初投稿:2021.9.30、更新日:2021.12.17
こんにちは!
この記事は、サンマルクホールディングス【3395】に関心のある方に向けた、株主としてのコメントをまとめたものです。
・20%割引株主優待カードが可能な理由
・ドトールとの比較
【目次】
なお、2021年12月に第31期中間事業報告書が届きましたので、会社四季報の最新号と会社HPの情報を追記して更新します(青字が追記した更新部分です)。
●中間事業報告書から
残念ながら業績は芳しくありません。
2期連続赤字となりそうです。
その理由については、
「・・・通常営業が不可能な状態を余技無くされる期間が長期化されました。」との記述から、不可抗力であったことが強調されています。
また、プレミアムなメニュー展開、業態変更・退店、人件費や賃料の固定圧縮の継続に努めているとのことでした。
●会社四季報(最新号)から
【一転赤字】とあり、その要因として賃料の重さが指摘されています。
日レス・ドトールの会長の著書の中に、
「良い商品やサービスは当たり前。カフェ・レストラン業はある意味立地稼業。不動産や賃料を少しでも有利な状態にするのがプロの経営。」
のような記述があったと記憶しています。
コロナ禍のような厳しい状況下では、守りに強いプロとしての経営がモノをいうことを実感しています。
と同時に株価はそれほど下がっていないのは株主優待のおかげだと思います。
なお、【肉食】の意味は肉を用いたメニューのことを指すのでしょうか?
申し訳ありませんが、四季報の見出しをよく理解できませんでした。
●会社ホームページから
2022年1月1日より社長が交代する旨のIRが出ていました。
次の社長のプロフィールを見ていると金融業界出身の方のようです。
黒字化に向けての組織的な取り組みに期待します。
●株主として
会社が厳しい状況に陥った時、最後にモノを言うのは消費者から愛される商品やサービスだと思います。
その意味で、サンマルクのチョコクロや珈琲、そしてプレミアムな空間が無くなってほしくない人は少なくないと考えます。
株価の低迷もしばらくはやむを得ないかもしれません。
ただし、株主優待の維持については強く要望したいと思います。
1 サンマルクカフェについて
⑴ 会社概要
本社は岡山にあります。
カフェやレストランでおなじみの会社です。
経営理念等
・サンマルクホールディングス経営理念
私達はお客様にとって最高なひとときを創造します
・株式会社サンマルク経営理念
私達はお客様に「意表の喜び」を創造し提供する
株式会社サンマルクは、自社の事業分野を「意表の喜び創造業」と規定します
セグメント
●レストラン事業
・ベーカリーレストラン「ベーカリーレストラン・サンマルク」「ベーカリーレストラン・バゲット」
・スパゲティ専門店「生麵工房鎌倉パスタ」
・回転ずし「すし処函館市場」
・ドリア専門店「神戸元町ドリア」
●喫茶事業
・コーヒーショップ「サンマルクカフェ」
・フルサービス喫茶「倉敷珈琲店」
●その他(実験業態)
・「奥出雲玄米食堂井上」、「ザ・シーズン」、「天青」、「石焼炒飯店等」
⑵ 株主になったきっかけ
近所にお気に入りのサンマルクカフェがあり、20%引きの株主優待が欲しくて株主になりました。
お気に入りのお店にもちょくちょく通っています。
また、素泊まりの旅行の時、最寄りにサンマルクカフェがある場合、美味しい朝食がお値打ち価格で食べられるので助かっています。
⑶ 経営分析
コロナ禍の影響を受け、赤字です。
株主総会招集通知の連結計算書類をもとに以下のように分析しました。
収益性
飲食店は原価3割が基本とのこと。
・売上高総利益率:78%
原価率は低く良いビジネスモデルと考えます。
ちなみにドトールの売上高総利益率58%と比較すると収益性はこの点では勝っていると思います。
安全性
・流動比率(200%以上が目安):385%
・負債比率(100%以下が目安):48%
・自己資本比率(30%以上が目安):68%
安全性の各指標は目安をクリアしており財務基盤はしっかりしていると考えます。
なお、ドトールも同様に上記3指数をもっと良い数値でクリアしており、短期~中・長期の安全性についてはドトールの方が有利と言えそうです。
効率性
・棚卸資産回転率:139
良い値であり、商品が売れていることが分かります。
ドトールの場合、棚卸資産回転率が48程度であることを考えると、お金の効率性はサンマルクの方が優位と考えます。
また、有形固定資産回転率は同社とも2程度であり、土地・建物にはお金をかけているようです。
【株主優待カード】
2 株主総会等
⑴ 株主総会
第30回定時株主総会 2021年6月24日(金)ホテルグランビア岡山
参加せず。
⑵ 株主還元
配当
一株当たり44円
2021年3月期は減配です。
なお、2020年3月期までは、5期連続で一株当たり62円の配当をしていました。
株主優待
【モーニングで頂いたサンドイッチ】
3 株主としてのコメント
⑴ 20%割引株主優待カードが可能な理由
スタバ、ドトール、タリーズ、コメダそしてサンマルクはそれぞれ株主優待を実施ています。
そのなかで、20%割引の株主優待カードはかなりお得な優待ではないでしょうか。
上記5大カフェの中でそんなお得な株主優待を提供し続けているのはサンマルクカフェだけです。
何故、サンマルクカフェだけが20%割引というお得な株主優待が出来るのか?
