こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

Key Holder【4712】〜株主総会雑感

初投稿:2024.4.18

こんにちは!

この記事は、Key Holder【4712】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・総合エンタテイメント事業

・地下アイドルのように応援したくなる会社

【目次】 

株主総会会場のガーデンホールの入り口】


                      

1 Key Holderについて

⑴ 会社概要

四季報では、SKE48、乃木坂46物販等エンタメ、広告、映像制作のクリエイティブ企業とあります。

個人的にはWOWOWのお気に入りのドラマの制作に関わっている会社という印象が強い会社です。

売上高275億円、総資産272億円、時価総額183億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは0.89倍と苦戦しています。

企業理念 

”豊さの創造”

とあります。

エンタメを扱う会社らしくて好感が持てます。

なお、社名のKeyはステークホルダーの心や企業を、しっかり掴む(Hold)したいという願いが込められているとのことです。

セグメント

下記の4つの事業を展開しています。

・総合エンターテイメント事業

・映像制作事業

・広告代理店事業

・その他事業(不動産賃貸事業)

上記の事業間のシナジーがどのようになっているのかについて気になりました。

⑵ 株主になったきっかけ

12月決算で、業績が良く、エンタメというこれまで馴染みの薄い事業について関心を持ったため、年末に株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:17%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):7%

業績としては増収増益ですが、収益性はあと一歩というところだと思います。

そのあたりが、PBRの低さに繋がっていると考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):134%

自己資本比率(30%以上が望ましい):72%

短期的にも中・長期的にも問題はありません。

取締役候補者のスキルマトリックスの項目の中にM&Aが入っていることからも、恵まれた資本を活かしてどのようなM&Aを展開するかどうかに注目しています。

効率性 

・有形固定資産回転率:29.35

サービス業についての有形固定資産回転率のAIによる判定では5.8ですが、検索の結果では一桁多い回転率を示すサイトも少なくありません。

現状では「建物」へのミニマムな投資がなされていると考えます。

なお、不動産賃貸業も営んでいるとのことで、投資不動産も有形固定資産とほぼ同額が計上されています。

【案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

若い女性による司会が印象的でした。

社長からは

・自社株買いについての報告

・総合エンターテイメント事業としての事業展開

・海外案件の期ずれの問題(TOKYO VICE?)

・10円配当

・リラクゼーションスパの株主優待

などについての報告がありました。

主な質疑応答

Q.SKE等の購入する意思のない人のチケット応募対策について

A.所要の策を講じる。

Q.(Jトラストの株主より)Jトラストとのシナジーについて

A.シナジーを出すよう尽力する。

Q.アルタ閉店に伴うKey Studioの営業終了について

A.アルタを所有する伊勢丹の判断である。

Kye Studioは当社のルーツであり影響は大きい。

今は利益が出てしっかりやっていける代替スタジオを模索中である。

Q.新しいファンの獲得について

A.ご指摘のとおり、小中高生が足を運びやすくなるよう努める。

Q.秋元氏の作品の遅れに対する対策いついて

A.秋元氏が全てを確認しながらやっている。

よって、タイミングによっては延期も有り得る。

スタッフによるバックアップ体制には引き続き最善を尽くす。

Q.新規の人が個別握手会にどうやって参加していいかわからないことについて

A.マネジメントとファンの交流会に着目してより良くしていく。

Q.利益の2/3を稼ぎ出す乃木坂46をもっとアピールすべきでは?

A.乃木坂46についてはSONYと50%づつの出資でありすり合わせが必要。

グループとしてのCM等常日頃から効果的なPRを考えている。

Q.配当政策について

A.配当性向の市場平均は40%だが、当社は17.7%。

成長のためのM&Aなども考慮しつつ、内部留保を続けながら利益が出た場合に還元する方針。

Q.株主還元(減配にならないように)について

A.貴重なご提案ありがとうございます。

Q.男性アイドルグループについて

A.秋元氏と共に検討中である。

ジャニーズ事案があったが、次なる一手の一つとして考えている。

Q.女性アイドルの不祥事に対するペナルティについて

A.タレントは従業員ではない。

事案についてはケースバイケースで対応する。

なお、所要の教育、コミュニケーション、マネジメントについては引き続き徹底していく。

Q.いい会社なのにそのよさを伝える努力が足りないのでは?

A.ご指摘ありがとうございます。

IR等に注力します。

決議事項

・剰余金処分の件

・取締役6名選任の件

監査役1名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記のとおりです。

・2023年12月期:20円

・2022年12月期:10円

・2021年12月期:10円

・2000年12月期:10円

・2019年12月期:1円

配当を続けており、しかも増配基調なのは評価できます。

株主優待

6月末の株主に対して、600株以上で株数に応じてリラクゼーションサロンで利用可能なチケット(22、000円分/100分)がもらえます。

自社株買い 

内部留保を利用した自己株式の取得などを実施しているとあります。

また、株式を活用したM&Aも活発に実施しているようです。

【ガーデンホール出口の様子】

               

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

株主総会では、会社を愛する株主が多く建設的な提案が多かったように感じました。

参加していて気持ちの良い総会でした。

アイドルを応援する勢いで、当社の株主となり、さらに親会社のJトラストの株主になったような株主さんもいらっしゃったように思います。

ある意味、親会社のJトラストの社長さん以上に当社の良さを理解している株主もいるのではないかと感じました。

自分のような”にわか”株主と違って、当社とそのタレントを知り尽くした方の意見は投資をする上でとても参考になりました。

⑵ 気になっていること

株主総会で最後に質問された方の

”良い会社だけどIRが足りてないのでは?”

という指摘が当社の現状をよく物語っているように思いました。

配当政策にしても、今期の減配予想?の影響を少し甘く見ているのではないかと気になっています。

市場はネガティブな情報には敏感です。

東証も株価を意識した経営を推奨しています。

配当一つとっても株価に与える影響をよく考えて社名通りの真摯で丁寧な経営を期待します。

4 まとめ

Key Holderについて述べてきました。

初めて株主総会に参加して伸び代の多い会社だと感じました。

アイドル同様、会社を”推し”たくなる株主の気持ちに少し触れることができたかもしれません。

来年の株主総会にも参加したいと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #

  

Jトラスト【8508】〜株主総会雑感(いろいろな株主)

初投稿:2024.4.9

こんにちは!

