こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

イオンフィナンシャルサービス【8570】〜不祥事後の株主総会

初投稿:2025.6.11

こんにちは!

この記事は、イオンフィナンシャルサービス【8570】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・イオンカードの不正利用や金融庁による業務改善命令について

・全般的には冷静かつ企業価値向上に前向きな株主総会での審議

【目次】 

【株主総会の会場となった神田スクエア】

                      

1 イオンフィナンシャルサービスについて

⑴ 会社概要

イオン系の金融サービスを統括する会社です。

売上高5332億円、総資産7.7兆円、時価総額2753億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは0.59倍と低い評価です。

企業理念 

当社の存在意義をOur Purposeとして下記のように定めています。

「金融をもっと近くに。一人ひとりに向き合い、まいにちのくらしを安心とよろこび で彩る。」

わかりやすく共感が持てます。

ただし、業務改善命令を踏まえると、パーパスに足りないことがあったのか、パーパスの周知徹底がなされていなかったのかについて、組織文化という観点から何らかの見直しがあっても良いように感じました。

セグメント

大きく国内と国際に大別され

・国内:リテール、ソリューション

・国際:中華圏、メコン圏、マレー圏

に分かれています。

業績に与える影響が小さいとはいえ、米中対立を踏まえると中華圏の今後のビジネス展開に懸念が感じられました(”対処すべき課題”にも言及あり)。

⑵ 株主になったきっかけ

イオングループ、高配当(配当利回り4%以上)、金融系ということで当社に関心を抱きました。

⑶ 経営分析

基本的には増収・増益で業績は悪くはありません。

ただし、特別損失90億円が発生しています。

収益性

・売上高営業利益率(10%以上は優良株):12%

利益率は高く、金融機関らしく高収益なビジネスモデルと考えます。

安全性

・流動比率(100%以上が望ましい):118%

・自己資本比率(30%以上が望ましい):8%

不祥事があったにも関わらず、金融機関ということもあり株主総会の質疑応答を踏まえると安全性については大きな懸念事項はないと推測しています。

効率性 

・有形固定資産回転率:15.45

多くの主要金融機関の回転率が二桁ですが、当社も同等のレベルの効率性を有していると考えます。

 

【株主総会の案内板】

2 株主総会等

⑴ 株主総会

第44期定時株主総会 2025年5月23日(金) 神田スクエア

受付横にて手のひら認証のデモが実施されており、先進的な取り組みについての意気込が感じられました。

会場内のスクリーンでは当社関連のCMが流れており好感が持てました。

ネット配信がされていましたが、広い会場内には数十人の株主が集っておりその意味では”ふつう”の総会の様相でした。

ただし、総会開始後は、イオンカード不正利用や金融庁からの業務改善命令(マネーロンダリング対策関連)についての陳謝で始まり、重苦しい雰囲気も感じられました。

イオン利用者としてはWAONとイオンペイの融合の話もあり、より利便性が高まることへの期待が高まっています。

主な質疑応答

【事前】

Q.株主還元について

A.適切な水準を踏まえて安定的な配当に努める。

また200株以上の株主についてはイオンラウンジの会員証を発行している。

Q.イオンカードの不正利用について

A.フィッシングメールによるものであり、当初は抑止対策が遅れたが今はしっかりと対応している。

Q.非上場化について

A.上場していることによる適切な外部視点が大切と考える。

【会場】

Q.フィッシング詐欺対策に対する顧客に対する啓蒙活動について

A.名前を明記するなど認証を明確にして対応している。

Q.他のネット銀行との差別化について

A.イオン銀行は全国に支店があり1年365日対面が可能である。

対面による顧客対応で安心・安全を、ネットによる利便性を提供できるのが当社の強み。

Q.直近の当期純利益の落ち込みについて

A.イオンカード不正利用に関連する特別損失等の影響が発生した。

現状はカバナンス強化で守りを固めるフェーズと考える。

金利のある世の中の中で攻めに転じる計画である。

Q.金融庁による行政処分の受け止め方について

A.極めて厳しいものと深く反省している。

業務改善計画を実施しているが、カルチャーの部分にまで踏み込む必要があると認識。

Q.債権価格の下落に伴う含み損について

A.含み損は存在するが、大きなダメージはない。

Q.アジアの景気の動向(信用リスク)について

A.基本的に個人の買い物やキャッシングに対して与信を与えているが、景気動向を踏まえ、しっかりと注意深く対応していく。

Q.スキルマトリックスがないことについて

A.取締役の選抜は、独立性、専門性、多様性を踏まえて実施している。

スキルマトリックスという形で言語化はできていないが、1年1年全力を出し切れる人物をしっかりと選出している。

Q.国債意外に金や暗号資産のようなものに対する投資について

A.金利がつく時代を踏まえ、預かったをお金をしっかりと運用していく。

投機的な商品についての貴重なご意見と承る。

Q.不正利用がイオンカード利用者の解約に与えた影響について

A.報道により退会者数は増加したが、半年の期間で集計すると前年と差はほとんどなかった。

よって、最初から退会を考えていた利用者が、報道をきっかけに集中しただけだと分析している。

また、不正防止のため、名前入りのメール、アプリの利用、店頭やコールセンターの活用、絵文字を用いた認証などさまざまな対策を今後も取り続けていく。

決議事項

・取締役11名選任の件

・監査役2名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、新任者の紹介も行われています。

⑵ 株主還元    

配当

・2025年2月期:53円

・2024年2月期:53円

・2023年2月期:53円

・2022年2月期:50円

・2021年2月期:34円

・2000年2月期:68円

・2019年2月期:68円

株主優待

株主優待はありませんが、200株以上の株主に対してはイオンラウンジの会員証がいただけるようです。 

【総会会場の外観】

                

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

株主総会に参加して、株主からの質問も会社の企業価値向上に関する真面目なものが多く、それに対して経営陣も真摯に回答していたと思いました。

そのような意味では、参加して良かったと思います。

また、今回の不祥事が会社のガバナンス強化、ITに関する積極的な取り組みなどに繋がれば、長期的には株価の向上も期待できると思いました。

そして、親会社のイオンがイオンモールやイオンディライトを成長ドライバーとして完全子会社化したように、問題解決の暁には、当社においても同様な状況が訪れるかもしれないですね。

⑵ 気になっていること

経営陣の審議における回答については少し緻密すぎるような印象を受けました。

お役所”あるある”かもしれませんが、もう少し”丸めて”迅速かつ包括的な対応もアリかもしれないと感じました。

そうすることが、限られた経営リソースをより効率的に活かすことへの第一歩に通じると思います。

社長が官公庁出身ということもあるかもしれませんが、インペックスの社長も同じく官公庁出身なので、バックグラウンドというよりは、経営トップの姿勢の問題のように捉えています。

今後の奮起に期待します。

4 まとめ

イオンフィナンシャルサービスについて述べてきました。

イオングループ、高配当、金融企業ということで期待していましたが、金融庁の行政処分を受けてどのように立て直すかに注目しています。

株主総会に足を運び、ステークホルダーとしての株主や経営陣の様子を踏まえると、時間はかかるかもしれませんが、立て直しは可能だと感じました。

手のひら認証のデモなども将来の成長ストーリーをアピールする良い取り組みだと思いました。

また、イオンの株主総会でもまず当社の不祥事についての陳謝が冒頭行われたことが象徴するようにグループとしての対応にも着目していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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