初投稿:2021.9.9、更新日:2021.12.20、2022.6.15、2022.8.23、2022.12.5、2022.6.6、2023.7.29、2023.12.1、2024.6.6、2024.11.27
こんにちは!
この記事は、SBIホールディングス【8473】に関心のある方に向けた株主としてのコメントをまとめたものです。
なお、2024年11月のSBIインフォメーションミーティングの内容を追記し、記事をアップデートしています(更新箇所は青字です)。
★★★★
・投資対象としてのSBI
・インフォメーションミーティングは最高の株主還元
【目次】
- 1 SBIホールディングスについて
- 2 株主総会等
- 3 インフォメーションミーティング等
- 4 株主としてのコメント
- 5 まとめ
【本社のある泉ガーデンタワー】
1 SBIホールディングスについて
⑴ 会社概要
大手ネット証券であり、証券口座首位の金融グループです。
企業理念等
・正しい倫理的価値観を持つ
・金融イノベーターたれ
・新産業クリエイターを目指す
・セルフエボリューションの継続
・社会的責任を全うする
新中期ビジョン(2021年4月から3~5年間)
・連結税引き前利益3000憶円
・新事業の税引前利益の総額が連結税引き前利益に占める割合が20%
・ROEは10%以上
数値を用いた野心的な成長ストーリーが明らかにされています。
特に、2項目目が特徴的でここまで大企業化してもさらなる成長を続けようとする硬い意志が感じられます。
持続的成長目標(抜粋)
・オープンアライアンス戦略の進展とパートナーとのシナジーを効率的に生み出す生態系の構築。→地方創生
・革新的技術を持つベンチャーへの積極的投資と新技術を通じた有機的結合・シナジーの極大化を目指す。→技術革新
・デジタル金融分野への積極的かつ多角的に進出し、新たな事業拡大を図る。→暗号資産
・グループ運用資産残高を現在の4.4兆円から10兆円兆を目指す。→SPAC
セグメント(収益構成比率)
・金融サービス事業(59.3%)
・アセットマネジメント事業(39.6%)
・バイオヘルスケア&メディカルインフォマティックス事業(1.1%)
・その他
⑵ 株主になったきっかけ
2020年に、約10年ぶりくらいにSBI株を購入しました。
ちょうど、チャートが上向きかつ3月末の権利確定日前でした。
ネット証券大手であり、知っている会社でもあるので今度は末永くホールドする予定です。
⑶ 2023年3月期の経営分析
増収減益です。
減益の理由としてベトナム事業の不振等が挙げられていました。
収益性
・売上高税引き前利益率:10%
昨年より大幅に低下しています。
それでも、米国の利上げに伴う世界的な経済混乱の中では奮闘していたとみなすことができるかもしれません。
安全性
・自己資本比率:8%
前期よりも低下しています。
金融業としてなら、許容範囲なのかもしれません。
ただし、今回の議案である、”発行可能株式総数の増加”も将来の自己資本比率改善のための布石ではないかと考えます。
効率性
・有形固定資産回転率:8.01
昨年よりも効率性は上昇しました。
有形固定資産の増加率よりも売上高の増加率のほうが大きかったためです。
⑷ 2022年3月期の経営分析
新生銀行買収の効果も加わり、過去最高益とのことです。
収益性
・売上高税引き前利益率:23%
昨年より若干数値は下がっていますが、高収益です。
安全性
・自己資本比率:10%
昨年と変化なく、安定しています。
効率性
・有形固定資産回転率:4.37
昨年よりも効率性が下がっています。
有形固定資産の金額がほぼ倍増したことが要因です。
新生銀行の完全子会社化の影響かもしれません。
⑸ 2021年3月期の経営分析
収益性
・売上高税引き前利益率:26%
一般的には高収益と言えると思います。
ちなみにマネックスグループも27%でした。
安全性
・自己資本比率:10%
一般的には低いように見えますが、金融業界ではこのレベルが妥当なのかもしれません。
ちなみにマネックスグループは6%でした。
効率性
・有形固定資産回転率:8.42%
金融業のためか、不動産にはそれほど多く投資されていないようです。
参考として、マネックスグループは16%を超えており、SBIグループよりもさらに不動産投資の割合が低くなっています。
【株主優待】
2 株主総会等
⑴ 2023年6月の株主総会
第25期 2023年6月29日(水) The Okura Tokyo 「平安の間」
ライブ配信を視聴しました。
ただし、残念ながら経営近況報告会は配信されませんでした。
なお、参加した人の話では、新生銀行の旧経営陣に対する批判等、深掘りした内容が報告されたとのことでした。
主な質疑応答
Q.2億株ぐらいの株式を増やすことは増資の可能性について
A.今の所、そのようなことは考えていない。
今の所、使用率は8割となっているので将来を考えて定款変更するものである。
Q.著名な社外取締役がいることに敬意を表しますが、女性役員の登用を希望する。
A.当社は男性、女性で区別していない。
ただし、女性特有の本領を発揮できる分野での活躍を促している。