この記事は、Jトラスト【8508】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・金融事業についていろいろ学べる

・個性豊かな株主

【目次】 

株主総会会場前の眺望】

                      

1 Jトラストについて

⑴ 会社概要

四季報では保証、債権回収、アジアの銀行等で構成する金融グループとあります。

テレビのCMで「・・・H、I、JTB証券🎶」もグループ企業です。

売上高1142億円、総資産1750億円、時価総額616億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは0.41倍と低評価です。

企業理念 

下記の企業理念が掲載されています。

Jトラストらしさというか、金融事業に限らず、どの企業でも通じるような内容に思えて仕方がないのですが・・・。

「お客様のため、株主様のため、私たち自身のため、いかなる時も迅速に、誠実にチャレンジし続け、皆様とともに世界の未来を創造します。」

なお、行動理念は下記のとおりで企業名の由来はよく理解できました。

J:Justice(公正)

T:Teamwork(組織力

R:Revolution(革新性)

U:Uniqueness(独自性)

S:Safety(安心)

T:Thankfulness(感謝)

セグメント

・日本金融事業

・韓国及びモンゴル金融事業

・東南アジア金融事業

・不動産事業

・投資事業

・その他の事業

⑵ 株主になったきっかけ

株主優待の拡充のニュースがきっかけとなって関心を持ちました(実際は使えていませんが)。

12月決算企業であり、株価もお手頃価格だったことから2023年末に株主となっています。

⑶ 経営分析

収益性

売上高営業利益率(10%以上は優良株):7%

収益性は少し物足りない気がします。

ただし、ここ数年間で赤字から黒字へと転換していることを踏まえると良い方向に向かっている面もあると考えます。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):326%

自己資本比率(30%以上が望ましい):72%

短期的にも中・長期的にも問題ありません。

むしろ、資本の効率化が求められるレベルだと思います。

効率性 

・有形固定資産回転率:672.91

高い数値で、有形固定資産については効率的な経営がなされていると考えます。

金融グループらしく、土地や建物にはミニマムなコストを徹底しているようです。

【案内板】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第48回定時株主総会 2024年3月26日(火)恵比寿ガーデンプレイス

雨の中の株主総会でした。

受付で傘を預かっていただくご配慮は良かったと思います。

社長から増収増益である旨の事業報告と、不動産事業は新セグメントとしたことの説明がありました。

主な質疑応答

Q.ゼロ金利解除の影響について

A.日本金融事業において、貸出補償業務については価格転嫁が可能。

金利水準は多少上がる程度なので現状ではあまり影響はない。

また、海外においては円安の影響は認識している。

Q.詐欺事案について

A.事案については裁判中であり、かつ、世界各国で対応中である。

ご心配をおかけして申し訳ない。

社長が暴走しないような取締役によるチェック体制は構築している。

シンガポールに拠点を持つ悪意を持った粉飾決済集団にうまくやられてしまい、現在は回収中である。

同じ失敗はしないように心がけるが、チャレンジは必要と認識している。

Q.韓国金融事業の苦戦について

A.3年前までは順調だったが、米国の金利上昇に伴い厳しい状況が続いている。

貸倒引当金には悪材料を十分織り込んでいる。

Q.株主還元について

A.自社株買いを積極的に実施しており、それらは償却する予定である。

サラリーマン富裕層ではなく、数十億円の富裕層については宝塚のチケットなども有効と考える。

日本的な優待も大切にしつつ試行錯誤をしている。

成長と還元のバランスを大事にしていく。

Q.動画IRについて

A.悩みながらやっている。

四半期決算については財務担当が、本決算については社長が対応しているがコストも考慮しつつ検討を続ける。

Q.プライム市場への以降について

A.子会社の上場も含め様々な検討を実施している。

Q.韓国事業について

A.副社長が韓国で頑張ったので大丈夫。

後任の韓国人はコンサバティブな人物で日本人にはできないような大胆なリストラ等を断行しており立て直しに注力している。

Q.優待の変更が株価に与えた影響について

A.優待については試行錯誤をしている。

楽天ポイントも試したが配当と変わらない。

オリーブスパは人気がある。

宝塚に着目しているが満席を確保することへの対応が求められる。

いずれにしても人気があって定着すれば良いと考える。

Q.3号議案(譲渡制限付株式報酬制度改定)について

A.お金のない会社のストックオプションではない。

譲渡制限付きなので退社するまで譲渡できない。

Q.インドネシア事業について

A.(担当者より)インドネシア勤務5年で大きな赤字にならない状態になった。

46の支店をサポートできる体制を整えている。

ジャカルタが沈む懸念から首都移転としてジャングルを切り開いている。

ジャカルタでは上位3%の財閥から友情と信頼を通じて預金を獲得することが重要。

100兆円の預金の7割を大手5行が独占し、残りの3割を100行が争っている状態。

当社はMUFGと組んで対応している。

2040年には日本を超える予想もある。

日本の地銀もインドネシアを目指しており、当社がサポートすることが最適と考えるメガバンクのサポートは顧客を奪われる懸念がある)。

Q.タイ事案(21年償還期限の140億円)について

A.20年の償還期限のものは全て回収。

21年については回収中(140億円相当の資産(現金や不動産)があることはかなり把握している)。

時間はかかってるが、シンガポールのみならず現地国で、これまでの回収のノウハウを活かしつつ対応を進めている。

Q.裁判を早期に終わらせることについて(和解)