素人なりにその要因を考えてみました。
商品の定価が高い
例えば、サンマルクカフェでブレンドコーヒーを2割引きした価格は、ドトールとほぼ同じ水準の金額になります。
もちろん、珈琲の質や量は異なりますが、サンマルクは定価そのものが高めなのかもしれません。
原価に比べて定価が高いのではないかという仮説は、売上高総利益率が高いことにも符合します。
何故、定価を高めにできるのか?
その理由は、定価を高めに設定できるのは”チョコクロワッサン”のようなお客さんに愛される人気定番商品があるためと考えます。
コロナ禍の厳しい環境で生き残ったお店や商品は、消費者からの”無くなってほしくない”との強い支持があったため。
人気定番商品の力はすごいですね。
カフェのみでなく食事で利用するお客さんが多い
サンマルクではドリンクのみでなく食事をとるお客さんが多いようにみえます。
個人的に考えても、モーニングでガッツリ食べようと思ったらサンマルクを選びます。
そのように料理を注文する人の比率が多いことは客単価を上げることになり、その結果、20%引きの余地が生まれると推測します。
そう考える根拠は、同じく持株会社であるWDIの株主優待も20%割引カードであり、やはり料理を注文するお客さんが多いことにあります。
ドリンクと料理のいいとこどりができているのかもしれません。
直営店が多い
話は飛びますが、コロワイドの株主優待ポイントが大戸屋で使えない理由として、フランチャイズが多いためと、社長が株主総会で説明していました。
もちろん、コロワイドの場合はポイントのみで全額決裁できてしまうので、2割引以上にインパクトが大きいがゆえの措置であることは分かります。
それでも、WDIのように優待カードは直営店では使え、フランチャイズでは使えないことを明確にし、徹底している会社もあります。
サンマルクカフェは直営店がかなり多い(サンマルクカフェの場合直営店365店舗、フランチャイズ店9店舗)のが特徴。
「割引の率」、「直営店とフランチャイズのバランス」を考慮した結果、20%割引が実現出来たと推測します。
⑵ ドトールとの比較
サンマルクカフェとドトールは両社とも株主であり、個人的によく利用しています。
両者を比較すると、会社の規模としてはドトールが約2倍程度大きい反面、収益性の良さ、チョコクロワッサンという人気商品、お得な株主優待等についてはサンマルクが頑張っている印象を持っています。
ドトールは使い勝手の良いアプリを駆使し効率性を追求するアプローチ、サンマルクはワクワクするような商品やお得な優待による顧客体験の向上を効果を狙ったアプローチのように感じています。
サンマルク企業理念である「意表の喜び創造業」が徹底され、顧客にもそのことが受け入れられていると考えます。
また、不動産や賃料についてはドトールの方が優位と考えられ、ちょっと乱暴ですが、
のようなイメージを持っています。
どちらも多くの消費者にとって支持される存在。
アフターコロナを見据えて、さらに切磋琢磨しつつ成長を続けて欲しいと願っています。
ドトールの過去記事、よろしければご覧下さい。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。
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