こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

エスプール【2471】株主総会雑感(批判報道対応、株価下落)

初投稿:2023.2.26

こんにちは!

この記事は、エスプール【2471】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

・批判的な報道に対して

・株価の長期下落トレンドについて

【目次】 

株主総会会場の秋葉原ダイビル

                    

1 エスプールについて

⑴ 会社概要

四季報では他産業サービス・製品の業種に区分され、時価総額では48/272社と一順位。

コールセンター等への派遣障害者雇用支援の農園事業柱の会社です。

売上高266億円、総資産170億円、時価総額512億円という事業規模。

株価は下落トレンドですが、それでもPBRは6.89倍という高い評価です。

企業理念 

アウトソーシングの力で企業変革を支援し、社会課題を解決する。

●社名の由来はSolution(解決策)・System(システム)Staff(人材)Susteinability(持続可能性)の4つのSをPOOL(蓄積)し、お客様の課題を解決していきたいという想いが込められているとのことです。

セグメント

●ビジネスソリューション事業

シニアや障害者など潜在労働力の活用を支援するサービスや、企業の業務の一部を受託するアウトソーシングサービスを提供。

●人材ソリューション事業

コールセンター等のオフィスサポート業務とスマートフォンや家電製品等の店頭販売支援業務に関する人材サービスを展開。

⑵ 株主になったきっかけ

11月決算企業を探していて長期的な業績が良かったので株式を購入しました。

ただし、チャート的には長期ダウントレンド中なので含み損を抱えていまます。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:33%

