投稿日:2022.2.3、更新日:2022.3.20
こんにちは!
この記事は、マネジメントソリューションズ【7033】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、株主優待(赤飯)をいただいたことと、ビザスクとの比較の内容を追記して記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
・発注者主体のシステム開発を目指したPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)
・着実な高成長を期待
【目次】
【東京ミッドタウン】
1 マネジメントソリュージョンズについて
⑴ 会社概要
プロジェクトマネジメント(PM)実行支援が柱のコンサル会社です。
ビジョン
「Managementにおける会社のPlatformとなり、組織の変革及び自律的な個人の成長を促す」
ちょっと分かりにくい気がしますが、組織と個人を大切にしたいという想いは伝わってきます。
セグメント
コンサルティング事業の単一セグメントですが、部門別には下記の通り区分されます。
・プロフェッショナルサービス
プロジェクトマネジメントコンサルティング、プロジェクトマネジメント実行支援
・その他
e-ラーニング、集合トレーニングの提供
⑵ 株主になったきっかけ
決算月が10月で優待がある成長企業ということで株主になりました。
また、コンサル会社というフィールドの良さとPMOという独自性にも魅力を感じています。
⑶ 経営分析
収益性
・売上高総利益率:39%
・売上高営業利益率:13%
上記の通り収益性は高いです。
また、販管費の比率が高いことから所要の人件費が投資されており、そのことが人材の確保につながると推測します。
安全性
・流動比率(200%以上が望ましい):257%
・自己資本比率(30%以上が望ましい):61%
短期的にも中・長期的にも安全性に問題は認められません。
効率性
・有形固定資産回転率:30.99%
売上高に比べ有形固定資産は比較的少なめと考えられます。
東京ミッドタウンにオフィスがありますが妥当なコストではないでしょうか。
2 株主総会等
⑴ 2022年1月の株主総会
株主総会
第17回定時株主総会 2022年1月28日(金) 東京ミッドタウン
会場とネットのハイブリッド開催。
遅れて会場に到着。
お水をいただきました。
決議事項
・取締役5名選任の件
・監査役3名選任の件
・取締役に対する事後交付型業績連動型株式付与のための報酬決定の件
滞りなく可決
約20分で終了。
後株主懇談会
主な質疑応答は下記の通り。
Q.PMOのCMについて
A .アクセンチュアでのタイガーウッズのCM成功を参考に、知名度向上のために作成した。
その結果、人材採用面では内定受諾率が30〜50%だったのが60〜70%に向上した。
併せて、名前が浸透したため営業活動にも貢献している。
Q . チャイナリスク(カントリーリスク)について
A.現状では中国上海で15名勤務しているが問題は認められない。
ちなみに、現状の取引先は日本企業100%である。
Q.コンプライアンスについて
A .委員会設置、研修制度、第3者通報制度、内部監査員の連携により防止している。
Q .米国子会社について
A.あのリクルートでさえ海外で収益を上げるまでには10年単位という年月を要している。
長期的な視点で育成して行くつもりである。
Q.国や自治体をクライアントとする取組について
A.国であってもプロジェクトマネジメントができていないところは認識している。
必要に応じて関与していく。
Q . 社員の離職率について
A.業界では離職率が高い場合は20%、平均は10%程度と認識している。
離職率が0というのもきちんとした人事評価がなされていないという意味で良いとは考えていない。
離職する理由を踏まえた改善策はとるが、組織の新陳代謝を考えて一定の離職は続くものと考える。
Q .リファラル採用(社員の知人や友人を紹介・推薦してもらい、選考する採用手法)について
A.チーム戦のようなお祭りのノリを生かしつつ実施している。
福利厚生をよくして誘い易い環境整備に努めている。
Q.競合他社との違いや優位性について
A.アクセンチュアでの受注側の論理とソニーでの発注側の論理の両方の知見を持つ立ち位置の良さが強みと考える。
・米国のシステム開発は発注側が7割、受注側が3割
・日本のシステム開発は発注側が3割、受注側が7割
このことは日本のシステム開発の”ベンダー丸投げ”を物語っており、そこに解決すべき課題がある。
PMOを通じて発注側からより良い関与が可能となることも他社との違い。
⑵ 株主還元
配当
なし
株主優待
保有期間と株数に応じた「プレミアム優待倶楽部」のポイントが付与されます。
食品、電化製品、ギフト、旅行・体験などの交換できます。
今回は赤飯を選びました。
赤飯が好きなことに加え、値上げが続く中、家計に役立つと思ってのことです。
【株主優待としてカタログギフトから選択した赤飯:12個】
株主総会のお土産?