Q.役員の中の持株0について
A.個人の判断に任せている。
また、株の有無に関わらず竹中氏はしっかりと活躍されている。
決議事項
・定款一部変更の件
・取締役15名選任の件
・監査役1名選任の件
・補欠監査役1名選任の件
・退任取締役に対し退職慰労金贈呈の件
拍手を持って承認・可決されました。
株主総会雑感
ライブ配信だけでは物足りませんでした。
やはり、会場に足を運んで経営近況報告会まで聞きたかったです。
配信されないということは、それだけディープな話があったということ。
当社の状況はもちろんですが、経済・金融を中心とした世界で何が起きているのかを知る上でも、できれば会場参加をしたいと思いました。
⑵ 2022年6月の株主総会
第24期定時株主総会 2022年6月29日(水) The Okura Tokyo
ライブ配信を視聴しました(約30分)。
業績については増収増益(過去最高)、増配とのこと。
合わせてSBIソーシャルレンディング関連の損失についての陳謝がありました。
質疑応答
Q.竹中平蔵氏の当社に対する印象について
A.経営近況報告会にて回答する。
Q.ハイパーツールの改善の体制について
A.改善要望は全てトップにまで上がる体制になっている。
要望については個別の案件として対応する。
決議事項
・取締役15名専任の件等
拍手を持って賛成・可決されました。
なお、計算書類については新生銀行買収に伴い一部が間に合わなかったいうことで、2022年7月27日(水)に泉ガーデンタワー22階のSBIHD会議室にて第24期定時株主総会継続会が開催さてています。
株主総会雑感
けれども、経営近況報告会は配信されませんでした。
昨年と同様です。
理由は分かりませんが、ちょっと隠蔽体質なとこをを感じます。
SBIソーシャルレンディングが社会問題を起こして会社の企業価値を毀損しています。
もう少し、ステークホルダーとの情報共有を蜜にする姿勢が必要なのではないか?とちょっと残念な気持ちです。
⑶ 2021年5月の株主総会
第23期定時株主総会 2021年6月29日(火) The Okura Tokyo
ライブ中継を見ました。
30分足らずで終了。
質問は、竹中平蔵氏のこととHIPER SBIの使い勝手についてのものでした。
総会後の事業報告の中で様々な質疑応答がなされたと想像しますが、残念ながら今回はその中継はありませんでした。
⑷ 株主還元
配当
一株当たりの配当金の推移
・2023年3月期:150円
・2022年3月期:150円
・2021年3月期:120円
・2020年3月期:100円
・2019年3月期:100円
・2018年3月期:85円
・2017年3月期:50円
安定して増配を続けており高配当も魅力です。
株主優待
株数と保有期間に応じて暗号資産(7月末時点換算で2,000円相当)、健康補助食品、化粧品等が選べます。
今回は、アプラスゴールドEX(60粒)11,880円等を頂きました。
【インフォメーションミーティングの看板@帝国ホテル】
3 インフォメーションミーティング等
⑴ 2024年11月のインフォメーションミーティング(東京)
2024年11月25日(金) The Okra Tokyo 1300〜1530
多くの方が参集していました。
お土産は若干少なめ。
北尾社長は2時間20分、熱く語っていました。
以下、メモ書きですが印象に残ったことを列挙します。
主なポイント
1部(業績等)
・売上高については過去最高
・中間配当30円はあまり変えない、業績の反映は期末配当で行う
・「手数料ゼロ革命」の1年の総括:手数料の減収を金融収支、トレーディング等で埋め合わせて業界2位になるとともに、5000万人以上に顧客基盤を拡大
・新生銀行グループ化の3年の総括:シナジー効果により業績向上、バランスシート拡大、前経営陣の不誠実な経営について言及
2部(価値創造)
・最近の選挙結果にいて:若者が大きく動き出した、政治改革の高まり、トランプ次期大統領による大きな変化、トランプ当選は演説に集まる聴衆の多さから予想していた
・SBIグループの価値創造について
②M&A
③企業価値を毀損している要因を取り除く
公的資金返済3500億円
・リソースを傾斜的にキャッシュフロージェネレーターへ配分
・iDeCo強化
・暗号資産を強化するトランプ
・FXのボラティリティは高まっていく
⑤アライアンス強化による他者とのwin-winの関係
・SMBCとのオリーブ
・半導体について組む相手を誤ったのはボクの勉強不足が原因(10年経っても大丈夫な会社と組む!)
⑥金融を核に金融を超える
⑦海外の収益を現状の10%から20〜30%に拡大
・世界の金がアラブに集中している
3部(施策)
・SBIアラプロモ上場
・韓国のグループ会社のTOB
・M&A(銀行):ダイヤモンドアセットファイナンス、NECキャピタルソリューション
・マイナビを持適法会社にしてライフプランとキャリア診断を合わせたサービス実現
・SBIグループは銀行分野へリソースを傾斜配分(法人顧客による成長)
・SBIグループにMBOの話が持ちかけられるが、ボクはお金に執着していないからやらない!