A.詐欺師とは逃げ回ることしか考えていないので、和解しようにも話し合いが成立しない。

よって攻めるしかない。

Q.当社の株式を7%保有する韓国企業について

A.基本的に会話はないが、パチンコガイアの件では手伝いたい旨の連絡があった。

Q.PBR1倍割れ対策について

A.配当や自社株買いも含め業績をアップさせるよう社員一丸となって対応していく。

Q.自社株買いの株式について

A.大半は償却するが一部は役員報酬に利用する。

Q.平等に使える株主優待について

A.QUOカード楽天ポイントでは実質配当と変わらない。

株主分布を考えながら試行錯誤していく。

Q.子会社のKeyHolderとのシナジーについて

A.コンテンツ事業と金融は親和性が高くシナジー効果があると考える。

具体的には高島彩さんのCM登用などがある。

富裕層に対するアピールとしてコンテンツを持っておくことは重要。

さらにKey Holderを強化していきたい。

Q.コンテンツ事業と金融事業の親和性が理解できない

A.おそらく社長の考え方はマイノリティだと思うが、そのマイノリティの考え方で事業をここまで成長させてきた。

Q.3号議案で2億円を5億円に拡大することについて

A.来年の総会後のことであり、そのタイミングでインドネシアで頑張った人たちの労を労いたいと考えている。

なお、枠は拡大するが必ずしも5億円全額使うというわけではない。

あくまで、利益が上がった場合に上げられるようにするものである。

ちなみに、2億円の枠でも半分しか使っていない。

決議事項

・取締役9名選任の件

監査役2名選任の件

・取締役(社外取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式報酬制度改定の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記のとおりです。

業績に配当金が左右されているようです。

・2023年12月期:14円

・2022年12月期:10円

・2021年12月期:1円

・2000年12月期:0円

・2019年12月期:1円

株主優待

DSクリニックで使用可能な3万円分の金券

自社株買い 

保有していたほとんどの自社株(938万株)を2024年2月末で償却と報じられています。

3月以降、さらに400万株、20億円を上限に自社株買いを実施する計画があるとのことです。 

【ガーデンホール前の眺望】 

               

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

初めて株主総会に参加し、当社のみならず金融のこと、詐欺のこと、インドネシアのこと、コンテンツビジネスのことなど幅広く学ぶことができました。

また、詐欺にあったこと、IR動画を悩みながらアップしていること、株主優待で試行錯誤中であることに対しても真摯に答えていた社長の姿勢には共感が持てました。

金融の世界にはいろいろな落とし穴があるようですが、それを承知でチャレンジを続ける事業展開に期待したいと思います。

⑵ 気になっていること

株主総会で、詐欺被害にあったことを責め立てる質問、債権の回収状況についての連続質問、子会社の売却を迫る発言などがありました。

反対に、インドネシア事業のディープな現実を知る担当役員の苦労話を引き出すような要望や事業展望に対する建設的な提言もありました。

いろいろな株主が集っていることが興味深かったです。

ただし、一部の株主の発言に社長が熱くなり事務局からサポートが入る場面がありました。

ビジネスではいかなる事態になろうとも冷静でいることの重要性を再認識しました。

4 まとめ

Jトラストについて述べてきました。

株主優待の金額に釣られて株主になりましたが、当社の今後の事業展開に関心を持っています。

基本的には金利がつく時代を背景に国内の事業については堅調に推移すると思いますが、資源や人口が多いインドネシアでの事業が期待通りに収益を上げるかどうかは正直、良くわかりません。

そのような、さまざまな要素がごっちゃ混ぜになったある意味、”カオス”のような部分も含めて株主として当社を注視していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

 

   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #

  

楽天【4755】について〜株主総会雑感(京セラとの比較)

初投稿:2024.4.5

こんにちは!

この記事は、楽天【4755】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・携帯電話代を下げるという大義名分についての考察

三木谷社長と稲盛社長の違いは?

【目次】 

楽天本社】

                      

1 楽天について

⑴ 会社概要

ネット通販で有名ですが、金融、旅行など総合路線と四季報では記載されています。

19年に参入した携帯電話事業が経営に大きな影響を及ぼしており目が離せません。

ただし、株価は少しずつ上昇に転じており非常に興味深い会社でもあります。

売上高約2兆円、総資産約22兆円、時価総額約1.8兆円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは2.21倍です。

企業理念 

イノベーションを通じて人と会社をエンパワーメントする」

ことがミッションとあります。

ビジョンとしては

「グローバルイノベーションカンパニー」であり続けるとのこと。

感覚的には力強く感じます。

セグメント

沢山の事業を手掛けてますが、3つのセグメントに区分されており分かりやすいです。

⚫️インターネットサービスセグメント

⚫️フィンテックセグメント

⚫️モバイルセグメント

⑵ 株主になったきっかけ

サイバーエージェント株主総会で、藤田社長が楽天への出資について強気な答弁をしていることから関心を持ち2023年末に株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

売上高営業利益率(10%以上は優良株):営業赤字

営業赤字が4期連続、当期利益の赤字が5期連続続いています。

楽天モバイル事業の影響ですが、前期に比べて赤字幅が縮小している点が救いです。

また、売上高が伸びている点ではビジネスモデルが優れていると考えます。

安全性

自己資本比率(30%以上が望ましい):5%

財務的いは厳しい状況が続いています。

効率性 

・有形固定資産回転率:1.63

”サービス業”としては低いと思います。

1.2兆円以上の有形固定資産があるとは意外でした。

モバイルの基地局なども関係しているのでしょうか?

ちなみにNTTの有形固定資産回転率も1.35です。

【本社入口にて】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第27回定時株主総会2024年3月28日(木) 楽天クリムゾンハウス(本社)

