こげぱんの資産運用

ピンチはチャンスなりをモットーに株式投資を中心とした資産運用についてつづります

CRE【3458】〜株主総会雑感

初投稿:2021.10.30、更新日:2022.10.28

こんにちは!

この記事は、CRE【3458】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。

なお、2022年10月の株主総会の様子等を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。

・成長性と安全性

霞ヶ関キャピタルとの比較

【目次】 

株主総会が開催された虎ノ門ツインビル】

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1 CREについて

⑴ 会社概要

物流施設の賃貸管理、開発、アセットマネジメントを手掛ける会社です。

■理念

永:永続的な発展を使命とする

徳:自利利他の精神をもって事をなす

環:社会とのつながりを大切にする

■企業理念

私達の使命は真の価値を生み出し必要とされる企業グループで在り続けることです

■企業ビジョン

世界の人とモノをつなぐ物流インフラプラットフォームとしてNO.1企業グループ

※物流インフラプラットフォームとは 

「物流不動産」と「不動産の利用価値」の同時提供を実現し、物流サービスすべての基盤となる仕組み

とのことです。

■第2次中期経営計画(2022年7月~2026年6月)(2021.9.9)

事業利益を2倍にする計画

巣篭りを契機としたネット通販が今後も私達の生活に定着していくと思います。

そう考えると物流不動産ビジネスは業界として成長を続けると考えられます。

物流不動産の分野でストックビジネスとフロービジネスを両輪とした事業活動をする計画。

将来が楽しみです。

■セグメント

セグメントは次の3つです。

内訳は

ストックビジネス:不動産管理事業、アセットマネジメント事業

・フロービジネス:物流投資事業

となっています。

・不動産管理事業

 マスターリース、プロパティマネジメント、建設工事、リーシングを行っている。

※マスターリースでは、不動産所有者から物流施設を中心に一括で借り上げて運営・管理し、テナントへ転貸しを実施。

※プロパティマネジメントでは、物流施設や商業施設の賃貸管理を受託。

※建設工事では、不動産所有者への資産活用の提案や、修営繕、改造及び原状回復等の工事を実施。

※リーシングでは会社のマスターリース物件や物流投資事業にて開発した物件へのテナント誘致とそれ以外の物件へのテナント誘致を実施。

・物流投資事業

 物流に特化した施設開発に関して、マーケットリサーチ、用地情報入手、プランニング、用地取得、建設工事発注、テナント誘致から売却まで一貫して行っている。

・アセットマネジメント事業

 顧客である投資家に対して、収益不動産への投資機会や運用・管理サービスの提供を行っている。

⑵ 株主になったきっかけ

2021年5月にNISA口座で購入。

7月決算企業の中で好業績だったためです。

株価は8月下旬にピークを付けた後急落しています。

買値が安かったので含み益を維持しています。

⑶ 2022年7月期の経営分析

業績は増収増益であり好調です。

しかも、不動産管理事業、物流投資事業、アセットマネジメントの3つのセグメント共に増収増益とのことです。

収益性

●売上高総利益率:25%

売上高営業利益率:16%

高収益であり、かつ、昨年よりも収益性が高まっています。

安全性

流動比率(200%以上が望ましい):446%

自己資本比率(30%以上が望ましい):31%

短期的には安全性には問題ありません。

中・長期的には懸念があるものの昨年よりも自己資本比率は向上しています。

これは増資によるものと考えます。

なお、第3社割り当てによる新株式発行により調達した41億710万円については物流投資事業による開発資金に充当すると会社は説明しています。

効率性

●有形固定資産回転率:8.69

昨年に及びませんが不動産業としては効率的な経営がなされています。

⑷ 2021年7月期の経営分析

収益性

・売上高総利益率:22%

売上高営業利益率:12%

高収益です。

物流不動産事業が好調かつコロナ禍の影響が小さいためと考えます。

安全性

流動比率:513%

自己資本比率:27%

短期的な安全性は問題ありません。

長期的な安全性については増資を行ったにもかかわらず自己資本比率は小さめ

けれども会社はマスターリース事業を柱としていることから、指標としては

ネットD/Eレシオが2.5倍以下

を基準にしているとのことです。

マネックス証券の銘柄スカウターによると、

ネットD/Eレシオ:114.3%

とやや高めです。

どちらかと言えば、金融業に近い業態なのかもしれません。

安全性については懸念は残るものの大きな問題とまでは言えないと考えます。

効率性 

・有形固定資産回転率:10.42

大手不動産会社の場合、有形固定資産回転率が1未満であることを考えると、マスターリース事業を中心に、効率的な経営がなされていると考えます。

【2022年の株主総会案内板】

2 株主総会

⑴ 2022年10月の株主総会

第14期定時株主総会 2022年10月27日(木)虎ノ門ツインビルディング 

参加した株主数は十数人。

社長に元気がないのが気になりました。

主な質疑応答

Q.利益の推移について

A.前期については得意の分野で良き物件の売却により利益率が良かった。

