょっともたついているようにも感じています。

けれどもそのような状況について会社は25年度に打破する計画で頑張っています。

そうなればダブルバーガー(株価2倍)ぐらいは期待できるかもしれません。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #メディカルネット #歯科

  

佐鳥電機【7420】〜株主総会雑感(物売りから事売りへ)

初投稿:2023.8.29

こんにちは!

この記事は、佐鳥電機【7420】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・物売りから事売りへ

・バーチャルオンリー株主総会への懸念

【目次】 

株主総会の会場となったベイサイドホテル アジュール竹芝】

                      

1 佐鳥電機について

⑴ 会社概要

売上高1463億円、総資産815億円、時価総額279億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは0.76倍です。

市場からの評価は芳しくありません。

企業理念 

企業理念等は下記の通りです。

よく考えているとは思いますが、少し表現が冗長で社員の方にどこまで浸透しているのかちょっと気になりました。

Visionとはある意味、社員の方の創造性発揮の源泉だと考えていますが、「サステナビリティソリューションカンパニー」についての様々なアイデアボトムアップされることを期待します。

⚫️Mission

エレクトロニクスを通じて、豊かに満ち溢れた幸福を希求し、グローバルにより良い会社の実現と発展に貢献します。

⚫️Vision

産業、インフラ、モビリティ業界に対する深い知見を生かし、IoTとデータアナリティックの技術力を成長度ドライバーにして、お客様と社会課題を解決する「サステナビリティカンパニー」を目指します。

⚫️Value

「Who is The First Penguin?」

顧客や市場のウォンツをいち早くキャッチし、自らビジネスモデルを創造します。

常に多様な意見を取り入れ、常に変革を求め、常にプロフェッショナルとして、「個の成長」と「集団の成長」を実現します。

そういう人を佐鳥は大切にします。

セグメント

セグメントを2つから4つに変更したとのことでした。

これにより、収益の柱がより大きくなることを期待します。

・産業インフラ事業

エンタープライズ事業

・モビリティ事業

・グローバル事業

⑵ 株主になったきっかけ

5月に決算企業、高配当株、半導体の業績に明るいものを感じて1年前に株主になりました。

含み益もあり好調に推移しています。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:8%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):2%

収益性は高くはありません。

会社の業績説明や質疑応答から、物売りから事売りにビジネスモデルを変換していく過程において、収益性を向上させていくとのことでした。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):180%

自己資本比率(30%以上が望ましい):43%

短期的にも中・長期的にも顕著な問題はないと考えます。

ただし、TOBの実施など資本政策については注意を要すると考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:48.71

全業種及び卸業との比較においても顕著な差異はなく平均レベルの効率性と考えます。

ちなみに、同じく半導体商社の菱洋エレクトロニクスの有形固定資産回転率は一桁良かったと思います。

株主総会の案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

2023年5月期 定時株主総会 2023年8月23日(水)

ベイサイドホテル アジュール竹芝14階「天平

受付にて冷えたお茶をいただきました。

主な質疑応答

【事前】

Q.インド戦略について

A.インド市場は成長は著しいが、難しい市場であもる。

SMエレクトロニクス社を通じて事業展開していく。

まず、2輪、3輪を中心に初め、将来的には技術力を活かした事業に繋げていきたい。

Q.株主還元について

A.TOB(自己株式の公開買い付け)を行ったことは資本効率を向上させるためである。

配当性向は50%とし、業績連動型としている。

Q.新人事制度について

A.サステナビリティソリューションカンパニーになるための制度改革である。

社員にとって時代にあった働きやすい職場環境を作っていく。

Q.バーチャルオンリー株主総会ISS社が反対推奨について

A.対面の株主総会が恒久的になされないというのは、誤った認識である。

恣意的な運用はせず、株主の権利を守っていく。

【会場】

Q.サイバーセキュリティについて

A.情報セキュリティ基本法個人情報保護法に基づき、所要の処置を講じている。

具体的には、ファイアーウォールの導入、クライアント&サーバー方式のPC、データの暗号化などを徹底している。

Q.当社の過去の議事録を確認する際、コピー機の持ち込み等で大変苦労した

A.不快な思いをさせてしまい申し訳ないが社内規定に従ったものでご理解いただきたい。

Q.RIC(ガバナンス関連の指標?)の開示と市場との対話をもっと重視して欲しい

A.貴重なご意見として承った。

Q.スライドの株主数と招集通知の株主数の差は

A.スライドは議決権を有する株主(単位株)であり、招集通知は単位未満を含む株主数である。

Q.2030年の成長ドライバーたるデータアナリティクスの社員とは?