多くの株主が縦長の部屋に集っていました。

聞いたところそれまでホテルでやっているよりも2倍ぐらいの株主が集ったようです。

主な質疑応答

【事前】

Q.財務戦略について

A.楽天銀行楽天証券を売却してモバイル事業関連の財務負担を軽減できる見通しはたった。

今後も、社債償還を適切に進め、規律ある財源コントロールに努める。

Q.株主還元について

A.配当は無配とさせて頂く。

楽天モバイル株主優待の申込期限は明日までですのでお忘れなく。

Q.楽天モバイル事業について

A.当社の参入前は、携帯料金が上昇を続け家計の7〜10%が携帯代となっていた。

当社の参入により携帯代が20%下り、家計として4兆円が別のことに使えるようになった。

モバイル事業は固定費を超えると利益が飛躍的に伸びるので数年後の実現を目指している。

また、モバイル事業を通じた他事業とのシナジーの最大化を実現させていく。

特にAI事業に注力していく。

AIは野菜のようなもので、肥沃な土壌(生データ)が大切。

当社は生データに恵まれているとともに、英語を公用語にしたため外国人のAIに優れた人材を多く採用している。

その強みを活かした事業戦略を展開していく。

【決議事項への質問】

Q.副社長が多いことについて

A.70以上の事業を展開していることから副社長は必要。

Q.フラットな組織について

A.当社はフラットな組織と考える(例えば、月曜日の全社的なミーティング?)。

Q.社外取締役は他の企業との兼務が多くお飾りになっていることについて

A.社外取締役はしっかりと職責を全うしている。

Q.監査役が22年も勤めていることについて

A.監査役は公平公正に職務を全うしている。

【会場】

Q.スコアリング制度について

A.中国のスコアリング制度と当社の事業とは異なる。

法令を遵守しつつ、例えば、信用システムについては”支払いの良さ”などの活用を図っている。

Q.株価について

A.楽天カードの時も最初は苦労した(1日の契約数が50名)。

それに比べると楽天モバイルはずっと良い。

中・長期的に株価に対して自信と覚悟は持って経営に取り組む。

Q.AIは人間を乗っ取るのか?

A.AIは予想モデルであり、人間のように物理的なことは苦手である。

反対に医療現場の画像診断のように得意な分野もある。

AIの進化は止められない。

ガイドラインに従いつつ安全に使っていく。

Q.剰余金処分の件を議案にしないで無配にすることについて

A.法令に則って剰余金処分の件は取締役会で決めさせていただいた。

Q.楽天リンクについて

A.LINEが強いが、地道に頑張る。

Q.(20年間株主総会に参加している株主から)金利上昇等の金融環境の変化の影響について

A.当社のキャッシュフローは改善されつつある。

モバイル事業への投資もひと段落した。

今後のプラチナバンドへの投資については仮想技術を用いれば巨額になることはない。

将来的には無借金経営を目指す。

Q.事前の質問に全て答えない、ネットに掲載しないのは何故か?

A.多くの質問を頂いているので、その中で多い質問について優先的に回答している。

決議事項

事前の質問→決議事項の説明&採決→報告事項等への質問というユニークな議事の運営でした。

・定款一部変更の件

・取締役12名選任の件

監査役2名選任の件

拍手を持って承認・可決されました。

なお、新任者については紹介されています。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

モバイル事業の影響により無配はやむを得ないと考えます。

・2023年12月期:0円

・2022年12月期:4.5円

・2021年12月期:4.5円

・2020年12月期:4.5円

・2019年12月期:4.5円

株主優待

楽天モバイル」の音声+データプラン(30GB /月)を無料にて提供(1年間)

【総会会場最寄りの二子玉川駅

                

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

当初、株主優待の申込期限が3月29日であることを知りませんでした。

株主総会三木谷社長から

”明日まで”

と教えられ、直ちに総会会場で申し込みをしました。

三木谷さん、ありがとうございました。

ちなみに、通知書では

株主優待の申込受付期限は、専用サイトをご確認下さい。”

という謎の記載でした。

また、三木谷社長話(クチ)が上手いです。

さすがは楽天の創業者です。

特に、

”AIは野菜”

との例えは秀逸でした。

”ジジイ殺し”

として財界の大物からも可愛がってもらったという評判も納得です。

ただし、株主総会の幕引きのように、多少の強引な面も感じられました。

⑵ 気になったこと

”携帯電話代が下がったのは楽天の参入のおかげという話は本当か?”

と気になりました。

確かに要因の一つではあると思います。

ただし、携帯電話代が下がった一番の要因は菅前首相(元総務大臣)の政治力だと考えます。

当時、日本の携帯代が7千円の時、欧州が4千円だったことから、

”日本の携帯代は4割下げられる”

と発言しリーダーシップを発揮したと記憶しています。

そこはやはりいい意味でも悪い意味でも官の主導が大きかったと考えます。

さらに、

”世のため人のため”

という大義名分を考えるなら京セラ創業者である稲盛和夫氏との比較が興味深いと思います。

京セラの社長である稲盛氏は過去に

・NTTと競争する会社が必要→KDDIの設立

ANAと競争する会社が必要→JALの再建

を実施しています。

その際、

”世のため人のため”

という大義名分に意気を感じて多くの支援が集まったと著書では述べられています。

少なくとも、それにより京セラの経営が今の楽天のような状況にはならなかったと記憶しています(もちろん、リスクはありましたが)。

それに対して、楽天の場合は、サイバーエージェントの藤田社長の出資があったぐらいで、楽天を積極的に応援しようとする企業の動きはほとんどなく、楽天証券楽天銀行を売却せざるを得ない状況にまで追い込まれました。

さらに、YouTubeでは楽天の経営危機を煽ることでPVを稼ぐ著名ユーチューバーが溢れています。

稲盛さんの大義名分と三木谷さんの大義名分では、やはり何か本質的に異なるものがあるように思えてなりません。

個人的にこれからもこの”問い”について極めていきたいと思います。

4 まとめ

楽天について述べてきました。

初めての株主総会へ参加しましたが沢山学ぶことがあり有意義でした。

三木谷社長のリーダーシップ、イノベーションを重視する理念、モバイル事業の行方、AI事業の成長ストーリーなど関心事は山盛りです。

今後も楽天に注目していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #楽天 #AI

  

オークネット【3964】について

初投稿:2024.4.1

こんにちは!

