初投稿:2023.4.8
こんにちは!
この記事は、ウエルスナビ【7342】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
・ものづくりする金融機関
・インフレ時代における「働く世代に豊さを」というミッションは?
【目次】
1 ウエルスナビについて
⑴ 会社概要
ロボアドバイザーを活用した全自動の資産運用サービスを提供する会社です。
売上高65億円、総資産259億円、時価総額572億円の事業規模。
PBRは5.17倍と高い評価を得ています。
四季報では証券・先物業に区分され、時価総額順位は14/48社となっており、比較会社にマネックスグループ等が挙げられています。
ミッション
「働く世代に豊さを」
セグメント
セグメントは下記の2つですが、ロボアドバイザーで売上高の98%以上となっています。
・ロボアドバイザー
・その他
⑵ 株主になったきっかけ
「ウエルスナビ」を用いて資産運用を3年以上継続しています。
おかげさまで資産運用も順調です。
もっと良く会社のことが知りたくなり、2022年12月期の決算前に株主となりました。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:99%
・売上高営業利益率(10%以上は優良株):3%
ビジネスモデルは高収益と考えいます。
営業利益率は高くありませんが、成長企業でありテレビCM等の成長投資を優先してきたことを考えれば今回の黒字化は評価できます。
今後は、黒字化を維持しながら収益性と成長投資のバランスがどのようになるかに注目したいと考えています。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):189%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):42%
盤石というほどではありませんが、中・長期的に問題となるレベルではないと考えます。
ただし、繰越利益剰余金が12億円のマイナスであることから、経営基盤を安定させるために資本の充実が図られていくと推察します。
効率性
・有形固定資産回転率:63.38
建物等の有形固定資産については比較的、効率的な経営がなされていると思います。
ちなみに、有形固定資産の内訳は「建物」、「器具備品」の2科目と「減価償却累計額」からなっており、節税?が上手になされていると考えます。
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第8回株主総会 2023年3月24日(金) TKPガーデンシティ渋谷
事前登録(抽選制)で、選考された株主は40人だったそうです。
実際に参加されたのはその半分くらい。
でも、建設的な考え方をもつ株主の方が多く、気持ちの良い株主総会でした。
また、マルチサービスなどの将来の成長ストーリーを中心に語りつつも、SBIとの提携解消の影響についても言及しており、バランスの取れた説明は評価できると思います。
主な質疑応答
Q.配当について
A.成長ステージの企業においては原則、成長投資が優先されると考える。
今後、成熟期になり内部留保が貯まった時点で還元をする予定。
ただしそれが何年後になるかを語るのは難しい。
Q.新NISA対応への進捗状況について
A.9月頃に大きな目処を立てるべくシステム開発が進捗している。
秋に政府からの新しい発表があると予想しており、その情報を踏まえて、細部設計に反映させる。
また、新NISA運用後もアップデートで対応を継続していく予定である。
ちなみに、今回の件で一般NISAに対応したおまかせNISAに加えて積立でも対応できるようになっている(初期投資額が10万円から1万円に低下)。
Q.M&Aについて
A.マルチサービスを実現する際にケースバイケースで考える。
M&Aは時間を買う効果があり、それによりタイミングを逃さずマーケットシェア確保につながる場合が少なくない。
フェイスブックのインスタグラムやGoogleのGoogleマップ&ユーチューブなどがその実例。
一方で、過半数のM&Aは「高値掴みによる減損処理」や「合併後の人材流出」によりうまくいっていないと認識している。
スピード感を重視しつつ、フラットに考えていきたい。
Q.CMの効果について
A.CMについての効果測定は毎日実施している。
その結果を踏まえて、マーケティング予算の規模と投入分野の配分の最適化を図っている。
ちなみに、CMに注力する理由は2つ
・短期的:ウエルスナビを使ってもらうきっかけ
・長期的:ブランド認知度の向上
ブランド認知度の向上というのは、投資を始めようとした時にウエルスナビを思い出してもらうという意味で重要であると考える。
そのことが、市場が安定しない時(投資を始めにくい時期)でもCMを続けることの意義である。
Q.人材の確保について
A.中途採用者が中心だが、新卒者も募集している。
シリコンバレーの不況により優秀な人材を採用し得る環境にある。
今後も通期で黒字を確保した上で、財務の健全化を図りつつ成長投資としての新卒者の育成を実施していきたい。