・やりたいことは”世のため人のためになること”
・これまで、大学院大学や人間ドック重視の病院などを作ってきた、今後は老人ホーム
・PFOF(ペイメント・フォー・オーダー・フロー)が米国では取引所間の競争を促す革命となった→日本でも実施すべき
・私的年金制度(老後の備え)の日本の市場規模は米国の1/10の水準
・米国(401k、IRA)VS日本(企業型年金、iDeCo)
・「証券投資の大衆化」のための手数料無料化や若い人に馴染みのある芦田愛菜さんをイメージキャラクターに採用
・ボクの名前を語る詐欺に注意
・米国における「戦略的準備金」としてのビットコイン備蓄
・XRP(SBIが作った)の価値は13兆円
・ドル連動のステーブルコインの流通
・ボクは寒暖の変化に敏感だから常にティッシュを横に置いて講演している
・オークラにもエアコンの風に気をつけるように注文
・暗号資産の市場規模は6年で22倍
・イーロンマスクは大した男、よくぞトランプについてくれた!
・FXについてはディーラー(専門家)とアルゴの組み合わせによる独自のカバー手法
・地方銀行を助けることが地方活性化につながる
・第4のメガバンク構想
・リージョナルからネーションワイドへ
・異業種とのアライアンス(通信と金融など)の加速
・NEOバンクはJAL、高島屋、第一生命、オープンハウスとのつながり
・運用資産立国を目指す(世界中のマネーマネージャーを日本へ)
・ひふみはグループ会社にも関わらずSBIのブランドを軽視しているのは何事か!
・グローバルサプライチェーンの再編により世界の多極化が進む
・アービトラージ戦略で稼ぐ
・サウジアラビアでは国民の6割がゲーム好き(ドラゴンボールのテーマパーク建設へ)
質疑応答
Q.ドルステーブルの暗号資産で将来、米国株を買えるようにしてほしい
A.そのような方向になると思う。
Q.野村の生き字引として野村の暗黒時代についての執筆をお願いしたい
A.その頃ボクはまだ若かったのでちょっと難しい。
Q.米国株移管には時間がかかるのでキャンペーン期間は長く(2ヶ月以上)してほしい
A.考慮したいと思う。
積極的に移管をお願いします。
雑感
これまでより20分間延長した2時間20分間の北尾社長の熱い講演で、まだまだSBIグループは大丈夫だと感じました。
特にトレンドとして、
・若い人が豊かさを求めて政治を動かし始めた
・暗号資産(特に、ビットコイン)の成長
・アラブへのマネーの集中
が印象に残りました。
より良い投資の資としたいと思います。
【お土産】
⑵ 2024年5月のインフォメーションミーティング(東京)
2024年5月31日(金) 帝国ホテル 1300〜1530
広い会場に1800人の方が集っていたとのことでした。
第1部:業績報告
第2部:SBIグループの重点戦略
第3部:質疑応答
という流れで北尾社長が熱く語っていました。
主なポイントは下記の通りです。
主なポイント
第1部
・増収(過去最高益)・増益
・株主構成で2年前50%を超えていた海外機関投資家が現在は33%へ(理想的)
・セグメント5分野も収益は過去最高
・韓国経済は低迷だが、不動産と建設に手を出さないようにしていたことが功奏
・暗号資産は安定してきた
・次世代事業は半導体事業とその他にしていく予定
・SBIアラプロモは2025年上場準備
第2部
・事業ポートフォリオの再構築(中期ビジョンのリセット)は目標達成と「ゼロ革命」に伴う事業構造の変化のため
・「ゼロ革命」による158億円の逸失を収益源の多様化がオフセット→大成功!
・2100兆円の日本の個人金融資産について「お金に働いてもらう事が必要」!
・「ゼロ革命第2弾」でNISA口座首位を目指す
・iDeCoは改革により米国の401kへ
・「ゼロ革命」により、預資産1億円層:90%増、5億円:75%増
→ウエルスマネジメント部を設立しオルタナティブ商品を提供
・SBIクロスでSOR(スマートオーダールーティン)注文を強化(顧客のため)
・SBIシンプレックス・ソリューションズによるシステムの内製化
→システムについて金を惜しんだら碌なことはない(技術信奉)!
・スルガ銀行ソフトバンク支店の経験を踏まえた銀行と証券のシナジーを発揮
・ヘーゲルの両質転換の法則が生きる
・今後は銀行にアセットを傾斜
・ボクはお金儲けに執着がない、世のため人のために頑張る!
・営業は人の心にどこまで入れるかが勝負で、さまざまな知識と人間的魅力が不可欠
・第4のメガバンク構想
・公的資金の返済は早く(ボクのエネルギーが満タンなうちに!これでもせっかち)
・サウジアラビア事業は手続き等が大変だった
・海外拠点では適材適所、現地人材採用が大切
・実質実効為替レートは53年ぶりに安値更新
・国際的アービトラージを推進
・金融を核に金融を超える・・・半導体事業強化
・デジタルアセットの活用を推進
第3部
Q.SBI損保の契約が更新できないことについて
A.担当者とお話し下さい。
Q.リップル関連の裁判について
A.SECとの裁判について具体的なことは話せない、長い時間がかかるのでは?