この記事は、オークネット【3964】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・業績好調で株主還元にも積極的

・M&Aについては期待と不安も

【目次】 

株主総会の会場】

                     

1 オークネットについて

⑴ 会社概要

四季報では、「多分野で業者間のネットオークションを開催。中古車とスマホ等のデジタル機器が利益の柱」とあります。

売上高約433億円、総資産約376億円、時価総額約600億円の事業規模。

会社の付加価値(のれん、ブランド力)を意味するPBRは2.59倍です。

企業理念 

下記の理念が掲げられています。

あまり理解できていませんが、イマドキの理念のように感じました。

⚫️ミッションステートメント

「マーケットデザインで価値をつなげる。」

⚫️サステナビリティポリシー

「価値あるモノを、地球規模で循環させる〜Circulation Engine.」

セグメント

セグメントは下記の4つです。

⚫️オートモビル事業(中古車オークション関連)

⚫️デジタルプロダクツ事業(中古スマホ関連)

⚫️コンシューマープロダクツ事業(ブランド品オークション関連)

⚫️その他(中古バイク、海外事業関連)

この中で、その他を除くセグメントが増収増益だとのことです。

⑵ 株主になったきっかけ

12月決算期の会社であり、株価が右肩上がりのトレンドであったことから購入しました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:42%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):15%

高い収益性を有しています。

優良株といって良いと思います。

安全性

流動比率(100%以上が望ましい):171%

自己資本比率(30%以上が望ましい):59%

短期的にも中・長期的にも問題ないレベルだと考えます。

これだけ財務がしっかりしていれば、資本効率から考えてもM&Aへの100億円の積極投資は妥当だと期待できます。

効率性 

棚卸資産回転率:179.13

・有形固定資産回転率:27.4

棚卸資産については情報通信分野は4桁を超えているので、効率的とは言い難い数値です。

ただし、棚卸資産の金額は流動資産の1割程度なので、オークションによって商品は順調に売れているものと考えます。

有形固定資産回転率は全業種で見れば平均以上ですが、情報・通信分野は3桁であることを考えると、効率性は高くはありません。

有形固定資産の内訳は金額順に、「土地」、「建物及び構築物」「その他」の勘定科目となっています。

この中で、「その他」が約3.5億円もあることが特徴だと感じました。

セルリアンタワー内部の様子】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第16回定時株主総会 2024年3月26日(火) セルリアンタワー東急ホテル

ライブ配信を視聴しました。

滞りなく終了しています。

主な質疑応答

【事前】

Q.増配について

A.内部留保を優先し、配当性向30%を基準に株主に報いたい。

Q.事業成長性や注目分野について

A.既存事業を中心としつつ、セループや更なる新規事業にに注力したい。

特に、人的資本投資やM&A投資を計画している。

【会場】

Q.セループの状況について

A.二次流通で顧客とのつながりをつくるセループは順調に推移している。

具体的には千趣会との共創事業が挙げられる。

今後もさまざまな企業と協力しつつさまざまなサービスを提供していく予定である。

Q.GCV(グロース・サイキュレーション・バリュー)を他社のへの推奨は?

A.他社に対しても積極的に広めたい。

Q.金融の変化の影響について

A.金利の変動はほとんどない。

為替についてはユーズドジャパンの製品が海外に多く輸出されている点で、円安のメリットを受けている。

決議事項

⚫️取締役7名選任の件

⚫️監査役会設置会社である取締役2名選任の件

⚫️取締役に対する業績連動型株式報酬制度の一部改訂の件

拍手を持って承認・可決されました。

⑵ 株主還元    

配当

1株配当実績は下記の通りです。

当初は無敗でしたが26円配当が続き、一度減配した後は増配基調が続いており期待されます。

・2023年12月期:53円

・2022年12月期:48円

・2021年12月期:40円

・2000年12月期:21円

・2019年12月期:26円

株主優待

保有期間に応じた金額のQUOカードがいただけます。

1000円のQUOカードを頂きました。

株主優待QUOカード

                 

3 株主としてのコメント

⑴ 気に入っていること

収益性が高く、株主還元にも積極的な会社だと思います。

自分が株主である会社の一つにエニグモという服飾に特化ネット通販の会社がありますが、業績は芳しくありません。

その意味でも、個人と法人、服飾と車・スマホという違いはあれど、しっかりと儲けているビジネスモデルに対して頼もしく感じています。

⑵ 気になっていること

為替

基本的に国内の中古車、スマホ、ブランド品を海外に輸出しているようなので為替の影響が大きいと思います。

今、1ドル152円が天井(財務省ガイドライン?)となっていますが、円高方向になった場合どこまでいくのか?そしてその影響はどれくらいなのかが気になります。

M&A

一般的にM&Aの成功の確率は50%と言われています。

M&Aについの100億円の積極投資は評価しますが、しっかりとした企業の見極め、合併後のPMIなど、どこまで上手にできるかが気になっています。

4 まとめ

オークネットについて述べてきました。

初めての株主総会をライブで視聴して好感が持てましたし、業績&株価も堅調です。

他方、M&Aへの積極投資などリスクを取っていることもありIRのチェックなどは欠かさないで時宜を得た果断な判断が必要になってくる場合も予想されます。

来年は会場に足を運んでみたいと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました。

なお、経営分析においては下記の書籍を参考にしています。

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #オークネット #株主優待 #オークション

  

マネックス・アクティビスト・フォーラム2024に参加して

こんにちは!

この記事は2024年2月12日(月・祝)に開催されたマネックス・アクティビスト・フォーラム2024に参加した時のことをまとめたものです。

ちなにに、会場に足を運ぶのは昨年に続き2回目で、アクティビストファンドの積立投資をしています。

【会場でいただいた配布物等】

1 はじめに

投資で個人のみならず企業を元気にすることで日本を豊にしていくという趣旨に賛同しています。

そして、毎月、株主総会に通っているので自分もある意味、アクティビストかもしれません。

ベルサール秋葉原の会場はほぼ満席でした。

4時間でしたが来場者の2/3は最後まで残っていたように思います。

有意義な時間を過ごせました。

来てよかったです。

2 内容

⑴ パネルディスカッション『東証改革』

主なポイント

東証改革で資本コストや株価を意識した経営の流れが生じている。

MBO(非上場化)と改革をしているふりの2局化

資本効率の向上が求められている。

・会社にはステージがあるので資本効率の向上を目指さない場合は開示責任を果たすことが大切。

・アップル(高配当、積極的な自社株買い)とアマゾン(無配、自社株買い無し)に象徴される異なる成長へのアプローチ

・尻を叩かれている企業は頑張って改革しているが、日本を代表するような会社は情報開示に積極的ではなく、この点が今後の課題

・日本企業は利益を出せるようになってきた。

・人件費を削ったROEの向上はサステイナブルではない。

・パイを奪い合うことからパイそのものを大きくすることが重視されてきている。

・株主(シェアホルダー)第一主義からステークホルダー第一主義へ

・効率よりも成長重視

・企業と同じように投資家もライフステージに応じて配当(資産運用による悠々自適な生活)と成長(一生懸命働く)のバランスを考えるべし

コメント

企業と人のライフステージにおける頑張り方についての共通点が印象的でした。

それは、若い企業は成長投資、若い人はしっかりと稼ぐ、成熟した企業は配当等の還元、成熟した人は配当による悠々自適な生活という意味だと理解しました。

そしてそのことを”仲間”(ステークホルダー)に理解してもらうための情報開示が大切ということも共通しているのではないかと思いました。

いずれにしても、東証改革によってプライム銘柄の株価が上昇しているのは喜ばしいことです。

それに比べて、グロース市場は・・・。

⑵ 対談『資本市場立国論』

主なポイント

・株価の上昇は投資家のみならず、年金にも恩恵をもたらすとともに、企業が強くなることを通じて、雇用や給与の向上の点で国民に、さらに税収のアップということで国にとっても喜ばしいこと。

