こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

システム情報【3677】について〜売上高の低迷について

投稿日:2022.1.17

こんにちは!

この記事は、東証1部上場銘柄のシステム情報【3677】に関心のある方に向けた株主としてのコメントを記したものです。

・国際資格は保有しているが・・・

・人材を大量採用したりM&Aを過去4回も実施しているのに売上高が横ばいの謎

【目次】 

株主優待のクオカード1000円分】

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1 システム情報について

⑴ 会社概要

SI・ソフトウエア開発企業です。

会社四季報時価総額順位では77/232となっています。

システム情報を検討するにあたり同じく株主でもあり、同業かつ同規模(68/232)のセラクとの比較を適時行っています。

企業理念 

Value Engagement Partner

お客様の価値観を共有するパートナー

セグメント

単一セグメント

⑵ 株主になったきっかけ

マネー雑誌の記事で知りました。

9月決算だったこととフィールドの良さで数年前に株主となりました。

⑶ 経営分析

収益性

・売上高総利益率:21%

売上高営業利益率:12%

IT企業としては平均的です。

ただし、売上高はここ数年130億円前後で成長率は鈍化しています。

ちなみに、日米のITベンダーの営業利益率は下記のとおりです。

米国:15〜35%

日本:7〜15%

米国の利益率が高い理由は

・戦略的に最上位であるITコンサルティングへの特化(アクセンチュアIBM

・自社パッケージ・サービスへの特化(SAP、マイクロソフト、オラクル)

とされています。

強みを活かすことの大切さを感じます。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):312%

自己資本比率(30%以上が望ましい):68%

短期的にも中・長期的にも安全性に問題は認められません。

効率性 

・有形固定資産回転率:94.27

IT企業らしくオフィス等のコストは少なくその点では効率的な経営がなされていると考えます。

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2 株主総会

⑴ 株主総会

第42期定時株主総会 2021年12月22日(水) 時事通信ホール

参加せず。

⑵ 株主還元    

配当

一株あたり17円

増配

配当性向35%

株主優待   

株数と保有期間に応じたQUOカードがもらえます。

株主還元には積極的だと考えます。

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3 株主としてのコメント

⑴ IT業界の特徴

IT企業の分類

IT企業は次の5つに分類されます

( )は売上規模を示します。

・プライムベンダー(500億以上):NTTデータIBM、日立、富士通

・準大手ベンダー(100〜500億未満):システム情報、セラク

・中堅ベンダー(10〜100億未満)

・中小ベンダー(1〜10億未満)

・孫請け(1億未満)

準大手ベンダーはプライムベンダーに次ぐ企業規模。

プライムベンダーとは競合であると同時に重要な取引先であり二次請けも少なくありません。

IT業界の問題点

■技術者不足

DXの進展によりIT人材の争奪戦が繰り広げられています。

情報サービス産業は”人が全て”であり、各社とも腰を据えて取り組んでいるようです。

クラウド化の流れ

クラウド化の流れにより、それまでのIT業界の大きな稼ぎ口であったゼロからシステムを構築しそのシステムの保守運用する仕事が減少しています。

業態転換等の必要性が高まってきていいます。

⑵ セラクとの比較

経営分析(収益性、安全性、効率性)の点でセラクとほとんど差はありませんでした。

一番の相違点は、成長性

19年の売上高

・システム情報:123億円

セラク:114億円

2021年の売上高

・システム情報:130億円

セラク:152億円

システム情報はセラクにトップラインで抜かれています。

セラクの高成長の要因は人員多く採用したことによると会社から説明されています。

それではシステム情報の採用状況はどうでしょうか?

システム情報の事業報告の中では

「ここ数年、毎年100名以上の採用を実施し、技術者のスキル向上や資格取得に積極的に取り組んでおりますが、今後の成長の為には更なる人材育成の強化による人的資本の充実が必須と考えております。・・・」

と説明されています。

ここから分かることは2つ

・システム情報もセラク同様に採用人数を増やしてきた。

・採用人数を増やしたがそれでも成長の為には不十分だった。

ここから、

システム情報の人材育成に問題があるのではないか?

との疑問が生じます。

システム情報のIRに問い合わせてみました。

ポイントは

中途採用は即戦力

・新卒は一定期間を得て戦力化

・受注の一部を協力会社へ発注

・外注から内製への構造改革を実施中

とのことでした。

残念ながら腹落ちするような回答はえられませんでした。

人を増やして戦力化していても売上高がそれに比例しないとするならば、考えられる原因は単価の安い仕事が中心だからということでしょうか?

それでも会社としても継続的改善に取り組んでいることは理解できました。

⑶ M&Aについて

IT業界ではM&Aが活況です。

2019年には資本提携を含み千件を超えるM&Aがなされたようです。

システム情報も今後M&Aに積極的に取り組むとあります。

もちろん、M&Aをすれば問題が解決できるというものでもありません。

特に、PMI(吸収合併後の統合)はなかなか手強い問題と認識しています。

その点で、外部の専門家の支援を受けることについてIRに聞いてみました。

その回答は、

・過去4回のM&Aの経験があるのでその必要性はない

・M&Aは連結業績に寄与している

とのことでした。

寄与しているとおっしゃりますが、その割には売上高はあまり増えていないような気がしますが・・・。

また、業態の変更新規事業の創出にどれだけ貢献したかも不明です。

PDCAがきちんと回っているのか気になります。

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4 まとめ

システム情報は国際資格保有を強調しています。

けれども、資格や規格というのはミニマムな要求を規定しているものであり、最高のサービスや商品を保証するものではありません。

業績が良い会社は米国企業の例からも分かるように強みに特化しています。

セラクがみどりクラウドで業界No.1を目指すと宣言している攻めの姿勢に比べても、当社がどのようなサービスや商品で売上を伸ばしていくかがわかりにくく感じます。

そしてそのことは、PER17倍とバリュエーションは高くない市場の低い評価とも一致します。

PDCAサイクルを回し、弱みを防ぐことに加え強みを伸ばしていくことを期待します。

また、IT業界の動向については下記の書籍を参考としています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

 

 

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

 

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