Q.新生銀行の返済について
A.約3500億円のうち、193億円返済した。
来年の3〜6月を目途に返済予定。
Q.NTT法改正に伴う海外役員について
A.他の会社のことについて申し上げる立場にない。
Q.金利上昇に伴い米国のSVB破綻のような事案発生について
あおぞら銀行は債券でなく米国の不動産が響いたもの(米国の不動産問題はおさまっていない)。
日本の銀行業は体力面で2極化されている。
不動産への貸付は大きくないのでSVBのようにはならないと考える。
Q.じもとHDの報道について
A.マスコミは事実の一部を切り取って、”実質”と言えばなんでも許されると考えて報じている。
じもとHDは200億円の赤字となり無配となった国の支援を得る(保有株式が50%以上)こととなった。
その後、外債の一部損切りや会社をたたむ手伝い、事業の立て直し、スポンサー探しなどを当社が手伝いキャッシュ化することで配当できることを目指している。
Q.当社のiDeCoの画面が見にくい
A.悔しいが、楽天証券を見習って見やすい画面に取り組んでいきたい。
Q.スキンケアのトライアルセットの復活について
A.検討する。
Q.Web3.0について
A.まだまだ価値は十分浸透していないと認識。
Q.投資教育について
A.SNSや動画に注力していきたい。
SBIがオウンドメディアを立ち上げて著名人を通じて働きかけたい。
また、当社が筆頭株主であるマイナビを通じて高校生に対する投資教育にも尽力していく。
最後に、社長から自分のなりすましによる詐欺被害が増えているのでご注意くださいとのメッセージがありました。
雑感
十数年前の当社の株主総会が東京国際フォーラムで開催された際は、参加した株主が20名足らずだったと記憶しています。
今回のインフォメーションミーティングの参加者は約1800名とのこと。
両質転換の法則について北尾社長が言及していましたが、毎年の改善の継続がこのような多くの株主の関心を寄せる大規模な講演につながったと思料します。
そして参加者の多さがが、70代の北尾社長の「世のため、人のため」に働く原動力となっているように感じました。
【2024年5月のインフォメーションミーティングのお土産】
⑶ 2023年11月のインフォメーションミーティング(東京)
2023年11月27日(月) ホテルオータニ 1300〜1530
1300人を前に5つのキークエスチョンに沿って北尾社長の熱弁が振るわれました。
【下半期の業績について】
・これまでの業績は金融サービス業を中心に順調に推移
・下期はマクロ、セミマクロの点で大転換期を迎えると予想
・日銀が利上げをしないのは勇気がないからだが、利上げは時間の問題
・米国経済は利上げにも関わらず強いが、英国・独国は厳しい
・こう見えても自民党員!!!
・顧客中心主義が1999年創業以来のSBIの一貫姿勢
・SBI新生銀行の株主に入ってきた村上ファンドとは仲良くやっていきたい
・村上ファンドからの560億円の投資を半導体事業に積み増して1000億投資へ
・第四のメガバンク構想として新生銀行と地方金融機関の連携を継続
・金利と銀行株には0.9の相関関係がある
・「SBI生成AI室」を活用した人材育成
・金利がつきボラティリティが大きくなるとFXの収益が増加する
・ALA−5のおかげで元気(老眼がない、髪の毛ふさふさ、記憶力もまだまだ!)
・ALA−5を中東の大金持ちに推奨中
・98歳になるお母さんもALA−5で元気
・大東文化大学の陸上部もALA−5を活用中(運動効率アップ)
・マイナビとの資本業務提携による双方の収益機会の拡大
【(手数料)ゼロ革命について】
・楽天潰しのためにやっているのではなく顧客中心主義に基づき4年前から準備
・革命は根拠を持たないと成功しない
・200億円の手数料ロスは送客によりグループとして対応
・マネックスは実質自主廃業ではないか
・ゼロ革命は第二段を準備中であり、業界最低コストを実現していく
【デジタルスペース分野について】
・堂島取引所の発展を支援(カーボンクレジット排出権取引所)
・いちごレジデンストークン
・日本デジタル空間経済連盟などを通じて政治を動かしていく
・仮想通貨については日本は珍しく対応が早かった、この流れを加速していく
【半導体へ進出について】
・天の時:米中対立
・地の利:日本には半導体製造関連企業や半導体を必要とする自動車産業等が存在
・人の輪:台湾のPRMC(世界第6位)とのJV:世のため人のため
・工場は宮城県
・金融同様、生態系として半導体事業を育成する
【中東関連のビジネスについて】
・ムハマンド皇太子による「サウジアラビアビジョン2030」の石油依存からの脱却
・リャドを拠点としたサウジアラビアへの投資
・女性の車の運転解禁
・KACST(サウジの研究所)との協力
主な質疑応答
Q.女性の役員登用について
A.女性だからというで役員を選ぶことはしない(会場から拍手)
Q.暗号資産についてのネガティブな見方(バークシャーハサウエー社)について
A.人それぞれの考え方があって良い。
ただし、暗号資産はブロックチェーン技術に支えられ現実に何兆円も流通している。
これまでは、法定通貨とゴールドがペアとして考えられてきたが、暗号資産にはデジタルゴールドという側面もある。
アセットアロケーションの一つとして必要であり、大きく伸びると信じて投資している。
Q.半導体工場の環境に与える影響について
A.当然考えている。
国の環境基準に関係なく、当社では排水は処理施設を作って川に流すように対応する。
A.メモリー半導体は不況だがロジック半導体は大丈夫だと考える。
世界の方向性は、半導体をより沢山作るという流れになっている!