売上高営業利益率(10%以上は優良株):12%

高収益なビジネスモデルと考えます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):98%

自己資本比率(30%以上が望ましい):44%

短期的には懸念される数値となっています。

ただし、中・長期的には問題ないと推察されます。

効率性 

・有形固定資産回転率:2.92

2021年の全業種の平均が46.9であることを考えると効率的とは言い難い数値となっています。

勘定科目では有形固定資産91億円のうち、79億円が「建物及び構築物」と大半を占めています。

”オフィス”にお金をかけているように思われます。

株主総会の案内】

2 株主総会

⑴ 株主総会

第23期定時株主総会 2023年2月22日(水) 秋葉原ダイビル

受付にてお土産のクッキーを頂きました。

さらに、気分が悪くなった人に対応できる看護師を配置されているとのこと。

株主を重視する姿勢が感じられました。

社長の挨拶に続き、監査報告、ビデオによる事業報告等が続きました。

主な質疑応答

Q.共同通信の報道が株価に与えた影響について

A.報道における批判について当社は問題ないと認識している(障害者の定着率92%、満足度90%以上)。

しかし、当社のビジネスモデルを模倣した他社について不正が出始めていると考えている。

これに対しては、リーダーシップを発揮して業界団体を立ち上げることによって対応する予定である。

ロビー活動を実施しつつ、3月末を目途に方針を打ち出す。

Q.NHKの野菜が売れない報道について

A.報道については未確認である。

当社は農園を貸している会社であり、野菜を売ることについては他社さんが主体となり、当社はそこに働きかける立場と考える。

Q.営業利益の計算について

A.ビジネスソリューションの営業利益に人材ソリューションの利益を加え、さらに管理部門の利益を加えることで営業利益を算出している。

Q.投資有価証券評価損の計上について

A.ご指摘のとおり、損失計上がなければ連続増益になっていたであろうと考える。

投資については台湾のロジスティック関連企業への出資である。

コロナ禍で打撃を受けリストラ等を実行してビジネスの改善を試みたが、将来性を見込むことができなくなったため、評価損の計上に至った。

なお、現在も様々な出資をしているが、リスク管理を徹底することで再発防止に努める。

Q.共同通信の報道に伴うモヤモヤ感につて

A.(社長自身)大株主であり憤りを感じている

ただし、マスコミと戦うより業界全体を良くすることに注力してこうと考えている。

それは、過去において債務超過になった苦しい時期に、「自分達が正しいことを実施している」と信じることが困難な状況を克服するのに一番役に立った実体験に基づいている。

一時的な取り組みでなく、じっくりと確実に対応する姿を応援していただきたい。

Q.当社のスキームを説明してほしい

A.当社は農園を貸すことをしており、借りた企業が障がい者を雇用する仕組みとなっている。

農産物を買い取ることは実施していない。

よって、厚労省からの指導もなく、スキームには問題はない。

Q.障害者団体とのコミュニケーションについて

A.良好な関係を維持していると認識。

3000人の障害者が働けるスキームを構築した結果、障害者から賃金を頂けたこと、旅行に行けたこと、納税できたことなどに関して感謝されている。

Q.コールセンター事業について

A.当初はコールセンターに人材を派遣するのみであった。

ところが、コロナ禍で給付金対応等でコールセンターが”いっぱいいっぱい”になってしまったことから、”お手伝い”をさせていただいていた。

現在は、ピークを超えたため状況に応じたコールセンターの統廃合等を実施している。

Q.野菜の買取(売る喜びの実体験)について

A.野菜を買い取ったり直売したりはしていない。

ただし、1500人の社員は農園で働く方との交流(お手伝い)もあり、野菜を無駄にしてはならないという意識は共有されている。

Q.DXの推進のリスクについて

A.これまでも社内で実施してきており、データマイニングディープラーニングに社内で注力していく予定である。

コスト低減以上に信頼度を高めることが期待される。

Q.子会社の売上高、営業利益、利益率について

A.エスプールプラス、エスプールロジスティック、エスプールセールスサポート、エスプールリンク、エスプーるグローカル、ブルードットグリーンについて説明が実施されました(数値は書き取れませんでした。)

Q.素晴らしい事業に投資していると感じた(コメント)

A.当社は公的資金は頂かず、企業からの参加費でビジネスを営んでいる

業界団体を作ることなど、”慌てて伸ばす”ことは考えず、じっくりと対応していく予定であり、現場に対してもそのように支持している。

Q.ブルードットグリーンのコンサルについて

A.現在、英国のNGO団体CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)からの二酸化炭素削減についての問い合わせに答えないとESGの観点から投資不適格となりかねないのが現状である。

ところが、大企業以外ではこれに対応する専門の人員・組織を配置するのは困難と推測される。

よって、当社がアウトソーシングとして環境経営を支援させていただいている。

決議事項

・剰余金処分の件

・定款一部変更の件

・取締役6名選任の件

監査役2名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

事業説明会

総会終了後に事業説明会が実施されました。

残念ながら時間がなくて最初しか聞くことができませんでしたが有意義な話だったと思います。

⑵ 株主還元    

配当

一株当たりの配当推移は下記の通りです。

2022年11月期:8.0円

2021年11月期:6.0円

2020年11月期:3.3円

2019年11月期:2.0円

株主優待

なし

株主総会のお土産等

受付時に下記のクッキーを頂きました。

あと、事業説明会前にペットボトルの水かお茶が頂けました。

それから、事業説明会終了後に野菜を配るとのことでした。

【美味しかったクッキー】

             

3 株主としてのコメント

⑴ 批判的な報道への対応について

批判的な報道に対する対応として業界団体設立を目指すという方向性は悪くないと考えます。

その理由は、M&A業界の前例があるからです。

数年前に河野太郎

「M&A仲介業者が売り手と買い手を同時に行うのが利益相反ではないか?」

という趣旨の発言をきっかけに東洋経済等の雑誌が批判記事を報じたことがありました。

これに対しては、日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクなどの企業が中小企業庁の”指導”を踏まえて業界団体や業界のガイドラインを制定して業界の発展に繋げています。

その意味で会社の方向性は妥当と判断します。

今後、監督官庁厚労省をうまく取り込んで、業界ガイドラインや団体設立等に注力することが期待されます。

⑵ 株価の長期下落トレンドについて

一般的に株価が下落する要因は3つあります。

業績低迷、不祥事、将来の成長期待の剥落です。

残念ながら現在のエスプールには3つとも当てはまってるように感じています。

具体的には

・業績低迷:連続していた増収増益が増収減益となったこと

・不祥事:共同通信の批判記事(個人的には風評被害と思っていますが・・・)

・将来の成長期待の剥落:コロナ禍のコールセンターのピークアウト

この中で、業績については本業が好調で投資有価証券評価損の計上が”一過性”という会社の説明を踏まえれば今期以降は問題ないのではないかと考えます(決算発表は要注目です)。

次に不祥事については、業界団体やガイドラインの設立によって徐々に良い方向に転換していくのではないかと期待しています。

ただし、成長期待については個人的には懸念が残っています。

今まではコロナ禍で助成金・給付金関連の手続きでコールセンターが”儲かる”という素人でもわかる成長ストーリーが株価を大きく牽引してきたと思います。

そのコールセンターがピークアウトした現在、新たに誰もがエスプールは”儲かる”と思えるようなシンプルかつ強力な成長ストーリーがよく見えません。

個人的に勉強不足なところはありますが、成長性についての会社からの積極的なIRなどが期待されます。

【総会会場で見かけたオブジェ】

4 まとめ

エスプールについて述べてきました。

普段、馴染みがない会社で含み損を抱えていましたが、総会に参加して社会課題を解決することが会社の成長につながることなどを理解することができました。

残念ながら事業説明会を中座してお土産の野菜はいただけませんでしたが、来て良かったです。

時間がかかっても株価が長期上昇トレンドに反転することを期待して、株主として粘り強くホールドしていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

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