Q.海外人材の採用について
A.海外人材派採用していないが、それに向けての準備は適時実施している。
現在は国内において所要の人材が確保されている。
Q.転職対応について
A.採用時が極めて重要と考える。
良い時も悪い時もウエルスナビを作ることに情熱を持つ人材を積極的に採用している。
さらに、男性の育休取得の推奨など働く環境の整備にも力を注いでいる。
ちなみに、まだ実施できていないが、GAFAにおいて実施されているデジタル人材が新規のスキルを取得できるように勤務中の20%を好きなことに取組んでいる勤務環境等についても注視している。
Q.トップの顔が見えることは重要である(要望)
A.CM等の出演は個別判断が必要となるが、これまで対面やウエブのセミナーで100回以上の講演を実施してきた。
そのよう姿勢は今後も継続していきたい。
Q.株価低迷と資本政策について
A.中長期的(5〜10年単位)な企業価値(株価)の最大化の責任があると考える。
そのためには業績の向上と説明が必要と認識。
業績については順調に伸びている。
ただし、将来においても継続するかどうか、あるいは市場変動による歪みが株価に影響が及んでいるようである。
海外機関投資家の目線で考えれば、資本政策という点では配当よりもフリーキャッシュフローが重要と考える。
今後もある程度の事業規模、FCFの最大化、実績の積重ねを継続していきたい。
決議事項
・取締役4名選任の件
拍手を持って賛成・可決されました。
⑵ 株主還元
配当
なし
株主優待
なし
自社株買い
2期連続で実施しています。
株主総会のお土産
マグカップをいただきました。
【株主総会の会場】
3 株主としてのコメント
⑴ 気に入っていること
社長の力量
ウエルスナビの対面セミナーで社長と直接お話しする機会がありました。
その際、
「この人なら、自分よりもお金を上手に増やしてもらえそうだ」
と感じて3年以上、ウエルスナビを用いた資産運用を継続しています。
今回も、株主総会での質疑応答における社長の分かりやすくかつ丁寧な説明を聞いて自分の判断は概ね妥当だったと感じました。
資産運用は自分で頑張ることも意味がありますが、自分以外にお任せすることもリスク管理や限りある時間を有効活用する上で必要なことだと思います。
参考までに、ウエルスナビからのプレゼントで頂いた下記の書籍は、資産形成(ゼロから資産をつくる)・資産運用(今ある資産をもっと増やす)に役立っています。
ものづくりする金融機関
今回の最大の気づきは社長が言及された「ものづくりする金融機関」という言葉です。
金融機関というのはサービス業ですが、(ソフトウエアの)ものづくりという製造業的な要素が調和した概念というのはとても新鮮に感じました。
フィンテックをもう少し深掘りしたようなコンセプトでしょうか。
具体的には活躍する社員にエンジニアやデザイナが多いことを意味していると理解しています。
ものづくりという創造性と金融機関の持つお金のパワーが両輪となって顧客の要望に迅速に応える力強い将来性を感じました。
⑵ 気になったこと
株主総会の事前登録は必要か?
株主総会の事前登録制を実施している会社は珍しいです。
アサヒビールも事前登録制ですが、こちらはホテルニューオータニの広い会場が株主でほぼ満席でした。
ウエルスナビの場合はそこまで混雑しないように感じました。
「事前登録無くても問題ないのではないか?」と、ちょっと気になりました。
「働く世代へ豊さを」というミッション
「働く世代へ豊さを」というミッションは悪くないと思いますが、私たちを取り巻く環境に今後もマッチするのか?と気になりました。
というのも、デフレからインフレに時代が移行しているからです。
デフレの時代は現金を持っていれば良かったため、日本の個人金融資産2000兆円のうち、1000兆円が現預金となっていました。
けれども、インフレになれば資産運用が日本人全員に必要になり、働く世代オンリーの問題では無くなります。
そのあたりの”顧客”の変化に会社がどのように対応するかが気になっています。
お土産のマグカップ
総会終了後のサプライズのお土産は嬉しかったです。
今回、初めて参加しましたが
・毎年お土産はあるのか?
・あるとすればそれは、どんなお土産か?
など、気になりました。
できれば、毎年、総会に参加したいと考えていますが、その度にマグカップが増えていったらどうしよう?と気になったりしました。
【株主総会会場】
4 まとめ
ウエルスナビについて述べてきました。
ものづくりする金融機関というユニークな会社の特徴と夢のある成長ストーリーが聞けてよかったです。
気になる点もちょくちょくありますが、2015年創業の成長企業であることを考えると、むしろ伸び代が大きいとも考えられます。
株主として、ロボアドバイザーのユーザーとして会社と上手に付き合っていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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