 今後については申し上げられない。

Q.中期経営計画達成に資する物件の保有について

A.明らかにすることはできないが有益な物件は保有している。

決議事項

・定款一部変更の件

・監査等委員でない取締役9名選任の件

拍手を持って賛成・可決されました。

時間は約15分程度で終了しました。

【2021年の株主総会の案内板】

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⑵ 2021年10月の株主総会

第13期定時株主総会 2021年10月28日(金) 虎ノ門ツインビルディング

参加した株主は十数名程度。

社長からの挨拶と説明で6分。

質疑応答・採決・新取締役の挨拶を含めて株主総会の時間は20分。

社長は終始緊張気味、質疑応答の際、社長が事務局の方と何度も話し合っていたことが印象的でした。

■質問事項

Q.増資の背景は?

A.手元資金を確保し成長を加速するために実施した。

Q.補欠の取締役や監査人は選任しなくて大丈夫なのか?

A.補欠を確保していないのは事業内容等を勘案してのこと。

もし、欠員が生じた際には法令に則り適切に対応する。

Q.財務戦略について(自己資本比率の低さと再度の増資)

A.当社は事業内容を踏まえて自己資本比率ではなくネットD/Eレシオ2.5倍以内を目安としている。

なお、再度の増資の計画は無い。

また、株主からのお願いとして積極的なIRが挙げられていました。

■決議事項

・監査当委員でない取締役9名選任の件

・監査当委員である取締役3名選任の件

滞りなく採決されました。

⑶ 株主還元

配当

一株当たり23円

なお、第2次中計では、ストックビジネスから得られた利益の概ね50%を配当目標とし、フロービジネスの利益を成長投資に回す方針であるとのことです。

分かりやすく株主として好感が持てる方針です。

株主優待

なし

なお、2022年に下図のクオカードの株主優待は廃止となっています。

1月末:クオカード500円

7月末:クオカード1000円  

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3 株主としてのコメント

⑴ 2021年株主総会雑感

株主総会に参加し、会社のことを深く理解している投資家の質問を聴く機会がありました。

投資家としては、業界や会社について精通している方が株を買っていることを実感することが安心感につながります。

会社としても良いIRの機会だと考えます。

けれども6分で説明が終わり20分で総会が終了はちょっと短いと思います。

会社の理念のひとつに

環:社会とのつながりを大切にする

があります。

理念を踏まえ、社長自らの事業に関する思いを熱く語るなどして株主とのつながりをよりいっそう重視されることを希望します。

⑵ 増収増益なのに、何故、株価が冴えないのか?

株価=PER(株価収益率)×EPS(一株あたりの利益)

で決まります。

CREの業績が良いのにもかかわらず株価が冴えないのは、PERが意味する市場の評価が低いことを物語っています。

では、CREの市場からの評価が低いのでしょうか?

他社との比較で考えてみました。

物流不動産で大きな収益を上げている会社とえいば霞ヶ関キャピタルが挙げられます。

両者を比較すると同業でも顕著な差異が見られます。

列挙すると

●利益

C:5年で2倍の計画

霞:5年で10倍の計画

●IR

C:消極的。

霞:社長のYouTube配信を含めて積極的。

●株主還元

C:優待廃止、配当利回り1.81%、時価総額約390億円、平均年収676万円

霞:株主優待あり、配当利回り1.1%、時価総額約370億円、平均年収1311万円

微妙な部分もあります。

でも、上記の比較から、株主や社員に対しては霞ヶ関キャピタルの方を高く評価します。

物流事業を手掛ける会社を投資するなら霞ヶ関キャピタルオンリーでいいようにも思えしまいます。

もちろん、不動産業界や会社経営というのは簡単に評価できるものではありません。

それでも、株価を見れば業績好調にもかかわらず右肩下がりのCREと業績のぶれが大きいにもかかわらず株価が急騰している霞ヶ関キャピタルとの比較から、市場はあまりCREに対して高い評価を与えていないのも納得がいきます。

なお、個人的には株主総会で「増資の計画は無い」と言っておきながら、翌期にちゃっかりと増資をする経営陣の”発言の軽さ”将来性の限界を垣間見た気がします。

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4 まとめ

CREについて述べてきました。

最初の株主総会では、株主総会に参加してストックビジネスとフロービジネスを両輪として成長性と安全性のバランスに果敢に挑戦している会社という印象を持ちました。

けれども、1年間の経営をモニターした結果、株主優待の唐突な廃止や増資、株主総会での社長の自信のない質疑応答の様子から印象は大きく変化しました。

そして、物流不動産業界の霞ヶ関キャピタルと比較することで経営の優劣について指摘しました。

成長著しい業界に属しているということだけでなく、経営そのものの優劣についてもしっかりと個々の会社を見極めることの大切さを実感しています。

お読みいただき、ありがとうございました。   

  

※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。 

#投資 #株式 #株主総会 #資産運用 #CRE #虎ノ門