・去年は4%の給与上昇、今年は5%を予想。

・給与を上げたり、設備投資をすることに対するマインドが変わってきた。

・名目GDPが上昇しなければ株価は上がらないので、これまでの日本経済を状況を踏まえれば、現預金の比率が高い日本人が金融リテラシーが低いというのはナンセンス。

・企業の配当の損金算入を認めれば、株価は1.5倍(日経平均株価は5万円越え)になる。

・配当の損金算入の事例は海外でもないが、PBR1倍割れ企業に対する東証の指導もまた、海外では例のないこと。

・日本が変わったというメッセージが世界に届くことで株価はさらに上昇すると予想。

・親子上場で、子会社が親会社の財布になっていることを投資家が問題解決した事例もある。

”生株”を持っている日本は世界でも特有(米国でも投信やETF

株主総会集中日の解消に向けた提案を株主総会でして欲しい!

株主総会で株主が質問しにくい要因の一つに”信託銀行が振り付ける株主総会の多さがあるのではないか?

コメント

松本さんの著書を中心としたディスカッションでした。

読んでみたいと思い、アンケートを通じて著書のプレゼントに申し込みました。

さらに、対談の中では配当の損金算入、親子上場対策、株主総会集中日の解消など、様々な気づきが得られました。

一番印象的だったのは、名目GDPが上昇しない限り株価は上がらない!ということ。

30年以上、日本株に投資をしてきた自分はあまり金融リテラシーが高くなかったということになります(涙)

でも、ここまで苦労した分、これからマイペースで取り返していけば良いと考えています(笑)

⑶ マネックス・アクティビスト・ファンドの投資戦略

主なポイント

・上位組入銘柄である、大日本印刷IHI大正製薬オルガノ、TBSが紹介され、その中で大正製薬の経営実態についての説明がありました。

創業一族の相続対策のため株式の市場適正価格を探る努力を怠った。

・対話の力(エンゲージメント)を通じて企業価値向上に努める。

コメント

マネックス・アクティビスト・ファンドの積立投資をしています。

その運用状況を聞くことができて有意義でした。

”株価の上昇を好ましく思わない経営者”という視点はこれまで皆無でした。

その意味で、企業の課題解決について多少なりとも、多面的な物の見方ができるようになったとお思います。

⑷ パネルディスカッション『日本企業の転換点』

主なポイント

・日本市場が変わってきている!東証のPBR1倍割れ対策、企業の設備投資増額等)

・株主のオーナーシップの欠如→株主も変わらなければならない(オリエンタルランドの株主になるということは、ミッキーマウスに働いてもらうという意識を持つということ)

・ただし、オーナーシップがあってもファミリー企業やアナリストがカバーしな8割の中小企業は難しいものがある。

・今の経営者の意識は(前任者のしがらみからの脱却という点で)確実に変わってきている。

野村アセットマネジメントがアグレッシブになってきたという点では評価できる。

・(アクティビストでない参加者から)信越化学は4つの事業間のシナジーがなくコングロマリットディスカウントだが、ディスカウントのまま株価は上昇しているので問題ないし、株式を売却することも考えてない。

・アクティビストが企業の問題を解決したら、売却しないで済む会社の数も増える(投資対象の増加)のではないか。

・日本の金融市場は世界大2位。

・日本型資本主義の特徴の一つは企業を廃業させないこと。

・破綻させないで企業を再生させようとしていることが、米国とのパフォーマンスの違い(日本の良い会社は欧米と変わらないレベル)。

・気づいたら上場していたという元西武の堤オーナーの言葉。

・何のための上場なのかを考える必要がある。

・日米の市場の比較として、上場数、投資家との対話、安定株主などの違いがある。

米国の株式市場はスーパースターモデル(マグニフィセントセブン等)

・グロース市場銘柄については、

→規模が小さくてリソースに限りがあるので合併が必要

→グローバル戦略が無い

→上場数が多すぎる

・”長期的な企業価値”という訳のわからないバズワード

・株主は王様!

コメント

アクティビストでない識者の意見も聞きながら深い議論を楽しめたと思います。

グロース市場についてはあまりポジティブな意見を持っていないように感じました。

プライム市場とグロース市場の間の乖離が広がっていますが、最後はどのようになるかが見ものです。

また、”長期的な企業価値”に対する批判的な指摘には賛同します。

というのも、東芝株主総会でもこの言葉が役員から濫用され、結局、不当に安い値段のMBO価格となったからです。

GCAの社長で東芝の役員でもあった渡辺取締役は、M&Aについての著書を出版するなど、この分野のオーソリティのように思われていますが、GCA東芝MBOについては汚点を残したと思います。

やはり、自分なりに腹落ちするまで考えることは大切です!

3 気になったこと

会場で飲み物でなくポテチを頂いたことが斬新でしたが、何故、ポテチ?

松本さんの著書『資本市場立国論』と広木さんの著書『利回り5%配当生活』を読んでみたいと気になっています。

これまで長年の間、マネックスの看板を背負って広木さんが日本株で強気発言している時に松本さんは名目GDPが上がらないから日本株は上がらないと認識していたという謎のコラボがマネックスの多様性を物語っているように感じました。

前日に愛媛マラソン自己ベストを更新された、清明社長はフォーラム不在でしたが、今後の更なる活躍が気になっています。

4 まとめ

マネックス・アクティビスト・フォーラム2024について述べてきました。

株主総会で質問するという自分のライフスタイルに関係するという理由で参加し続けていますが、それ以上に日本企業、日本市場そして日本そのものが大きく転換している様子を伺うことができて、有意義でした。

来年も参加したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

資産運用EXPO2024春に参加して

こんにちは!