既に述べましたが、お水をいただきました。
また、株主総会会場の係の方々の表情も明るく、話しかけてもハキハキ答えていただけて感謝しています。
3 株主としてのコメント
⑴ ビジネスモデルについて
基本的には、他の成長企業と同じく、米国でのビジネスが数年後に日本でも流行るであろうという”タイムマシン経営”だと認識しています。
ただし、特筆すべきは日本のシステム開発の問題点である”ベンダー丸投げ”という課題に正面から取り組んでいるところだと考えます。
その際、社長の受注側の論理と発注側の論理の両方に通じている点が自社の強みとの説明は単純ですが説得力がありました。
もし、PMOを通じて発注側が主導権を握りつつシステム開発することが米国並みになるとすれば、文字通り”社会を変革すること”に通じると考えます。
⑵ 株主総会雑感
株主総会が20分足らずで終了した時に、あのニューラルポケットの総会のことが思い出されて不安になりました。
ただし、質疑応答の様子を拝見し、成長企業の社長の中では誠実にかつ分かりやすく対応されていると感じました。
ニューラルポケットやPKSHAの社長のような冗長な表現でなく、ZUUの社長のように”夢や想い”先行でもなく、ビザスクの社長のようにファンに囲まれているわけでもなく、霞ヶ関キャピタルの社長ほど話し上手(ノンバーバルコミュニケーションを含む)ではありませんが、ユーザーローカルの社長ほど地味ではないという印象を持ちました。
⑶ 株主還元について
配当はありませんが、株主優待があることは評価できます。
相場の急落時にも守り強さを発揮すると予想します。
⑷ 気になっていること
ユーチューバーの取り上げ
あるユーチューバーがMSOLを取り上げました。
その方が取り上げた霞ヶ関キャピタルの株価は残念ながら”行って来い”となってしまいました。
株主としてはそっとしておいてほしかったです。
ただし、その動画の書き込みを見て、”煽られないぞ!”という趣旨のコメントが多かったので少しだけ救われた思いです。
バリュエーションの高さ
MSOLは総資産約38億円の会社です。
その約38億円のお金を使って、約73億円の売上を上げるのは立派だと考えます。
ただし、時価総額は約540億円となっており、バリュエーションの高さ、市場からの大きな期待が伺えます。
逆に考えると、失望売りが出易いということは覚悟しておいた方が良いと思います。
意外と従業員数が多い(2021年10月31日現在で490名)
昨年とに比べ139名増加して490名の従業員ということで、ちょっと多いという印象を持ちました。
例えば、一人当たりの売上高で考えると
72億5千万円÷490=1477万円
一人当たりの”営業利益”の場合は、
8.8億円÷490=180万円
となります。
会社四季報によると平均年収は708万円とのことです。
一人当たりの売上高が1477万円でそのうち約半分に相当する708万円が給与としているのは従業員想いの会社と考えて良いのではないでしょうか?
ちなみに、高額年収で有名なヒューリックの平均年収は1708万円ですが、一人当たりの”営業利益”は約5億円と聞いています。
また、組織運営を考えると従業員が500名を超えると人中心のマネジメントでは限界があり、ITの活用が必須となると言われています。
MSOLは既にITを駆使した組織運営がなされているのかが気になります。
⑸ ビザスクとの比較
コンサルティング会社ということで持株の中では他にビザスクがあります。
MSOLはプロジェクトマネジメントのコンサルティング。
ビザスクはスポットコンサルティング。
一般に、ビザスクの女性社長はマスコミに取り上げられることも多く、ユーチューバーの中には、「ビザスクに勝てる会社あるの?」とおっしゃる方もいます。
同じコンサルティング会社ですが社長が目立っている分、ビザスクの方が市場の”評価”が高いように思っていました。
ところが、PBR(株価純資産倍率)で比較すると
ビザスク:約2倍
MSOL:約20倍
となっています。
なぜ、MSOLはビザスクより10倍ものれん、ブランド力、無形資産等が高いのか?
自分の仮説は、ブランド力には攻めと守りの要素があり、MSOLは守りに強い!
というものです。
根拠は下記の通りです。
・MSOLは無配だが優待があり、株主にしっかりと報いている。
・MSOLの経営陣に比較的高齢の人が多く多様性がある分、守りに強い(ビザスクの場合、監査人を含めて若い方が多く属性が均一)。
・株主総会の様子などを動画信しており、説明責任をしっかり果たしている安心感がある(ビザスクは配信なし)。
・PMOのCMの効果
などです。
もちろん、他にも要因はあると思います。
ただ、高いバリュエーションの会社でも、株価が容易に下落する銘柄とそうでない銘柄の違いを生む違いは何か?という問いたてから学ぶこともは少なくありません。
このまま市場の高い評価を維持したまま成長し続けるかどうかについてウオッチしていきたいと思います。
4 まとめ
成長著しいMSOLについて述べてきました。
ユーチューバーに取り上げられる機会が増えましたが、静かな環境で着実な成長を期待しています。
ただし、「悪名は無名に勝る」との言葉もあり、たとえ霞ヶ関キャピタルのように急騰急降下のようになったとしても、その名が市場や社会で広まることは悪いことではありません。
株主としては複雑な気持ちもありますが、波乱の中にあっても優れたビジネスモデルと社長の人柄の良さで成長を続けることを期待します。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
#投資 #株式 #株主総会 #資産形成 #資産運用 #マネジメントソリューションズ #MSOL