さらに、当社の工場はトヨタの工場の横に設置する。
政府からの援助もある。
採算は十分にある。
半導体ビジネスで大切なのはシリコンサイクルの落ち目で投資すること。
これができなかったのでエルピーダは潰れた(メモリ中心も含めて)。
技術の方向性と技術の進化を見据えてビジネスをしているから大丈夫。
Q.手数料ゼロ革命の対応について
A.顧客獲得コストの低下を活かし、投信やFXなどのクロスセルで補完していく。
また、25周年の記念配当についてもご期待ください!
Q.個人目線での資産運用のポイントについて
A.まず、自分でコントロールできる税金とコストを安くすること。
タイミングを取らないことも重要で、長期積立分散投資は有効。
また、33年ぶりの円安ということで通貨分散(グローバルアセットアロケーション)も大切。
Q.大光銀行への投資について
直接地方に投資をするのではなく、地元を知る金融機関のDX化を通じて支援をしていく。
SBIインフォメーションミーティング雑感
北尾社長の演説2時間と質疑応答の30分間があっという間でした。
SBIや金融業界のみならず日本や世界の動向についても参考になりました。
北尾社長の話の中核にあるのは
・顧客中心主義(論語)
・技術の方向性と進化に対する見通し
・独特の生態系(仕組み化?)
だと思います。
その思想を理解することは金融機関として他に例を見ないほどの急成長を遂げたSBIの原動力を知る第一歩だと考えます。
そしてそのことが、他に急成長する企業を発見する洞察力になったり、日本経済の復活を信じることにつながると信じます。
来て良かったです。
【お土産】
⑷ 2023年5月のインフォメーションミーティング(東京)
2023年5月29日(月) The Okura Tokyo 1300〜1530
下記のKey Questionsをテーマに、北尾社長の元気な講演を伺うことができました。
・2023年3月期の業績レビュー
・ネオ証券化についての進捗
・地方創生について
・2〜3年後のGroupの充填戦略
主なポイント
・日本会計基準では黒字なのに国際会計基準では赤字なメガバンクを取り上げ、金融庁による国際会計基準普及の必要性を指摘。
・北尾社長は、お話できないが3つほど成し遂げたい大きなことがある。
・事業セグメントを3つ(配当・安定、機動的な経営判断、先進的な取り組み)に変更した上で、多くの企業経営者は何がどのような観点で大事かが分かっていないと強調。
・ROEが21.6%から3.6%に低下したことの理由(自己資本が膨れ上がったこと)を説明し、10%目標を堅持するとのこと。
・外国人投資家の比率が下がり、個人投資家の比率が上がった。
・韓国事業において不動産投資をやめるよう厳命したおかげで、何とか踏みとどまることができた(経験値に基づく先を見る力の大切さ)。
・ベトナムのTP Bankの今期の業績不振については、長期的には伸びるものの、短期的には米国景気の影響によりボラティリティが高くなる。
・スキンケア部門におけるエッセンシャルローションは北尾社長も愛用していて良いとのこと(説得力は?)。
・米国においてチャールズシュワブやロビンフットが手数料を無料化したことで口座数が飛躍的に伸びた例を挙げて、ネオ証券化(手数料無料化)の必要性を強調。
・PTS市場関連でPFOF(ペイメント・フォー・オーダーフロー)を禁止し東証が独占していることを不当として公正取引委員会に訴えているのは、世のため人のためで日本を変えるためである。
・収益力を強化するために法人営業にも力を注ぐ。
・公益は私益に通じるとして、NISAやiDeCoを徹底的に活用する。
・SBI新生銀行の3500億円の税金返済のため、2回目の公開買い付けを実施する。
・米国のシリコンバレー銀行倒産を例として、金利の上昇に伴い倒産企業が増えると予想し、これをチャンスと捉える。
・日銀の金利政策については、植田総裁の発言について
「なんのこっちゃわからん!ボクのようにわかりやすく話してほしい!」
と要望。
・日銀の総資産は740兆円に拡大しているが、金利上昇に伴い、保有する国債とETFは下落すると予想。
・藤巻さんがおっしゃるようなハイパーインフレが生じても大丈夫なように準備は整えている。
・スクイーズアウト(少数株主排除)によりSBI新生銀行の支配は3社オンリーにする。
・今後は救わなければならない銀行が増えると予想。
・りそな銀行のモデルを紹介し、SBIはそれを上回るメガバンクを目指す。
・ビックピクチャーを描いた後に、細部のプロセスを緻密に積み上げることが重要。
・顧客、商品・サービス、事業の多様性が必要。
主な質疑応答
Q.上場ドロボー企業(成長がひと段落しても配当しない企業)の指導について
A.配当と成長率のバランスは大切。
主幹事会社として、例えばフィルカンパニーの経営陣を新しくするなど指導を継続していく。
Q.金利上昇の影響について
A.経済は生き物であり、守りを固めながら如何に攻めるのかがポイント。
金利上昇が業界や会社にどのような変化をもたらすかを見極めながら、「ここぞ!」という時に行動を加速することが大切。
Q.人材育成について
A.自分はこれまで全社員を面談してきた。
大きな仕事をこなしてこそ人物は大きくなる。
自分にはまだまだ及ばないが、仕事をつじて人材育成に努める。
Q.株価低迷について
A.コングロマリットディスカウントの影響と考える。
当グループの事業が分かりにくいことも関係している。
ただし、最新の米国の論文では、さまざまなビジネスを展開する生態系にはシナジー(相乗効果)がありやがてより良き状態になるとされている。
いずれ、事業内容に株価はついてくると信じる。
Q.自社株買いについて
A.自社株買いは好きではない。
ご指摘の自社株買いに対して機関投資家が空売りをぶつけてくることに加え、自分になやりたいことが沢山あるのでそのための研究開発や設備投資等に資金を使いたい。
Q.B to C toのビジネスについて90億円の投資が1000億円になったが、1500億円になっても売却しないのか?