この記事は、東京ビックサイトで2024年1月に開催された資産運用EXPO2024春に参加した時のコメントをまとめたものです。

 

 

1 はじめに

資産運用EXPOはほぼ毎年のように参加しています。

今年は、来場者が多く活気に溢れていたように感じました。

出店者についても、新NISA関連で証券業は勿論、国内外の不動産、アンティークコインやウイスキーなどの実物資産なども負けじと気合の入った活動をしていたことが印象的でした。

この記事では、その中で参加した講演会の概要についてまとめました。

 

2 『2024年の世界経済と市場見通し』 複眼経営塾塾頭 エミン ユルマズ氏

朝早くから多くの人達が集っていました。

夜型人間とブラックスワンの話題で講演会がスタートしています。

主なポイント

・世界の製造業PMIは48.5で元気ない

・株式に2ヶ月先行するバルチク海運指数が12月にピーククアウトしている

・米失業率は低水準だが後で下方修正することが多い

・米雇用統計はアルバイトが増えて正規社員が減っている→購買力の低下

・逆イールドカーブが解消→長期的には株価に有利だが、3〜半年で景気後退?

・戦争にもかかわらず原油は上りも下りもしない

・経済はメインストリート、相場はウォールストリート、相場をクラッシュさせられないため、インフレ目標は2%→3%へ

・日本の金利?は2.5%が妥当

・日本人のインフレに対するマインドの変化(16%物価高という認識)

・米国の利下げで為替は円高方向へ

・株式の狙い目は化学の低PBR銘柄

・グロース250指数は悪いままであり、ライブドアショック以来の水準→プライム市場のダウンかグロース市場の上昇が予想される

・中国のハンセン指数は自由落下状態→グローバルマネーの直接投資が日中逆転

・トルコの場合金利が40%だがインフレ率が60%なので実質金利はマイナス

・日本は賃上げがインフレを超えられるかがポイント(賃上げ5%、実感16%)

・日銀財務省の過去のデフレのトラウマ

・中国は良い意味でも悪い意味でもデフレマシン

・円安が中々収まらないのは工場の日本回帰のため?

・ゴールドと日経平均を比較するとほぼ一緒→株価は上がっていなかった

・株価の上昇は初動

質疑応答

Q.日経平均30万円について

A.過去30年はサプライチェーンが日本から出て行ったため苦戦した。新冷戦で日本に工場が進出中。

初任給も現在の20万円がやがて100万円になり暮らしは豊になると予想。

Q.米国の景気について

A.ノーランディングはあり得ないと考える。

Q.アンティークコインについて

A.供給がなく市場があるので良いと思う。

Q.外国について

A.インド、ベトナムは有望、ドイツも悪くない、トルコはだめ。

中国は厳しい、不動産バブルと人口減少が原因、日本と中国の違いは日本の場合お金持ちになってから年をとったのに対して、中国の場合お金持ちになる前に年をとった。

また、不動産バブルについては日本は克服のために100兆円を投じたが、中国はその20倍は必要。

コメント

エミンさんの著書は愛読しており、資産運用EXPOでも講演会を毎年聞いていています。

特に、米国経済について「ノーランディングはあり得ないのではないか?」とのお考えは投資を継続する上で参考になりました。

いつも感じるのは沢山の指数に普段からもっと馴染んでおけばもっと話の納得感が増すだろうということ。

著書も買ってさっと目を通してはいるのですが・・・まだまだ勉強不足を実感しています。

 

 

3 『家計相談1000世帯越え!我慢しない「貯蓄・節約・資産運用のコツ」』 FP事務所アイプランニング代表 飯村久美氏

自分もFPということで前回に引き続き講演会に参加しました。

主なポイント

・貯蓄・節約・資産運用のコツを”さしすせそ”でまとめ

・さ:先取りしよう貯蓄投資

・し:収入アップのチャンスをつかめる

・す:スッキリ家計の整える

・せ:生活設計で方向性チェック

・そ:その支出見直そう

・年収が高く物価が安い件は・・・1位:岐阜、2位:奈良、3位:佐賀

・やってよかったトップ5・・・新NISA、iDeCo、家計簿アプリ、株主優待ふるさと納税

・やらなくてよかったトップ3・・・オートチャージ、箱買い・まとめ買い、リボ払い

・ノー買い物デーを作る

質疑応答

Q.アクティブ投資とインデックス投資について

A.インデックスが9割勝っているということから、まずはインデックスで良い。

Q.FPの会社運営について

A.個人事務所として自己資金なしで小さく始めた。

コメント

FPは金融に関する知識のみならず、表現力(言葉遣い、立ち居振る舞い、容姿、姿勢など)も重要だと感じました。

”さしすせそ”のまとめは苦労されたご様子(自分は覚えられませんでした)。

講演の”骨格”は毎年同じで内容を更新されているように思いました。

家計のホームドクターとしてのお手本として大変参考になり良かったです。

 

4 『2024年注目セクターのご紹介』日本金融経済研究所代表理事 馬渕磨理子氏

乳がんについての告知があり、応援する聴講者が多かったようです。

馬渕さんも感謝の気持ちを込めて講演するとのことで、気持ちの良い時間を過ごせました。

主なポイント

日経平均はフェーズが変わってきている=利益を伴った株価上昇へ

・バブル期の日経平均のPERが70倍だったのに対し、現在は16倍

アノマリー辰年(28%)、大統領選の年(19%)は株価が上がりやすい

・マクロ:名目GDPの拡大が日本株高につながっている

・改革:市場改革、PBR1倍割れ対策、製作保有株の解消(例:トヨタデンソー)、国内改革、値上げ、賃上げ、新NISA

・業績:好業績

日経平均=EPS(利益)×PER(期待値)

・EPSは今年は10%アップ

・PERは過去のデータから12〜16倍

・S&Pの場合はPER20(19.5)倍→2024年は5200ポイント予想

・リスク:米国のインフレ、大統領選による混乱、日本のマイナス金利解除、日本の賃上げ率

・NISA関連銘柄:高配当、通信(NTT等)、金融(MUFG等)、飲食(サイゼリア等)、食品(味の素等)

内需:通信、金融、飲食、食品、建設(インフロニア等)

・外需:機械、半導体、自動車

・改革:PBR、ROE、政策保有株の解消、賃上げ

・資本コストを意識した経営とはP/L脳からB/S脳への転換

・株主資本を効率的に使うとは?