A.勘や経験に頼らずデータに基づく仕事をしていこうという趣旨である。

具体的な社員の人数までは把握していない。

Q.収益性の向上策について

A.成長していく市場(モビリティ、産業インフラ)にリソースを重点投資していく。

併せて”物売り”から”事売り”へビジネスモデルを転換することにより収益性向上を目指す。

具体的な目標値については、2026年中期経計画の中で示したい。

Q.女性役員の活躍について

A.東証から2030年までに取締役の3割を女性にするというハードルの高い要請を受けて対応している。

現在、生え抜きの女性社員が執行役員として子会社の社長として勤務している。

Q.株主数について議決権を有するものとそうでない者の過去の数値の2割の乖離について

A.調査の上、回答する。

Q.女性専用のスペースについて

A.トイレや更衣室は別であるが、就業スペースについては業務の活性化等の理由で専用スペースは設けていない。

Q.チャイナリスクについて

A.サプライヤーや顧客の中で中国離れが生じていることは承知している。

一方で、成長率が高く、地場で取り組まれているビジネスとも考えている。

当社は中国を離れても顧客のサポートを継続できるよう柔軟に対応していく。

Q.投資有価証券の売却について

A.事業に関係している企業の株式を保有している。

今回の売却は、関係が希薄化している会社4社の株式を売却したものである。

今後も、保有株式の見直しを図り、取締役会の決定をへて所要の売却を実施していく。

Q.大株主である加賀電子との関係について

A.純投資である。

仕事上の深い取引はない。

Q.修正動議(1号議案について、「場所を定めて実施することが困難な場合」を追記)

A.承知した。

Q.加賀電子TOBに応じた理由について

A.他社に関することなのでコメントは控える。

決議事項

・定款一部変更の件

・取締役5名選任の件

拍手を持って、承認・可決されました。

修正動議については否決。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

・2023年5月期:70円

・2022年5月期:62円

・2021年5月期:30円

・2000年5月期:38円

・2019年5月期:38円

業績連動型なのでブレがあるのはやむを得ないかもしれません。

ただし、同じく業績にブレのあるNTTデータなどは過去5年間の業績の平均に連動させることにより安定性を重視しています。

株主優待

なし   

株主総会会場でいただいたお茶】

              

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

一番感心したのが物売りから事売りへのビジネスモデルの転換の方針を出していること。

日立製作所などがその代表ですが、進むべき方向としては正しい選択だと思います。

ただし、組織文化を含め社内がどれだけ変われるかについてはよくモニターしないといけないと思います。

⑵ 気になっていること

やはりバーチャルオンリー株主総会を可能にする定款変更気になりました。

動議を提出して反対した株主程ではありませんが、当社の印象が明らかに低下しました。

バーチャルオンリー株主総会の定款を変更した会社であっても

「・・・来年以降も、対面の株主総会を実施する予定だが、将来パンデミックが生じた事態に備えるものである。・・・」

のような、補足説明がされることが大多数でした。

今回、議長からそのような説明もなかったため、下手をすると来年以降、ずっとバーチャルオンリー株主総会になりかねない懸念を持ちました。

【14階「天平」からの眺望】

4 まとめ

佐鳥電気について述べてきました。

配当も良く業績もこれまでのところ順調に推移してきました。

さらに、物売りから事売りへのビジネスモデルの転換も期待できます。

ただし、PBRが低いということや株主総会でバーチャルオンリー株主総会に対して動議が提出されるなど、ステークホルダーとの関係の改善余地もありそうです。

業績の変動が大きい業界であることも踏まえ、注意深く株価をモニターして行きたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #佐鳥電機 #半導体