A.売らない。
値段の問題ではなくビジョンの問題。
Q.公正取引委会に東証を訴えている件について
A.係争中であり、詳しくは話せない。
ただし、日本ではPTSが育たず米国のような厚みのある市場になっていない問題がある。
A.チャットGPTについては英語版は良いが日本語版はまだまだ。
金融とインターネットは相性が良い。
ブロックチェーン技術はAIと結合することに大きな可能性を見出している。
量子コンピュータの実用化により暗号がどうなるかは懸念事項。
ライフ技術も大切だが、本来の人間の免疫力も大事。
想像(創造)していかないと人類は進歩しない。
Q.iDeCoの手続きがネットで完結しないことについて
A.一部の制約がサービスの進化を妨げている点はある。
改善する必要があると思う。
A.地銀への投資は救済目的が主であったが、今後はwin-win目的が重要になる。
その見極めが大切。
世のため人のため、幅広い提携を通じて地方創生に努める。
Q.ネット銀行を上場させ、SBI新生銀行を非上場とする意図は?
A.ジョイント銀行の場合、持分比率を確保して主導権を取らないと意見の相違により経営に影響が出る場合があるため。
株主としてのコメント
当ミーティングでは、SBI HDはもちろん、広く金融業界の現状、問題点、今後の展望等についてさまざまな気づきが毎回得られます。
当然、そのことは投資力向上に貢献すると考えます。
その意味で、最大の株主還元であり、半年に1回の参加を楽しみにしています。
余談ですが、70代で元気な経営者には北尾社長のほか、大戸屋買収のコロワイドの蔵人会長、コロナ禍で東京都を提訴したグローバルダイニングの長谷川社長がいます。
皆さんに共通しているのは、元気なことに加え、いうべきことはわかりやすくはっきりおっしゃるという点。
閉塞感が漂い、人の目を気にしがちな現在、自分の考えをしっかり持つとともにそれを分かりやすく伝えることの大切さを改めて再認識しました。
【2023年5月のインフォメーションミーティングで頂いたお土産】
⑸ 2022年12月のインフォメーションミーティング(東京)
2022年12月5日(月) The Okura Tokyo 1300〜1500
結論から言えば、北尾会長が2時間、元気で話を全うされたことに尽きると思います。
細部のポイントについては下記の通りです。
主なポイント
●上半期の業績について
・増収・減益だがたの金融会社との比較から、”善戦した”と考える。
●新生銀行の完全子会社化について
・組織再編や人事交流により一体化を推進中。
・シナジー効果は既に発揮されている(SBIラップ等の例より)。
・今後はトライアングル戦略(SBI、新生銀行、地銀)を推進する。
・特に、ノンバンク事業(不動産の小口化商品)に注力する。
・新生銀行の貸出残高や預金残高も大幅上昇中。
・顧客基盤は新生銀行800万人強、SBI HD3500万人強で合計4400万人弱
・これまでは、SBI HDの経営資源をギブしてきたが、今後はテイクもしていく。
●ネオ証券化について
・証券業界のゼロコミッション(手数料ゼロ)
・2024年3月期の上半期に実施したい。
・収益の十数%の手数料がなくなっても、お客様から他の金融商品を利用していただければ問題ない
・FX事業の収益はトップレベル
・ネット証券はSBI1強
・野村證券は預かり資産高が大きいが、60歳以上の顧客中心でありいずれは60歳未満の顧客中心の当社に資産がシフトすると予想
・NISA、iDeCoに注力
・直接上場の仕組みを作る
●地方創生について
・地銀の問題点は勘定系基幹システムの膨大なコスト
・SaaSを用いた次世代バンキングシステムでコストを固定費から変動費へ
・地方もリージョナルからネーション化へ
・地銀、地域住民、地域産業、地方自治体の4つの連携が大切
・道の駅にEVインフラを整備する(防災対策としても有望)。
・日本酒は地域そのもの
・地方の酒屋は規模が小さくブランドの保証等に課題
・バルニバービとの連携
・企業版ふるさと納税
●下半期の事業環境
・金利は上がる
・FTX破綻の影響はほとんどない
・デジタル通貨の可能性(規制強化は安心できる金融商品への第一歩)
・Ripple裁判の行方(証券か?通貨か?)