 1 成長投資、M&A、賃上げ

 2 増配、自社株買い

 3 政策保有株の解消

・配当については利益をベースとした配当性向(短期)から株主資本をベースとしたDOE(長期)が高い評価を得る

・日立とレゾナックのようなwin-winの関係

質疑応答

乳がんについてのお話。

馬渕さんのお母様もガンになったことがあったものの手術で回復し、今も元気でご活躍とのこと。

そのお母様の様子を見ていたことで今回の手術の判断も早かったとのこと。

必ず元気になって帰ってくるとの力強い言葉が聞けて何よりです。

コメント

馬渕さんの講演会もよく聞いています。

定番の日経平均株価の予想も納得感がありました。

さらに、バランスシートをもとにしたDOEという指標についての解説も新鮮で勉強になりました。

お若いので、いろいろな切り口からの話が聞けるのが魅力です。

また、

”ビジネスは先に怒った方が負け”、”無形は無敵”

という言葉もありがたかったです。

健康、利益、豊かな人生が実現しますように、パカラ、バカラ

 

 

5 まとめ

毎年参加していて世の中のトレンドを感じることができます。

資産運用EXPOが年々活況になっていることは、デフレからインフレへの時代の転換を意味していると思います。

大きなトレンドを読みつつ、個々の金融商品の精査しながら今回得られたことを資産運用に活かしていきたいと思います。

初めて参加された方は、終わった後のLINEやメールでの勧誘の多さにびっくりされるかもしれません。

それらに対応することも含めて、今後も資産運用EXPOに参加していきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

 

 

 

楽天カード雑感〜ポイント目的がハワイやクレカ投資で思わぬ効果!

こんにちは!

この記事は、楽天カードを約3年保有して感じたことをまとめたものです。

楽天カード

1 カード取得の経緯

レストラン等でお勘定する際に、
楽天カードはよろしいですか?」
と聞かれることが多く何とかしたいと思っていました。
定年退職後でしたたが、イオンカードを作ることができたのでダメもとでカードを申し込み。
特に問題なく、カードを作ることがて3年以上が経過しています。
 
【ハワイのインターナショナルマーケットプレイス

2 カードの特徴

HPでの”楽天カードの強み”が掲載されています。
・年会費永年無料
・ポイントがザクザク貯まる(基本は1%還元)
・安心のセキュリティ
などです。
また、デザインを選べたり各種のキャンペーンも魅力かもしれません。
一言でいえば、楽天経済圏を満喫するには必須のカード”だと思います。
 
【インターナショナルマーケットプレイスないの楽天ラウンジ】

3 使用してのコメント

⑴ 楽天ポイント

買い物を通じて気づかない間に楽天ポイントが貯まるのは嬉しいものですね。
そして貯まったポイントで、ランニングシューズなどを購入して来ました。
まだまだ勉強不足ですが、”楽天経済圏なかなかやるな!”と思っています。
そんなこともあって、楽天の株主になってしまいました。
 
【ラウンジ内の様子】

⑵ ハワイでのラウンジ

2023年11月にハワイ旅行をしました。
海外渡航中は楽しい反面ストレスを感じることが多いのも事実。
そんな時、日本語の通じるラウンジにて大切にしていただけるのは、旅行者にとっては大きな癒し!
インターナショナルマーケットプレイス楽天ラウンジを利用しました。
カードを持っていたお陰です。
もちろん、同伴した家族も一緒。
フリードリンクを頂きながら、さまざまなハワイ情報も収集できて助かりました。
感謝です。
 
【ラウンジで頂いたソフトドリンク】

⑶ クレカ投資

楽天証券に口座を持っていたことから、楽天カードを通じて毎月、投資信託を購入しています。
当初は月に2万円で現在は1万円を3年くらい継続しています。
家計簿アプリのマネーフォワードで確認してびっくり。
62万円の取得価格で、評価益が32万円以上、評価損益率は52.97%とのこと。
複利の効果はすごいですね!
長期積立分散投資の良さはほとんどの方が1度は耳にしたことがあると思います。
でも、その中で、どれだけの人が実行するのか?
そして、さらに投資をやめないで継続できる人はどのくらいの割合なのか?
さらに、継続に加え改善(見直し)を加えることの大切がどの程度認識されているのか?
良き勉強になります。
 
【マネーフォワードからの長期積立分散投資のスクショ】

⑷ 気になっていること

特に不便を感じたことはありません。
でも、気になっていることは2つ。
一つは楽天モバイルの赤字の影響について。
いろいろとネットでは楽天カードの改悪、楽天経済圏のダメージなどについての情報が飛び交っています。
株主になったので、総会でそのあたりについて自分なりに確認したいと考えています。
ちなみに、楽天に出資したサーバーエージェントの株主総会で、社長さんは楽天に対しては楽観的なコメントを述べていました。
もう一つは、
”そもそも楽天カード楽天経済圏)について未だ良くわかっていない!”
ということがあります。
そんな反省も込めてこの記事を書いています。
5のつく日は”お得”とか旅行の割引券だとか、お恥ずかしいですがまだ実行レベルにも至っていません。
よって、これからも自分なりに楽天カードで得られた”気づき”を追記してアップデートしていきたいと思います。
 
【ラウンジでのパンダ】

4 まとめ

楽天カードについて述べて来ました。
当初はポイントを無駄にしたくないという思いでカードを保有しました。
けれども、ハワイ旅行やクレカ投資などでそれ以上の恩恵を受けています。
まだまだ知らないことばかりですが、自分のペースでこれからも楽天カードと上手に付き合っていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。