こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

マネックス・アクティビスト・フォーラム2023に参加して

こんにちは!
2023年2月4日(土)の1400〜1800の間、マネックス・アクティビスト・フォーラム2023」に参加しました。
会場はベルサール秋葉原で300名ぐらいの方が集っていました。
オンライン参加者は2000人ほどとのこと。
普段、株主総会のことを記事にすることが多いので、アクティビスト(物言う株主?)について詳しく知りたいと思い参加しました。
この記事は、フォーラムで得られた主な気づきや感じたことをまとめたものです。
【目次】
【フォーラム会場のベルサール秋葉原

●基調講演 楠木 健氏(一橋大学教授)

実は、FPのウエルビーイングについてのセミナーと競合していたため途中からの参加でした。
話を聞くうちに、もっと早く聴いておけばよかったと後悔しました。
主なポイントは以下の通り。
法人税より消費税のほうが大きいのは、企業が稼げてない証拠。
・シンプルに考えることが大切:勝利条件=(長期利益)が明確
・道徳的な商売が一番儲かる!(「論語と算盤」)
・全ては時間軸に帰結する
 短期的なリアリズムはトレード・オフになる:×
 長期的なリアリズムはトレード・オンになる:○
・株主は長期的なリアリズムにおいてリーダーシップを発揮し得る!

●ビデオメッセージ

・日本が技術は一流、商売は二流
・経営には規律が必要
・パッシブ投資は経営に関与し得ない
日本株が上がらない理由は日本人が買わないから
・米国経営(解雇が容易)と日本経営(解雇が困難)のハイブリッドが良い

●パネルディスカッション(冨山氏、テスタ氏、松本氏、広木氏、井村氏ほか)

東証上場企業の半分がPBR1倍割れ
・割安でも買われないのは経営者の成長への野心がないため
・成長より安定を好む経営者は現状の居心地の良さにどっぷりと浸かっている
・会社そのものが共同体(ムラ)化している
・PBR1倍の会社にアクションを起こさせる必要性を東証も感じている
 ポジティブなインセンティブ:効果は期待薄
 ネガティブなインセンティブ:効果が期待できる!(仲間を裏切る言い訳により成長路線へ)
・米国は事業ポートフォーリオを入れ替えながら成長を持続させる
・日本ではやめるということが難しく、生産性が落ちた事業を外せない
・アクティビストとは儲けたいだけやん!(というイメージを持っていた)
・ファンドとして企業に正しいお金の使い方を求める
・少数株主を守る制度が必要な日本
マネックス・アクティビスト・ファンドは200億円規模
・投資期間は長くて3年(時間リターンを考慮)
・会社を守ることと経営者の保身は異なる
・グリード(欲)は善であり全体最適通じる

●ビデオメッセージ(オアシスマネジメント創業者)

フジテックの事例紹介
・株主の権利を行使することは極めて大切
【会場入口にて】

●パネルディスカッション(丸木氏、松本氏、井村氏ほか)

・アクティビストの活動の実例紹介(5%の株式取得、年7〜8回の面談、総会での意見等)
・アクティビストの着眼はガバナンスと資本効率の改善(増配)
自己資本が過剰な会社に対する改善提案を行い企業価値の向上に努める
企業価値向上=山に登る(意志がある経営者に対してアプローチの方法を助言するのがアクティビスト)
フクダ電子やセプティーニの実例紹介
・イグジットするかどうかについては個別のケースごと異なる
・完全子会社化はつまらない
東証のフォローアップ会議でも、企業の生産性向上が期待されている。
時価総額100億未満の会社は単独ではなく他社との協力が生産性向上のためには必要
日証金天下り問題について
・PBR1倍割れ企業の経営陣を目覚めさせることが重要
・地銀はヒトもカネも持っているので地方の活性化に貢献し得る
・会社に対する開示請求のコスト(3000円)はやむを得ない
・ファンドの運用者としてパフォーマンスを上げることの責任
・99年の頃に比べるとアクティビストの子供がいじめられるようなことがなくなった
・アクティビストとして関与すべき会社は沢山ある
・変わりようのない会社にエンゲージメントしても意味がない
・少数株主を守るという意味で大義で動く場合もある(ENEOSの親子上場解消の例)
・取締役選任議案は株主しか出せないようにすると、成長意欲を刺激し得る
・RS(譲渡制限付株式)の制限が甘い会社が多い
・取締役は形式ではなく中身が重要
竹田和平さんのような感謝を態度であらわすような株主
【会場でいただいたバック】

●参加して良かったこと

会場にて若い熱意のある参加者とともに有意義な時間を過ごせて満足しています。
また、アクティビストの方の具体的な活動紹介も参考になりました。
自分も毎月株主総会に参加していますので、今回の知見を生かしたいと思います。
マネックスグループの株主として今回のフォーラムについては満足です(株価は・・・)。

●気になったこと

・儲けの指標について

日本企業が儲けることの重要性が良くわかりました。
ただし、その具体的な指標について気になりました。
よく、日本企業は利益を重視し、米国企業はキャッシュフローを重んじると言われています(下記の書籍を参照して下さい)。
そのあたりはアクティビストは気にしないのでしょうか?

・新NISAの対応について

受付にマネックス証券のNISAのチラシがありました。
社員の方に新NISAへの対応について質問したところ、
「何も決まっていません」
との返事がちょっと、気になりました。
ちなみに、ウエルスナビは24年1月から新NISAに対応すると社長が力説
新興企業と大企業の違いがよく現れていました。

・松本会長

帰り際に松本会長が出口付近で参加者をさり気なく見送っていらっしゃいました。
かっこよかったです。
今後は役職を譲って、トレーダーに専念されると報じられています。
そういえば、山中教授もiPS細胞研究所の所長を退任して研究者に戻られたとのこと。
同世代として、節目を迎えた際の生き様に強く感化されました。
来て良かったです!
お読みいただき、ありがとうございました。