・NFTを利用したデジタルアート
質疑応答
Q.日本郵船の配当政策について
Q.配当しないグロース企業について
A.成長してるのに内部留保オンリーで配当しないのはおかしい。主幹事として所要の働きかけを行う。
Q.保険事業について
A.ゼロから進出したので基盤作りに時間を要した。
保険で伸びているのは海外という厳しい現実を踏まえ、配当可能であればするよう指導している。
Q.後継者問題について
A.外部からの登用は考えられない。
社内で後継者が見つかるかもしれない。
全体統治ができる人はなかなかいないので、分割統治ができる人材育成に注力している。
Q.AIを用いた分身による経営について
A.難しいのではないか、また、分身ではない方が良いと思う。
Q.企業価値と株価の関係について
A.株主の75%は機関投資家であり、パーツの価値を合計してバリューを出すと割安であることが理解してもらえる。
20%未満である個人投資家に価値を理解していただくことが重要。
バフェット氏に買っていただくようお願いしましょうか(笑)
インフォメーションミーティング雑感
会長の本3冊と健康サプリメントをいただき、2時間中身の濃いお話を聞かせていただきました。
たくさんの元気をいただきました。
併せて、株価が割安であることがよくわかりました。
SBIのみならず、金融や最新のデジタル業界、ひいては世の中の仕組みに関する様々な刺激をいただきました。
引き続き、株主を続けます。
⑹ 2022年6月のインフォメーションミーティング
2022年6月15日(水) 帝国ホテル孔雀の間
数百人の株主が集っていました。
北尾社長が2時間休憩なしに80枚のパワーポイントを用いながら、業績や今後の戦略について語って続けていました。
その後、30分間の質疑応答にもしっかりと対応されていました。
説明のポイント
株価急落の原因
増収増益増配にも関わらず株価が冴えません。
アナリストの評価を平均すると40%程度もSBIの株価はディスカウントされているとのこと。
コロナ禍、米国の利上げ、ウクライナ情勢の三重苦に加え、大株主だったJOHambroが865万株を売却したとの影響も大きかったようです。
そもそも、SBIの株主構成においては個人投資家が2割未満しかなく、機関投資家が7割以上(5割は海外機関投資家)ということが背景にあるようです。
今後は個人投資家の割合を増やすとのこと。
株主として期待しています。
新生銀行のTOBについて
米国を筆頭に今後世界的に金利が上昇することが見込まれます。
これはノーマライゼーション(正常化)の一環と捉えているようです。
金利上昇で儲かるのは銀行。
新生銀行の完全子会社化もこの世界的な潮流に沿ったものと考えます。
SBIとしては今後は経営資源を銀行やノンバンクに投入していく戦略。
その一方で証券については”ネオ証券化”を推進するそうです。
”ネオ証券化”とは顧客第一主義に基づき、売買手数料等の無料化を推し進めるというもの。
これにより今後数年間で、証券会社の淘汰・再編が生じるとのこと。
銀行業により儲けたお金で証券業の手数料無料かにより顧客獲得を加速していくというある意味、”弱肉強食”の世界観を垣間見たような気がしました。
金融を核に金融を超える
今後はMUSTとWANTのカテゴライズをしっかりとしながら事業展開をしていくとのことでした。
ブロックチェーン技術を用いた暗号資産やNFTを拡充を図るとのことでした。
また、アフリカで中古車販売等を実施するなど幅広い事業展開も興味深く感じています。
主な質疑応答
Q.岸田政権の金融政策について
A.木原官房副長官について間違いを指摘した。
いうべきことは今後もしっかりと発言していく!
Q.借入金の増加について
A.新生銀行買収に伴うもの。
Q.JO Hambroの株式売却について
A.事前に連絡はなかった。
Q.日本と海外の売上の比率について
A.比率は考えていない。個々の案件についてリスクとリターンを評価しプロフィッタブルかどうかで判断している。
Q.日本のGDPが伸びない理由について
A.日本が成熟したきたため。多様性と大きな世界観を持った若者に期待している!
⑺ 第24期中間報告書について
2021年冬に第24期中間報告書が届きました。
報告書のポイントは3点。
まずは、
「創業以来、上半期業績として過去最高の収益(売上高)及び利益を達成」したこと。
次に、報道でご存じの通り、新生銀行のTOBすることの意義についての説明。
NTTがドコモの社長を更迭して企業グループの価値を高めました
SBIも新生銀行の社長を交代させ業績の拡大につなげることを期待します。
SBIは
・フィンテック1.0:IT×金融
・フィンテック1.5:オンライン金融生態系×AI・ビックデータ・IoT等
・フィンテック2.0:ブロックチェーンを中核としたデジタル金融生態系×AI等
と定義づけ、ブロックチェーンを中心とした金融商品やサービスの拡充に努めています(ただし、フィンテックのバージョンについてはいろいろな定義があるようです)。
具体的には、
セキュリティトークンにより資金を調達するスキームであるセキュリティ・トークン・オファリング(STO)
美術品にブロックチェーン証明書を発行する非代替性トークン(Non-Fungible Token:NFT)
分散型台帳技術(Distributed Ledger Technology:DLT)を駆使したデジタル通貨発行支援
などが紹介されていました。
他方、違和感を感じた表現はM&Aについてです。
11社ほどM&Aの記事の中で紹介されています。
持分法適用会社(議決権保有率が20%以上50%未満の非連結子会社等)としてメディカルデータビジョンやアルベルトなどの企業が紹介されていますが、これらの企業の株主として資本業務提携は承知していますが、M&Aという認識は・・・?
何より、SBIとつながりを持ってもMDVもアルベルトも株価には良い影響は出ていません。
先程の、フィンテック2.0の定義もそうですが、SBIは独自の定義とロジックで説明する傾向が強いので注意が必要です(不祥事が絶えないことも含む)。
株価については、新生銀行の件が決着するまでは不透明感から低迷してましたが、TOB成功後は上昇トレンドとなっています。
引き続き、ブロックチェーン技術を駆使した金融商品・サービスと拡大する業績を中心にモニタを続けたいと思います。
4 株主としてのコメント
⑴ 投資対象としてのSBI
SBI証券についてネットで検索してみると、
・口座開設をいかにお得にするか?
・キャンペーンのお知らせ
・IPOや仮想通貨関連の裏技
・iDeCo口座・・・
などがありますが、意外と投資対象とての記事は少ないように思います。
投資対象としての主なプラスの材料とマイナスの材料は下記の通りです。
●プラス材料
・量的緩和を背景とした金融相場の継続(日米株式)
・菅政権終了に伴う総裁選と衆議院選挙(選挙に伴う株高→アベノミクス相場の再来の可能性)
・600万口座という証券業界ナンバーワンの地位
・「新規事業の税引き前利益の総額が連結税引前利益に占める割合が20%程度」という新中期ビジョンに基づく成長性
・暗号資産の飛躍的発展
・バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティックス事業の収益化
●マイナス材料
・北尾社長の高齢化(70歳)
・SBIソーシャルレンディングの廃業に象徴される不祥事の多発
・定期的に生じ続けている金融庁の政処分
・SOR(スマート・オーダー・ルーティング)注文を巡る先回り取引による不適切な利益
まとめると、優秀な人が必死に稼いでくれる一方、必死さゆえに不祥事を起こし続けてきた会社と見なすことが出来そうです。
長期的には成長し続けると予想しますが、不祥事による株価下落や企業価値の棄損のリスクは覚悟しておく必要があると思います。
リスクと言えば、カリスマ経営者の北尾社長の年齢も挙げられます。
同業のマネックスグループは松本大さんが50代で会長となり40代の清明祐子さんに社長を譲ったのとは対照的です。
もちろん北尾会長の元気さは株主総会のライブ中継からもか確認しています。
けれども、トップの交代が未経験という組織のリスクはやはりそれなりのインパクトの要因になると思います。
株式の売買において馴染みのある会社であり、かつ、株価も上昇基調であり、配当・優待も魅力的ですが投資対象として長く付き合うなら、お行儀の悪さや北尾社長依存のリスクをしっかりと認識しておくことが無難だと思います。
ちなみに、自分は投資対処としてのSBIに魅力を感じ、長期保有の予定です。
⑵ 論語と経営
企業経営に論語を活かす経営者は少なくありません。
新一万円札で注目を浴びている渋沢栄一に始まり、その子孫の方もコモンズ投信において論語の大切さを唱えています。
北尾社長もその一人です。
いままで、
「それほど反響が無いのに北尾社長が論語に関する著書やSNSで発信をし続けるのは何故なんだろう?」
と疑問に思っていました。
むしろ、マイナス材料で述べたような不祥事がずっと続いていることから
「論語の効果はそれほどでもないのでは?」
とさえ感じていました。
けれども、よくよく考えれば、論語の重要性を社内外に発信し続けてきたのはご自身のためなのかもしれないと最近考えるようになってきました。
49歳で野村証券を飛び出し、野村證券を凌駕する会社を作ることは並大抵のことではありません。
きわどい判断を迫られることも数えきれないほどあったと思います。
それでも、創業以来ずっと社長として会社をここまで大きくできたのは、論語によって社長自身がその方向性を誤らなかったことが大きいと考えます。
定期的に不祥事が続いているものの、致命傷に至っていないことが論語のおかげなのかもしれません。
5 まとめ
SBIホールディングスについて述べてきました。
インフォメーションミーティングや高配当・株主優待など個人株主を重視する姿勢に好感を持っています(株主総会終了後の経営近況報告会についてもライブ配信されればさらに良い)。
また、SBIの戦略を読み解くことで金融・経済についての理解も深まります。
今後ともしっかりとモニターしていきたいと思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
※当ブログに掲載されている所感は、あくまでも個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではなりません。投資は自己責任でお願いします。